MLSのホームグロウン選手制度 | un piquillo de amarillo

un piquillo de amarillo

リーガ・エスパニョーラのサッカークラブ、ビジャレアルCFの歩みの記録

テーマ:

MLSロゴ

4月2日にメキシコ代表と対戦したアメリカ代表。ほぼメジャーリーグサッカー組&メキシコ・リーグ組のみで構成し、欧州組はバイエルンのジュリアン・グリーンのみが招集されました。グリーンは世代別ドイツ代表でプレーしていた選手で、A代表はドイツ代表ではなくアメリカ代表を選択したことが記事にもなりました。


MLSのホームグロウン選手制度
ところで、メジャーリーグサッカー(MLS)の特別指定選手制度(Designated Player Rule)については知っていても、ホームグロウン選手制度(Homegrown Player Rule)については今まで知りませんでした。これはプレミアリーグのホームグロウン・ルールとはまったく異なる制度。MLSスーパードラフトに縛られることなく、下部組織の選手を1年に2人までトップチーム契約できる制度で、2008年に制定されました。

Wikipedia英語版によると、現時点で制度が適用された選手は計76人。2008年の1人、2009年の2人、2010年の6人、2011年の15人、2012年の11人、2013年の27人、2014年の14人(現時点)と、制度の適用は年々増えています。MLSでプレーする選手のうち、25歳以上の選手はドラフト指名選手、特別指定選手(主に外国籍)の2種類なのに対して、24歳以下の選手(ルール制定時点で18歳以下)はドラフト指名選手、ホームグロウン選手、特別指定選手の3種類に分けられるのだと思います。


ホームグロウン選手制度
(例:トロントFCのロースター構成)


ホームグロウン選手のアメリカ代表招集
気になったのは、アメリカ代表に何人のホームグロウン選手がいるのかということ。4月2日のメキシコ戦の招集23選手を調べてみたところ、1990年生のビル・ハミド(DCユナイテッド)と1993年生のデアンドレ・イェドリン(シアトル・サウンダーズ)の2人が該当しました。23人中2人は少ない気もしますが、制度が適用される可能性のある24歳以下の選手は5人しかいないので、5人中2人ということもできます。

アメリカ合衆国は広大で、MLSのクラブが居住地域にない選手がほとんどだと思います。日本のように下部組織勢が高校勢を駆逐するようなことは起きないかもしれません。今後は増加率も鈍るでしょうが、ホームグロウン選手が増えていくのは間違いない。ドラフト制度でチーム間の戦力格差を狭めつつ、ホームグロウン選手制度でドラフトの問題点を解消しようとするあたりは、さすがMLSだなと思いました。


MLSクラブの本拠地位置図
(MLSクラブの本拠地の一覧)
AD