悪代官
「ほっほっほ。
それにしても越後屋。お主もワルよのぅ。」
越後屋
「いえいえ、お代官様程ではありません。」
悪代官
「いやいや、越後屋。お主も相当のワルよのぅ。」
越後屋
「いえいえいえ、お代官様程ではありませんよ。」
悪代官
「いや、お主の方がワルだよ。」
越後屋
「いえいえ、お代官様の方がワルです。」
悪代官
「お主の方がワル！」
越後屋
「お代官様の方がワルです！」
悪代官
「お主がワル！」
越後屋
「お代官様がワルです！」
悪代官
「ちょっと、誰かに決めてもらおう。誰か！誰かおらぬか！」
女中
「お呼びでしょうか？」
悪代官
「ちょっと、ワシと越後屋、どっちがワルだと思う？」
女中
「どっちがワルかですか？」
越後屋
「直感で。あまり考えずに。」
女中
「んー。やっぱりお代官様の方がワルかと・・・」
越後屋
「よっしゃ！よっしゃ！」
悪代官
「えー、ワシの方がワルなの？」
女中
「でも、越後屋さんも、なかなかのワルですよ。」
悪代官
「そういうフォローいいから。」
越後屋
「もう戻っていいですよ。」
女中
「失礼します。」
悪代官
「えー、ワシ、ワルかなぁ。」
越後屋
「ワルですよ。」
悪代官
「ワシ、結構募金とかしてるよ。」
越後屋
「え、そうなんですか？」
悪代官
「コンビニのレジの横に募金箱あったら、必ず募金するようにしてる。」
越後屋
「へぇ。立派じゃないですか！」
悪代官
「ワシ、ワルかな？」
越後屋
「ワルですね。」
悪代官
「ワルなんだ。
え、でも、越後屋の方がワルだよ。」
越後屋
「いや、わたくしは善です。」
悪代官
「わ、きったねー！ワシの方が善だよ。」
越後屋
「いや、お代官様はワルです。」
悪代官
「揺るがないな！お主の方がワルだよ。」
越後屋
「わたくしは神です。」
悪代官
「いや、お主はワルだよ。」
越後屋
「わたくしはゼウスです。」
悪代官
「いや、お主はワルだよ。」
越後屋
「わたくしはメシアです。」
悪代官
「どんどん、神々しくなってるよ！
お主はワルだよ。
それ以前に越後屋だよ。」
越後屋
「わたくしは越後屋です。」
悪代官
「そうだよ。」
越後屋
「いい越後屋です。」
悪代官
「いや、悪い越後屋。」
越後屋
「決して悪くはない越後屋です。」
悪代官
「いや、悪い越後屋。」
越後屋
「悪い人ではないんだけど、いい人でもない、そんな越後屋です。」
悪代官
「いや、悪い人だよ。まず、そこ認めようか。」
越後屋
「食べログ、星平均４.１です。」
悪代官
「いや、そんなによくないよ。２未満だよ。」
越後屋
「駅から徒歩２分です。」
悪代官
「いや、立地もそんなによくないよ。」
越後屋
「もうすぐ２号店ができます。」
悪代官
「羽振りもそんなによくないよ。
お主はワル。
そして、ワシは善だから。」
越後屋
「お代官様はワルです。」
悪代官
「一貫してるね。」
越後屋
「洗濯物が乾きません。」
悪代官
「そんなことないよ。日当たりいいよ。」
越後屋
「変な後味が残ります。」
悪代官
「そんなことないよ。口当たりもいいよ。」
越後屋
「お腹の調子が悪いです。」
悪代官
「そんなことないよ。食あたりでもないよ。
とにかく、お主がワル！」
越後屋
「お代官様の方がワルです！」
悪代官
「お主がワル！」
越後屋
「お代官様の方がワル！」
仕事人
「そこまでだ！」
悪代官
「何奴！？」
仕事人
「（ふすまを勢いよく開く）街の人を困らせる悪人どもめ！
懲らしめてくれる！」
悪代官
「いや、ワシはワルじゃない。」
越後屋
「わたくしもワルじゃないです。」
仕事人
「いや、違う。
お前らはワル！」
悪代官
「いや、ワシは善。」
越後屋
「わたくしも善。」
悪代官・越後屋
「お主がワル。」
仕事人
「何でだよ！
何で悪人を退治しに来たのに、
悪人からワルのレッテルを貼られないといけないんだよ。」
悪代官
「いや、悪人じゃない。ワシは善。」
越後屋
「わたくしも善。」
悪代官・越後屋
「お主がワル！」
仕事人
「違う！お前らがワル！」
悪代官
「いや、ワシは善。」
越後屋
「わたくしも善。」
悪代官・越後屋
「お主がワル！」
仕事人
「何でそこ、息ぴったりなんだよ！」
悪代官
「者ども！出あえ出あえ！」
仕事人
「出てきたな、悪人ども！」
悪代官
「自分は善だと思う人！」
悪代官・越後屋・悪人たち
（手を挙げる）
仕事人
「何でだよ！よく聞いて！みんなワル！」
悪代官
「いや、ワシは善！」
越後屋
「わたくしも善！」
悪人たち
「みんな善！」
悪代官・越後屋・悪人たち
「お主がワル！」
仕事人
「違う！私は善！」
悪代官
「ワシが善！」
越後屋
「わたくしも善！」
悪人たち
「みんな善！」
悪代官・越後屋・悪人たち
「お主がワル！」
仕事人
「あーっ！もう！（逃げ帰る）」
悪代官
「仕事人が逃げ帰った・・・」
越後屋
「お代官様、この作戦、いけますね。」
悪代官
「確かに。越後屋、お主はやっぱりワルよのぅ。」
越後屋
「いや、わたくしは善！」
悪代官
「揺るがないね。」
今年の夏くらいに作ってあったコント。
「お主もワルよのぉ」から始まってどんどん脱線していく流れ。
登場人物が全員、何でそこまで悪と呼ばれるのをイヤがるのかは、よくわかりません。
人数：４人以上
悪代官
越後屋
仕事人
女中
悪人たち
所要時間：４分～５分
難易度：★★★☆☆
備考：悪人たちを含めて、人数がたくさん必要なのと、最後の「お主がワル！」の部分はテンポの良さがポイントだと思うので、大勢で息が合うように何度も練習する必要があると思います。
【コント】カガミよ、カガミ。
【コント】神様との別れ
【コント】博士のひらめき
【コント】魔球
【コント】ブラックの苦悩
先日実演された「ランプの魔人」「ランプの魔人＃３」がyoutubeにアップされました。
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