セグンダ初昇格のリャゴステラ | un piquillo de amarillo

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リーガ・エスパニョーラのサッカークラブ、ビジャレアルCFの歩みの記録

Marcaの最低賃金に関する記事 の感想

セグンダBとセグンダの違い
セグンダB(3部)のクラブはアマチュア選手がほとんどだと思います。セグンダBからセグンダ(2部)に昇格すると、選手の給料分だけで200万ユーロ弱(最低賃金64,500ユーロ×選手25人と監督1人)の経費がかかるわけですね。また、セグンダクラブに義務付けられた株式会社(S.A.D.)化にも200万ユーロ弱の資金が必要。

セグンダより上は全国リーグですが、地域リーグから全国リーグになることでの遠征費の負担増加額はどのくらいだろう。セグンダにはカナリア諸島から2クラブ、バレアレス諸島から1クラブが参加しているので、スペインを4分割した範囲での移動(遠征は全試合バス移動?)だけでよかったセグンダB時代と比べると、やはり数十万ユーロくらい必要経費が増えそう。カタルーニャ州や隣接したバレンシア州のクラブが多いセグンダBでは前日泊など必要なかったかもしれませんが、宿泊代も増える。



ジローナ県の位置


セグンダに初昇格したリャゴステラ
2014年夏にはUEリャゴステラがセグンダに初昇格しました。コルク生産の町リャゴステラの人口は、スペイン1・2部の本拠地で最小の約8,000人。エイバルの約1/3、ヴィラ=レアルの約1/6、マドリードの約1/400でしかありません。1,500人収容のスタジアムはスペインプロリーグ機構(LFP)の施設基準に適合せず、近隣の町のスタジアムを使用しているそうですが、ここまで7試合3得点5失点(最少得点・最少失点。絶対退屈。)で15位と健闘しています。

2004-05シーズンにはカタルーニャ州3部(全国8部相当)にいたクラブが10年後にセグンダ(2部)で戦っているのはオリオル・アルシーナという敏腕スポーツディレクターのおかげだそうで、この夏にはジローナのスポーツディレクターを退任してリャゴステラのスポーツディレクターに復帰したそうです。


オリオル・アルシーナ

スポーツ面で頼りになる人がいるのは心強いですが、経営面はどうなんだろう。ビジャレアルにはセラミック企業の会長がバックにいるわけですが、ソシオの規模的にもスポンサーの資金力的にもビジャレアルとは違うエイバルの場合は、セグンダ昇格クラブに義務付けられた株式会社化の資金供出にも四苦八苦していました。

リャゴステラの町の写真を見るとカタルーニャによくある田舎町です。本拠地があるジローナ県はスペインの北東端にあり、遠征費は莫大に増えそう。カナリア諸島やバレアレス諸島はもちろん、ガリシア州やアンダルシア州への遠征もやはり飛行機でしょうか。アンダルシアには高速鉄道でも行けそうですが、カタルーニャからガリシアに鉄道で行くのは無理ですよね。


リャゴステラの町

約30km離れた浜辺の町パラモスのスタジアムを暫定的に借りているようですが、このスタジアムは収容人数5,824人でセグンダ最少。パラモスには鉄道が通っておらず、アウェーサポーターは遠征が大変そう。リャゴステラからは県都ジローナまでの距離も約30kmであり、マドリードやバルセロナからは高速鉄道のAVEが伸びています。集客力とか地域内での影響力とかを考えると、ジローナFCにスタジアムの間借りを頼むのが賢明だったと思うのですが、賃貸料とかで揉めて合意に達しなかったんだろうと想像します。


※リャゴステラがパラモスのスタジアムを間借りすることになったのには、観光地としての知名度向上を狙ったパラモス市議会の後押しもあったようです。今後5年間はパラモスのスタジアムを借りる可能性があるようで、今夏のプレシーズンにはUEリャゴステラとパラモスCFの親善試合が開催されています。



暫定的なホームスタジアム