そこには、妖しい世界が広がっている。 | 人生をピンセットでつまむ

そこには、妖しい世界が広がっている。

お風呂に入っていると、

プクプクプクと泡が断続的に発生しているので、

ん?蟹か?蟹が居るのか?

と思い湯船の中を覗き込むのだけれど、

蟹はおらず、更に生物らしい生物の存在は確認出来ない。

それはそのはずである。

なぜなら、そのアブクは私の放屁が創り出した物であるからだ。

プクプクプク。

またそのアブクが浴槽に放たれては消えて行く。

それはしゃぼんの様に儚く、

鬼のように臭い。


それはさて置き、

今日は最近読んだ本、

安部公房の『砂の女』の感想を書こうと思う。

あらすじは、中学教師の男が新種のハンミョウを探しに、

ある砂浜を訪れる。

男はハンミョウ採集に夢中になるあまり、

帰りのバスを逃してしまう。

村の老人に宿を訪ねるが、

ここには無いと言われる。

が、老人の計らいで、

村のとある家に泊めてもらう事になった。

その家は、砂丘に掘られた穴の中にあり、

蟻地獄の様にも見える。

そこへ男は縄梯子で降りて行く。

家には30前後と思われる女が居り、

喜びを隠せない様子で男を歓迎してくれた。

穴の家には常に砂が入り込み、

砂のを外に運び出さなければ家が埋もれてしまう。

女と村人達は夜を通して砂を運ぶ作業をする。

そうして、一夜が明けて行った。

だが、男はある事に気づく。

縄梯子が無いのだ。

男はあれこれ思案し外に出ようと試みるが、

ことごとく失敗してしまう。

一体何が起こっているのか女に問いただすのだが・・・


みたいな内容なのだが、

陳腐な表現ではあるが、

やはり安部公房は天才だと思った。

ストーリーの発想には驚かされ、

(自分が読んだ安部公房作品は全てそうだが)

表現される言葉が妖しくうごめいている感じがする。

まるで生きているかの様に頭を巡る。

男が蟻地獄に捕らえられれば、

読んでいる私もまたその蟻地獄に捕らわれた感覚に陥る。

そして、男と共に逃げる術を考えるのだ。

また今まで読んだ『箱男』『カンガルーノート』『壁』

とはちょっと違った印象で、

話の筋が通っており今回は異空間には飛ばされない。

独特の訳が分からない世界が出て来ないのだ。

しかし、全体的なトーンはいつもと変わらない。

安部公房はどのようにしてこの物語を思いついたのだろうか。

私は非常に興味がある。

そのアイディアの発想を是非知りたい。

どこかにインタビュー記事とか無いだろうか。

とか思ったら、どうやら本が出ている様だ。

なので探してみたいと思う。

そして、もう一度言うが安部公房はやはり天才なのである。


とか言った具合に本日もグダグダの感想を書いた訳だが、

今後も安部公房作品を一冊ずつ気長に読んでいこうと思う。

ねむい。