Aが死亡する、あるいはAを殺す。しかし本当は死亡したのはB。

エラ・レインズ出演作が二作。「ハリーおじさんの悪夢」「狂った殺人計画」。 私のお勧めはまず「白いドレスの女」。後は「逃亡する妻」「突然の恐怖」。


(1944)ローラ殺人事件/Laura

出演はジーン・ティアニー、クリフトン・ウェッブ、ヴィンセント・プライス、ジュディス・アンダーソン、ダナ・アンドリュース

デザイナーのローラ(ジーン)が自宅で散弾銃で頭を撃たれて殺害された。頭が吹き飛ばされた。

刑事のマクファーソンは捜査を進めた。

関係者は批評家のウォルド・ライデッカー、ローラの婚約者のシェルビー・カーペンター、ローラのオバのアン・トリードウェル、モデルのダイアン、メイドのベッシー・クラリー。

マクファーソンは疲れてローラの家で眠り込んだ。目を覚ますと死んだはずのローラが現れたっ!ローラはここで初めて「ローラが殺された」ことを知った。

クローゼットにはダイアンの服があった。ここでダイアンの所在が不明で死体はダイアンであることが判明。

ローラは「シェルビーに結婚しないと言った」。その後、アンはシェルビーに「結婚したい」と言った。ローラも含めて、みんなそれぞれ怪しいところがある。

据置型の柱時計が二台、それと散弾銃が二挺でてくる。散弾銃の一挺が柱時計の中に隠されていた。このあたりがポイントになる。

シェルビーがダイアンをローラの家に連れ込んだ。そのダイアンをウォルドがローラと誤解して射殺したのが真相。
 


(1945)ハリーおじさんの悪夢/The Strange Affair of Uncle Harry

出演者はジョージ・サンダース、モイナ・マクギル、ジェラルディン・フィッツジェラルド、エラ・レインズ

ハリー・クインシー(ジョージ)は姉のへスター(モイナ)、妹のレティ(ジェラルディン)と住んでいる。

ハリーの職場にデボラ・ブラウン(エラ)が転勤してきた。ハリーとデボラは付き合い始めて、結婚することになる。

それでへスターとレティは引っ越すことになる。

へスターの転居先は簡単に決まったが、レティの転居先が決まらない。というよりレティは、全然決める気がない。

それでハリーとレティの間にはトラブルが発生する。この間にデボラはニューヨークに戻った。

ついにハリーはレティの殺害を決意する。その程度の動機で殺害するのもおかしいと思うが。

ハリーはココアに毒をいれてレティに渡した。レティはカップを持って二階に上がった。

しばらくしてレティがカップを持ったまま二階から下りてきた。ココアは元のままに残っている。レティがカップを口につけた。飲み干した。

何事も起こらないのでハリーは不思議に思った。

二階で音がした。へスターが倒れていた。へスターは死亡した。レティはハリーが毒を入れていたことを知った。

レティが逮捕されて裁判が行われて死刑が宣告された。注、ここのところは単に新聞記事が表示されるだけの展開。

ハリーは「自分がへスターを殺した」書類を持って判事を訪問した。判事はハリーがレティを庇っているものと思って相手にしない。

ここでレティが呼ばれてきた。ハリーは「自分が殺した」という。しかしレティは「自分が殺した」と強硬に主張した。そしてそれを撤回しない。
 


(1947)誰が殺されたのか?/Bury Me Dead

出演はジューン・ロックハート、キャシー・オドネル、ヒュー・ビーモントなど。

バーバラ・カーリン(ジューン・ロックハート)は親から受け継いだ財産を持っており金持ち。夫ロッド(マーク)や妹ラスティ(キャシー)、執事、メイドと住んでいる。ラスティは養女であって、財産は受け取っていない。

屋敷の厩から火災が発生した。焼け跡から死体が発見された。首にはバーバラのネックレス。

バーバラの葬儀と埋葬が行われた。その後、弁護士マイケル・ダン(ヒュー・ビーモント)が車に乗ると、ヴェイルを被った女性が「乗せてほしい」と言ってきた。

女性は車に乗ってヴェイルを取った。バーバラっ!バーバラは「私を殺そうとした犯人を調べてほしい」と頼んだ。

その他の登場人物としてボクサーのジョージ・マンドレイとアシスタントのヘレン・ローレンス。

殺されたのはヘレンと判明。ロッドがヘレンを連れて来て、バーバラのネックレスをさせた。犯人はヘレンとバーバラを間違えて殺したものと思われた。

ロッドはヘレンと浮気、ラスティはジョージを好きになった。しかしバーバラもジョージを好きになった。またラスティには財産を貰わなかった恨みもあるかも?ジョージとヘレンはもともとは恋人同士。

