いつかは読み解きたい
今回は、安部公房の『他人の顔』を読んでみたので、
それについて書いてみようかなと思うのです。
まずはあらすじ。
液体空気の爆発で男の顔は一面、
ヒルの様なケロイド瘢痕になってしまう。
男はそれによって、妻、会社の同僚、
そして、世間の人々に距離を感じる様になる。
そんな状況を変えるべく、
男は仮面を作ることを決意し、
研究に没頭する。
やがて精巧な仮面は完成し、
仮面を被り町を歩く。
仮面は元の顔とは違う形で完成した為、
男は他人に成りすまし妻を誘惑する。
仮面を被ればもう自分ではない。
その事に男は困惑し、もがき苦しむ。
男を待つ結末とは・・・
みたいに大まかな流れは説明出来るのだが、
この作品はなんとも難解で、
私の頭では細かな所が理解できず、
読んでは戻って読み直し、戻っては読み直しを、
幾度もくり返した。
なので非常に読み終わるまでに時間が掛かった。
そして、私のカニ味噌程の脳が混乱した。
今まで読んだ安部公房作品の中で1番難しかったと思う。
だが、そんな理解不能な部分もあるのだけれども、
やはり面白い!と感じる作品だった。
安部公房と言う天才の頭脳で創造された物には、
人を惹きつけて止まない魅力、或いは魔力がある。
そう感じて本の最後のページを閉じた。
私は目をつぶり、頭の中で最後のシーンを想像する。
背中がゾクリッ!とし、産毛が逆立った様だ。
目を開くと床には仮面が落ちていた。
私はその仮面を手に取り、まじまじと眺めた後、
おもむろに顔に覆った。
そうして、私は男と同じ様に町へ出るのだ。
他人の顔で・・・
迫り来る白
丘の上にボロい平屋が建っていた。
Oはそこで数人の者達と肩を寄せ合い細々と暮らしていた。
眼下には海が広がっている。
時は朝の6時をわずかばかり過ぎた頃である。
トスン。
地面が縦に小さく揺れた。
既に起きていたOは嫌な予感を覚える。
と、その瞬間今度は地が潰れた声の様に鳴き、
縦に大きく揺れだした。
家の者達は一様に飛び起き、
慌てふためいた。
その中で冷静だったNが叫んだ。
「外へ出ろ!みんな外へ出るんだ!」
引き戸を開けみなを促す。
子供、女、男、Oが平屋を飛び出したのを確認し、
最後にNも飛び出した。
直後、家が脆くも崩れ去って行った。
揺れは、激しい縦揺れからうねる様な横揺れへと変わっていた。
地面が波打った様に見える。
いや、あれは間違いなく波打っているのだとOは気づく。
立っているのもままならず、みな四つんばいで地にしがみ付いた。
唸りが辺りを包み、目の前の世界が歪む。
焦りと恐怖がみなに伝染して行く。
と、やがてハタと地面がのた打つ動きを止めた。
みなが各々顔を見合わせた。
Oは素早く立ち上がり丘の海が見える方へと走った。
目の前にはいつもと何ら変わりの無い海が広がっている。
が、Oは目を凝らして水平線を見やる。
その遥か遠くの水平線に動く白い物体を確認する事が出来た。
あれは恐らく波だ。
そう直ぐに判断を下し、他の者にもっと高い位置へと上る事を叫んだ。
海から丘までの高さはかなりあったが、
安全を考えOはみなを促した。
Oは迫り来る水平線のその白い物体を尚も凝視した。
すると、Nも隣に立ち同じくその先を見つめた。
「あれはかなりでかいぞ」そう言うNに、
Oも「ああ」と感情を殺した声で答えた。
みるみる白い物体は大きさを増し接近しているのが分かった。
アレはこの丘を超えるのか?
