新潟市の天寿園・終章。
先に天寿園内の村野藤吾作瞑想館について触れた時、書き忘れました。
こちらの日本庭園、作者は足立美術館の造園でも知られる中根金作氏。
中根氏は小堀遠州に例えられるほどの腕前と言われますが、今回失礼ながら、私は村野氏の建造物の添え物という視点でしか日本庭園を拝見せず。
それほど瞑想館は存在感がありました。
庭園をメインに撮った写真をどうにか1枚見つけました↓
でもかなり奥の方まで歩を進めない限り、やっぱり瞑想館の強さに食われてしまう感があります。
中根金作つながりで、足立美術館↓ 7年ぐらい前かな。
こうしてみると足立は山の稜線という借景もうまく撮り入れていますね。
白い前景・中景・霞む山並みの遠景のハーモニーが極上。
天寿園に話を戻して、日本庭園と2本柱の中国庭園は、解説によると中国における日本庭園造園のお返しに北京市が本格的なものをこの地につくったとのこと。
いや本当に異世界でした。
その異世界への入り口!
といってもこの時我々は、この中国庭園のことをほとんど知らずに、村野さんの建物以外にもなんかあるらしい、程度の認識で行ったので、サプライズ100倍。
いわゆる私が好きな「既視感のない光景」。
事前の下調べをしておけば無駄なくまわれるけど、下調べのない気ままな旅は興奮度がやや高いものです。
この庭園内には文字の彫られた石が散見されます。
なかに逆さの福を見つけました。
ちょっとお宝さがし気分です。
解説によると:
「逆さまになる」と「至る」という言葉の音が同じことから「服が来るように」という意味を込めて「福」を逆さにしている、、とのこと。
こうした連想によるゲン担ぎは他にもありました。
以前福砂屋の蝙蝠マークの話のときに書きましたが、蝙蝠という言葉の発音が、「福に変わる:」という言葉の発音と一緒なので、蝙蝠=縁起のいい動物とされます。
こういう豊かな発想は物事に深みを与え、人生に潤いを与えるから好きだなぁ。
海外だと少し前の文学作品などに神話の参照が多々見られ、神々のアトリビュートや特性を使った表象が豊か、と感じます。
いわゆる明末清初の時代の奇岩図などを思い出します。
この滝↓、雅叙園東京同様、洞窟の間を縫って歩き、滝を裏側からも見る事ができます。
「ザ・中国」感のある極彩色。
解説板が所々にあって建物の説明が書かれているのも親切です。
横に目をやれば日本庭園。
日本と中国、仲良く並んでいます。
仲良く・・
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