(泉のほとり。木こりが木を切っている。)



木こり
「よいしょ!よいしょ!
 なかなか切れないな・・・。
 よいしょ!よいしょ!
 よいしょっ!!」



(木こり、泉に木を落としてしまう。)



木こり
「あぁ!大事な斧が・・・!!」



(突然、泉が光りだし、泉から神様が出てくる。)



神様
「いらっしゃいませ。こんにちはー!
 ご注文の方、お決まりでしたらどうぞ。」


木こり
「注文?
 ・・・いや、あの、えーと・・・」


神様
「こちら、メニュー表になりまーす。
 (メニュー表を木こりに渡す。)」


木こり
「(メニュー表を見ながら)えーと・・・

 普通の斧、あった。これだ。

 (メニュー表の普通の斧を指さし)
 泉に斧を落としてしまったのですが、
 なんとか、見つけてくれませんか?」


神様
「かしこまりました。
 (奥に向かって)ワン斧プリーズ!」


泉の底からの声
「ワン斧サンキュー!」


神様
「他にご注文ございませんか?」


木こり
「えーと・・・、特にないです。」


神様
「現在、期間限定で
 柄の部分に目玉焼きをあしらった
 『月見アックス』がございますが、
 こちらの方、いかがでしょうか?」


木こり
「いや・・・、大丈夫です。」


神様
「またお願いしまーす。
 斧の方、店内でご使用ですか?」


木こり
「店内?」


神様
「この泉の周辺が店内になります。」


木こり
「でしたら、店内で・・・。」


神様
「かしこまりました!」


泉の底からの声
「ワン斧ウェイトでーす!」


神様
「申し訳ございません。
 斧の方、ただいま探しておりますので
 お時間3分少々いただいてよろしいですか?」


木こり
「3分で見つけてくれるのであれば・・・。」


神様
「では、こちら2番の番号札をお持ちになって、
 列からズレてお待ちください。(泉に沈む)」


木こり
「・・・はい。」



(1分後)



神様
「(泉から出てくる)2番の番号札でお待ちのお客様!」


木こり
「はい。」


神様
「申し訳ございません。
 斧の方、見つけるのにもう少々時間がかかりそうでして・・・
 代わりに泉の中で見つけた金の斧、銀の斧でしたら、
 すぐにご用意できるのですが・・・」


木こり
「いや、私が落としたのはそんな立派な斧ではないので・・・」


神様
「なるほど。
 かしこまりました。」


電子音
「♪ピロリ、♪ピロリ、♪ピロリ。」


神様
「あ。
 (奥に向かって)ポテトあがりまーす。
 お客様。斧の代わりにはなりませんが、
 ポテトでしたら、すぐにお出しできるのですが・・・」


木こり
「いや、いらないです。
 確かに斧の代わりにはならないとは言われましたけど・・・。」


神様
「かしこまりました。
 もう少々お待ちください。
 (泉に沈む)」



(3分後)



神様
「(泉から出てくる)2番の番号札でお待ちのお客様!」


木こり
「はい。」


神様
「大変お待たせしました。
 普通の斧、見つかりました。(普通の斧を渡す。)
 あと、こちら、正直者のお客様にお渡ししているおまけになります。
 (金の斧、銀の斧を渡す。)」


木こり
「(金の斧、銀の斧をもらう)
 あ・・・ありがとう。」


神様
「商品の方、紙の袋にお入れいたしましょうか。」


木こり
「はい。お願いします。」


神様
「お待たせしました。
 (紙袋を木こりに渡す)
 金の斧、銀の斧、普通の斧になります。
 紙袋、大変破れやすくなっているので、ご注意ください。
 またのご来店をお待ちしています。
 ありがとうございました。」


木こり
(帰っていく)




テロップ
泉の神様アルバイトクルー育成DVD・上巻「正直者編」は以上になります。
下巻「ウソつき編」では木こりがウソつきだった場合の対処法をレクチャーします。










【コント・セルフ・ライナーノーツ】

金の斧、銀の斧でコントを作れないか考えていた時に、

マクドナルドに立ち寄って思いついたコントです。


月見バーガー食べたいな。