デアゴスティーニから隔週で発刊されている「傑作カンフー映画」。

 

2016年8月30日の創刊号は、ブルース・リー「ドラゴン危機一発」(890円!)であった。

 

 

ブルーレイが890円である!

第二号からは1990円になるそうだが、それでも安い。

 

ちなみに第二号はやはりブルース・リー「ドラゴン怒りの鉄拳」。

 

 

私はなにせコアな香港映画ファンだから、ブルース・リーの映画Forune Starに版権がある4作(WBに版権がある「燃えよドラゴン」を除く主演作品)は、すべて数年前にパラマウント・ジャパンから出たエクストリーム・エディションのブルーレイで持っている。それぞれ4,743円だった。

 

やっちゃったー! と思うのはまだ早い。

 

問題は特典の多さである。

 

デアゴスティーニ版ブルーレイも日本語吹き替え版を収録していたり、予告編も入れている。まぁでもそれはDVD廉価版でもやっている。

 

エクストリーム・エディションのエクストリームたるゆえんは、

・日本劇場公開時パンフレット復刻版<縮刷版>

・香港公開時チラシ復刻版<縮刷版>

が封入されていたことだ。

縮刷版はブルーレイケースに入るサイズまで縮小されているから、けっこう読むのはつらいが読めないことはない。なにより貴重なパンフレットがミニサイズながらも手に入るのはファンには垂涎ものである。

  (画像はAmazonさんより拝借)

 

そして、映像特典の方もやれることはなんでもやるって態度がエクストリームであった。

 

たとえば、幻となっている没後10年目のリバイバル「リターン・オブ・ザ・ドラゴン」公開時のテレビCMまで入れてくれている。もちろん、誰かのエアチェックした映像(しかも冒頭の1秒くらいは乱れてしまってよく見えない)だから、とても保存状態はよいとは言えないし、通常だったらこのクオリティの映像を収録したりはしないだろう。しかし、マニアはそれでも見たいのである。

 

そういうマニア心理をよくわかっているから、エクストリームの4,743円はちっとも高くなかった。

 

収録音声にしても、単なる英語版ではなく、日本初公開時英語音声まで収録していて、「ドラゴン危機一発」で言うと、それまでDVDでソフト化されたものはどれも怪鳥音が入っていたのだが、日本初公開時やリバイバル時には、怪鳥音なしのアクションシーンだった本来のドラ一発が観賞できるのである。

 

そして、これらはブルース・リー映画に限らない。

 

たとえば、ジャッキー・チェン映画で、東映が配給した作品のほとんどには、日本で独自に主題歌を入れたりしていて、これがなかなか名曲なのだが、その後のソフト化の際は、新たに作品を版権会社から仕入れるために、東映オリジナルの主題歌は消えてしまっていた。

 

テレビ放送時にも、まだ東映に権利がある場合は、日本版主題歌が入っているバージョンで放送してくれるんだけれど、そのうちソフト化されたバージョンと同じになってしまう。

というか、そもそももうテレビ放送なんかされなくなっちゃうんだよね。

 

そうした東映配給版ジャッキー映画で、もっともテレビで放送される率が高いのは、「ドランクモンキー酔拳」だと思うけれど、おそらく今放送されても、日本語主題歌は『拳法混乱(カンフュージョン)』は流れないはず。石丸博也さんの吹き替えは入っていてもね。これは公開当時に映画で見た人や、その頃にテレビ放映されたバージョンを録画して何度も何度も見まくった人には物足りないはずなんだよねー。

それで廉価版のDVDで日本語版を買い求めても、あの聞き慣れた主題歌は入っていない!

物足りないよ、これじゃ! ってわけ。

刷り込みだよ、ほとんど。

 

日本版主題歌『拳法混乱(カンフュージョン)』がソフトに収録されたのは、2013年にソニー・ピクチャーズ・エンターティンメントから発売された35周年記念ブルーレイが最初だったんだよね。これは年季の入ったジャッキーファンには歓迎を持って受け入れられた(と、少なくとも私の周りのおっさんたちはそうだった)と思うよ。

 

それで話がデアゴスティーニに戻るんだけど、実はこの「傑作カンフー映画」シリーズの前は、隔週刊「ジャッキー・チェンDVD」ってシリーズをやっていて、先月に全66号で完結したばかり。

香港映画ファンとしてはジャッキーの全66号も、傑作カンフーの全30号どれもコンプリートしたいことはしたいけれど、思い入れのある作品は、最高の状態で手に入れたいもの。

 

具体的に言うと、隔週刊ジャッキーの第2号が、ドランクモンキー酔拳なんだけれど、日本語吹き替えすら付いてなDVDなんだなー、これが。

確認してないけれど、この扱いだと、日本語主題歌が入っているとはとうてい思えない。

おそらく満足できないなーと思って、隔週ジャッキーには、大いに興味をそそられつつも私は創刊号(「プロジェクトA」を収録)だけは買ったけれど、あとは手を出していなかったってわけ。

 

でもね、デアゴスティーニ版にも魅力があって、それは書籍として流通する宿命でもあるんだけれど、毎号毎号、注目のカンフー映画ライターやブルース評論家たちが健筆をふるっている(公式サイトでも「健筆」って表現されている)ってこと。

 

公式サイトを見ると、隔週カンフー映画の方ではブルース・リーの母校(ワシントン大ではなく、香港の中学・高校ね)を誌上訪問しちゃったり、「おお!」っと思う読み物があるんだなー。

 

ラサールってミッション系の教育機関の名を、鹿児島や函館の進学校としてではなく、ブルース・リーが通っていた香港の学校ってところから知ったような子ども時代からのファンには、たまらないんじゃないの、これ。

 

ということでデアゴスティーニ版の隔週カンフー映画、全30号をコンプするか迷い中。