怪しくないのはマイケルくらい。

少しずつ真相が判明してくるが、実は犯人は怪しくなさそうなマイケル。しかし動機は示されない。

 


(1949)狂った殺人計画/Impact

出演はブライアン・ドンレヴィ、ヘレン・ウォーカーエラ・レインズ、トニー・バレット

アイリーン・ウイリアムス(ヘレン)と愛人のジム・トレンス(トニー)は夫ウォルター(ブライアン)の殺害を計画した。

ジムをアイリーンの親戚と言ってウォルターとジムが車に乗って行く。ジムが運転している時、車が故障したと偽装する。

停車して車を治しているウォルターの頭をレンチで殴った。ウォルターは倒れた。さらに止めを刺そうとしたが、車が通りかかったので、ウォルターを斜面の下に捨てた。

その後ジムはウォルターの車で走っていくが事故で死亡。死体が完全に焼けただれておりウォルターと判定された。

一方ウォルターは死亡してはいなかったが、記憶を失っていた。さ迷い歩いて、マーシャ・ピーターズ(エラ)が経営する修理工場に雇われた。

アイリーンとジムの作戦にミスがあり、アイリーンがウォルター(本当はジム)殺害容疑で逮捕された。ジムが指名手配された。

ウォルターは記憶を回復して名乗り出た。一転してウォルターはジム殺害容疑で逮捕された。

ウォルターの無罪を信じるマーシャは刑事と協力して真相を解明していく。
 


(1950)逃亡する妻/Woman In Hiding

出演はアイダ・ルピノスティーヴン・マクナリー、ペギー・ダウ、ハワード・ダフ

デボラ(アイダ)は父親の会社の幹部セルダン(スティーヴン)と結婚した。しかし新婚旅行で山小屋に来た時にパトリシア(ペギー)という女性が現れた。少しトラブった後にパトリシアは姿を消した。

その夜デボラは車で町に出かけた。しかしブレーキ、サイドブレーキがきかない。ドアも開かない。車は橋の欄干に激突し谷に落ちた。幸いケガは少ない。

セルダンがライトを持ってデボラを探しに来た。すでにセルダンに疑問を持っていたのでデボラは隠れた。

朝になって徒歩で町まできた。新聞には「新婚の妻が自殺」と書かれていた。

その後キース(ハワード)という男性に助けられた。

途中省略してパトリシアの車に乗せられた。拳銃で脅されて会社の工場に連れてこられた。事態を把握したキースが追いかけてくる。

誰もいない真夜中。デボラはスキを見て逃げ出した。工場は巨大で複雑な構造をしている。機械類が設置されており、また空中に鉄製の渡り廊下が張り巡らされている。

デボラは逃げ回った。しかし二人に次第に追い詰めれられた。前にはセルダンが見えた。後ろにはパトリシアがいる。

デボラはパイプの陰に隠れた。前をパトリシアが走りすぎた。そしてセルダンがパトリシアをデボラと間違えて突き落とした。パトリシアは転落して死亡。

その後キースが来てセルダンと戦う。そこにデボラが姿を見せた。セルダンはデボラを見て動揺し、セルダンも転落した。
 


(1952)突然の恐怖/SUDDEN FEAR

ジョーン・クロフォード、ジャック・パランス、グロリア・グレアム

劇作家のマイラ(ジョーン)は決まっていた主演俳優レスター(ジャック)を交代させた。上演は成功した。

サンフランシスコに列車で戻るとき、偶然レスターと一緒になった。レスターは交代させられたことを気にしておらず、また好青年であった。

サンフランシスコに着くころには二人は親しくなっており、しばらくして結婚した。

しかしレスターの愛情がマイラの財産を奪うための偽装であると知ったマイラはレスターに復讐しようと計画を立てた。

これからが延々と長いのだが、結果としてマイラはレスターへの復讐を諦める。

その後、真夜中マイラは路上でレスターの車に追いかけられる。一方、レスターの恋人アイリーン(グロリア)もレスターとは別にマイラを殺そうと路上をウロウロしている。アイリーンはマイラと同じ色のコートとスカーフをしている。

