(桜井の目の前にランプが置かれている)


桜井
(ランプをこする)


ランプ
(煙が出てきて、中から魔人が出てくる)


魔人
「我こそはランプの魔人。
 お前の願いを3つ叶えてやろう。」


桜井
「やっぱりこれは魔法のランプだったんだ。
 願い事か・・・どうしよう。」


魔人
「時間はたっぷりある。
 ゆっくり考えるのだ。」


桜井
「そうだな。
 やっぱり、『大金持ちになりたい』かな。」


魔人
「『大金持ちになりたい』・・・
 それがお前の望みか。
 よし、叶えてやろう。」


桜井
「やった!」


魔人
「アブラカタブラ・・・
 アブラカタブラ・・・
 てぇーーーーい!!(勢いよくジャンプする)」



(次の瞬間、ランプに足をひっかけ、魔人、激しく転倒する。
 動かなくなる魔人)



魔人
「・・・。」


桜井
「・・・あれ?
 魔人さん?大丈夫ですか?」


魔人
「(気がつく)いてててて・・・
 思いっきり頭を打っちまったぜ。
 ついてねぇや。」


桜井
「よかった。死んじゃったんじゃないかと思って心配しましたよ。」


魔人
「えーと・・・。あんたは?」


桜井
「え?あの、ご主人様。
 願い事を叶えてくれるって・・・」


魔人
「あ、そうかそうか。
 わりぃわりぃ。
 頭を打って、記憶が飛んじまった。」


桜井
「記憶どころか性格も変わったみたいな・・・」


魔人
「さてと。
 あんたの願いを1つだけ叶えてやるぜ。」


桜井
「え?3つじゃないんですか?」


魔人
「3つ?
 なに言ってんだ。
 オイラは元から、願い事は1つだけって決めてるんだ。」


桜井
「頭を打って性格が変わって、願い事の数まで変わっちゃった・・・
 さっきの性格の魔人の方がよかったな。
 そうだ。」


魔人
「さて、願い事は何にする?」


桜井
「とうっ!(魔人を転ばせる)」


魔人
「おぅゎ!!(派手に転ぶ)」


桜井
「魔人さん?大丈夫ですか?」


魔人
「我は大丈夫だ。
 それよりも、3つの願いのうち、1つ目は決まったか?」


桜井
「よっしゃ!!性格が戻ったし、願い事の数も3つに戻ったぞ!
 1つ目の願いは『大金持ちになりたい』です!」


魔人
「よし、叶えてやろう。」


桜井
「よし!」


魔人
「アブラカタブラ・・・
 アブラカタブラ・・・
 てぇーーーーい!!(勢いよくジャンプする)」



(次の瞬間、ランプに足をひっかけ、魔人、激しく転倒する。
 動かなくなる魔人)



桜井
「だから、なんでまたそこで転ぶんだよ!」


魔人
「いってぇー。
 また転んじまったぜ。」


桜井
「そして、なんでまた性格変わるんだよ。」


魔人
「さて、あんたの願いを1つだけ叶えてやるぜ!」


桜井
「また1つに戻っちゃった。
 くらえ!!(魔人の後頭部を殴る)」


魔人
「ぐはっ!!」


桜井
「魔人さん、調子はどうですか?」


魔人
「うぅ・・・。」


桜井
「ちょっと強く殴りすぎちゃったかな・・・?」


魔人
「ワタクシは大丈夫でございます。
 それよりもご主人さま、
 願い事をお申し付けください。」


桜井
「また性格変わった!
 ってことは願い事の数も?
 ・・・あの、願い事はいくつ叶えてくれるんですか?」


魔人
「5つでございます。」


桜井
「増えた!
 よし、その性格キープで。
 最初の願いは『大金持ちになりたい』。」


魔人
「かしこまりました。」


桜井
「やった!」


魔人
「アブラカタブラ・・・
 アブラカタブラ・・・
 てぇーーーーい!!(勢いよくジャンプする)」



(次の瞬間、ランプに足をひっかけ、魔人、激しく転倒する。
 動かなくなる魔人)



