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Analog of Magic もみじとクラフトマンのblog

Analog of Magic (AoM)のブログです。
アナログ回路を中心とした話題をお届けします。

GND分離ポータブルヘッドホンアンプ【Zwei Flugel】【Eins Flugel】など各種アンプなどを販売中

こんばんは、車の修理が一旦終わったのですが、プラグやらシートカバーやら到着して取り付け待ちのクラフトマンです。

さらに同じ型の部品取りしていいよーって言われてる車両もあって、また記事を書こうかななんて思ったり思ったりしてます。

さて、タイトルにある通り先日沼津へドライブに行きました。

なんとなく昔から沼津の天丼しゅごいって聞いていて、いつか行こうと思っていた所でした。

チャンスがあったら貸切露天やら足湯やらも良いなーなんて思いながら向かい、開店と同時くらいに現地入り。

YAMAHAの電動スクーターVinoかな?同じバイクが3台とまっていて、よっぽど好きな人がツーリングでもしてるのかなーと思いつつ通り過ぎ丸天へ。

華麗に割り込みされましたが開店直後でスムーズに入店、周りに天ぷらのやばいのがすでに並んでいました。

注文したのは名物のかき揚げ丼と穴子天丼です。


あのね、かき揚げ丼おかしいよ?w

店員さん曰く横に倒して崩して食べてねとの事で、もみじさんが頑張りましたが重たすぎて箸で上がらずテーブルに少し散らかす始末。

味としてはかき揚げは具が色々と入っていて、エビの風味も良く濃厚な感じで良いのですね、量以外は。

穴子天丼は穴子好きな人なら満足の一品かと思いますよ!天ぷらの割にあっさり食べられますし。

お味噌汁があら汁みたいのが出てきてとても出汁が強く、食べ応えがありました。

お腹ぐるじぃ感じでお店を出て、まだバイク置いてあるなーと思いながら駐車場へ。

休憩したいからコンビニに向かうんですが、さっきのバイクが3台市場から出てきました。

どんな人が乗ってるのかなーなんて思っていたら、ヘルメットがスイカ…

スイカのヘルメットってつまりドゥーハンか!?

続きはまた今度。

クラフトマンさん

その2です。部品の配置について少し触れてみます。

 

 

一般的な差動アンプの場合、フィードバック抵抗の位置は重要です。
そう、この抵抗は入力端子に可能な限り近いほうが好ましいのです。

 

しかし、この位置がおかしいものがメーカー団体個人問わず結構あります。この抵抗の良い位置はガードリングの話などと共に物の本にも載っていますし、インピーダンスや雑音のことを考えれば自ずとわかるはずですが…。

ここに限らず、インピーダンスが高くなる部分は極力短くする必要があります。


この位置がおかしくてもオーディオアンプ程度の帯域幅や雑音では大きな問題にはならないのかもしれません。しかし、突き詰めていくととても大きな差になります。

 

また、こういった部分は設計者の知識を判断するひとつの材料にもなります。ディスクリートアンプはネットで拾った回路を見よう見まねで組み立てればなんとなく形になりますが、こういう部分は知らないと突き詰められません。

 

 

同じようにあまり考えられずに設計されているように思える事が多い部分として、電源との距離とその位置関係があります。繋がっていれば同じというわけではありません。順序や長さ、向きなど適切な繋ぎ方があります。これは一概にどうすれば良いとは言えませんが、電流の流れを考えるとこちらも自ずと良い設計が見つかるはずです。


電源の波形を観測したことのある方はデカップリングコンデンサの重要性もよくご存じかと思います。なぜかこの部分がいいかげんなアンプも非常に多いです。

そして、電源の設計がいまいちなアンプはGNDをちゃんと設計できるわけもないのです。電流の流れが見えていないのですから。

 

 

データに出ない音があるんだ!と仰る方にはこういった部分もぜひきっちりやってほしいものです。例としてあげた前述の二か所はTHD+Nや周波数特性にはあまり大きな影響がありません。しかし、音は明確に変わります。これらはオーディオ用途のアンプではやらないような測定をすると差が見える部分もありますし、見えにくくても理論上良いものはだいたい効きます。

 

