ヌワラ・エリヤ ペドロ茶園で学ぶ | スチュワード麻子オフィシャルブログ 「ティータイムのある暮らし」

ヌワラ・エリヤ ペドロ茶園で学ぶ

9月になりました!

日本に戻ってからはオンラインでUK Tea Academyの英語版イベント「品種別の煎茶」など行っていて、今週から自宅でのレッスンも再開です。オンラインイベントでの日本茶人気は高く、世界から24名が参加してくださいました。

スリランカ旅行の続きです。ティーファクトリーホテルをチェックアウト後はヌワラ・エリヤのペドロ茶園に向かいます。

今回の旅行はもちろんセイロン紅茶について学ぶためで、日本からもとても良い紅茶ツアーも開催されていますが、私は色々と質問したいことがあり、通訳の時間ももったいなく、団体だとペースを乱しかねないので必ず個人で行くことにしています。

ファクトリーホテルを出てからもずっと茶園風景が続きます。

 

ドライバーのランカさんが、お猿さんが祀られたヒンズー教のお寺があると教えてくれたので途中止まりました。

 

すごい!キラキラです。かなり沢山の人が参拝に来ていました。

スリランカはシンハラの方が多数ですが、イギリス人が茶園を作る際に主に南インドから連れてきたタミール人が今も多く暮らすので、ヒンズー教徒も一定数います。

ペドロ茶園が見えてきました!

 

ペドロ茶園はヌワラ・エリヤの町からも近く、一般に観光客を受け入れて茶摘み体験などもさせてくれるので沢山の人が訪れています。ここは観光客が多いのでゆっくり説明していただくのは難しいかと思っていたのですが、今回はジェーン・ペティグリューさんからディルマーのCEOに紹介していただき、ディルマーグループの中で見学するところを選んでいただきました。

キャンディはお祭りのためほぼ1週間お休みでしたので、ペドロはどうでしょう?とご提案いただき、マネジャーに案内していただけることになりました。

 

工場マネジャーのLalithさんが出て来てくださり、工場に出発!

 

まだ茶葉は届きませんが、茶摘みが終わった茶葉はここに運ばれてきます。

ペドロでは今、朝からスタートして3回のシフトでお茶を摘むそうです。

 

ペドロ茶園にはいくつかのセクションがあり、それぞれのセクションでお茶を作っていますが、それぞれに特徴が違います。

表向きに最もよく知られているのはラバーズ・リープでしょうか。私もイギリスにいる頃からここのはよく買います。

 

工場内では実際に製茶中でした。

大きなファクトリーは2つの建物に分かれています。

ひとつは萎凋させる工場、もうひとつで揉捻と乾燥を行います。

 

工場は1934年に一度火事で燃えてしまい、現在の工場が建てられました。

初めて見た、ローターヴァンのみの製茶がこちら。

何のことやら??と思われるかもしれませんが、簡単に言えばお肉のミンチを作るような構造の機械です。

CTCという細かい茶葉を作る際に最初にこの機械を通すのですが、ローターヴァンだけで作る紅茶は見たことがありませんでした。

 

こちらはシフター、サイズをわけるためのふるいです。

 

様々な部位にわかれます。一部の紅茶はカラーソーターという色選別機にかけられますが、除去した繊維質なども捨てずに香料にしたり、染料にするそうです。

 

緑茶風の、やや緑がかったヌワラ・エリヤらしい紅茶が出来上がりました。なぜこうなるのか、今回は1時間近く、実際に工程を見ながら質問を重ねて、とても納得が行く説明をしていただけて大変な収穫でした!

やはり現地に行かないとわからないことって本当に沢山ありますね・・・・・。

 

さあ、テイスティングです。

既にスタッフの方が沢山用意してくださっていました。

 

しっかりと製造方法の違いを把握してからテイスティングすると、なるほど!と思うことがたくさんありました。

色の違い、香りと味の違い、ひとつの茶園の同じ時期でも大きく違うものができてきます。

 

Lalithさん、ありがとうございました!

30年もここで働く方だけに、何を質問してもすごくわかりやすくお返事していただけて嬉しかったです。

 

ティーセンターに戻って、お茶をご馳走になりました。

「ジンジャービスケットが美味しいんですよ」とLalithさん。

茶園を眺めながらいただくお茶とジンジャービスケットは本当に美味しかったです。

紅茶、実に美しい色ですよね・・・・・。

 

最後までゆっくりとお付き合いくださったLalithさんには本当に感謝です!

お茶も、店舗で販売していないものを沢山譲っていただいたので、ぜひセイロンティーのレッスンで皆さんに召し上がっていただきたいと思います。