マルペンサ空港
帰りの空路は、ミラノのマルペンサ空港からミュンヘンのフランツ・シュトラウス空港へ飛び、そこで乗り換えて、成田へ帰る、というものでした。ルフトハンザ航空の飛行機です。
ミュンヘンには1時間ちょっとで着きます。国内線とヨーロッパ近辺行きのゲートがAで、成田直行便のような遠距離行きのゲートBと大きく2つに分かれています。搭乗券には、普通ゲートの種別と番号が印字されています。写真の左側。ところが、ミュンヘン行きにはそれがなくて、ただAゲートが記されているばかり。右側。
せっかく出発時間(13:10)の3時間ほど前に空港に着いたのに、搭乗ゲートの確認に手間取って、マルペンサ空港内を走り回ることになってしまいました。
免税店でのんびりみやげものを買っていたら、もう12:50です。あわてて、近くのゲートにいる係の女性に聞いても、肩をすくめるばかりです。出発ゲートを知らせるテレビ画面を調べて、さあ、そこへ行こうとしたら、ビルの反対側で、動く歩道を走りながらやっと目的のゲートに辿りついた。出発10分前くらい。そこから、バスに乗って、タラップのところに到着。乗り込んだらほどなく離陸しました。小さな失敗は他にもたくさんありました。
ミラノ中央駅からマルペンサ空港へシャトル・バスが20分おきに出ています。所要時間約50分。バスの車体に大きく7ユーロ(ユーロはEの左側が丸っこいあの印)と書いてあるのに、バスのそばで切符を売っているお兄さんのは7.5ユーロでした。訳がわからない。駅構内の売店で買ったら、ちゃんと7ユーロでした。これから、ミラノへお出かけの方は、よくお調べになったほうがいいですよ。シャトル・バスの発着所も分かりにくいですし。昔の東京駅と「はとバス」発着所との関係にちょっと似ています。
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ホテル・ダヴィッド
フィレンツェで泊ったのはホテル・ダヴィッド(Hotel David
)というホテルです。ミケランジェロの彫刻「ダヴィデ像」にちなんだ名前のようで、ホテルの案内チラシやレターヘッドに、ダヴィデの顔が印刷されていました。ガイド・ブックやネットのホテル案内では「ホテル・デイヴィッド」と英語読みになっていることが多い。
ツイン・ベッドの他に、エクストラのベッドがついた広い部屋でしたが、料金は160ユーロくらいで、リーズナブルというべきです。バスタブも付いていましたし。もっとも、ネットで予約(ブッキング・コムBooking.com
というサイトから申し込みました)する際に、ツイン、バスタブは必須という条件を出してありました。
市の中心から少し離れており、アルノ川の向こう岸ですから、センターへ出るのに不便かもしれない、と危惧する必要はありません。アルノ川沿いに10分も歩けば、ヴェッキオ宮殿の近くに達しますから。
アメリカと違って、ヨーロッパのホテルが便利だと思うのは、料金に朝食代が含まれていることです。朝、ヴァイキング式の食事をたっぷりとって(果物やヨーグルトも)、リンゴやナシを1個おやつ代わりにもらって、町へ出かけることができます。夕方(このホテルでは6時から8時)ハッピー・アワーというのがあって、ワインやジュース、ちょっとしたつまみが、サービスで供されます。日本から取り寄せたらしい、おかきやピーナッツもありました。
うっかりして、このホテルに、iPod のバッテリー・チャージャーや、当面不要のカード類(千代田線の定期券、健康保険証など)を入れた小さな布製の袋を忘れてきてしまいました。あわててミラノから電話をしましたが、見つからないと言われて、ずいぶん気落ちしていました。帰宅してメールをあけたら、見つかったという連絡が来ていました。代金ホテルもちの郵便で、それが昨日届きました。なんという行き届いたサービスでしょう。ありがたいことです。
国外へ出るときは、帰国したあとでそれがないと困るようなものは持ち出さないようにすべきですね。身にしみて分かりました。
このことがなかったとしても、ホテル・ダヴィッドは、これからフィレンツェへお出かけの方に、自信をもっておすすめできるホテルです。
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メトロの切符
イタリアの都市の地下鉄(メトロ)の切符は、それでバスにも、路面電車(トラム)にも乗れる共通のものでした。
ローマとミラノでは、1回有効切符は1ユーロ、フィレンツェはたしか1.2ユーロ。それぞれ70分以内なら何度も乗り換えができました。1日切符は、3ユーロ(フィレンツェは違ったかもしれない)で、これは重宝しました。最高記録はそれ1枚で9回乗ったかな。6ユーロ節約したことになりました。日付が変わると無効になるようです。
地下鉄の改札は、東京のそれと同じ式で、切符を入れると厚いプラスティックの仕切りが左右に開く。切符は定期券のごとく戻ってきます。バスやトラムでは、車内に刻印器が設置してあって、そこへ切符を差し込むと、時刻が記録されるらしい。裏側に磁気のラインがあった。次の乗り物の刻印器に差し込むと、時間切れならブーッ(?)と音がして無効を知らせてくれる仕組みです。
他に、3日、5日有効切符というのもあるようです。短期定期券のようなものか。
これが、その切符です。写真の縮尺がおかしくて大きく見えますが、実際は名刺大。
印刷された文面(と売価)が違うだけで、見た目はみな同じです。イロケがないのでした。写真の上部から差し込みます。水平に差す場合と、上から下へ差す場合とがあって戸惑うこともありました。知らない場所ではちょっとした習慣の違いで、遠来の客が戸惑うことがあるのは日本でもよく見られますね。
ローマの松
昨日書いた、アランチャ公園の付近にも松の木がたくさんありました。背の高い、巨木と言ってもよいもので、「ほう、これがあのローマの松か」と思ったことでした。レスピーギの交響詩『ローマの松』という管弦楽曲は何度か聞いたことがあります。描写音楽というのでもないと思いますが、こういうタイトルが付いているので、つい、目の前の松の木を見ると、これをああいう音楽にしたのだなあ、と感じました。松ぼっくりも日本のそれより、よほど大ぶりなのだそうで、うっかり落ちてくるのにぶつかったりすると大変なのだそうです。
レスピーギの曲では「ボルゲーゼ邸の松」「ジャニコロの松」「アッピア街道の松」などと、特定の地名が付いていましたが、このたびは、これらのどこにも寄らなかった。それでも、街中や公園で見かけたローマの松をお目にかけます。
公園は、ヴィッラ・トルローニアというお屋敷跡でした。テルミニ駅からメトロで二つ北に行った駅の近く。静かないい公園です。そこへ行くまでに見た人家の庭にある松と、その公園の松です。その公園で会った婦人のTシャツに日本語が印刷されていました。「わたしの心の塗り絵を描いて」というような文句だった。しどろもどろで意味を説明しました。初めはモゴモゴ言ったのですが、「ペイント・マイ・ハート」と言い直したら、なんとか通じたようでホッとしました。
最後のあざやかなブルーの花は名前が分かりません。ご存じの方、教えてください。