※フィードバック抵抗の値と位置は特性が大きく変わりますが、それを知っている人は最初から良い設計をするでしょうし、知らずに部品を選ぶ人は毎回同じような値を選ぶのでしょうから、結果としてあまり特性が変わることはないと思います。

 

 

どんなに高価な材料を使っていても、軸の曲がったドライバーや切れないドリルは売れません。焦げている料理も値段がつかないでしょう。しかし、オーディオ機器では特性が出ていないものを売りつけようとしてくる人がとても多いです。見えないのではなく見よう・見せようとせず、そういったものを押し付けてくるのはちょっと悪質すぎると思います。

 

 

 

具体的な良い例・悪い例はいくらでもあげられるのですが、あげたところで改善するわけでもないでしょうから今日はやめておきます。こういうのはすぐに身に付くものでもありませんし、私もできれば良い例だけを見ていたいので。

 

 

なお、測定データと中身がある程度わかる写真があれば、知識がある人にはどれくらい技術があるかすぐに見抜かれます。それが見よう見まねかどうかもすぐわかってしまうでしょう。そんな人たちに見せても恥ずかしくない、質の良いものを作るには、理論を理解し計算し試し測定して悪いところをひとつずつ解消していくしかありません。

きっと、好きな人は一生勉強することになるのでしょうね。

 


もみじさん

アンプの設計はどのようにすれば良いのか興味をお持ちの方がいるようですので、少し解説してみます。

 

 

1.目標値を決めて回路を考える

 

部品を選ぶ前に、回路を設計する前に、まず目標とする性能を決めます。

ここでは例として

・入力インピーダンス100kΩ以上(1kHz)

・出力インピーダンス600Ω以下(1kHz)

・利得約+10倍、DC~300kHz(フルパワー帯域幅とは言っていません)

・出力のオフセット電圧20mV以下

・最大で16Vp-pまで振れる

・信号源インピーダンスは大きくなる時もある

という条件の増幅器を制作することにします。

 

今回はわかりやすくするため極力部品を減らしたいので、回路はICのオペアンプを使った非反転増幅回路の一発とします。DCから増幅する必要があるため、入出力ともカップリングコンデンサはありません。

 

入力インピーダンスが1kHzで100kΩ以上なので、入力バイアス抵抗は100kΩ以上の適当な値にします。フィードバックは利得が任意の値になれば何でもいい…と思われがちですが、あまり大きな値にすると雑音特性が悪化します。また、各所の容量とフィルタを形成するため値によっては不安定になることもあります。適切な値を選びます。

 

 

2.部品を選ぶ

 

前述した仕様を満たすためには、

・GB積は3MHz以上

・入力インピーダンスは1kHzで100kΩ以上ならかなり自由に選べる

・出力インピーダンスは1kHzで600Ω以下なら何を選んでもあまり問題なし

・入力のオフセットが2mV以下になるように

・電源電圧は最低でも16Vp-p(正負8V)以上必要

のものが必要です。

 

たとえば

・GB積が8MHz

・入力抵抗が十分に大きい

・出力インピーダンスがクローズドループで十分に小さい

・入力オフセット電圧が±2mV

・入力バイアス電流と入力オフセット電流は十分に小さい

・電源電圧が±18V(max)

・FET入力で電流雑音も小さい

という品種ならば問題ないです。ちなみにこの値はOPA134のものです。

 

3.細かい値を決めていく

電源電圧は出力を16Vp-pまで振るため、これは最低でも16Vp-p(正負8V)以上に設定しなければなりません。OPA134の出力は負荷600Ωで(V-)+2.2V・(V+)-2.5Vなので、少し余裕を見て±12Vくらいあれば良いでしょう。

雑音が指定されていないので、フィードバック抵抗などは自分が狙った特性になるように選びます。

デカップリングコンデンサは高い周波数の特性が良いものと、容量があるものを並列に入れるのが定石です。ただし、最近は大容量なMLCCも登場しているので、1つに置き換えることも場合によっては可能です。

今回は負荷が指定されていませんが、負荷が純抵抗ではなく容量成分がある場合などは、出力に直列に抵抗を挿入したほうが良い場合もあります。その場合は、出力が負荷とその抵抗で分圧されますので、負荷にかけられる振幅は小さくなってしまいます。

 

