フランスの雑貨の輸入代理店の会社に勤めて始めてからは、サラリーマンも様になってきました。
土日は、ヨットに乗って平日は仕事なんですが、僕が担当していたのは、大手の百貨店だったので、北海道から沖縄まで飛び回っていました。
フランスにも行ったり、日本各地を飛び回っていると、できるサラリーマンのような気がしていたんですが、そうは言っても、元々はコックさんですから、必死に頑張ってもいたんですよね。
パリでの出来事
パリに出張に行くと本店の仕事もたまにしたりするんですね。
フランス語が話せないので、無理だと思ったのですが、当時は、日本からのお客様も多数おられたので、いい勉強になりました。
また、休日は、パリの地下鉄に乗って、色々と行きました。
最初に行ったのは、有名なルーブル美術館。
モナリザやミロのビーナスを見ると、「パリにいるんだな」っ実感したものです。
そんなある日、コンコルド広場からタクシーでホテルまで帰ろうとタクシー乗り場に立っていたんです。
僕一人だけでしたが、5分ぐらいすると、年配の女性が僕の後ろに並んだんですよ。
そこで、その女性に、お先にどうぞって言った時に、タクシーがやってきました。
お先にどうぞって言うのがフランス流かもしれないなと思っての行動です。
ところが、その女性は、そんな必要はないからあなたがこのタクシーに乗りなさいって言うので、ちょっと驚きました。
その口調がキツかったので、僕は、そのタクシーに乗ってホテルまで帰ったんです。
この話を翌日、同僚に話をしたら、「そのタクシーの運転手さん、アフリカ系だったんじゃない?」って言うので、そうですと答えたら、フランスは、人種差別がまだ根深く残っていると教えてくれました。
日本人には、その感覚がないので、なるほどねって感じでしたね。
月日は経ち3年後運命の出会い
僕が入社した頃は、会社も立ち上げたばかりでしたので、縁故入社が多数だったのですが、すぐに、ほとんど縁故入社は無くなっていたんです。
ところがある日、総務の部長から、「今日は高校生の子が社長面接に来るよ」と聞いたんですよね。
高校生?え?だって縁故入社も無くなっていたし、新入社員は、基本大卒って聞いていたので、本当にびっくりしました。
ただ、ピンと来るものがあって、きっと社長の繋がりの縁故入社なんだろうと推測していたんです。
普通に仕事をしていたんですが、僕が出かけようとした時に、その高校生が会社に来たんです。その子は、制服に三つ編みで姿勢がとっても良くて素敵な子だなあとついつい見ちゃいました。
本当に1分ぐらいの時間でしたが、不思議な感覚があったんですよね。その感覚は、「仲良しになれそう」と「こんな子と結婚できたらいいなあ」だったんです。
当時、僕は、お付き合いをしている彼女がいましたので、そんなふうに思ってしまう自分がおかしくておかしくて。
彼女の席は隣!
オリエンテーションが数日あって、その子が配属されました。
なんと、彼女の席は、僕の隣になっちゃったんですよ。そして、部長から「教育係だから 笑」って言うんですけど、教育なんてしたことないし、本心から困ったなあと思っていたんです。
それから数ヶ月経って、夏休みの直前に、彼女に聞いたんです。
「夏休みはどんな予定なの?」って。
すると、
「何も予定はないんです・・・。」
と言うんですよ。
少し時間をおいて、「もし良ければ、横浜においでよ、ご飯でも食べよう」と誘ったんです。
僕は、何も予定がないって言われると思っていなかったので、咄嗟にそんな話になっちゃったんですよね。
横浜では山下公園と氷川丸
横浜に住んでいても山下公園なんて行きませんし、まして、氷川丸なんて乗らないんですが、彼女が山下公園に行きたいと言うので、連れて行きました。
彼女は未成年でしたから、お酒を飲みに行くことってできないんですけど、なんと一緒に飲みたいって言うんですよね。いやあびっくりですよ。
少し前にも書きましたが、僕にはお付き合いしている子がいましたが、その日から急に仲良しになってしまい、ついには、なんと結婚してしまったんですよね。
もちろん、それなりに順序は踏みました。
結婚した時、僕が28歳で彼女が20歳。今も一緒にいます。
【プロフィール〜4】少し前まで高校生だった子が、彼女になり、結婚
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