千鳥が淵
昼休みに千鳥が淵の桜を見てきました。事務所から徒歩15分くらいですが、行きは地下鉄でひと駅、帰りは歩いて帰りました。
千鳥が淵は、靖国神社の、道路を隔てた反対側にあります。「淵」というから、皇居のお堀のことを指すのでしょうね。お堀をはさんで、手前と向こうに、万朶(ばんだ)の桜花です。遊歩道になっているところは260本の木がある、と、入り口の係りの人がハンドマイクで言ってました。「ここから1本ずつ写真を撮ると、260枚になってしまいますよ。先のほうにきれいな花がたくさんありますよ」と、立ち止まってデジカメやケータイをかざす花見客の人たちに、先へ進むよう、うながしていました。皇居側にも、おそらく100本くらいの木があるんじゃないでしょうか。今日から2、3日が見ごろでしょう。
水があると、桜の花の風情がいっそう増すようです。弘前城のお堀のそばの桜も、一度しか見たことはありませんが、素敵でした。角館の川沿いの桜もきれいなんだそうです。こちらは、まだ見たことがない。
地下鉄・九段下駅の階段を出ると、正装した若い男女の群れと、その親御さんたちが歩いています。今日は、武道館で明治大学の入学式が行われていたのでした。地方から来た新入生は、この盛大な桜のことを、きっといつまでも覚えていることでしょうね。お堀の土手に菜の花がたくさん咲いていて、その黄色い花のあいだから眺める桜の、うすいピンクがうつくしい。
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舎人公園
足立区にある、舎人(とねり)公園というのは、東京都の最北端に位置する公園なのだそうです。土曜日、見物に行ってきました。
舎人という地名は昔からのもののようですが、由来は諸説あってはっきりしないらしい。「舎人」という言葉は、歴史の教科書に出てきました。「奈良・平安時代、天皇・皇族・貴族のそばに仕えて雑事を受け持った(下級)役人」のことでした。
日暮里から、都営「日暮里・舎人ライナー」という、1年前に開通したばかりの高架鉄道で「舎人公園駅」まで約20分。320円。この電車は、運転手も車掌もいないのではないかしら。最前部も最後部も座席になっていて、窓から進行する線路が見える仕掛けでした。1区間、2分くらい。万が一のときは、おそらく最寄りの駅から係の人が駆けつけてくるのだろうと思います。複線の内側に通路が通っていましたから。
舎人公園は、ずいぶん広い公園です。桜はまだ満開とは行かなかったけれど、そこそこのお天気で、広い空の下を散歩したので、いい気持ちでした。
一本一本の桜の幹に、金属製のプレート(文庫本サイズの倍くらい)がくくりつけになっていて、そこに、その木をプレゼントした人の名前とメッセージがプリントされていました。「孫たちへ、おじいちゃんから」などと書いてあるのもありました。じつは、知り合いの方がスポンサーになった桜(ソメイヨシノ)が一本そこにあると聞いたので、それを見に出かけたのでした。事務所で教えてもらった場所は合っているのに、番号は違うし、肝心の寄贈者の名前が知人のものではありません。管理センターの方がやってきて、ご親切に探索もしてくださったのですが、ついに見つけられずに帰ってきました。
今朝、Eメールで、木が見つかったというご報告とともに、今しがた撮ったばかりの写真が送られてきました。ありがたいことです。通し番号と寄贈年度との関係が混乱していたようです。
ワシントンのポトマック河畔から里帰りした桜(の苗木が成長した)「レーガン桜」というのも見てきました。鈴木前都知事が命名したのだと解説がありました。「ナンシー桜」でもよかったね。
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催眠儀式
夜ふとんに入って、まず息をすっかり吐き出してから、ゆっくり四つ吸い、二つ止めて、口から細く八つ吐き出す、これを何度か繰り返します。前に「あるある大事典」というテレビ番組で教わった催眠儀式です。繰り返しは意識しながらやりますが、適当なところで、普通の呼吸に戻ると、大抵、気がつかぬ間にストンと眠りに落ちています。
座禅の呼吸法に、2500尺下から、身体の中心を通して息を吸い込み、吸った息をそのまま、2500尺下へ吐き出すようにする、というのがあると聞いたような気がします。2500尺は800メートルくらい。とくに根拠のある距離とも思えませんが、要は、深々と吸ったり吐いたりするのが肉体にも精神にもよい影響があるということのようです。
井上昌次郎先生の『眠る秘訣』(朝日新書)を読むと、睡眠研究も日進月歩のようです。先生は、この30年余り、睡眠学会を組織し、世界的な学会の理事をなさりながら、日本とアジアにおける睡眠の科学を牽引してきた、第一人者です。子ども向けの眠りの本も書いていらっしゃいます。
この本によると、「自分の眠りがとくに気にならない状態であれば、それが、あなたにとって最良の眠りです」とのことです。なんとしても8時間の睡眠を確保する、とか、レム睡眠・ノンレム睡眠ひと組90分の「睡眠単位」の倍数寝ないと「健康な睡眠」とはいえないのではないか、と、心配すること自体が、病的だと思うべきなのだそうです。「どこでも寝られる」と自慢する人がいますが、それも、ただ睡眠不足だと告白しているようなものなんだとか。
年に2度くらい、眠りに入ることができずに、輾転反側することがありますが、そういうときは、「眠れないんだから起きてればいいや」と思うことにしています。それでいいのだ、ということが、この本で分かりました。糸井重里、福岡伸一両氏が、オビに推薦文を寄せています。
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厩火事
「厩火事」という落語があります。髪結いのお崎さんが、亭主とけんかをして、仲人をしてくれた人のところへ乗り込んで、「今日という今日は、愛想も小想も尽きはてた」と言いつのるところから始まります。じつは、このお崎さん、亭主よりも年がだいぶ上だという設定です。
なぜ、「厩火事」というタイトルかというと、『論語』の「第十 郷党(きょうとう)編」の、ごく短い一句を、いわば「引用」して、亭主を試してごらん、と知恵を授けるところから、この名がついた。
厩(うまや)焚(や)けたり。子(し)、朝(ちょう)より退いて曰く、
人を傷(きずつ)くるか、と。馬を問わず。
《うまやが火事で焼けた。孔子は勤めから帰ってきて言った。
誰も怪我しなかったか、と。馬のことは聞かなかった。》
旦那が大切にしている皿をわざと割ってごらん。お前に惚れてるなら、どこか怪我をしなかったか、と聞くはずだ。孔子様が馬のことを聞かなかったように。もし、こわした皿のほうを心配するようなら、そのときは別れてしまえ。
皿の割れる音を聞きつけた亭主が、「おい、怪我はなかったかい?」と聞くので、お崎さんよろこんで、「おまえさん、そんなにあたしの体が大事かい?」「あたりまえだよ。お前に怪我されてみな。明日から遊んでて酒が飲めない。」
俗に「髪結いの亭主」ということを言いますが、その代表のような噺です。
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ライオン・キング
52回トニー賞の授賞式で、当時のキャストがアトラクションでやった、第1曲 The Circle of Life の映像を見つけました。おしまいに、演出家のジュリー・テイモアが、会場のオベーションに応えるシーンがあります。
実際の劇場版(現在はミンスコフ劇場)とは違いますが、ブロードウェイの雰囲気は伝わります。