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Analog of Magic もみじとクラフトマンのblog

Analog of Magic (AoM)のブログです。
アナログ回路を中心とした話題をお届けします。

GND分離ポータブルヘッドホンアンプ【Zwei Flugel】【Eins Flugel】など各種アンプなどを販売中

Zwei Flugelの特性です。

 

周波数特性:約2.6MHz(-3dB)

 

ゲイン:2

 

電池持続時間:15時間以上(音量によって変動)

 

最大出力:75mW(33ohm負荷・電源電圧で多少変動)

※最大出力はクリップする電圧から算出しているので、

 THD+Nが1%以下でも最大出力としています。不利な表示の仕方です。

 

 

100kHz矩形波応答波形

 

上:アンプ出力 100mV/DIV・負荷なし

下:アンプ入力 100mV/DIV

 

 

 

クリップ波形(最大振幅)

1V/DIV・33ohm負荷・電源電圧 約1.25V電池×4本

 

 

 

THD+N(歪率+雑音)

 

測定周波数:1kHz、帯域幅:400-80kHz、無負荷時と33Ω負荷時。

少し電池の電圧が異なりますが、10kHzのTHD+N

 

チャンネルセパレーション:ND

 

参考や比較用に、Vier Flugelの特性はこちら

その1→https://ameblo.jp/analog-of-magic/entry-12405424033.html

その2→https://ameblo.jp/analog-of-magic/entry-12405424801.html

 

 

Vier Flugel比で、周波数特性は少し広くしました。

しかし、2.2MHzと2.6MHzでは20%程度の差ですので、大きな違いではありません。

 

周波数特性の話などはこちら

https://ameblo.jp/analog-of-magic/entry-12409328341.html

 

最大出力は電力でバランスの1/4になりました。出力電圧では半分になります。

ゲインも半分にしました。2倍です。

 

THD+Nのグラフの右下がり部分は雑音が支配的な領域ですが、

この部分がVier Flugelより小さいので、雑音が小さくなっています。

(雑音のみ測定しても同じ結果になります。)

シングルエンド出力になったので歪みが支配的な領域が左に寄りました。

緩やかに値が悪化するのはレールtoレール出力段と電圧によるものです。

電源電圧が低いアンプですが、十分な音量が出る出力までは低歪みを維持しています。

 

 

Zwei Flugelは測定値も優れていますが、最大の特徴はGND分離接続向けに

電源の配線を設計していることです。負荷につながるGNDには大きな電流が

流れますので、回路への影響が小さくなるように配置し、それを左右で分けています。

 

GNDについての話はこちら

https://ameblo.jp/analog-of-magic/entry-12423643548.html

 

GNDの設計が良いヘッドホンアンプはあまり見かけませんし、GND分離接続に

対応したものでもジャックが4極になっているだけのものが多いように思います。

Zwei Flugelはそういったものとは一線を画す設計をしています。

このような設計をし、音の調整も十分に行うと値段が高くなりますが、

Zwei FlugelとVier Flugelはそういうのを度外視した値段設定にしてあります。

 

Zwei FlugelとVier Flugelは主要な部品の配置がほぼ同じですが、

それぞれ良い電源の配線が異なりますので銅箔の形は全く違うものになっています。

部品配置を揃えているのは遊び心と、無言の主張です()。

 

左:Zwei Flugel 3.5mmジャックモデル 右:Vier Flugel

 

そういえば、Zwei FlugelとVier Flugelの構造そのものにも無言の主張が含まれていたような…。

 

 

byもみじ

GND分離・シングルエンド出力のZwei Flugelを製作しました。

 


Vier Flugelのシングルエンド出力版に見えますが、共通なのは

主要な部品とその位置くらいで、配線等はまったくの別物になっています。

 

バランスで4出力だからVier Flugel、アンバランスで2出力だからZwei Flugelという
なんとも安直なネーミングをしてしまいました。

 

 

zwei flugelは、

・LEDが綺麗(クラフトマンいち推しの選定品)

・電源の配線はシングルエンド用に再設計
・回路由来のホワイトノイズがvier flugelより小さい(最大出力とゲインも小さい)

・GNDのリターンを考えたGND分離で4極コネクタ対応
・出力端子は4.4mm5極と3.5mm4極の2種類
・電池のもちは変わらず

・主要な部品配置はVier Flugelとそっくり

といった感じになっています。

 

細かい測定はまだしていませんが、

短形波とカットオフ周波数などは確認しました。

カットオフは約2.6MHzです。

これは設計通りの値になっています。

細かい値をとってから、少し調整するかもしれません。

 


