観た、『エイリアン4』 | Joon's blog

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『エイリアン4』を観ました。

 

連合軍の医療研究船オリガ号にやって来た輸送船ベティ号のクルーたち。ベティ号のリーダーであるエルジンは、連合軍のベレス将軍と怪しい取引をしているようだ。

その頃、とある女性と出会ったエルジンの仲間たちと、その中の1人であるコールは目を疑う。それは200年も前に死んでいたはずのリプリーだった。軍は捕獲したエイリアンの研究や実験の中でリプリーをクローンとして蘇らせたのだ。

研究室ではエイリアンが脱走し、船内は大パニックに陥る。リプリーはエルジンらと合流し、ベティ号での脱出を図る。その中、リプリーはクイーンの気配を感じ取り……といったお話。

 

今であればスピンオフだの前日譚だのと言った、後付け設定の関連付け作品なんかいくらでも作れそうなものですがね、今作は正統な続編であり正伝です。

とは言え、主人公をコピー化してまで続編をやりたいかね?と。

どうも(原題に)“resurrection”と付く作品、かつシリーズ4作目は蛇足になってしまうものなんだなと感じますね……な、『マトリックス レザレクション』よ

 

エイリアンを地球に運び込んではならない――これまでリプリーはそんな思いを抱きながら奮闘してきたわけですが、そんな努力も空しく、エイリアンは軍の手に渡ってしまいます。

『~3』よろしく、今作も前作(まで)の努力の否定から始まっているのは面白いですね。

 

姿や形はリプリーそのまんまですが実はクローンでーすなんて知ってしまうと、どことなく人間味を感じないというか興醒めしてしまいます。

が、本作の秀逸な点、かつ、リプリーを演じるシガーニー・ウィーバーさんが出演を決めたという、クローンのリプリーの試作品が集まる部屋のシーンは見どころです。

ちゃんとした人間の姿として活動しているリプリーは8号ですが、1~7号は人間には程遠い姿をしていて、その見るに堪えない姿はグロテスクの中に悲哀すら感じます。

そして、怒りと同情に満ちた表情でこれらを焼き払うリプリーこそ、悲しい存在なのかもしれませんね。

序盤から、どこか超人めいた力を感じる今作のリプリーですが、このシーンを境に一気に人間味が増すと同時に、弱体化するような感じすらします。

 

そしてもう一つの結果は、クイーン(エイリアン)が生み出した新種のエイリアン(ニューボーンというそうな)。

人間の面影を残すのみならず、多少の感情表現ができるようになったようですが、これは嫌らしい進化ですね。

リプリーに母性を感じるせいか、愛玩動物のように身を寄せてきたり、困った時には瞳をウルウルさせてこっちを見たり、つまりは生まれたばかりの赤子を表現したいんでしょうが、媚びた感じでイラッとします

ネット検索のサジェストでは“エイリアン4 ニューボーン かわいい”やら、“~ かわいそう”なんてワードが検索予測候補として出てくるんだから、易々と引っ掛かる人が多いというか、純粋なんだな…。

 

つくづく、エイリアンの恐怖は目がない点にあると感じます。

目(の動き)がなければ次の行動が予測できないだけでなく、無感情、かつ無慈悲な存在として恐怖を感じるんです。

目がないキャラって地味に偉大な発明だったのに、それをフイにしちゃうんだから勿体ないというか不粋な話です。

 

そんな蛇足にしか思えない今作ですが……ウィノナ・ライダーさんが出てるなら進んで観るよね(笑)。

本作を観ると、ウィノナ=ノニーさんって意外に華奢で小柄なのかな?と。比較対象がデカい&ゴツい野郎ばかりというのもあるけど、そこに混じって必死に虚勢を張る姿や、その正体も含めて色々と可愛いんです。

ビショップよりもこっちだよな!

 

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Blu-ray版は劇場公開版と完全版を収録。

単にシーンを増やしただけでなく、全く異なる終わり方をする完全版は一見の価値がありますよ。

 

 

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