Casablanca

死亡したと思っていた反ナチ活動家の夫ヴィクターと再会したイルザ(イングリッド)は二人でカサブランカへ来た。
ポルトガルへ出国しようとしたが、すでにドイツ軍が支配しておりヴィザを取得できない。
しかしドイツ軍の通行証を、昔付き合って今は当地にいるリックが持っているとの情報があった。リックはヴィクターが行方不明になった後に付き合った男性である。
イルザはリックに拳銃を突き付けるが、引き金を引くことができない。


映画関連目次(闇雲映画館)

製作:1942年、脚本:ハワード・コッチ他、監督:マイケル・カーティス


■ はじめに

登場人物(キャスト)
 イルザ・ラント(イングリッド・バーグマン)
 ヴィクター・ラズロ(ポール・ヘンリード)
 リック・ブレイン(ハンフリー・ボガート)
 ルノー警察署長(クロード・レインズ)
 シュトラッサー少佐(コンラート・ファイト)
 フェラーリ(シドニー・グリーンストリート)
 ウーガーテ(ピーター・ローレ)
 サム(ドーリー・ウィルソン)
 カール/ウェイター(S・K・サコール)
 サッシャ/バーテンダー(レオニード・キンスキー)
 イヴォンヌ(マデリーン・ルボー)
 アニーナ・ブランデル(ジョイ・ペイジ)
 エミール/ディラー(マルセル・ダリオ)
 オランダ人の銀行家(トーベン・マイヤー)
 カジノ入りを拒否されるドイツ人バンカー(グレゴリー・ゲイ)
 ギターを持って歌う女性歌手(コリンナ・ムラ)


 


■ あらすじ

イルザ・ラント(イングリッド・バーグマン)はドイツ占領下のパリで抵抗運動の指導者ヴィクター・ラズロ(ポール・ヘンリード)の妻であった。しかしヴィクターは投獄され、後にヴィクターは死亡したとの連絡が入った。

その後、イルザはアメリカ人でやはり反ナチスの活動をしているリック・ブレイン(ハンフリー・ボガート)と付き合った。しかし情勢が厳しくなり、二人はパリを脱出することになる。

しかし待ち合わせ場所にイルザは現れなかった。リックは一人で旅立った。その後、リックはモロッコのカサブランカに流れ着いて酒場を経営していた。モロッコはフランス領ではあったが、ヴィシー政権はドイツ寄りとなっており、ドイツ軍が駐留し、警察もドイツ軍の指示で動いていた。

カサブランカではリックは昔と違って政治的なことには無関係・無関心となっていた。ウーガーテ(ピーター・ローレ)という人物がドイツの諜報員を殺してドイツ軍が発行した通行証を奪った。それをリックに渡し、リックは通行証を受け取って店の中に隠した。

話を戻してイルザが現れなかった理由は、ヴィクターが収容所を脱走し、生きていることが分かったからである。イルザは理由を書かないで手紙をリックにことづけた。

イルザとヴィクターは再会した。しかし情勢は悪化し、パリを脱出してカサブランカに逃れた。ここから中立国のポルトガルを経由してアメリカに行くためである。

カサブランカに到着しリックの店に立ち寄った。イルザは思いがけない再開に動揺した。リックも動揺した。注、リックとヴィクターが事情を知るのは、もっと後。

イルザとヴィクターはチャンスをうかがったが、ドイツ軍のシュトラッサー少佐、警察署長のルノー(クロード・レインズ)の監視の目が光っている。

二人は最初はヴィザを手に入れようとした。一人ならば可能であるが二人分は無理であると悟った。どちらか一人が出国するという選択肢は二人にはない。シュトラッサーはヴィクターに当地の地下組織のリーダーの名前を要求する。そうすればカサブランカから出ることができるが、それはヴィクターが承諾できる話ではない。

しかしある人物からリックが持っているらしい通行証のことを聞いた。これでカサブランカから脱出することができる。イルザは通行証を要求してリックに拳銃を向けるが引き金を引くことができない。

リックはルノーに電話しヴィクターがカサブランカ脱出を企てていると話をする。ヴィクターがリックから通行証を受け取ったタイミングで逮捕することになる。

ヴィクターを逮捕するためにルノーが現われた。しかしここでリックはルノーに拳銃を突きつける。ヴィクターとイルザを飛行機に乗せるためだが、警察署長のルノーが同行していれば怪しまれないからである。そしてルノーは飛行場に電話するのを装ってシュトラッサーに連絡を入れる。

ヴィクター、イルザ、リック、ルノーは空港に向かい、別にシュトラッサーも空港に向かう。

 


■ 補足

◆ ルーレット操作事件

若い女性がリックのところに願い事をしに来た。その内容は、夫と二人で逃げてきた、ここから出国したいが、金がなくて出国ヴィザを買えない、夫はルーレットで稼ごうとしているが、負けている、なんとかしてほしい。

これに対してリックはオーケーしない。割と非情な態度である。

リックは従業員に耳打ちした後、夫のところに行って小声で「22番」と言う。

夫は22番に賭けて勝つ。金を手にした。

女性がリックにお礼に来るが、リックはやはり無反応である。ルノーは、それを見て「やはり人情家だな」と言う。


◆ フランス国歌斉唱事件

シュトラッサーをはじめとしたドイツ軍人の一団がドイツ軍歌を大声で歌っていた。

それを見たヴィクターは、サムにフランス国家を演奏するように依頼した。

サムはリックを見た。リックが頷く。フランス国家を演奏し始めた。

店の中の人々とフランス国家を歌い、その声は次第に大きくなり、ドイツ軍人の歌を圧倒した。

店の中に拍手が沸き上がった。

しかしシュトラッサーはルノーに「店を閉めさせろ」と怒鳴った。ルノーは「理由がない」と言うと、「自分で考えろ!」。

結果リックの店は、しばらく営業停止となった。
 


■ 出演作

◆ ポール・ヘンリード
(1942)カサブランカ/Casablanca
(1942)情熱の航路/Now, Voyager
(1945)海賊バラクーダ/THE SPANISH MAIN
(1948)Hollow Triumph
(1952)盗まれた顔/Stolen face
(1948)Hollow Triumph/The Scar

イングリッド・バーグマン
(1941)ジキル博士とハイド氏/Dr. Jekyll and Mr. Hyde
(1943)誰が為に鐘は鳴る/For Whom the Bell Tolls
(1944)ガス燈/Gaslight
(1945)聖メリーの鐘/The Bells of St. Mary's
(1945)白い恐怖/Spellbound
(1945)サラトガ本線/Saratoga Trunk
(1946)汚名/Notorious
(1948)凱旋門/Arch of triumph
(1950)ストロンボリ/Stromboli, terra di Dio
(1956)無分別/Indiscreet
(1969)サボテンの花/Cactus Flower
(1942)カサブランカ/Casablanca
(1974)オリエント急行殺人事件/Murder on the Orient Express
(1954)イタリア旅行/Journey to Italy/Viaggio in Italia