雑音とゲインの面で、vier flugelよりはイヤホンに向いています。

GND分離は、出力端子だけでGNDをわけているわけではなく、
アンプ部分まわりの電源設計からGND分離向けに設計しました。
これにより、vier flugelに匹敵する左右の分離感になっていると思います。
(数値だけではなく耳で聞いた場合もです。)

 

主要な部品の配置はvier flugelとほぼ同じですが、シングルエンド出力に

するため、電源を中心にほとんどの配線を描き直しています。
出力された信号の戻るルートが異なるので、バランス出力と
シングルエンド出力では良い電源の配線が大きく異なるのです。

特性および音質を重視したため、vier flugelと部品点数も
消費電流もあまり変わらないため、電池のもちはほぼ変わりません。
vier flugelもzwei flugelも15時間以上(20時間弱くらい)と長めに設定しているので、

使い勝手もよいと思います。

 

 

 

ところで、vier flugelもzwei flugelもICを使用しているので、そこに疑問を持つ人がいるようです。
ディスクリートだから分離が良い・パワーがあるなどと言っている製品はたくさんありますが…
それは宣伝であって、多くの場合で事実とは反するように思います。

実際に、知識が乏しい人が設計したディスクリートと、詳しい人がIC使って
きっちりつくったものでは、後者のほうが基本的に良い結果が得られます。

ビギナーズラックか奇跡でも起これば別ですが…。

 


私はディスクリートのアンプも設計しますし、それで雑誌の記事も書きました。
しかし、PHPAではサイズと電源の制約が大きいため、

ICもしくはIC+ディスクリートで設計するすることが多いです。
Vier Flugelは音質や電池のもち、サイズなどのバランスを考えた結果としてあの構造に

なったのであり、ICを使用していてもより良い結果が得られるように設計しています。

 

しかし、最大出力を大きくとれる構造にしたため、
少々ゲインが大きく、高能率なイヤホンだと雑音が気になる場合がありました。
そこで、構造を変えてゲインを落とし、最大出力もそれに合わせ小さくしたものを……。
個人的にはバランス出力は最大出力が大きくできる程度のメリットしか見いだせないので、
バランス出力にはこだわらずこの目的を達成しようと設計したのがzwei flugelです。
音質は向上させるつもりで電源周りをはじめほとんどの配線をひきなおしています。

 

3極ジャックを用いた時の共通インピーダンスはチャンネルセパレーションに影響しますし、
回路設計時にも制約ができるため、出力はGND分離の4極としています。
また、バランス環境から(vier flugelからも)もこのアンプが使えるように、GND分離ではめずらしい4.4mm5極ジャックモデルも製作しました。

端子配置は、3.5mm4極モデルは接続するプラグの先端からL hot・R hot・L GND・R GNDです。
4.4mm5極モデルはvier flugelと同じ、プラグ先端からL hot・L cold(GND分離の場合はL GND)・R hot・R cold(同R GND)です。
GND分離であってバランス出力ではないので、3.5mmモデルは通常の3極プラグを
接続することも可能ですが、音質的には4極のプラグを使用するのが好ましいと思います。

 

 

最大出力は電圧でvier flugelの約半分にあたる4.4Vp-p程度です。(電力の場合は1/4)

この値は1.2Vの電池×4本で、負荷によって多少変動します。

ゲインは2倍に設定しています。vier flugelではhot・cold間で4倍でした。

 


細かい特性については後日書きます。

興味がある方はお問い合わせ下さい。

 

by もみじ

 

パワーアンプの製作記事ではあまり見かけませんが、ヘッドホンアンプでは
GNDを一点にするのかベタにするのかが半ば宗教化しているように思います。
個人で製作している方だけでなく、メーカーや製作物を販売しているビルダーでも
そのような発言をしている方を散見し、頭の中が?????です。

 


GNDは宗教ではありません。電源でもっとも重要な部分です。
GNDは基準なので振れてはいけないという主張も見かけますが、

抵抗値があるものに電流が流れれば必ず電圧降下は生じます。
重要なのはその影響を最小限に抑え、回路に狙った動作をさせることです。
配線を太くするだけでなく、分けたりコンデンサを挿入したりなど、
原因とそれに合わせた解決手法をとる必要があります。

 

オーディオアンプでは一点GNDが多用されることが多いです。
これはすべてのGNDを電源回路で一か所に集めるためそれぞれの電圧降下が
問題になりにくく、オーディオのような周波数では不具合が生じにくい形です。
しかし、出力に大きな電流が流れる回路では出力に流れた電流を
最短でリターンさせた方が好ましいので、この形が優れているとは思えません。

