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厚労省の専門家部会が9/25に

 

日本の製薬企業「エーザイ」と

 

米国の製薬企業「バイオジェン」が開発した

 

「レカネマブ」(商品名レケンビ)の製造販売を正式承認しました。

 

 

 

 

 

 

アミロイドβの蓄積したタイプの認知症の前段階の軽度認知障害(MCI)の方と

 

それに引き続く

 

軽症の認知症の方が治療の対象となるそうです。

 

 

 

 

 

 

発表があった9/25以降は

 

レカネマブに関するニュースをよく目にしますよね。

 

効果についても、情報が流れていますが

 

正確に理解出来るような

 

情報提供が行われているか、気になったので

 

ちょっと調べてみました。

 
 

27%の抑制効果って?

レカネマブを1年半にわたり、2週に1回点滴した集団では

 

偽薬を投与した集団と比較し

 

症状の悪化を27%抑制する効果が確認されたとの事です。

 

 

 

 

 

 

この27%というのは

 

認知症の重症度を評価するために考えられた

 

臨床的認知症尺度(CDR-SB =Clinical Dementia Rating Sum-boxes)の

 

スコア(点数)から導かれた結果とされています。

 

 

 

 

 

CDR-SBって?

CDR-SBは

 

①記憶

 

②見当識

 

③判断力・問題解決

 

④社会適応

 

⑤家庭状況・興味・関心

 

⑥介護状況

 

これらの6項目について

 

患者さんの所見や、ご家族からの情報を基に

 

症状の程度を点数化して評価するものです。

 

 

 

 

 

 

評価表に基づいて

 

健康(CDR 0)

 

認知症疑い(CDR 0.5)

 

軽度認知症(CDR 1)

 

中等度認知症(CDR 2)

 

重度認知症(CDR 3) の5段階に分類します。

 

6項目のスコアの合計点(CDR-SBのスコア)は18点で

 

点数が高いほど認知症が悪化していると判断します。

 

 

 

 


臨床試験の実際は?

レカネマブの臨床試験は1795人(13カ国)を

 

偽薬(プラセボ)群(897人)とレカネマブの投与群(898人)に分け

 

18カ月後に症状の悪化の程度を比べたそうです。

 

 

 

 

 

 

その結果


偽薬群は1.66上昇(症状が悪化)したのに対し


レカネマブ群は1.21点に止まったのだとか。

 

改善の程度は、点数としての差で表すと0.45で

 

この差の0.45を1.66で割って27%になることから

 

27%という言葉が出てきたということです。

 

 

 

 

27%の抑制効果とは点数が0.45改善したということ

 

新薬に期待を寄せている患者さんやそのご家族から

 

よく尋ねられるのですが

 

27%の人が症状が無くなるわけではないんですね。

 

0.45点の改善なので、分かりやすく言うと

 

人によっては、ひとつの項目でさえも

 

目に見えるほどの改善が

 

もたらされないこともある、と言えるでしょう。

 

 

 

 

 

 

加えて、先ほども触れましたが

 

レカネマブは飲み薬ではなく

 

2週間に1度の通院を要する点滴治療です。

 

しかも、治療の対象となる患者さんは

 

アミロイドβ蓄積の確認のため

 

アミロイドPET検査や脳脊髄液検査が必要となるそうですので

 

一般の医療機関で、診断し投与を開始するには

 

ハードルが高いと考えます。

 

今後の展開を注視する必要がありますね。