以前ブログのコメント返しに書いたこと:

 

旅は不完全燃焼がいい。帰宅した途端、ああ~、しまった!あそこを見逃した、、、などと思うことが次の旅へとつながるから(実際のコメントと言い回しは異なりますが)。

 

旅の楽しさの半分ぐらいは、あれこれ想像しながら構想を立てることにある、と言っても過言ではない、と思うので。

それがなくなってしまうと、ちょっと寂しいかも。


そんな再訪願望・・最近でいうと新潟市かな。

単に行きそびれた場所もあるし、気に入ったし。次の旅を思い描いています。

 

ちょっと先日のエントリーと重なりますが、ざっくりした印象でいうと、新潟市は土地も広々しているだけに、人々は住まいへのこだわりが大きい気がします。

 

先の旅で見たメジャーな観光地・旧齋藤家別邸や新潟市會津八一記念館だけでなく、事前に聞いたことはなかったけれど、街歩きの途中で看板を見つけてふらりと入っただけの家々も、それぞれ印象に残りました。

 

既に記したカトリック新潟教会旧新潟市長公舎「風の館」(坂口安吾展が行われていた場所)もそうですし、「砂丘館」もまたしかり。

 

「砂丘館」はなんでも旧日本銀行新潟支店長役宅とのことで、いわゆる社宅ですから華美ではありませんが、土地がゆったりしている分、ある意味贅沢ですし、陽光に満ちた開放的なお宅です。

 

 

 

 

 

木材がふんだんに使われているのが印象的。

当時は木材が豊富だったのでしょうが、いまや森林伐採問題などもありウッドショックというわれる時代に突入。

隈研吾さんの建築も”木を使い”すぎといった声もあり、ご本人も木の取入れには”気を使い”つつ設計しているそうですが。

 

時代が変わると、以前は手軽だった素材が、いまや贅沢に映ったりするものです。

 

 

素材の問題でいうとプラスチックもまた減産組。

木材のような枯渇問題ではなく、環境問題のほうですが、めっきり減ったと実感します。

 

今年大々的にやった断捨離の際に痛感したこと、それは昔はクリーニング店のビニール袋がしっかりしていたこと。結構感激です。ジップロックもついていたし。

 

あんなに丈夫なクリーニング店のビニール袋、今はお目にかかりません。

クッションなどを入れるのに使っているのですが、今後もうこれは手に入らないと思うと捨てられず、きれいにしつつ同じものを使っています。

 

サイドボードの上に敷いているテーブルクロス用ビニールも昔は1メートル数百円だった記憶なのに、先日汚れたからと買い替えに行ったらいきなり3000円。

一番分厚いものはそれ以上。

 

あんなにバンバン湯水のように使っていた素材がめっきり先細りになる、それに気づいた途端、昔は贅沢だった、などと感じます。

 

 

 

 

成城の猪股邸を思い出します。↓

窓が多いといこうなるわけですよね。

 

 

 

私が行ったときは、『森の天界図像 わがイコン 胞子紋 渡辺隆次きのこ画文集』刊行記念
渡辺隆次胞子紋の世界展が開催されていました。

 

砂丘館は、数か月ごとにこうした美術展覧会の企画展が開催されているのも特色のようです。

 

 

 

 

 

 

 

入場料も取らずに、しれっと公開しているこういうお宅が、旅に思いがけない彩を添えてくれました。

 

 

新潟'21/秋① 旧新潟市長公舎「風の館」の坂口安吾展
新潟'21/秋② 建築家・村野藤吾の没作品が見られる天寿園
新潟'21/秋③ 200m先は海
新潟'21/秋④ なかなか穴場 天寿園内のランチ
新潟'21/秋⑤ 中根金作の日本庭園と本格中国庭園ふたつを同時に味う
新潟'21/秋⑥ 前川國男作・新潟市美術館は既視感のかたまりだった
新潟'21/秋⑦ カトリック新潟教会にもある奇跡の洞窟
新潟'21/秋⑧ 花街歩き
新潟'21/秋⑨ 新潟県内で初めて自家用車を所有した一族
新潟'21/秋⑩ ステンドグラスの謎解き カトリック新潟教会
新潟'21/秋⑪ 新潟市の景観重要建造物
新潟'21/秋⑫ 旧日本銀行新潟支店長役宅「砂丘館」