 

一方、ベタGNDはどうでしょうか。
こちらは断面積が大きくとれるため電圧降下は小さくなりますが、
回路の向きや電源との位置関係で電流の流れが変わるため、結果も変わります。
こちらもメリットはありますがデメリットも大きいので、私は総ベタにはあまりしません。

 

 

Zwei FlugelのGNDは、断面積を大きくとるところ、最短で電流を戻したいところ、
電流があまり流れないところなどをわけて設計しています。
そのため、見た目はベタと一点の間のような形です。
これにより、GND分離でありながら特に左右の分離が優れています。
忠実な再生をする為のオーディオアンプは、数値だけでなく音楽を聴いたときに
どのようなふるまいをするかまで考慮して設計しなければなりません。
なお、Vier Flugelはバランス出力なのでまた異なります。

 

 

高周波で必須になる回路を安定させるためのベタは、オーディオアンプでは
周波数や構造、回路規模などによって使う使わないを選択すればよいと考えています。
小型アンプの場合はスペースの問題もありますので、うまくベタを配置できそうに
ないときは抜いてしまってかまわないかもしれません。基本的にはあったほうが

好ましいですが、信号源インピーダンス等との兼ね合いもあるので場合によると思います。

 

 

※発言内容は知識が増えると変わる可能性があります。

 

by もみじ

正確には既に決まっていたんですが、新型GND分離アンプの名前が決まりました!(電流の流れを十分考慮したGND分離なので是非体感して下さい)

 
バランスのアンプがvier flugel(4つの羽根)に対して、シングルエンドなのでzwei flugel(2つの羽根)となりました!
 
新型アンプは2種類ありまして、どちらもアンバランス入力で4.4mm5極出力モデルと3.5mm4極出力モデルとなります。
3.5mm出力モデルはプラグ先端から配置がL+・R+・LGND・RGNDとなっており、3.5mm3極プラグのヘッドホンをそのまま接続することが可能です。
GND分離のヘッドホンの場合、GNDの配置に注意してください。逆接続だと音が悪くなります。
 
新型の基本コンセプトなどは過去記事のこちらもご覧ください。
 
 
価格は完成品が4.4mm5極仕様が34,000円、3.5mm4極仕様32,000円。→2019年9月よりそれぞれ40,000円、38,000円に変更しました。
 
キットの設定は基本的になしとなりました。
初期のキット版vier flugelと同じはんだおよびはんだづけで比較したい等でキットが欲しい場合はご相談ください。
 
また、こちらで使用するはんだは標準品が決まっていますが、他に2種類選択することが可能です。
 音の好みの方向性がはっきりしている方はご相談ください。
 
PCBの確認をして測定結果をもとに、特性等の情報をブログへ掲載いたします。
 
coming soon
 
by クラフトマン

すっかり寒くなってきましたが、相変わらずグローブ無しでもバイクに跨って風を切るクラフトマンです。

 
 
今回のアンプももみじさんが主設計となり、私の出番はアートワークのダブルチェック的なものと要望を上げていくくらいしかやってません。
 
せっかくアートワーク用ぱここん買ったのに、届く前に書き終えてくるのはもみじさんならではですねw
 
 
今回のアンプは、vier flugelの部品構成をほぼそのままにシングルエンド化+GND分離化。
 
電源の配線などをシングルエンド+GND分離用に改変し、ジャックでGNDを分離しているだけのアンプとは違う、より理想に近い形にしました。
シングルエンドですが、共通インピーダンスによるチャンネルセパレーションの悪化はほぼないはずです。
またバランス出力と比べ最大出力とゲインが小さくなり、回路由来の雑音も小さくなります。
 
 
試作後の測定結果はまたブログにアップする予定です。
 
アートワーク用ぱここんの購入意義が不明瞭になりそうなので、個人で作ってるアンプの改版でもしましょうかね…
 
 
by クラフトマン

@DIMEさんで紹介されました。

 

https://dime.jp/genre/625287/

 

ずいぶん長く書いていただいて嬉しいです。

 

 

>ここまで突き詰めてポタアンを作っている人がいるとメーカーもうかうかしていられないと思う。

 

と書いていただいていますが、私は勤めていたオーディオ関連メーカーがダメすぎてすぐやめているので、それらより良くないと困っちゃったりします(笑)。

 

紹介されているアンプはこちら↓。

https://ameblo.jp/analog-of-magic/entry-12405448038.html

https://ameblo.jp/analog-of-magic/entry-12416835587.html

 

by もみじ

Hi!!もみじです。

 