桜井
「また転んだ!
 だから、今の性格を大事にしろって言ったろ!?」


魔人
「いててててて・・・
 まったく今日はついてねぇや・・・
 さて、あんたの願いを1つだけ叶えてやるぜ!」


桜井
「おまえパス!(後頭部を殴る)」


魔人
「っ・・・・!!
 お前の望み、3つまで叶えてやろう!」


桜井
「あなたもパス!(後頭部を殴る)」


魔人
「痛いわね、なにするのよ!!
 そんなことより、あなたの望み、2つまで叶えて上げるわ!」


桜井
「誰だ、お前!(後頭部を殴る)」


魔人
「ご主人さまの願い、5つまで叶えて差し上げましょう。」


桜井
「来た!『大金持ちになりたい』!」


魔人
「かしこまりました。」


桜井
「やった!」


魔人
「アブラカタブラ・・・
 アブラカタブラ・・・」


桜井
「待って!」


魔人
「どうなさいました、ご主人様?」


桜井
「ここでジャンプすると、また転ぶからジャンプしないで。」


魔人
「かしこまりました。」


桜井
「よし。」


魔人
「アブラカタブラ・・・
 ・・・ヘッ・・・ヘッ・・・ヘッキシュン(思い切りくしゃみをする)!!」


桜井
「花粉の季節だからね。
 魔人も花粉症なんだ。」


魔人
「そうなんすよ。
 さて、あんたの願いを一つだけ叶えてやるぜ!」


桜井
「なんでくしゃみすると、性格変わるんだよ!(後頭部を殴る)」


魔人
「お前の望みを3つまで・・・」


桜井
「パス!(後頭部を殴る)」


魔人
「痛いわね!あなたの願いを2つだけ・・・!」


桜井
「パス!(後頭部を殴る)」


魔人
「ギー・・・ガガガ・・・
 オマエのネガイ、3ツ、カナエマショウ・・・」


桜井
「パス!(後頭部を殴る)」


魔人
「ボク、魔人!
 お兄さんの願いを10こ叶えてあげるよ!」


桜井
「10こ?!」


魔人
「ウソ。1こ。」


桜井
「大人をナメるな!(後頭部を殴る)」


魔人
「痛ぇなぁ!何度も頭を殴るんじゃねぇよ!」


桜井
「お前、誰だ!?」


魔人
「ランプの魔人だよ。」


桜井
「違う。願い事の数いくつの魔人だ?」


魔人
「6つだけど?」


桜井
「最高記録来た!
 でも、お前の実力はそんなもんじゃないはずだ。
 もっとがんばれば15はイケる!」


魔人
「6つでも相当頑張ってると思うけど・・・」


桜井
「なんであきらめるんだよ。
 あきらめたらそこで終わりなんだよ。
 まだ限界は来ていない!!そうだろ?!」


魔人
「・・・松岡修造?」


桜井
「違う!とにかく15を目指せ!(殴る)」


魔人
「貴様の願い、4つまで叶えてやろう!」


桜井
「ダメだ!目指せ、15!(殴る)」


魔人
「お前の願い、6つまで叶えてやるよ!」


桜井
「ダメだダメだ!15の道は厳しいぞ!(殴る)」


魔人
「あんたの願い、7つまでかなえてやるってばよ!」




こうして彼らの願い事15こを目指す特訓が始まった。


彼らの目標は2020年の東京オリンピック出場。


ちなみに、願い事の世界記録は
2004年にアテネオリンピックで達成された16.4こ。


彼らの戦いはまだまだ続く!!










【コント・セルフ・ライナーノーツ】

多重人格×ランプの魔人 という発想から生まれたコント。

オチを決めずに書き始めたので、いろいろ迷走しましたが、

落ち着くところに落ち着いた感じです。