#4のコントですが、独立しているので、

#1、#2、#3を読んでいなくても楽しめます。

 

ちなみに、#1はこちら

#2はこちら

#3はこちら


 

木こり
「(泉の近くで木を切っている。勢い余って、斧を泉に放り投げてしまう)あぁっ!大事な斧が!!」

女神
「(泉から斧を持って出てくる)私は泉の女神です。」

木こり
「女神さま!」

女神
「あなたが落としたのは、この金の斧ですか?」

木こり
「いえ、違います。」

女神
「では、あなたが落としたのはこの銀の斧ですか?」

木こり
「いえ、それも違います。」

女神
「では、あなたが落としたのはこの鉄の斧ですか?」

木こり
「それはどこで見つけたのですか?」

女神
「泉の底でくつろいでいたら、上からゆっくり落ちてきたのです。」

木こり
「あなたは大変正直者ですね。
 この金の斧と銀の斧を差し上げます(金の斧、銀の斧を差し出す)。」

女神
「(斧を受け取る)ありがとうございます。」

木こり
「これからも正直に生きるのですよ。」

女神
「わかりました。」

木こり
「それでは(帰っていく)。」

女神
「(手を振りながら)はい。」


(女神、穏やかな顔で手を振り続ける。が、途中で疑問の顔に変わる)


女神
「いや、違う違う違う。木こりよ、戻ってきなさい。」

木こり
「(戻ってくる)どうしました?」

女神
「違います。」

木こり
「違う?」

女神
「一旦、これ返します(金の斧と銀の斧を木こりに渡す)。」

木こり
「(斧を受け取る)返された・・・。」

女神
「私があなたに質問をするのです。」

木こり
「女神さまが私に・・・。」

女神
「あなたは私の質問に正直に答えなさい。」

木こり
「わかりました。」

女神
「あなたが落としたのは、この金の斧ですか?」

木こり
「違います。」

女神
「では、あなたが落としたのはこの銀の斧ですか?」

木こり
「違います。」

女神
「では、あなたが落としたのはこの鉄の斧ですか?」

木こり
「私の斧には名前が書いてあります。
 その斧には書いてありますか?」

女神
「(斧の柄を見て)小野と書いてあります。」

木こり
「あなたは大変正直者ですね。
 この金の斧と銀の斧を差し上げます(斧を差し出す)。」

女神
「(斧を受け取る)ありがとうございます。」

木こり
「正直に生きるのですよ。」

女神
「わかりました。」

木こり
「では(帰っていく)。」

女神
「(手を振りながら)お気をつけて。」


(女神、すぐに笑顔から疑問の顔を変わる)


女神
「うん、違う違う違う。
 木こりよ、戻ってきなさい。」

木こり
「(戻ってきながら)あぁんっ?!」

女神
「なんで、イラついてるんですか。
 これ返します(金と銀の斧を返す)。」

木こり
「(斧を受け取る)また返された・・・。」

女神
「私のペースでやらせてください。」

木こり
「女神さまのペースで。」

女神
「あなたは私に質問しないように。」

木こり
「わかりました。」

女神
「あなたの落としたのは金の斧ですか?」

木こり
「ごめんなさい。
 なんて言ったんですか?」

女神
「あなたの落としたのは金の斧ですか?」

木こり
「その通り。
 あなたは大変正直者ですね(金と銀の斧を渡す)。」

女神
「(受け取る)ありがとうございます。
 だぁーっ、もう!違う違う違う(斧を突き返す)!」

木こり
「何ですか?何が不満なんですか?」

女神
「あなたが落としたのは金の斧ですか?」

木こり
「違います!」

女神
「銀の斧ですか?」

木こり
「違います!」

女神
「鉄の斧ですか?」

木こり
「違います!」

女神
「違わないです!!」

木こり
「あなたは大変正直者ですね(斧を渡す)。」

女神
「ありがとうございます(受け取る)。
 違うっ(突き返す)!」

木こり
「感情が忙しいですね。」

女神
「あなたのせいです!!」

木こり
「正直者ですね(斧を渡す)!」

女神
「ありがとうござ・・・違うっ(受け取り、突き返す)!!」

木こり
「なんで受け取ってくれないんですか?」

女神
「一旦ストップ!!
 このままじゃキリがない!」

木こり
「はい。」

女神
「まず、質問をするのは私です。
 あなたが質問に対して質問で返すから、話がややこしくなるんです。」

木こり
「なるほど。」

女神
「あなたは私からの質問にたった3問答えるだけで金の斧と銀の斧がもらえるんです。」

木こり
「そんなうまい話あるんですか?」

女神
「あるんです!!」

木こり
「あなたは大変正直者ですね(斧を渡す)。」

女神
「ありがとうございます(受け取る)。
 だぁーっ!もう!!
 またそうやって質問するっ(斧を返す)!!」

木こり
「女神さまもバカ正直に答えなくても・・・。」

女神
「油断ならないヤツだ・・・。
 この泉始まって以来の強敵だ・・・。」

木こり
「そうなんですか?」

女神
「・・・あなたが落としたのは金の斧ですか?」

木こり
「違います。」

女神
「では、銀の斧ですか?」

木こり
「違います。」

女神
「では、この鉄の斧ですか?」

木こり
「ちょっとよく見せてもらっていいですか?」

女神
「はい、どう・・・(斧を渡そうとして引っ込めて)あぶねっ!!
 ここで素直に渡してたら正直者扱いされる!
 渡しません!その距離で見てください!」

木こり
「メガネかけていいですか?」

女神
「はい、いいで・・・いいや、ダメだ!
 許可したら正直者扱いされる!
 裸眼だ!裸眼で見ろ!!」

木こり
「(目を細めながら斧を見つつ)女神さまはこの仕事始めて長いんですか?」

女神
「いえ、この春でちょうど3年・・・、あぶねっ!!
 正直に答えるところだ!
 そういうトラップも入れてくるか!!」

木こり
「いちいちバカみたいに答えなくていいですよ。」

女神
「そっちが質問してくるから・・・。
 あとさっきからちょいちょい挟んできてますけど、私はバカじゃないっっ!!」

木こり
「あなたは大変正直者ですね(斧を渡す)。」

女神
「(髪をかきむしりながら)だぁーーーーっっ!!

 ムキィーーーッッ!!」

 

 

 

 

【コント・セルフ・ライナーノーツ】

いつの間にか立場が入れ替わるコントというアイディアから、金の斧、銀の斧と紐づけて作ってみました。

あとは、自然に立場を入れ替えるアイディアを次々挙げていって、つなげていったという流れです。

 

 

【上演メモ】

人数:2人

女神

木こり

 

所要時間:4分~5分
上演難易度:★★★☆☆
備考:テンポが大切なコントであり、何度もリセットされてしまうコントなので、順番を間違えないように何度も練習する必要があります。

また、最初に木こりが女神に金の斧、銀の斧を差し出すまで、2本の斧は隠しておく必要があるので、その仕掛けを考える必要もあります。

 

でも、キレイに演じ切ることができればカッコいいです!

 

【過去コントを5本チョイスしました。こちらもどうぞ。】

【コント】試着室
【コント】キャッツアイ
【コント】黄門さまのおさばき#3
【コント】白ヤギさんと黒ヤギさん
【コント】きっかけ

 

 

 

【コメント募集中】

今後のコント作りの励みになるので、ぜひ、感想をお聞かせください。

 

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・今回のコント、実演(アニメ化)するならキャストは誰

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