二人はその事を思案していた。
そうして、超えるかもしれない。
と、また二人は同じ考えをしていた。
「アレはここを超える。逃げ場を探そう」
そうOはNに告げ、二人はみなの待つ場所へと全速力で向かった。
後方からは微かに津波のうねりが不気味に聞こえた。
死が近づいて来る。
二人はまた同じ事を考え、この丘を走り下った。
目指すはあの山だ。
つづく(たぶん)
お休みタイム
何だかんだで過ぎ去って行ったゴールデンウィーク。
そんななか、私は3連休を頂いた。
なので、とりあえず屋上で曇り空に照らされながら、
グダグダ寝転んで読書をした。
やや風があって時にひんやりしたけれども、
心地いい読書タイムを満喫出来た。
そんでもってその他、ウォーキングをしたり、部屋掃除したり、
酒飲んだり、筋トレしたり、足怪我した友人を連れまわしたり、
別の友人の家で自分家みたいにゆったり過ごしたり、
また別の友人の家でバーベキューして肉を貪り食ったりした。
いや~充実した連休だった。
ちなみに今日は休みじゃなかったので、
死んだ目で一日を過ごす事となった。
デスアイでデスタウンを私は眺めるのだ。
デスデスデスデスおしまいデス!
楽しい休日おしまいデス!
浮かれた世の中終了デス!
疲れた体を列車に揺らす、
明日がそこまで迫ってる。
デスッ!!
などと明日から働く人々に現実を思い出させる文章を書いてしまったのデス!
あああ早く来い来い日曜日。
これは衝動なのだ
ぽこちんふるふるソソマスクだよっ!!
ちゅー事で元気に挨拶出来る所を披露しちゃった訳なんだけど。
あ~何か肥大した超でっけぇ~ギャン玉袋を肩に担いで、
ウオリャ!!
つって大地に叩き付けたい時がままある。
ままままままままままある。
まあその辺の道端じゃつまらんので、
グランドキャニオン界隈でやったらばとてもスッキリするだろう。
これで心も日本晴れ。
とか思いながらまた肥大したギャン玉袋を、
小粋に担ぎ鼻歌交じりでキャニオンをスキップして行くのだ。
ルルルンルンルン♪
ルルルンルンルン♪
ルルルンルンルンルンルン♪
夢想。
常に夢見がちな私は、
あてどない旅に出る。
スキップで世界を回るのだ。
まずは手始めに亜米利加を制覇してやるぜっ!!
そう誰に言い聞かせるでもなく雄叫びをあげた。
私のスキップは、
タン! タン! タン!
と言う小気味いいリズムから、
タン!タン!タン!
とアップテンポへ変わって行った。
そのテンポはどんどんどんどん速さを増して行き、
タン!タン!タン!と言う音はやがてゴーッ!!と言う爆音に変わっていた。
もう既にスピードは音速になっていた。
肥大したギャン玉袋がやや邪魔ではあるが、
私が世界を叩くと言う目的には不可欠な存在だ。
切り捨てて行くわけにもいくまい。
私は更にスピードを上げ光速を目指した。
世界が遠ざかって行く。
玉がまばゆく光りだした。
光速はもう直ぐそこだ。
だからその時、私から笑みがこぼれた。
それはとても清々しい気分だ。
青春グラフィティ
何だか最近、部屋があまりにもオッサン臭いので、
臭いを誤魔化す為にこのアロマオイルを匂わすやつを買った。
オイルはペパーミント。
ちょー爽やか!ガム食ってないのに常に食ってる感じ!
って事で私から発される異臭は誤魔化す事が出来るだろう。
嫌なものには蓋なのだ。
誤魔化し、誤魔化せ我が人生。
と、それはさて置き、本日は読んだ本の感想を、
ガム食った感じで書こうと思うのだ。
まずは大槻ケンヂの半自伝的小説『グミ・チョコレート・パイン』
グミ編とチョコ編の二冊を読んだ。
ちなみパイン編はまだ古本の値段が高いので、
買うのはもうちょっと待とうと思っている。
こちらのあらすじは、主人公の高校生であるケンゾーは、
映画、小説、ロックに夢中であり、日々ポコチンをフルフルさせていた。
自分が通う高校の平凡な生徒達とは俺は違うのだ。
何か違った能力があり、いつかは世に出る者なのだ。
と、おかしなプライドを持ち思っていた。
そんなある時、数少ない友人達と憧れのノイズバンド『自分BOX』の様な、
ハードなノイズバンド『キャプテン・マンテル・ノーリターン』
を結成する事を決める。
一方でケンゾーは、密かに憧れている、
同じクラスの山口美甘子と映画館で出会う。
このチャンスを逃してはいけない。
そうケンゾーは思うのだが、何せケンゾーは女性と喋れないのである。
さあ今後のバンドと恋の行方はいかに・・・
みたいな青春小説だった。
とにかく男目線のエロくて可笑しく、切なくてもどかしい。
そして、若かりし日の自分を重ね合わせながら、
うんうん分かる分かると非常に共感が出来た。
当時のバンドブームの話など、
ちょうど自分がテレビやラジオで見聞きしていた事もあり、
あの頃を思い出しながら懐かしい気持ちで読んだ。
とにかくあの頃のバンドは個性が強く、
なんだコリャ!?
