僕たちは、なんとかレストランを経営していました。

でも、思い描いていた風景とは全く違っていたんですよね。

夏が過ぎて、秋も深まり冬の足音が聞こえてくるようになると、お客様は、さっぱりなんです。
 

そうか、夏にしっかりと稼いで冬を越すんだな


最初の冬は、暖房費がもったいないので、営業時間外は、暖房を一切つけませんでした。

冬は、普通にマイナスの気温になりますから、堪えましたね。

それでも週末は、お客様が来られるので良いのですが、資金繰りがキツいんです。

ある時、木曜日のことです。

週末の食材を仕入れてしまうと、千円ぐらいしか残っていないんです。

僕たちは、仕方がないので、息子にだけご飯を食べさせて、食材の切れ端をつまんで過ごしていたんです。

すると、まだ小さな息子は、両親が食べている切れ端が美味しそうに見えたのでしょう。

カタコトで、僕も欲しいとアピールするんですよね。

それをあげてしまうと、僕たちの食べるものがないんです。泣

周りの飲食店の方達に聞くと、ここは、夏にしっかりと稼ぎ蓄えておき、冬を越すんだよ、って教えてくれたんですが、もう、冬の真っ盛り。

 

保育園に入れる


ようやく冬も終わりに近づいた頃、どうやら、1歳になっていると保育園に入園させられるらしいことがわかりました。

息子は、元気でモリモリと食べますし、同世代のお友達と遊ぶのが大好きだったので、入園の手続きをしました。

すると、なんと、生後6ヶ月から預かってくれる保育園だったんです。知らなかったよ。

4月に入って保育園に入れると、最初の数日は、預けた時に、大泣きするんです。

保育園に預けて泣かれてしまうと、親も悲しくなるんです。

保育士さんが、大丈夫ですよ、最初は、ほとんどの子供さんが泣きますから、心配なさらないでくださいって、優しく言っても、僕たちにとっては、目の前の現実が・・・。

保育園に入れて1週間が経った頃には、お友達と楽しそうに遊んでいるんですよね。子供って順応する力がすごいんだなって、つくづく思いました。

 

お友達ができてきた


息子が保育園に通うようになってから、どんどんお友達が増えていきました。

これは、本当にありがたいと思いましたね。

子供同士がお友達になってくると、親同士も繋がっていくんです。

親同士が繋がっていくと、観光の話や他のお店の話などが、聞けるんです。

僕たちは、何も知らずに飛び込んでしまった土地なので、情報に飢えていたんですよ。

 

 

GWから夏が終わるまでが勝負


やはり、皆さんに聞くと、GWから夏が終わるまでが書き入れ時だから、この期間にどれだけの売り上げを作るか、が、肝心だと教えてもらいました。

そこで、僕たちは、休日やハイシーズン用のメニューを作ったんですね。

メニューの数は、少しだけ減らして、価格は、少しだけ上げる。そして、アルコール類は、お手頃の価格にしたんです。

また、住居の部屋を一つ空けて、その期間のアルバイトさんを頼むことにしました。

最初の年に比べて、臨戦体制は整ったのです。

さらに、息子は、保育園で目一杯遊んで帰ってきますから、夜の営業時間には、ぐっすりと寝てくれるようになったんです。

そして、夜も閉店時間が過ぎていても、僕一人でカバーできる範囲ならば、夜中の1時2時まで営業を続けたんです。

 

GWから10月の末までは


保育園の運動会は、9月にあるんですよね。それも平日にあるんです。

やはり、観光に携わっている家庭が多いから、平日だそうです。

保育園の運動会の日だけは、レストランも休業にしたんですけど、それ以外には、1日も休まずに営業を続けました。

GWから10月の終わりまでずっと休みなく、クタクタになって働いていました。

そして、11月に差し掛かった時には、冬を越す資金と、そして、少しの貯金ができたんです。

 

田舎暮らしは


そんな感じで、暮らしていたのですが、田舎暮らしでは、組という活動があるんですよね。

美化運動や祭りや葬式。

ある日、僕たちの組のお婆さんが亡くなったんです。

すると、葬式は、組をあげて執り行うんです。女性陣は、葬式に来てくれる方々の食事のお世話。

男性陣は、葬式そのものの運営なんですよ。

いやあ、最初は、びっくりしましたね。

でも、組の活動をちゃんとやっていると、互助会のように、僕たちのレストランも使ってくれるんです。

田舎暮らしって、面倒だけど、ありがたいのかなと思っていました。

移住して2年経つ頃には、この暮らしも悪くないなと感じるようになり、レストランの営業もコツを掴み、子供を寂しい想いにさせることなく、過ごせるようになっていたので、思い切って移住してよかったなって、二人で話しました。

 

 

お野菜


忘れていましたが、組のお付き合いをきっちりとやるようになってから、お野菜をガンガンいただけるようになったんです。

気がつくと、玄関の前に置いてあったり、道を掃除していると、これ持っていけ、ってくれたり。

いつも新鮮なお野菜をいただけるので、それを使ったメニューも作ったほどなんです。

田舎のおじさんたちって、自宅の庭がめっちゃ広いですし、畑を持っている人も多かったので、お野菜は、助かりましたね。

プロフィール〜9へ続く

 

 

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