スガラムルディの魔女とミケル・ラボア | un piquillo de amarillo

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久しぶりの投稿です。

ラテンビート映画祭
もう半年くらい前になりますが、2014年10月-11月に新宿バルト9、梅田ブルク7、横浜ブルク13でラテンビート映画祭が行われ、日本では劇場未公開のスペイン/南米映画が多数上映されました。

その中のバスク語映画『Loreak』(2014年)という映画が気になっていたのですが、結局梅田ブルク7では上映されませんでした。
バスク語映画としてはじめてゴヤ賞にノミネートされた映画ということですが、この映画はおそらくDVD化もされないでしょうから、国外流通品を購入するくらいしか観る方法がないのが残念です。

2014年のラテンビート映画祭でもうひとつの目玉だと思っていたのが、バスク出身のアレックス・デ・ラ・イグレシア監督の『ビースト 獣の日』(1995年)。
Yahoo!映画のレビューは2件でいずれも5点と口コミでの評価は高いのですが、DVD化はされていないらしい。
梅田ではわずか1日、1回の上映だったみたいで、観に行くことはできませんでした。
イグレシア監督はスペイン人監督の中では日本でも知名度の高い監督だと思いますが、観る機会がないのでは評価の上がりようがないですね。

『Loreak』と『ビースト 獣の日』はとても残念だったのですが、今回が初公開となる『スガラムルディの魔女』(2014年)と『刺さった男』(2013年, いずれもイグレシア監督)はしっかりと目に焼き付けました。
『刺さった男』はもうDVDレンタル店に並んでいましたし、『スガラムルディの魔女』もDVDが発売されたようです。


74歳でゴヤ賞助演女優賞を初受賞したテレレ・パベスが際立ってる

スガラムルディの魔女
この映画はスペイン・ナバーラ州の魔女伝説で有名なスガラムルディ村を舞台としているホラーコメディです。
フリオ・メデム監督やイマノル・ウリベ監督は例外としても、バスク地方出身の映画監督は何かしらバスクをテーマとした映画を撮っています。
イグレシア監督はこの映画で「バスクらしさ」を強調したかったようで、ラウブル(バスク十字)やチャラパルタ(木琴に似た伝統楽器)が目立つ場所に登場します。
しかし、この映画の観客が一番強い印象を受けるのは、魔女たち数百人による洞窟での「Baga biga higa」の大合唱だと思います。
耳慣れない言語、韻を踏んだ早口言葉のような歌詞(実際に早口言葉らしい)の繰り返し。
このシーンだけで数分間あり、コメディ映画としては正直長ったらしく感じたのですが、イグレシア監督は絶対に編集でカットしたくなかったのだろうと思います。

バスク語はとても表音主義的で、日本語に似て子音+母音で1音節であることが多い。
s、h、gなどの発音がスペイン語と異なりますが、それ以外は似たようなものなので親しみやすい。
何度も同じ歌詞を繰り返すこともあって、すぐに覚えてしまいました。



ミケル・ラボア「Baga biga higa」(YouTubeへのリンク)
バスク語の歌詞
Baga, biga, higa,
laga, boga, sega,
Zai, zoi, bele,
harma, tiro, pun! (ひたすら繰り返す)

Xirristi-mirristi
gerrena plat,
Olio zopa,
Kikili salda,
Urrup edan edo klik ...
ikimilikiliklik (ひたすら繰り返す)

カタカタ化した歌詞
バガ、ビガ、イガ
ラガ、ボガ、シェガ
サイ、ソイ、ベレ
アルマ、ティロ、プン!

シリシュティ=ミリシュティ
ゲレナ プラット
オリオ ソパ
キキリ シャルダ
ウルップ エダン エド クリク
イキミリキリクリク


バスク最高のシンガーソングライター、ミケル・ラボアといえば、代表曲「鳥よ、鳥」(YouTubeへのリンク)。


ミケル・ラボア