#5のコントですが、独立しているので、
#1を読んでいなくても楽しめます。
ちなみに、#1はこちら。
#2はこちら。
#3はこちら。
#4はこちら。
#5はこちら。
女神
(泉の真ん中で浮いている)
男性
(泉を通り過ぎる)
女神
「あの・・・!」
男性
「・・・はい?」
女神
「(金の斧と銀の斧を取り出し)あなたが落としたのは、
この金の斧ですか?それとも銀の斧ですか?」
男性
「・・・え?」
女神
「金の斧ですか?
銀の斧ですか?」
男性
「・・・いや、私は何も落としてないですけど。」
女神
「あなたは大変正直者ですね。
この金の斧と銀の斧を差し上げます。」
男性
「(斧を2本手にして)え・・・。」
女神
「それでは・・・(泉に沈んでいく)。」
男性
「(斧を2本持った状態で立ち尽くしたまま)え・・・。
え、え、え、え?
(泉に向かって)すみません!!すみません!!」
女神
「(泉から上がってくる)どうしました?」
男性
「あの・・・、これ私の斧じゃないんですけど。」
女神
「はい。正直者ですね。
さしあげます。」
男性
「いや、要らないんです。」
女神
「そんなことないです。」
男性
「ホントに要らないんです。」
女神
「それでは(沈もうとする)。」
男性
「待って待って待って!
上昇上昇上昇!」
女神
「(上がってくる)まだ何か?」
男性
「いや、ホントに要らないんですけど。」
女神
「いえ、私は知ってます。
人間はこういうのが好きなんですよね。」
男性
「何ですか、『こういうのが好き』って。」
女神
「長年女神をしてきて、わかったんです。
好きなんですよね、こういうのが。」
男性
「まぁ、嫌いではないですけど。」
女神
「ですよね。
では、そちらは差し上げます。」
男性
「だから、要らないです。」
女神
「そんなことないです。」
男性
「そんなことなくないです。」
女神
「強情ですね。」
男性
「どっちがですか。」
女神
「お持ち帰りください。」
男性
「いや、ホントに要らないんです。
(斧を泉のほとりに置いて)失礼します!(走り去ろうとする)」
女神
「(斧を拾って)落とし物ですよー!」
男性
「だから、ワタシのものじゃないんですって!」
女神
「本当に正直者ですね。
はい(金の斧と銀の斧を渡す)。」
男性
「なんでそんなに金の斧と銀の斧を渡したがるんですか。」
女神
「ワタシ、正直者推しなんです。」
男性
「正直者推し?」
女神
「推しにはたくさん注ぎ込みたくなるじゃないですか。」
男性
「・・・うん。
だからといって斧を渡していい理由にはならないです。」
女神
「投げ銭みたいなものですよね。投げ斧です。」
男性
「投げ斧って、それはもうただの殺意ですよ。」
女神
「なので、遠慮なくどうぞ。」
男性
「ホントに要りません。
私これから銀行に融資の打ち合わせをしにいくんです。
こんな武器持って銀行に行ったら、実力行使に出た人みたいに見えちゃいます。」
女神
「切れ味鋭いので大丈夫です!」
男性
「『切れ味鋭いので大丈夫です』の意味がわからない。」
女神
「お金が必要なのですか?」
男性
「そうです。
だから銀行に行くんです。
こんなの持ってたら警備員に止められちゃいます。」
女神
「その場合は、その斧を換金すれば大丈夫です。」
男性
「買い取ってもらえないですよ。
武器の形してますから。」
女神
「わかりました!
金の斧と銀の斧、もう一本ずつ追加しましょう!」
男性
「・・・『この人、わかってないな』ってことだけはわかった。」
女神
「では、斧2セットお持ち帰りください。」
男性
「もう・・・。ただこの道を通っただけなのに。
どうしたらよかったんだろ。」
エンジン音
「ブーン。」
女神
「あ、バイク通るので気をつけてください。」
男性
「あ、はい。(少し横によける)」
バイクに乗った青年
(泉の前をバイクが通過する)
女神
「(バイクの運転手に)あなたの落としたのはこの金の斧と銀の斧ですかー?」
バイクに乗った青年
「(スピードを緩めずバイクを走らせながら)そーだよー。」
女神
「あー。嘘つきか。」
男性
「なるほどね。
この辺の住民なのかな。あしらい方がうまい。」
金の斧シリーズもだいぶ増えてきましたね。
そして、書いている最中に金の斧シリーズの別シチュエーションが更に浮かびました。
お楽しみに。
【コント】出所前日の出来事
【お題コント】栗
【コント】天使と悪魔の2択の話#3
【コント】ケルベロス
【コント】乙姫と浦島と玉手箱#5
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