 

ヘッドホンのバランス駆動はコネクタの規格が乱立しているため、
どうしても変換ケーブルが必要になる場面が出てきます。
しかし、音に癖が強いものや、音はそれなりに良くても

価格やつくりがネックになるものも多いように思います。
自分でつくるにしても強度が出せなかったり、

電線やコネクタがなかなか決まらない人も多いはずです。

 

これはポータブル用のラインケーブルも同じような状況だと思いますです。
癖の少ないアンプにはできるだけ癖の少ないケーブルを合わせてほしいのですが、
なかなかそのようなケーブルは見つかりません。

怪しげなケーブルを買ったり自分で組み立てたりするより、

ベルデンあたりのケーブルを使うほうが無難な状況です。

ベルデンもすごく良いケーブルたくさんありますけどね!

(私は88760が苦手で、8412をたまにマイクで使っています。)

 


私はポータブルで使うケーブルはほとんど自分で用意しています。
基本的にお分けすることはないのですが、最近製作して評判が良かったものや、
欲しいと言われ複数製作することになったケーブルを数点ご紹介します。

20cm以下のケーブルでは、長さの誤差はどれも数mm以下です。

 


・4.4mm5極プラグ→XLR4極メス(たぶん18cm・無鉛はんだ)


vier flugelと、SENNHEISERなどで採用されているXLR4極のケーブルを

つなぐための変換ケーブルです。
大きな電流が流れる箇所なので、できるだけ断面積の大きな電線を使用しています。
ケーブルを強く折り曲げたときにメッシュチューブが端から抜けてくるのは

故障・破損だと思っているので、抜けてこないよう丈夫なつくりにしてあります。

 

 

・4.4mm5極プラグ→2.5mm4極ジャック(17cm・無鉛はんだ)

 

AK向けのケーブルを接続するとき用です。
基本的な構造はXLR4極版と同じです。
2.5mmジャックのスリーブは極力露出しないようにしています。

 

 

・3.5mm3極→3.5mm3極(15cm・無鉛はんだ)

 

携帯音楽プレーヤーとアンプをつなぐためのラインケーブルです。

15cmより長く見えるのは、プラグ先端が定規より高い位置にあるためです。

 

電線は隠し持っていた、内部で右chと左chが別にシールドされているものを使用しています。

 

使用時に毎回同じ向きで接続できるよう、 一番下の一本はスリーブの一部に着色しています。

(ローレット加工してある間の部分。)
中に使用している収縮チューブの色はわけているので、もし着色した部分の色が落ちてしまっても

スリーブを開ければ判断できるようにしてありますが、上二本のようにしたほうが良いですね。

 


癖の小さなケーブルや質の高いケーブルがほしいけれど見つからないという方や、
丈夫に作る自信はないという方、どうしてもの場合はご相談ください。

 

イベント用の限定品としてつくった2.5mm4極出力版vier flugel、
ちょっとつくりすぎたみたいで余ってしまいました(○´ω`○)ゞエヘヘ

 

※この写真の個体はボリュームつまみがまだ付いていません。


なので、もう少し継続して販売しようと思います。2.5mmは物理的なデメリットが

多すぎると思うので増産する気は今のところありません。在庫あるだけです。


基本的には完成品です。はんだはご相談ください。

また、どうしてもキットが良いという場合はお問い合わせください。
キットはその性質上、性能および音を保障することはできません。

 

増幅回路自体の性能は4.4mmジャック版と変わりません。
ただし、ジャックが違うため、音は少々異なるようです。

 

性能はこちら

https://ameblo.jp/analog-of-magic/entry-12405424033.html

https://ameblo.jp/analog-of-magic/entry-12405424801.html

※数字やグラフ、波形は性能の一部に過ぎませんけれども。

 

 価格はイベントと同様で。

 

17,000円 キット(ケース未加工・ツマミ無し)→終了

 

32,000円 完成品(ジャック込み、ツマミと糸半田は選択可)→在庫セール価格

 

 

 

P.S.