マイラは逃げ回った。石段を登ったり路地を駆け抜けたり、なるべく車を避けるように走り回る。しかし次第に追い詰められる。

マイラはビルの凹みに隠れた。その前をレスターの車が走って行った。その前方にはアイリーンがいた。レスターはマイラと勘違いしアイリーンを轢き殺した。
 


(1953)ナイアガラ/Niagara

出演はジーン・ピーターズ、ジョゼフ・コットン、マリリン・モンロー、リチャード・アラン。

新婚のポリー・カトラー(ジーン)は夫とともにナイアガラに来た。しかし前日宿泊のジョージ(ジョゼフ)/ローズ(マリリン)・ルーミス夫妻がまだ残っていた。

ポリーはローズが愛人のパトリック(リチャード)と会っているところを目撃した。

パトリックはジョージを殺害しようとした。しかし逆襲されてパトリックが死亡した。

連絡が来てローズは驚いた顔を偽装して現場に駆け付けた。そして気絶した。警察は「夫が死亡してショックを受けた」と思ったのだが、予想と違いパトリックの死体だったのが真の理由。

生き延びたジョージは裏切ったローズを探して、誰もいない建物の中でローズを追い詰めて殺した。

ジョージはボートでアメリカ側に渡ろうとした。そのボートはポリーたちのものでポリーが乗っていた。

ボートは走っていくがエンジンが故障した。滝の方に流されていく。ボートの中で二人は争う。

救助ヘリが追いかけていく。ポリーは危ういところで岩に飛びついてヘリに救助された。

ボートは滝に落下した。
 


(1955)殺しのデッドロック/Footsteps in the Fog

ブラック・コメディ。出演はステュアート・グレンジャージーン・シモンズ。本作当時、二人は夫婦。

スティーヴン(ステュアート・グレンジャー)は妻を毒殺した。動機は妻の財産狙い。

しかしメイドのリリー(ジーン・シモンズ)に気づかれて脅された。

リリーは出世してスティーヴンの隣の部屋に引っ越して、良い待遇となった。

リリーは美人だが、スティーヴンは自分の弁護士の娘のエリザベス・トラヴァースと結婚したい。

リリーは、それを知って念のために結婚している自分の姉に、事情を書いた手紙を出しに行く。

それを掴んだスティーヴンはリリーの跡をつけて殺した。

だが現場に杖を忘れ、さらに目撃されて、屋敷に逃げ帰った。

屋敷に入ると笑顔でリリーが出迎えた。

スティーヴンはさらに弱みを握られて弱い立場となった。

今度はリリーを妻と同じように毒殺しようとするが....。

 


(1981)白いドレスの女/Body Heat

出演はウィリアム・ハート、キャスリーン・ターナー、リチャード・クレンナ。

弁護士のネッド・ラシーン(ウィリアム)はマティ・ウォーカー(キャスリーン)と深い仲になり、マティの夫エドマンド(リチャード)を殺した。

その後の展開。マティは離れたところにいる。ネッドに連絡。「メイドに夫のメガネを発見されて脅された。しかし解決した。ボートハウスにメガネがおいてあるので取ってきてほしい」。

ネッドはボートハウスに近づく。するとボートハウスが爆発。後から死体。死体は損傷が激しかったが、歯の治療跡を調べて、マティであると判定された。

エドマンド殺害時のアリバイも巧妙に崩されており、ネッドはエドマンド&マティ殺害犯として捕らえられ有罪となり刑務所に入った。

刑務所の中で疑問に思ったネッドはマティの卒業高校から卒業アルバムを取り寄せた。ネッドが認識しているマティは別の人物であった。
 


 

(1981)白いドレスの女/Body Heat

 

 

(1955)殺しのデッドロック/Footsteps in the Fog

(1953)ナイアガラ/Niagara

(1952)突然の恐怖/SUDDEN FEAR

(1950)逃亡する妻/Woman In Hiding

(1949)狂った殺人計画/Impact

(1947)誰が殺されたのか?/Bury Me Dead

(1945)ハリーおじさんの悪夢/The Strange Affair of Uncle Harry

(1944)ローラ殺人事件/Laura