1巻ごとに1章づつ
振り返る企画、
最も豊かな国家・・
GDP?
幸福度?
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この章では、前章でアナスタシアが
未来のロシアでは一族の土地を持つ
各家庭が自由で豊かになることで、
ロシアそのものが、
世界で最も強く豊かな国になった
というのを聞いたメグレさんが
一族の土地が増えるだけで
どうして国家が豊かになれるのか
と質問したことに対する
アナスタシアの答えが
書いてあります。
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それは、まず、1ヘクタールの土地を
希望する人、または世帯に無償で
提供するという法律によって、
それまで一般的な職業に適応できず
失業していた人たちが
自分の土地を整備するという
創造的な仕事に従事するようになり
失業者がいなくなったため、
国家から失業者を抱えるための
予算が必要なくなり
次に、
一族の土地で暮らす人は
自分たちの食べるものを
その土地で栽培したので
国家としての農業予算は
大幅に削減され
さらに自分たちが食べるものを
作るのに化学肥料や農薬を
使うという選択をする人が
ほとんどいなかったため
空気や土壌、水の汚染が
劇的に減り
その結果、近代的国家であるのに
環境が抜群によいロシアに
多くの観光客が訪れるようになり
そこからの国家収入が増えた。
また、一族の土地で採れる
果物やベリー、野菜、それらの
加工品を販売することに関して
課税しないという法律もあったが
愛を持って土地にふれ
植物を育てる人たちによって
栽培されたものはどれも
工業化された農業や
商品として製造販売される
農産物とは
比較にならないほど
味も成分も
人間に対する効用も
素晴らしかったので
高額を出しても求める人が
引きも切らず、その結果、
一族の土地を持つ人たちは
あっという間に財産を増やした。
その財産を使って他国にある
化学薬品の財閥や
兵器の工場、研究施設を買収し
それらの企業を撲滅した。
一族の土地を持つ人たちの中で
もっとも寒い地方、
シベリアの住人たちは
短い夏に採れる農産物こそ
少なかったけれど
シベリア杉の実から採れるオイル、
その搾りかすから生産される
素晴らしい粉などによって
各家庭が年間平均で
300万ドル以上の収入を
得ることができた。
彼らもまた得た巨大な収入を
国家のプロジェクトに投資した。
例えばロシアでまだ
雲の動きを修正する方法が
習得されていなかった頃、
有害な生産活動を続けている国で
形成される有害な降水を含んだ
雲や雨雲を通過させないために
シベリアの人々は飛行機を購入した。
飛行機でそれを防ぐことができた。
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この他にもまだまだ
とても具体的で
実現すれば素晴らしいだろうと思う
人間と熊やリスの関係の改善なども
書かれているのですが
でも、2024年の今
この章(前章含め)を読む
わたしたちは
今のロシアの現実を
実際にこの目で
見たわけではなくとも
これに近い状況になっている
といいけど、どうだろうか、と
非常に懐疑的になってしまうのを
避けられません。
現時点で公表されている
豊かさとか幸福度ランキングで
ロシアが1位というものは
残念ながら見付けられませんでした。
2020年
誰の視点で豊かさや幸福度を決めるのか
という問題もありますが、
少なくとも国家として
戦争を宣言している状態で、仮に
ロシアが世界で最も強く豊かな国
だったとしても、それは
アナスタシアが創造した
強さや豊かさとは真逆なもの
だと思うのです。
これをアナスタシアの予言した未来が
当たらなかった、と見るのは簡単ですが
わたしは
アナスタシアが創造した未来に
猛烈に抵抗している闇の勢力
という見方をしている自分を
一歩引いて見ている状態です。
現大統領にしても
北野さんのメルマガを読んでいれば
客観的に見てほぼ独裁状態
ロシア国内で彼を批判することは
社会的な、あるいは現実の
死を意味する
そのような国家には
本当の意味での自由はない
というのがおそらく実際なのだろうと
今は思っているし
プーチンは素晴らしいという
一時期ネット上でよく見かけた
あれこれのエピソードも
米英情報ピラミッドから
クレムリン情報ピラミッドに
移っただけ、という
北野さんの見方を
冷静に受け入れられるように
最近なりました。
この章に関しては
アナスタシアの完全敗北なのか
もしかすると
ここからの大逆転が待っているのか
わたしの中では完全に保留状態です。
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前の章はこちら
1巻1章
2巻1章
3巻1章
4巻1章
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