最近、少し値段が高いという反応がありました。
アンプの音と値段について前記事で詳しく書いていますので、ぜひ読んでみてください。

https://ameblo.jp/analog-of-magic/entry-12416834362.html


AoMでは、高価な部品を使っただけであったり、奇をてらっただけのものが
ほしい方向けのアンプをつくる気はありません。
物理現象を理解し、しっかりと確認・考察をし、悪いところを解決していく。
これを繰り返した、ある程度正攻法な「増幅器」を出したいと思っています。
とはいえ、キット前提のバランス出力アンプだったりすると
妥協しなければいけない部分も若干出てくるのですが。

 

by もみじ

Q.アンプの音は何で決まるのでしょうか


私は以下のように思っています。

 

A.設計者の電子回路の理解度(≒特性)と感性

 


今のオーディオアンプ界隈の一部では、○○回路採用で××な音!のような

宣伝をよく目にします。しかし、音や特性は回路の形で決まるわけではありません。

 

たとえば、電流帰還アンプは広帯域にしやすいですが、
誰でも広帯域なアンプがディスクリートで設計できるわけではありません。
適当な設計をすれば当然リンギングは出ますし、ある程度知識のある人が
ディスクリートで設計する場合でも数MHzあたりで切るのが無難でしょう。
このあたりであれば電圧帰還型でも十分設計できてしまいます。


また、このような宣伝では長所ばかり並んでいることが多いですが、
PSRRは?BJT入力型のバイアス電流の多さはどうした?PCBの設計は?
などといった疑問が尽きません。

 

 

同じように二段差動なら音の分離が良くなるわけでもないし、
オペアンプをひとつでも使っていたら音が悪いわけでもありません。
アンバランスとバランスは同じように設計できません。
ディスクリートのトランジスタバッファがついていれば

必ずクリアな音でパワーがあるわけではありません。
こういうのを挙げだしたらキリがありません。


もし何か主張するのであれば、実測値を出して、
実際の特性を確認しないといけないと考えています。
音の分離が良いのだって、リンギングが出ていて音がうるさいだけかもしれませんし。

 

 

測定は、必ずしも高価なオーディオアナライザが必要なわけではありません。

(これを持っていないことを、測定結果を公表しない言い訳にするアンプありますけど…。)
あるほうが良いですが、なくても確認できることは多々あります。
また、高価な測定器があってもそれを活かせる・その結果から十分に

考察できる知識がなければ役には立ちません。
何が・どうなるから・どういう値や波形を見たいのか。まずはそこからだと思っています。


簡単にまとめると、良い増幅器は

 

1.回路(物理現象)を理解する

2.設計して理論値を出す

3.試作して測定し理論値と比較する

4.おかしなところを解決していく

5.測定値に表れない部分を考察

6.1に戻る

 

を繰り返してつくっていくものだと思います。

数字やグラフ、波形で見えるのは一部なので、

見えない・見えにくい部分は理詰めし、音で確認していくしかないでしょう。

機械は良いところをほめても伸びません。悪いところを解決していくしかありません。

 

 

こういったステップを飛ばせば、当然安価には製作できるでしょう。
しかし、そうすると特性は出ませんし、音が良いものもできません。
見よう見まねで作れば、ある程度のところまでは簡単にいく場合もありますけども。

本来、技術は無償で得られるものではありません。他人ができないことには価値があります。

 

 

今はメーカー製の完成品でも入念な設計をしていないがある時代です。
そんな中で、AoMはある程度きっちり設計しつつ、少しだけコストを

抑えた形にしたものをつくりたいと思っています。
突き詰めたものは個人的にやっていたのですが、どうしても高くなってしまうので…;。

 

設計には好みがあるので、結果的に少し珍しい形になることはあるかもしれません。
しかし、理論上も実測でも特性が出ていて、音が良ければ、

そこまでのアプローチは得意な形や好きな形で良いと考えています。

 

 

vier flugelは、キット向けに少し簡略化した部分があります。
それでも基本的な部分はおさえているので、

入念な設計も測定も考察もしていないものよりはるかに良いはずです。
たとえ同じ部品で設計したとしても、同じもの・さらに良いものは簡単にはできないと思います。

こんばんは!\(^o^)/

 
なんとかイベントに間に合った限定基板の詳細情報です。
 
基本的には先行して頒布していた vier flugel と同じですが、出力ジャックが4.4mm5極のPentaconnではなく、AKと同じ端子の配置にした2.5mm4極版になります。
 
数量限定で以下のラインナップになります。
 
1.キット 17,000円
    ボリュームツマミなしですがジャック付きです。→終了
 
2.完成品 32,000円→在庫セール価格
     ボリュームツマミ2種類から選択して下さい。
 
キットでケース加工が不安な方は別途相談とします。
 
 
完成品は今回、AoMのPHPAを使っていただいている方で評判の良い糸半田を使っています。
 
ヘッドフォン祭では実際に半田の違いもご視聴いただけます!_(:3」z)_
 
 
by クラフトマン