4.部品配置や配線を決めて組み立てる、もしくはPCBを発注する

知識と技術と経験を駆使して設計してください。PCBの設計もとても奥が深いのです。

 

5.動作確認と測定をする

まずはDMMを使って想定した動作しているかを確認していきます。回路の各部分の理論値と測定値をそれと比較します。動作していそうでしたら各種測定器を使い、特性の理論値と測定値を比較していきます。

 

 

 

簡単に書くとこのような順で設計することが多いと思います。本当はもっといろいろなことを考えていますが、多すぎますし言葉にするのは難しいので書けません。

 

5.で書いているように、目標を定めて設計している場合は必ずそれが達成できているか測定しているはずですので、測定結果が示されていないアンプは何かおかしい気がします。データを公表していても、行き当たりばったりな設計をした結果を公開しているだけであったり、クリアできていそうな値を適当に表示している場合や、ICなどの性能限界値を示すアンプもあります。

 

ただし、研究・実験および本や雑誌用に改めてデータを取る場合などは、ある程度行き当たりばったりになることもあります。限界を探るために必要なことですからこれは良いのです。それに、こういうアンプが商品として出回ることはあまりありませんしね。

 

 

その2は部品の配置や配線の長さについて少し触れたいと思います。

 

もみじさん

車屋さんの車検によりAT不調となり、まさかの新年を迎えられなかったうちの車。

 
お友達の親戚の車屋さんから激安中古車を買いました。
 
直後は調子も良かったのですが、納車後数日で一気に不調箇所が出てきました。
 
そもそも現車確認をしないと言う初めての買い方で、車体の色やらなにやら知らないで購入。
 
引き渡しの時に3点えええええぇ…ってなる事言われてたんですね。
 
1.どこからか少しオイル漏れるから継ぎ足してね!
 
2.クーラントが少し漏れるから継ぎ…
 
3.キーレスなかったよてへぺろ
 
んー…どーゆーことなのw
 
 
1と2は経過観察するとして3は不便なので、中古の送信機を用意して車両に自分で登録、キーレスのブランクを用意して鍵を複製しました。
 
 
経過観察をしてみると車庫にオイル滲みが…へり具合は初めわからない程でしたが、翌る日レベルゲージで判別出来るくらい減ってしまいました…
 
クーラントは減っている気配が無く、リザーブタンクも位置は変わりません。
 
ラジエター側だけ減っている可能性もありましたが、ひとまず1と2の原因を探ってみる事にしました。
 
 
見た目でオイル滲みがヘッドカバーを起点にありましたので、オイルはここが一番怪しそうです。
 
クーラントはインタークーラーなどの下に配管があり目視では解体しない限りはわかりそうにありません。
 
そんな時に走行中に水温インジケータのオーバークールが点灯…えっ…空になったのか?と思い様子を見てもクーラントは入ってる。
 
インジケータが点滅し始めたりし、その点灯具合に釣られてアイドリングも上下する始末。
 
サーモスタット不調によって走行中にオーバークールとなるレベルに大きなラジエターでもないので、水温センサーの不調が濃厚でした。
 
この年式の水温センサーはサーモスタットと一体型で、水温センサー交換はつまりサーモスタット交換となります。
 
また、サーモスタットへアクセスする為にインタークーラーとエアフィルターも外すので、ついでにヘッドカバーガスケットを交換する事にしました。
 
この時の状態はオーバークールのインジケータが一切点灯せず、エンジン始動時にオーバークール判定にもなっていないからエンジンが冷えていると非常にかかりずらい。常に500RPM程アイドリングが高く、更にファイナルギアまで変速しない状態。
 
