今、寿命が長くなりいろいろな疾病がおきてきている現実、人がいつも変わらない生活ができる動きを知ることもありかと思います。
その動きを支えている体内時計、脳にあると思われていますが体中にあることに注目することです。
肝臓や筋肉、肺、心臓といった臓器や、脳の中の視交叉上核以外の場所にも存在しているのです。
視交叉上核にある体内時計を主要時計といい、それ以外のところにあるのを抹消時計ともいいます。
抹消時計は自分だけでは長期間リズムを作れないので、主要時計にコントロールされているのです。
主要時計が抹消時計をコントロールする際には交感神経が重要な役割を果たしていることで証明されています。
抹消時計は普段は、主要時計の支配下にありますが、状況に応じて独自に動く柔軟性も備えているようです。
ではなぜ体中に体内時計があるのでしょう?これは、体の各臓器を適切な時刻に活動させるためではないかと考えられています。
たとえば、私たちは朝目が覚めると起き出して体を動か、一日3回食事をします。
したがって、毎日ほぼ決まった時刻に筋肉や、消化管、肝臓などを働かせなければならないのですが、目が覚めてから急に筋肉に使うためのエネルギーを準備し、食事が始まってから消化管を動かすより、あらかじめその時刻が来る少し前から、抹消時計を使って準備しておいた方が効率的と考えられるからです。
臓器によって活動すべき時刻は異なりますから、それぞれの臓器ごとに専用の抹消時計を、体全体としては主要時計で調和を保たせるという仕組みはたいへん合理的に思えますね。
私たちは毎朝太陽の光を浴びることにより、体内時計をリセットしているのです。
サーカディアンリズム(概日周期)とは人が体内時計を1日24時間にリセットするためには、強い日光を一定時間浴びる必要があり、日光を浴びることにより、視交叉上核から松果体に目を覚まさせる指令が送られているのです。