ミス・サイゴン | パパ・パパゲーノ

ミス・サイゴン

 ミュージカル『ミス・サイゴン』は、日本でも本田美奈子が主演してロングランになったものでした。


 このミュージカルが初演されたころ(1990年代初め)、『タイム』だか『ニューズウィーク』だかに、賞賛の記事が出たのを覚えています。


 ついでながら、この二つの週刊誌に載る映画やミュージカルの評価は、少し甘いのではないか、とあとで気がつきました。一例。『氷の微笑』という訳題で知られる、マイケル・ダグラスとシャロン・ストーンの映画も、封切られたときの絶賛振りを記憶しています。第2作が作られたくらいだから、ヒットはしたのでしょうが、私には後味の悪い作品としかうつらなかった。


 何年か前ロンドンに行ったとき、『ミス・サイゴン』が上演されている劇場を見つけました。チケット売り切れで、当日払い戻し券(これを英語ではリターン return と言うのでした)を、並んで待つか、外のダフ屋から手に入れるかどちらかでした。


 ダフ屋から買うことにしたのですが、ボラれました。コミッションとか叫んで、手にしたポンド札を何枚かもぎとられてしまった。おまけに席は、天井に近いところ。


 そうして観た舞台ということを差し引いても、このミュージカルは感心しませんでした。ヴェトナム戦争末期のサイゴンの話。娼婦がアメリカ兵と恋に落ちる。いろいろあって死んでしまう。『マダム・バタフライ』を下敷きにしたものです。悪役の東洋人たちが、なんだか昔の日本兵そっくりの軍服を着ていたりします。1曲くらい覚えられそうな歌があるものですが、それもなかったし。