『エイリアン:コヴェナント』を観ました。
2000人の入植者を乗せた宇宙船コヴェナント号は、人類の新たな植民地となる惑星オリガエ-6を目指していた。
冷凍睡眠から覚める際のトラブルにより、ダニエルズはコヴェナント号の船長でもある夫を失う。
乗組員らが悲しみに暮れる中、コヴェナント号は謎の信号をキャッチ。新たに船長となったオラムはダニエルズの反対を押し切り、発信源である惑星に向かう。
惑星に着陸し、信号の発信源を捜索する探査隊は巨大な宇宙船を発見。内部を探索しているうちに、ここにはプロメテウス号の乗組員がいたことが判明する。
一方、生物探査をしていた乗組員の体内に黒い胞子が侵入し、体を突き破って謎の寄生生物が現れる。俊敏で獰猛な寄生生物に太刀打ちできない探査隊は、何者かにより窮地を救われる。それは、かつてプロメテウス号に同乗していたデヴィッドだった……といったお話。
正伝と呼べる『エイリアン』から始まる『~4』はひとまず完結しましたが、本作はそれらの前日譚となる『プロメテウス』に次ぐ続編です。この前日譚=プリクエルシリーズとは、正伝=オリジナルシリーズでは語られなかったエイリアンの正体やルーツを探るのが主目的のようです。
謎を謎のままにしておかないのは無粋に感じない事もないんですが、まぁ昨今流行りの風潮ですからね。所詮は後付け設定なので、話半分として聞いておくのが上手な付き合い方ってモンです。
エイリアン(と便宜的に呼ぶ)は誰が何のために創ったものなのか?という謎に対し、前作『プロメテウス』ではその片鱗を見せる程度でしたが、エイリアンの出自は今作でほぼ明らかになったと言っても過言ではないでしょう。
これまで言葉の端々に出てきたヒントから、エイリアンはどこかの星の人間が作った生物兵器であると察せられますが、色々と辻褄は合うものの、実際にそれをハッキリさせてしまう=種明かしされると一気にスケールダウンしちゃうんだよ。
今作には前作に登場したアンドロイド、デヴィッドにそっくりな後継機ウォルターが登場します。まぁ、この時点でデヴィッドの登場を予測するのは難しくないと思います。
デヴィッド型はあまりに性能が高いようで、従順(or服従)こそが存在意義であるアンドロイドとしての分をわきまえないどころか、プライドや野心に加え愛情すら持ち合わせているほどです。この人間臭さがシリーズを揺るがす大事件を起こすんですが…。
そんな反省から、ルックスは瓜二つながら思考が単純化されたウォルターが作られ、さらに従順さが増したアッシュやビショップに繋がるんでしょう。
でも…もちろん一番はコールだよな!
今作はエイリアンの種類が多く、同一態のものがいないんだよね。
様々な方法でビックリさせたがる、モンスター映画としての側面が強い感じ。ネオモーフだのゼノモーフだの、後付けの名前なんかどーだっていいよ(笑)。
新形態やら新種なんかより、エイリアンが密閉空間から脱け出して大自然の空の下に姿を晒す方が新鮮です。
『プロメテウス』からの今作という事で、エイリアンのルーツも明らかになったし、ここから正伝(の『~(1)』)に繋がっても不足はないどころか、これ以上のプリクエルシリーズは蛇足になっちゃうよなぁ。
まだ擦り続けたいならどっかの配信サービスでやって下さいな。見ないけど。
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Blu-ray版にある映像特典は一見の価値があるどころか、必見モノですね。
今作の前日譚やサイドストーリーがわざわざ撮り下ろされていて、実に贅沢。本編にはほとんど登場しない人がこっちに出ているような豪華な布陣で、オマケ映像に留めておくのは勿体ないくらい。スピンオフ作品のあるべき姿にも思えます。
キャラ紹介の要素もあるので、未見の人には先にこっちを見ておくのをオススメしてもいいかもしれません。
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