そしてまさかの燃費が納車直後のちょうど半分程しか走らない感じです。
 
このままでは経済的にも精神的にも良くないので、部品到着次第交換作業をする決意をしたのでした。
 
 
エアフィルターとインタークーラーを外し、サーモスタットを外してみる。
 
んんん?頼んだ部品は樹脂製で元々ついてたのがアルミ製でした…
 
なんだこれニコイチかw
 
形状は配管位置が若干違う事と本体の厚みが違うくらいで、用意したものは装着出来そうです。てか出来ないとおかしい。
 
スタッドボルトが長いのか他の部品と干渉して取り付け出来そうになかったので、スタッドボルトを抜いてはめてやりました。
 
なんと…ボルトが長くネジ山もスタッドボルトなので途中でなくなる為、ナットが効かない状態でした…
 
本体厚みが10mm程短くなったので、スペーサーなどでカサ増しするかボルト交換するか。
 
金属の硬さや伸びなど特性が違ってしまいますが、作業が終わらないのは困るのでホムセンに走ります。
 
無事交換の目処が立ったところでヘッドカバーを外してみましょう。
 
うわ…これはひどいwwwwww
 
プラグ周りが特に抜けててイグニッションコイルがオイル浸けになっているではないですか…
 
そしてカム周りやらカバー内面もなっかなかのオイルカスまみれ。
 
用意したケミカルでは歯が立ちそうにないため、パーツクリーナーで落とすだけ落としてあげました。
 
コイルも清掃しプラグの状態確認のためプラグを外してみます。
 
ピクリとも動かない(固着してました)状態で、ありえないほど締めてあるのか判別出来ませんでしたがなんとか外す。
 
長期間交換していなかったのかオイル滲みが焼き付いてる感じで、電極も痩せていました。
 
交換用にプラグを用意していなかったのでこれは後日交換する事にしてそっ閉じ…
 
オイル漏れ該当箇所も特定できガスケットを交換、締め付けのタイミングでトルクの確認をします。
 
参照してもらったデータが違う箇所のもので、クラフトマンもおかしいなぁ…と思いながら締める。
 
んー…いい加減止まらないとおかしいよ…えええええ気持ち悪いまだまわすのか…なんなのえええ…パキン!!!ファ!?!!??!
 
ボルト折れたった…wwwww
 
ボルトのかえが必要となり、折れたネジの除去作業も発生。
 
時間も押しており折れたボルトの状態を確認せずリカバリー方法を決定しホムセンへw
 
逆タップとかわりになるボルトを購入。
 
早速折れたボルトを除去する為に逆タップ用の下穴をあけて、逆タップを引っ掛ける。
 
よしよしすんなりとれた。
 
ここからサクサク組み立ててクーラントを入れる。
 
クーラントのエア抜きも必要だしまずエンジンをかける。
 
すんなりエンジンが始動しオーバークールのインジケータが点灯、クーラントのエア抜きをする。
 
翌日一日中使ってあちこち行きましたが、点検は異常なしでした。
 
燃費が恐ろしく悪くなってましたがどこまで改善するか楽しみにしつつ、帰宅時に給油をして計算してみました。
 
部品交換前の2倍以上の距離を走れたようで、納車直後より燃費が良くなりました\(^o^)/
 
車の機械的なものは基本チューニングショップなり修理工場任せだったので、サーモスタット交換なんてやった事が無かったです。
 
散々バイクをネジ一本までいじり倒していた経験が役に立ち勝利する事が出来ました。
 
今度はプラグとシート表皮、天井内張を交換?補修?しようかと思います。
 
クラフトマンさん

AoMのアンプは測定データを細かく公表しています。

これは最低限必要なことだと思うので公開しているのであり、

測定結果が良いからといって音が良いと考えているわけではありません。

ただし、測定結果が悪いものの音が良いということはまずありません。

(人によっては、好みである場合はあるかもしれませんね。)

 

優秀なTHD+Nや周波数特性などは、音が良いアンプを作るために必要なことのひとつです。

これができていなければ、入力された信号に忠実な出力は得られません。

 

音の良さは、設計者の腕(知識や経験)と耳の良さ、そして製造者の腕(はんだづけの条件や管理)に大きく左右されます。自身も楽器の演奏をし、100円~500万円以上の色々なオーディオ機器を聞き、録音をすることもあるAoMの中の人はそれなりの経験を積んでいますので、耳は良い方かと思います。

 

しかしそれだけでは、目指すものは形になりません。それを形にするだけの知識や技術が必要です。

また、それだけの試聴をし時には購入し、本や学校で勉強するには、やはり好きという気持ちが不可欠です。

嫌いなものは続きません。

 

 

電子回路は人を裏切りません。

その結果の一部が、優秀な特性というわけです。

 

