アトピーがひどくなる原因ってなんなのよ
こんにちは。橋本です。
アトピーの症状、湿疹がひどくなる原因として「考えられるもの」は、ひとつではありません。
たくさんあります。
このような「アトピーを悪化させる原因になりそうなもの」を、専門用語では悪化因子(あっか・いんし)とよんでいます。
アトピーの悪化因子として考えられているものには、たとえば次のようなものがあります。
体質、刺激、アレルギー…
悪化因子は、もともとの遺伝的体質、習慣による体質。そしてそれによる、刺激、アレルギーに対する弱さです。
皮膚のバリア機能がもともと低下している体質。それと、アレルギーを持ちやすい体質。
そして、いわゆる肌にとっての刺激。または、アレルギーの元、アレルゲン、抗原(こうげん:「アレルギー反応を引き起こすもの」のこと)と言われるものですね。
大まかにこのようなものが「原因になる可能性があるだろう」と言われていますが、まだ発見されていない原因があるかもしれません。
悪化因子が、その子の「アトピー悪化の原因」であることが証明しにくいからこそ
そして注意してもらいたいのは、ここに挙げたような悪化因子には、アトピーとの因果関係(いんがかんけい:「原因とその結果のつながり」のこと)がはっきりしていないものも含まれていること。
多くの人の経験談から、アトピーの悪化に関係していそうだけれども、「どれだけ」アトピーの悪化にかかわっているか、微妙なものもあります。
さらにアトピーを悪くする原因は、子どもひとりひとり、千差万別です。
それは、原因に、ひとりひとりの「体質」が、複雑にからみ合ってくるからですね。
ですから、「アトピーなら上に挙げたような悪化因子で悪化するはずですよー」というわけではありません。
なぜなら、ある子どものアトピーの悪化因子になっているものが、ほかの子どもにも悪化因子になっているとは限らないからです。
たとえば、「私の子どものアトピーは、昼間のシャワーの回数を増やしたら良くなったよ」というのを聞いて、「それじゃあ私も…」と実行しても、同じく効果が出るとは限らないわけですね。
また、通常は、悪化原因を1つ取り除いただけで、アトピーが明らかに良くなるということはありません。
なぜなら、アトピーは、複数の悪化原因が、複雑にからみあって起きている病気だからなのです。
ダニ対策を完璧にやったからといって、一気に症状がよくなることは、普通はまず考えられません。
だから、悪くなった湿疹を見ただけで、「ああ、掃除機をかけなかったから悪くなったんだね」とかいう決めつけはよくありません。
だからこそ、ほかの人の体験談をうのみにして、「私の息子もこれがアトピーの原因に違いない」と思い込まないようにする。
そんな冷静さも、時には必要です。
「アトピーの原因は血液検査でわかる」のウソ
で、よく血液検査でアレルゲンを調べましょう、と病院ですすめられることもあると思いますが、血液検査でアレルゲンは特定できません。
これが湿疹を悪くしているかもしれないね、という「可能性」がわかるだけです。それで犯人がわかるわけでは、ありません。
あくまでも、参考データとして考えるべきで、原因を間違って決めつけることは、症状の思わぬ悪化につながります。
そして大事なのは、「考えられる原因をすべてなくせば、症状がなくなる」というわけではないこと。
悪くするものをなくすのにも限界があります。そもそも完璧になくせないですし、やろうとすれば膨大な時間と手間がかかります。
今、子どもに湿疹があるなら、まずはきちんと薬などを使って、症状をおさえる。楽にしてあげる。それが最優先です。
そのうえで、「症状を悪くするもの」をできる範囲で取り除く。
そういう感じで、肩の力を抜いてゆっくりやっていければ、ケアをするママも楽になります。
優先順位を見失い、努力をムダにしないために
食事に気をつけても、汗をかかないようにしても、今ある皮膚の炎症はよくなりません。
「症状を悪くするもの」のうち、アレルギーの原因、アレルゲン。どのアレルゲンがうちの子のアトピーを悪くしているのか。
はっきりさせるのは、難しいです。日頃の観察が必要です。
はっきりするまでは、最低限の3つに絞って対策を打つ のが、あれこれやるより無駄なストレスになりません。
たしかに、いくらステロイドなどの塗り薬を使っていからといって、アトピーを悪化させる大きな原因を放置していいわけではありません。
しかし、治療の優先順位を間違えないことも、もっと重要なんですね。