とか思いながらも私の心は虜になり、
狭い部屋の無駄にデカイステレオで、
ヘッドホンからダダ漏れの爆音であれこれ聴き浸ったものである。
青臭さ全開!
今や擦れてしまった私だが、
暖かく微笑み、時に熱くあの頃を思い出す事が出来た。
非常に可笑しく素敵な小説だと思う。
最後のパイン編を是非ケチらず早く買いたいものである。
ケチらない強い心が私は欲しい。
って事で、今日はアロマなお部屋で気分は乙女!
みたいな状況で感想文を書いた。
気分は乙女であるが、
私はやはりポコチンフルフル。
フルフル側の人間でありたい。
そう、ミントの香りを嗅ぎながら思ったのであるのだす。
では、おやすみだす。
美しき者そして変態
石田ゆり子。
やはりあの方は素晴らしい!
ちょいと前にCMで本日のテレビのバラエティーに出る。
などと言うことを知っていたので、
これは必ず見なければならないと思い、
つい先ほどその番組を鑑賞した。
しかし、何故にあんなにも美しいのだろう。
いや、美しいだけではなく、とてもキュート(死語)でもある。
私は石田ゆり子が画面に映るたびに、
画面5cm程まで顔を近づけ、
その姿を凝視し目をギラギラと輝かせた。
単なる変態である。
が、私はそんな事は気にせずに、
時にウットリとした表情を浮かべ幸福を感じる。
う~んそうだな。
この幸福感を違うものに例えて言うならば、
美味い味噌ラーメンを食い、
その後、ドライブで好きな音楽をかけ小粋にハンドルを回し、
やがて家に帰れば、遊び疲れた体を風呂で癒し、
上がった後はキリン一番搾りをゴキュゴキュと喉を鳴らして飲む。
そうして、ベッドの上で読みかけの本を読みふける。
と言った理想の幸福の一日と同等かと思われる。
画面の向こうでは美しき者が踊り、
画面のこちらでは変態の心が躍る。
世の中は上手く出来ているものだな。
などと思い芋焼酎の入ったグラスを持ち上げ飲んだ。
グラスにかいた汗が手に触れ心地よい冷たさで流れる。
カランッ!小気味良い音でグラスの中の氷が鳴った。
これは迷路の様だ
さあさあ本日も夜が更けてまいりました。
これからが自由の時間です。
窓の外は藍色に染められ、
空と海の境は消えてしまいました。
昼よりも宇宙に近い世界がそこにはあります。
そうして、私は一人部屋でカタカタとキーを叩き、
今夜も読んだ本の感想を書いてみようか。
などと境のない景色を眺め、思うのでありました。
安部公房の『密会』を読んだ。
こちらは、以前買って読んでいなかった物だ。
だが最近、安部公房ブームが私には訪れており、
買って読んでいなかった本の中から、
これが先だと選び出した。
あらすじは、ある夏の朝、呼んだ覚えのない救急車が到着し、
妻を乗せ走り去ってしまった。
男は、何かの間違いだと思い連れ去られた病院を探し出す。
だが、その病院を突き止めたものの、
妻の行方は謎のまま、男は病院関係者に翻弄され、なすがままに進む。
やがてこの病院は不思議なシステムで運営される病院だと男は気づく。
妻は何処へ消えてしまったのだろうか?
そして、この病院は一体何なのだろうか?