もみじさん

オーディオアンプを設計するときや購入するときに私が重視する・しないことを書いてみようと思います。

 
まず重視するところ
 
・音
当然ですね。これが悪ければ台無しです。
ただし耳の良さは個人差がとても大きいので、求めるものは人により異なります。
自分で聞いてみるしかないでしょうね。
 
 
・測定データ
音が良ければだいたいこれも良いです。音に疑問を持ったときに確認したり、そこのアンプが
ちゃんと設計・改良されているかを見るのに重宝します。あとはそのアンプの設計者の技術レベルも
ほんの少しわかりますね。これが参考値すらないアンプはヤバイと思っています。
都合の良いデータしか出さない所や、回路の良し悪しからくる結果ではなく、ICの限界値を実測のような振る舞いで公開する所もあるので注意して下さいね。

 
・耐久性
壊れない方が良いです。
 
 
・中の人の正直さ
意外と大事です、これ。
事実をねじ曲げる人は前に進めませんし。
 
 
 
重視しないところ
 
・ICかディスクリートか
これは用途と設計者の腕次第で向き不向きが変わるので、単体で気にしても意味がないです。
同じ理由で、ICの型番だけ拘るのも無意味だと思います。見るのであれば、そのアンプ
全体での性能ですね。ディスクリートでも分離の悪いものはたくさんありますし、ICでも
こんな使い方ができるのか!と驚くものもありますし。
 
中身と特性の話はこちら
 
・部品の値段
売値のうち部品代の占める割合が極端に大きい場合は技術に疑問を持ちますが、
売値のうち部品代の占める割合が小さい場合は気にしません。
自分が理解できない高度な技術があったとき、そこにいくらかかるかはわからないので。
 
 
・売れ行き
ターゲットとする層と出荷台数を考えずに売れ行きを見てもなにも得られません。
GT-Rを買いにきた人にNOTEが売れてますよとすすめても興醒めですし、
どんなに良いと言われてもそれは選ばないでしょう?
 
 
 
こんな感じでしょうか。
買うときも、つくるときも、このあたりを重視しています。
 
なお、特性が出せていて知識がある人は相応の勉強をしているはずですので、所属や性格を問わず
尊敬しています。たとえどんなに性格が悪い人でも、好きなことはやった人の方が偉いと思うのです。

技術全振りでコミュニケーション能力を捨てたような知人も複数名いますし…。

 

好きこそものの上手なれと言いますが、回路が好きな人は回路が上達します。

しかし、回路をコミュニケーションツールにしている人はコミュニケーション能力が上達します。

 

その機器、技術のある人や回路好きな人が設計していますか?

 

 

もみじさん

特性が良いといわれても、データを載せられてもわからないという人が多いようなので、
ちょっと他のアンプの特性を見ながら、比較してみる企画第一弾です。

 

Vier Flugelの特性はこちら
https://ameblo.jp/analog-of-magic/entry-12405424033.html
https://ameblo.jp/analog-of-magic/entry-12405424801.html

Zwei Flugelの特性はこちら
https://ameblo.jp/analog-of-magic/entry-12424918829.html

 

 

 

1.プロ向け?と言って売っていた6ケタ円の据え置きヘッドホンアンプ

 

上:出力 100mV/DIV 下:入力 20mV/DIV 2us/DIV 約100kHz 無負荷

 

ボリューム最大でのデータはぱっと見悪くはなさそうなのですが、ボリュームを15時位置まで絞ると…

 

上:出力 50mV/DIV 下:入力 20mV/DIV 2us/DIV 約100kHz 無負荷 ボリューム位置15時

 

このようになります。

ストレー容量が見えていない設計をしているため、波形がなまってしまっています。

これはつまり、周波数特性が悪くなっているということ。

27mm角ボリュームを使っていてもこれでは残念です。

ボリュームの位置で音が大きく変わって聞こえると困るのですが。

 

また、このアンプはチャンネルセパレーションもボリュームの位置に大きく依存しています。

このようなチャンネルセパレーション特性になるアンプは意外と多いです。

そのような配置にしたほうが、PCBは一見きれいに見えますからね。

 

なお、このアンプはのちの改良でゲインが下げられているので、

常用時のボリューム位置は特性が悪くなる位置に近づいているようです。

 

 

