久しぶりの更新。
ブログを始めて早数年、不定期とはいえ必ず月に一度は更新してきたのですが、このたび公私とも忙しく、そしてまたアメブロの編集が私のPC環境ではいまいち使いにくく、ついこのアジア映画ブログの更新をおそろかにしてしまいました。
しかし、細々と見続けてはいたんです。
大阪アジアン映画祭も二泊三日で計8本見てきたし、25年ぶりにデジタルリマスターで蘇ったエドワード・ヤン監督の傑作『牯嶺街少年殺人事件』も見ました。
そして今回、遅まきながら最後の最後に、日本では映画祭以外では劇場初公開となるキン・フー(胡金銓)監督・脚本の『侠女』を見てきたというわけです。これはやはり記事にせんと!
そもそもなぜ今キン・フーなのかというと、台湾のナショナル・フィルム・アーカイブであるTFI-国家電影中心が、自国の優れた映画を保存する事業の一環として2014年にキン・フー監督の2作品を修復したからなんですね。
その二つの作品とは、この『侠女』と『残酷ドラゴン 血斗竜門の宿』。
侠女の修復作業については、TFIがYouTubeにアップしてくれています。
それにしてもキン・フーと言えば北京出身で、香港に移ってからは60年代のショウ・ブラザーズをリー・ハンシャン(李翰祥)、チャン・チェ(張徹)らとともに支えた一人。
なんで台湾の国家的映画監督になるのか、疑問に思う人もいるかもしれないけれど、60年代後半から70年代初頭にかけては台湾に移り住み(といっても香港人としてビザが切れたら香港に一時戻ることを繰り返していた)、台湾映画としてこの2本を撮影したわけなんですね。
そして『残酷ドラゴン~』が全アジアを揺るがす大ヒットに!
そして本作『侠女」は中華圏映画として初めてとなるカンヌ国際映画祭高等技術委員会グランプリを受賞した作品となりました(第28回)。
そりゃ国家として誇るべき作品には間違いないわけです。
私の手元には韓国から取り寄せた侠女のDVDがあるのですが、お世辞にも映像はいいとは言えない。
ですが、映画が素晴らしいのはわかるので、いつか良い映像で見たいと思っていたわけです。
そこへきて、今回松竹メディア事業部が、TFIが修復した4Kデジタル版を公開してくれる運びに。
喜びいさんで、今回私はスケジュールのあった侠女のほうを劇場で見に行ってきたんです。
で、内容については旧知の名作ですし、松竹のキン・フー公式サイトにも詳しいので、割愛しますが、やはり映像が素晴らしい。
修復された映像はもちろん綺麗ですが、やはりキン・フー独特の風景をしつこく追う撮り方がいいし、アクションシーンのモンタージュの効果的な使用法は圧巻。
侠女の撮影については、キン・フー自身の口から、草思社から1997年9月に出た『キン・フー武侠電影作法』(山田宏一氏・宇田川幸洋氏によるインタビューを元に書き起こされたキン・フー伝記とも言える本)で詳しくその映像美の秘密を語っています。
この本の新装版が今年2017年5月18日に刊行されることになりました。
2014年の大阪アジアン映画祭では「追悼 ランラン・ショウ」特集にて、キン・フーの監督作である『大酔侠』が上映され、私も久々にキン・フー映画の魅力を実感することになったわけですが、今年はデジタル修復に、インタビュー本の復刊と、再びキン・フーが注目される年になっている感じです。
3時間という長い映画(もともと前後編で作られている)ですが、シューフォン姐さんの演技、ロイ・チャオの迫力、シー・チュンの書生役のはまりっぷりに見惚れ、のめりこみました。
いやぁ見て良かったです。
寡作だったキン・フー監督ですが、ツイ・ハークやアン・リーなど現代の巨匠になぜ深く愛されているかは、この侠女を見れば納得できます。
娯楽映画としては、『大酔侠』と『残酷ドラゴン~』に軍配があがりますが、風光明媚な景色をこれほどまでに画面でとらえていること。そしてロケ地は台湾がほとんどだと思いますが、さすが美術出身のキン・フーらしくチャチなものはひとつもないセットの使い方。さらにはアクションの迫力と神秘的な効果音とスローモーションと光の演出の三つが完璧に融合したシーンの撮り方。
いずれにもアジア的な映画美の一定の到達点を見ることができる作品なのです。
映画館での上映は最後数日となったようですが、もうすぐDVD&ブルーレイも発売されますので、ぜひ一度はご覧あれ!












