男は謎を解く為、前に進むしかなかったのだが・・・
みたいなミステリー小説?だった。
兎に角、不思議な病院で繰り広げられる、
おかしなおかしな人々の奇妙な話。
そして、変態の話だと思った。
四本足の馬である副院長。
意識を失い勃起し続ける当直医。
病院を盗聴し続ける警備主任。
溶骨症の少女。
ヘンテコな登場人物たちが男の妻の失踪に絡み、
謎が謎を呼ぶ。
これだけでも、通常の小説とは違うモノであると分かるだろう。
私は、読んでいてこれは抜けられない迷路に迷い込んだのではないか?
そう思いながら読み進めた。
これはそんな迷路の様な作品であり、
勿論、主人公もその迷路の出口を探している。
読者と主人公の一体感。
いつも本はそんな擬似体験を提供してくれる。
私は今も尚、この迷路の出口を探している。
いつか見つかる日が来るのだろうか。
そう思い、この作品の中を彷徨い続けるのだろう。
私は藍色の境が無い世界が好きだ。
宇宙がそばに落ちてくる。
廊下
電球が薄っすらと天井から廊下を照らす。
目で見える限りでは、真っ直ぐにその廊下は延びている様だ。
通路の幅は1m程である。
その場所に立ち、遠くまで続く薄明かりを凝視し、
とりあえずポケットの中に入っていたラッキーストライクの箱を取り出す。
箱を開け、一本取り出し口にくわえると、紙に包まれた葉の匂いが、
鼻腔内にユラユラと広がって行くのを感じる。
私は、もう片方のポケットから100均で買ったライターを取り出し、
シュボっと言う小さな音をたてて火を点けた。
それを植物の根のように広がる肺へと、
細部まで行き渡らせる様に深く深く吸い込み、
肺の中でくるくると転がした後、
ゆっくりと空へと吐き出した。
吐き出された紫煙は綺麗な螺旋を描いて、
電球に白く照らされ、葉を焼いた匂いだけを残してどこかへと消えて行った。
私は、その煙草を床に投げ捨て足裏でグリグリと踏みつけた。
目を前方に見据え進む決意をする。
この廊下は一体何処へと繋がっているのだろうか。
後ろを振り返った。
背後にはベッタリと油性ペンキで塗り潰した様な黒色がある。
だから私は光を目指す蛾の様に、
先の光、先の光へと進んだ。
どれくらいこの廊下を歩いただろうか。
時にして一時間・・・二時間・・・十時間・・・
あるいは30分程度なのかもしれない。
薄闇が時間の感覚を曖昧にしていた。
時計はいつの間にか失われたのだから正確な時間を知る術はない。
今、そこにあるのは人間の不確かな感覚だけだ。
だが、気づけば目の前には一つの扉が出現していた。
見た目、重量感がありそうに思える。
その扉のノブにゆっくりと手を伸ばし回した。
カチャリと小さな軽い音でドアノブは半回転し、
それとは対称的に扉は、
ギギギギと地の底から這い出す様な音で前へと押し開かれた。
突如、カッ!っと光が目を射す。
あまりの落差に目を伏せるしかなす術がなかった。
目が焼けるように痛い。
しばらく涙が両目からボロボロボロボロと零れては廊下に滴り落ちた。
悲しみで零す涙ではなく、これは希望の涙だと確信した。
この光は出口に他ならない。
流れる涙を何度も腕で拭い、
ややの時を置いて視界を確保する事がやっと出来た。
そこには光の世界が広がっていた。
目の前には真っ白があった。
ただただどこまでも真っ白だった。
後ろには黒、前には白。
それらが無限に広がっている。
そうしてやっと気がついた。
私は何処にも行けやしないのだ。
ここから抜け出す術がない事をその時、
知ったのである。
イメージ
ちょいと前にある女性の友人から、
「ソソマスクくんって本当にリビドーを感じないよね」
と言われた。
友人が言っているのは、
ユングのリビドーではなく、フロイトのリビドーの方である。
つまり私からは『性的欲望または性衝動』が感じられないと言う事だ。
これは良く言えばガツガツしていないと取れるが、
考えてみれば男としては問題なのではないのだろうか?
そして、普段から「ちんぽこだー!」「ギャン玉だー!」
と声高々に叫んでいるにもかかわらず、
私から性の匂いがしないと言う事である。
しかし、言われてみれば確かに年老いた私は、
ギラギラしているのか?と問われれば、
ギラギラどころかしょんぼりしているのかもしれない。
いかん!これはいかんよ!!