一方、Zwei Flugelのボリューム最大と、15時位置の波形は以下のようになっています。

 

上:出力 100mV/DIV 下:入力 100mV/DIV 2us/DIV 約100kHz 無負荷

 

上:出力 50mV/DIV 下:入力 100mV/DIV 2us/DIV 約100kHz 無負荷 ボリューム位置15時

 

ピンボケしました…。

ZweiFlugelは27mm角より不利な9mm角ボリュームですが、可能な限り特性が落ちない設計です。

 

 

 

2..ポータブルのバランス出力ヘッドホンアンプのキット(基板単売+部品表)

 

このキットの販売元は、この機種も他の機種も特性などが特に公開されていませんでした。
基板および部品を見ても特性が出る感じではありませんし、
音が良さそうな感じでもありませんでしたが、はたして…。

 

THD+N 測定周波数:1kHz、帯域幅:400-80kHz、無負荷時(A補正ではありません)

 

hot・GND間 上:入力 下:出力 どちらも10mV/DIV 2us/DIV 約100kHz 無負荷

 

cold・GND間 上:入力 下:出力 どちらも10mV/DIV 2us/DIV 約100kHz 無負荷


設計が悪く、選べるオペアンプの制約もあり雑音歪率はあまり良くないと思っていましたが予想通りの特性でした。

このアンプは、ある程度の出力を確保するために

入出力レールtoレールのオペアンプが必要となります。
入出力レールtoレールのオペアンプはその多くがCMOSであり、
最近では高性能になってきたものの一昔前はCMOS特有のクセがありました。
そのクセがよく出ている特性に見えます。

 

hotとcoldで波形が異なるのは、反転側のほうが安定しやすいからでしょうね。
(ゲインが+1と-1だと-1のほうが無補償時の周波数特性のピークが小さくなることが多い。)
リンギング自体があまり良いものではありませんが、バランス出力でこの差は致命的だと思います。
hotとcoldの差は、そのまま音として出てくるわけですから。

 

なお、CMOSではなくバイポーラ入力やJFET入力の出力レールtoレールだと
入力側が原因で特性悪化+最大振幅に制限が出てきます。

 

矩形波応答は、無負荷ですでにリンギングが出ているため、負荷を取り付けての測定はしていません。
出力にLが入っているアンプでは、Lと負荷でLPFが形成されリンギングが収まるように見えますが、
それはアンプが安定したわけではありませんので。観測している振幅が小さいのは、
スルーレートが低すぎて振幅を大きくするとオーバーシュートが隠れるためです。


矩形波応答波形でリンギングもしくはオーバーシュートが出ているものは個人製作でも

よく見かけますし、ある程度知名度のあるものでも割と見かけます。

リンギングが出ているからといって必ずしも位相余裕が小さいわけではありませんが、

その場合が多いので、できれば避けたいですね。

 

回路と測定と音の関係の話はこちら

https://ameblo.jp/analog-of-magic/entry-12416834362.html

 

 

 

3.知人のシングルエンド出力アンプ(ポータブル)


本人がデータを公開していたので許可を得てもらってきました。

 

THD+N 測定周波数:1kHz、帯域幅:400-80kHz、無負荷時と33Ω負荷時(A補正ではありません)

 

上:出力 下:入力 どちらも100mV/DIV 2us/DIV 約100kHz


Vier FlugelやZwei Flugelよりさらに帯域幅が広い一方で、最大出力は小さめになっています。
これはとにかく音質に振った設計をしているため。このアンプは一般的な測定では見えない部分まで
詰めてあり、なかなか見ないタイプのものです。
ただし、基本設計が古いらしく配置に無理がある部分も見えますし、本人もそうのように言っていました。

 

オーディオアンプでこれほどきれいな100kHzの矩形波応答波形はあまり見かけません。
普通はもっと帯域幅を狭くするので丸まった波形になりますし、未調整だとリンギングが出ます。
このアンプやVier Flugel、Zwei Flugelでは丁寧に調整されていることがわかります。

 

 


こういったデータからわかることはわずかで、音もほぼわかりません。
しかし、購入しようとしているアンプを設計した人にどの程度の技術があるかや、
そのアンプがどういった方向けのものかを判断するときの助けにはなると思います。

