GW、時間があったので、久しぶりにオールドボーイの漫画版を読破。

たぶん、通しで読むのは四回目くらい。やっぱりイイ。

今回、韓国映画、ハリウッドリメイク、そしてマンガと三つを見比べてみた。

 

もともと、オールドボーイは韓国映画版(2003年)を最初に見た。

カンヌ映画祭グランプリの名に恥じぬ出来映え。

タランティーノが絶賛したというのは有名だが、そんな宣伝的逸話はいらないくらい、このポスター見たら、説得力があるビジュアルじゃないですか! 見たくなりますよねぇ。

 

そして、私はどっぷりとこの映画にはまり、特典DVD付きのセルDVDも入手しているくらいの入れ込みよう。

 

映画鑑賞後は原作を手に入れ、こちらも一気に読破した。

 

といっても、原作の方は、自分のイメージに合ってない絵柄だったこともあり、最初は違和感があったのだ。

 

ところがドッコイ。読み終わってみると、チェ・ミンシクの実写版オ・デス(主人公の名前ね)もいいけれど、漫画版の主人公の孤独でストイックなカッコ良さに惚れるのだ。

とにかく男が惚れるかっこよさがそこにはある。

 

原作が一番。

 

そう思ってしまうと、映画版はショッキングにしよう、どんでん返しを作ろう、という意図が見えて(もちろん何回も観てるからだが)、やはり原作のシンプルなかっこよさに回帰する。

 

ただ、万人受けするのは、やはり映画版だろう。

 

原作の「復讐」は、実に観念的で、映像的にはわかりにくいものなのだ。

だから、韓国映画版は近親相姦などのわかりやすい愛憎要素を入れている。

それでも、韓国映画がよく仕上がっていることのウラには、やはり原作に忠実な部分を残そうとし、原作の哲学をなんとか映画に入れ込もうとしたスタッフの努力があったと思う。

 

だから、韓国映画版には敬意を表するし、DVDの特典ディスクを観れば、監督や主演チェ・ミンシクら韓国スタッフ&キャストがどれだけの労力をかけたかがわかって、カンヌのグランプリもとるべくして取ったと思えるのだ。

 

で、話はハリウッド版(2013年)に移るのだけれど、こちらは駄作とは行かないまでも、全然印象に残らない仕上がり。最近観たばっかりだと言うのにね。

ハリウッド版にも近親相姦というタブーを入れたのは、原作からリメイクしたのではなくて、韓国映画からリメイクしたからなわけですが、ポスタービジュアルもトンカチを振りかざす韓国版とそっくり同じ。これはどうだろう?

 

しかし、ふたを開けてみれば、ジョシュ・ブローリンの演技は、ミンシクのように鬼気迫るというふうでもなく、監禁されるというシチュエーションは、

・漫画版10年

・韓国映画版15年

・ハリウッド映画版20年

とエスカレートしているのだが、なんだかそこまで長くなると、あまり説得力がない。

(たぶん、ハリウッド版では娘役をまだ十代という設定にはしたくなかったのだろう)

 

それから、韓国映画版のアクションシーンは美学があって、映画的魅力に充ちているけれど、ハリウッド版はその要素はなく、ユ・ジテのような意外性のある敵役の魅力にも欠けていて、ひらすら滑稽になってしまった。

 

これがあのスパイク・リー監督作品なの?って思ってしまうくらい。

 

いや、韓国映画の出来がいいだけなのかな。リメイクがダメって論評はありふれていてよくないよね。私がアジア映画好き過ぎるから、ハリウッドリメイクに魅力を感じないだけなのかな。

 

「インファナル・アフェア」が「ディパーテッド」になったときも、まったく面白くなかった。というか、観てる最中はそれなりに楽しんだかもしれないけど、あとになると印象に残っていないんだなぁ。この点、ハリウッド版オールド・ボーイもまったく一緒。

 

だってさ、「インファナル・アフェア」ってあとになってもずっと印象に残るシーン、たくさんあるじゃない。

屋上でヤンとラウが対決するシーンの緊張感しかり。エレベーターでヤンが頭を打ち抜かれるシーンの無情なことしかり。

それなのに、レオナルド・ディカプリオとマット・ディモンの対決シーンはほとんど記憶に残っていない。

 

話がディバーテッドのほうに行っちゃいました。

最終的に何が言いたかったかと言うと、日本の漫画コンテンツも捨てたモノじゃないってこと。

え? よくわからんって。

ま、とにかく韓国映画「オールド・ボーイ」が好きな方は、騙されたと思って、日本の漫画原作を読んでみてくださいな。かっこいいから!

 

今回は(も?)よくわからん記事ですいません。