私はギラギラした目つきで舐めるように女性を見ていなければいけないのだ。
舌なめずりをしながら見ていなければいけないのだ。
「私に触れたら火傷するぜっ!!」
って位に前面に雄の部分を押し出して行かなければ、
私が失われてしまう。
が、よくよく考えみれば、
そんな雄を叫んだ時期が私にあっただろうか?
いや、恐らくそんな時期はない。
淡白な人生を送って来た気がする。
とか考えていたら、
最近から昔の事まで私のイメージや実態を色々な人に言われた事を思い出した。
雑草とか食べそう。
空とか飛んでそう。
なかなか死ななそう。
何かニュートラル。
酒飲むとウザイ。
いや、普通にウザイ。
自分大好き。
酒臭い。
霞を食って生きてそう。
人生ノープランのケセラセラ主義。
真面目な奴かと思わせておいて実はフザケタ野郎。
実体が何だか掴めない。
が、捕まえてみれば実体は空っぽ。
etc・・・
更に思い出そうとすればまだまだあるが、
印象に残ったのはこんなものだろう。
てか、私は一体何者なのだ?
とは思うものの他人のイメージはそうなのだろう。
自分には良く分からない。
だから、自分探しの旅はつづくのだ。
これからも・・・
ではギャン玉ーっ!!(「おやすみなさい」の意味)
そこには、妖しい世界が広がっている。
お風呂に入っていると、
プクプクプクと泡が断続的に発生しているので、
ん?蟹か?蟹が居るのか?
と思い湯船の中を覗き込むのだけれど、
蟹はおらず、更に生物らしい生物の存在は確認出来ない。
それはそのはずである。
なぜなら、そのアブクは私の放屁が創り出した物であるからだ。
プクプクプク。
またそのアブクが浴槽に放たれては消えて行く。
それはしゃぼんの様に儚く、
鬼のように臭い。
それはさて置き、
今日は最近読んだ本、
安部公房の『砂の女』の感想を書こうと思う。
あらすじは、中学教師の男が新種のハンミョウを探しに、
ある砂浜を訪れる。
男はハンミョウ採集に夢中になるあまり、
帰りのバスを逃してしまう。
村の老人に宿を訪ねるが、
ここには無いと言われる。
が、老人の計らいで、
村のとある家に泊めてもらう事になった。
その家は、砂丘に掘られた穴の中にあり、
蟻地獄の様にも見える。
そこへ男は縄梯子で降りて行く。
家には30前後と思われる女が居り、
喜びを隠せない様子で男を歓迎してくれた。
穴の家には常に砂が入り込み、
砂のを外に運び出さなければ家が埋もれてしまう。
女と村人達は夜を通して砂を運ぶ作業をする。
そうして、一夜が明けて行った。
だが、男はある事に気づく。
縄梯子が無いのだ。
男はあれこれ思案し外に出ようと試みるが、
ことごとく失敗してしまう。
一体何が起こっているのか女に問いただすのだが・・・
みたいな内容なのだが、
陳腐な表現ではあるが、
やはり安部公房は天才だと思った。
ストーリーの発想には驚かされ、
(自分が読んだ安部公房作品は全てそうだが)
表現される言葉が妖しくうごめいている感じがする。
まるで生きているかの様に頭を巡る。
男が蟻地獄に捕らえられれば、
読んでいる私もまたその蟻地獄に捕らわれた感覚に陥る。
そして、男と共に逃げる術を考えるのだ。
また今まで読んだ『箱男』『カンガルーノート』『壁』
とはちょっと違った印象で、
話の筋が通っており今回は異空間には飛ばされない。
独特の訳が分からない世界が出て来ないのだ。
しかし、全体的なトーンはいつもと変わらない。
安部公房はどのようにしてこの物語を思いついたのだろうか。
私は非常に興味がある。
そのアイディアの発想を是非知りたい。
どこかにインタビュー記事とか無いだろうか。
とか思ったら、どうやら本が出ている様だ。
なので探してみたいと思う。
そして、もう一度言うが安部公房はやはり天才なのである。
とか言った具合に本日もグダグダの感想を書いた訳だが、
今後も安部公房作品を一冊ずつ気長に読んでいこうと思う。
ねむい。