また、技術力は必ず音に現れてきます。

 

良いものを選んでハッピーな音楽ライフを♪

 

もみじさん

 

 

Vier FlugelやZwei Flugelについてのお問い合わせは

 

analog.of.magicあっとまぁくgmail.com

 

までどうぞ。

 

値段などはこちら https://ameblo.jp/analog-of-magic/entry-12423225646.html

Zwei Flugelの紹介はこちら https://ameblo.jp/analog-of-magic/entry-12423646844.html

Vier FlugelやZwei Flugelではケースメーカーが製造している樹脂ケースを加工して使っています。
このケースを選択する主なメリットとデメリットは…

 

メリット
・軽い
・絶縁およびケースとの静電容量を考えなくていいので薄くできる
・落とした時にケースが歪んでショックを吸収するため、基板へのダメージが小さい傾向がある
・安い

 

デメリット
・静電シールドできないため人体などがそばにあると若干の特性悪化が見られる
・価値観にもよるけれどダサい・安っぽい


こうやって書き出してみると、意外とデメリットは少ないみたいです。

 

オリジナルの金属ケースを製作することも技術的には可能ですが、
どうしても出荷台数が少ないので単価がとても高価になってしまいます。
価格と品質を考えると、樹脂ケースに追加工するのが現在のところ良さそうです。
可能であれば、せめてケース外側を静電シールドすると良いのですが…。


ケースでケチった分、中身はコストカットせずきっちり設計しています。
ICを使っているので手抜きに見えますが、どうかしたアンプより優れた特性と再現性の高い音が出ます。
(直感的にわからないと思うので、後日比較した記事を書いてみようと思っています。)

 


できることややりたいことは色々とあるので、少しずつ仲間を増やしていきたいですネ。
信号源インピーダンスが高い場合のバイポーラ入力オペアンプの挙動や
それを解決するためにFETとオペアンプを組み合わせた回路、
チャンネルセパレーションの話などはちょっと詳しいので。あとはアレとかソレとか…。

 

もみじさん

4極ジャックを用いたGND分離はとても使い勝手が良くおすすめです。


Zwei Flugelの3.5mmジャックモデルでも4極ジャックを用いて回路内からGNDを
わけていますが、この端子配置はプラグの先端からL・R・L GND・R GNDとなっています。
この配置の場合、3極のプラグをそのまま接続することができます。
つまり、とりあえずヘッドホンを改造せずに使ってみて、より良い音を目指したくなったときに
4極プラグがついたケーブルに交換する、といった使い方ができます。
4.4mm5極のプラグは大きくて邪魔だし値段も高い、使い勝手もいまいち…という人(私)には
3.5mm4極ジャックによるGND分離はとても良いものです。

 


Zwei FlugelのGND分離は、GNDをジャックで分けているだけではなく、回路上でも明確に分けています。
GND分離は、電流の流れを考えるとただ単に左右のGNDをとにかく分ければ良いわけではなく、
また電源から出力端子まで最短で2本結べばいいわけでもありません。
Zwei Flugelでは電流の流れを十分に考え設計してありますので、左右の分離がとても良く聞こえます。
また、バランス出力と比較すると最大出力はどうしても小さくなりますが、
信号が通過する増幅回路がバランスより少ない分、より自然な音になるはずです。


というわけで、3.5mm4極ジャックのZwei Flugelおすすめです。
これまでのGND分離アンプやバランスアンプで満足できなかった人にも、

音的に一度試してもらいたいアンプです。

(私個人のアンプと見た目そっくりになっちゃったなぁ…)

 

4.4mm5極ジャックのものも、バランス環境から簡単に移行できて良いですけどね。

なお、こちらで使っている4.4mmジャックは日本ディックスさんの正規品です。

コピー品も出回っているので、お気を付けください。

 

もみじさん

 

 

お問い合わせはこちらまでどうぞ。

analog.of.magicあっとまぁくgmail.com

あっという間に2019年やってまいりました。

レッカー車待ちのクラフトマンです。


新年早々何やってるのかな?おかしいな、試作基板の実態配線に頭を捻るはずだったのにw

皆々様は良か年になるよう願っております!

本年もよろしくお願いいたします\(^o^)/

by クラフトマン