うつ病
方々で評判のいい『うつ病』(岩波明著、ちくま新書)を読みました。
ヘミングウェイの猟銃自殺に始まります。この作家もうつ病に苦しんだようです。ヴィヴィアン・リーの話で終わります。世紀の美女もさんざんな最期だったのですねえ。発表された死因は、結核の悪化だったそうですが。
抗うつ剤は、たくさんあるのだそうですが、どれが効くかは、飲んでみないとわからないのだそうです。それでも、今のところ、薬で治療するしか手はなさそうです。副作用の比較的少ない薬も増えているようです。
うつは「心の風邪だ」というようなたとえは、まるで間違いであると強調していました。それはよく分かりました。
ともかく専門家の診察を受けるのが一番のようです。
どういう原因で病気になるか分からない病気は、うつばかりではありません。がんだって病気の仕組みはまだ分かりません。自己免疫病も分からないのが多い。
ビクビクしていてもしょうがないので、元気なうちは楽しいことをして過ごすしかありませんね。
NHKの録音技術
グルベローヴァの25周年記念リサイタルのCDが「The Anniversary Concert」というタイトルで、ナイチンゲール・レーベルから出ています。
1993年3月にサントリー・ホールで演奏されたもの。指揮はハイダー、オーケストラは東京フィルハーモニー。
ロシア民謡を編曲した「ロシニョル(ナイチンゲール)」という曲や、ドゥリーブの「ラクメ」から「鐘の歌」などが入っている愛聴する1枚です。圧巻は、バーンスタインの『カンディード』のアリア Glitter and Be Gay という曲。
ニール・リショイの本によると、このときのNHKの録音技術者たちの仕事ぶりは、驚嘆すべきものだったそうです。「グルベローヴァの声を聞くためには、大きな空間が必要である。この録音は、その空間の感覚を見事に伝えている」ということを書いています。
たしかに、一度実際に聞いたグルベローヴァ(4月2日の日記 を参照してください)のフォルテの声量は圧倒的でしたし、このCDはその再現に成功しているように聞こえます。
1960年代に来日したウィーン、国立歌劇場の東京文化会館での録音盤CDを聞きますが、エリカ・ケートのスザンナ、エディット・マティスのケルビーノの声が、昨日録音したかというくらいに聞こえます。技術の力に感嘆しています。このCDはサワダさんがくださったものです。
ミス・サイゴン
ミュージカル『ミス・サイゴン』は、日本でも本田美奈子が主演してロングランになったものでした。
このミュージカルが初演されたころ(1990年代初め)、『タイム』だか『ニューズウィーク』だかに、賞賛の記事が出たのを覚えています。
ついでながら、この二つの週刊誌に載る映画やミュージカルの評価は、少し甘いのではないか、とあとで気がつきました。一例。『氷の微笑』という訳題で知られる、マイケル・ダグラスとシャロン・ストーンの映画も、封切られたときの絶賛振りを記憶しています。第2作が作られたくらいだから、ヒットはしたのでしょうが、私には後味の悪い作品としかうつらなかった。
何年か前ロンドンに行ったとき、『ミス・サイゴン』が上演されている劇場を見つけました。チケット売り切れで、当日払い戻し券(これを英語ではリターン return と言うのでした)を、並んで待つか、外のダフ屋から手に入れるかどちらかでした。
ダフ屋から買うことにしたのですが、ボラれました。コミッションとか叫んで、手にしたポンド札を何枚かもぎとられてしまった。おまけに席は、天井に近いところ。
そうして観た舞台ということを差し引いても、このミュージカルは感心しませんでした。ヴェトナム戦争末期のサイゴンの話。娼婦がアメリカ兵と恋に落ちる。いろいろあって死んでしまう。『マダム・バタフライ』を下敷きにしたものです。悪役の東洋人たちが、なんだか昔の日本兵そっくりの軍服を着ていたりします。1曲くらい覚えられそうな歌があるものですが、それもなかったし。
アップル社の豪気
iPod のバッテリーが劣化したのか、充電が終わったしるしが出ても、1時間もすると、残存量が半分になってしまいます。バッテリーを取り替えようと、都内のアップル・ショップに寄りました。
夕方、仕事明けに立ち寄ったらしい人々が、たくさんいました。人気商品が多いアップルだけあって、店員も数が多いし、店内のレイアウトもスッキリしたものです。
カウンターに座って相談するのに予約が必要でした。30分くらい待って、私の番です。店のお兄さん(ガイジン顔ですが普通の日本語を話す)が、シリアル・ナンバーをたしかめて、「保障期間なのでそっくり取り替えます」と言いました。手数料もいらないそうで、ありがたいことです。新品の iPod マシンを貰って、家に持ち帰り、曲目の入れ直しをしました。
ネットで配信される音楽を買うことができるのですが、品揃えを見るかぎり、クラシック音楽は豊かとはいえません。これまで通り、CDを買って、パソコンでコピーすることになりそうです。
保障期間は来年2月に切れることになっていました。あやうく間にあってよかった。
自転車専用
オランダではどこの街でもそうなのだそうですが、自動車の通る広い道路の両脇に、平行して幅2メートルほどの自転車専用道路があり、その外側に歩道があります。自転車道は、陸上競技のトラックのような色をしていました。アスファルトでできているのでしょうが、表面はザラザラしていて、車輪が地面をつかみやすくなっています。
アムステルダムの街へ初めて出たとき、車道と歩道の間にあって10センチほど低いその道がなんであるか知らなかったので、同行者とそこを歩きました。ずっと後方から婦人の大声が聞こえました。言葉は理解できませんが、声色から、「どけ!」と叫んでいるらしいのはすぐ分かりました。
その後も、慣れないもので、なんどかその道を歩き、おおいけない、と気づいて、歩道に戻るということをしました。
バスの乗り方も、国によって違いますね。オランダの2両続きのバスに乗ったときのことです。トロリー・バスというのか、長細い、3つドアのバスでした。降りる客が真ん中のドアから出てきたので、すかさずそこへ乗り込んだら、ちょっと動いたところで、運転手がなにごとか叫んでいます。私どもへの注意でした。真ん中から乗ってはいけないルールなのでした。
ブレーキをかけるときに、ペダルを逆に回す式の自転車に乗ったことはありますか? ずっと昔、日本でもそれ式があったような気がします。レースの自転車はそうだそうですね。私は、一度だけ乗ったことがあります。おそろしくこわいものでした。オランダの自転車はその後ろ回しブレーキなんだそうです。貸し自転車もありましたが、借りることはしませんでした。