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一夜の情事09


もう夜が明ける。
私と貴方のたった一夜の恋人関係は
崩れ去るの?
大好きだよ。大好き……


朝になった。
結局、お酒で頭がクラクラしてるのもあって
寝れなかった。
アキちゃんはすやすや。

Hの時、確かにアキちゃんは出たけど
やはりその量は微量だった。
気持ち良くしてあげたかったなぁ…
これが、貴方と私の最後の契りなら。

H後にごねる私にアキちゃんは
『残念ながらSの人って感じにくいんだよ 汗。
されるよりする方が好きだしね~。
女の子もSな子は不感症な子が多いんだよ
…だから、鮎はM!ドMなのだ~
だから、良いよ!俺は満足してる』

って言ったけど。
気持ち良くしてあげたかったよ~
そう思う私の視線は寝ているアキちゃんの
下腹部へ……。
ずっとアンアンイかされ続けてたのもあって
悪戯気味にパンツを下ろすと…。
アキちゃんのそり立ったアレが飛び出して来た。

『わぁ~。これが朝立ちかぁ~』
と妙に感心して唾を飲む。

最初に全体をねっとりと舌で舐め上げた。
小さな溝も、見逃さず舌先を尖らせて舐める。
少しずつアキちゃんのアレの脈は深く強く
なる。
『うん。よし!』と思いアキちゃんの玉袋を
掴み扱く。
くにくに握り。アレの先の穴を舌先でテロテロと
嬲る。
先からはうっすらアキちゃんの味がした。
『う~~ん。前の彼なら早かったのに……
アキちゃんで遅漏……汗』
と思いつつアキちゃんのアレを可愛がる。
すう力を強めて奥迄いっきに口に含めて吸い上げる。
通称、ネクタイの部分も丁寧に舐める。
アキちゃんのサイズが大きくて最後迄、口に含めない。
たまにケホケホとむせながらも続ける。

たまにアキちゃんの『はぁっ……んん』とよがる声が
聞こえイかせようと再度口に彼のアレを含もうと
した瞬間

……!

私の頭が大きな何かで止められた。
目を上に上げるとアキちゃんのムスっとした顔。
『人が只でさえ朝立ちしてるのに何やってるの?
お姉ちゃん!』

見られた恥ずかしさで顔は紅潮し逃げようともがいた。
しかし、アキちゃんは布団をどけて私に更に近づく。
顎に手をあて私の唇を拭った。
『お姉ちゃんはこんな事しなくて良い
コンドーム着けてたし汚いし、しちゃ駄目!』

大事にしてくれてる……何だかジーンとした。
男の子は皆して欲しいんだと思ってた。
それに、大事な人のだから愛せる
したいって心が震えるんだよ?アキちゃん。

アキちゃんは寝ぼけ眼のまま私をお膝に乗せた。
恥ずかしがる私の顔を覗き込んでお説教をする。
『何でこんな事したの?…フフフ。Hしたかったとか?
お姉ちゃんは無理しなくていいの!わかった?』

私は口を尖らせ不貞つつ答えた。
『……………したかった』

声が小さかったせいか、アキちゃんは聞き返してきた。
『え……?何??』

あああああ~~~~もう!!
『アキちゃんの事気持ち良くしてあげたかったの!
悪い?満足して欲しいもん!!私だって………私だって』

大声で恥ずかしい事を叫ぶとアキちゃんはグイっと私を持ち上げて
『じゃぁ……しても良い?俺は抱きたいよ』
腰にアキちゃんの太い手がギュって締め上げる。

自信満々の笑顔。
分かってるくせに分かってるくせに聞いてくる。
『………ん。……して』
それから、アキちゃんとHした。
夜Hする時よりもお互いの顔が見えて照れた。
お互いから照れ笑いがもれる。
それから何回か愛し合ってベッドに転がった。
『お姉ちゃん寝てて~お風呂入れてくる~』
アキちゃんは私をベッドに寝かせつけお風呂の準備にかかった。
気持ちの良いベッド、身体に残った温かな他人の温度、大好きな人の部屋での
目覚め…………
これって凄い幸せなんだろうな。
幸せで心も瞳にもじんわりと熱いモノが込み上げてくる。
今日、私達どんな関係ですか?
私、今幸せの中にいる。
この幸せはいつ迄守られるのかな??

一夜の情事08


アキちゃんがポカリを持って部屋に戻って来た。
冷えたポカリを私に差し出す。
元気に振る舞おうとするけど不安は拭えない。
所々に不安がにじみ出る。

『……アキちゃん気持ち良かった?』
『はぁ?…何言ってるの??』

『私…胸小さいし…その初めてだから…
まっっ満足出来たかな??』

アキちゃんは吹き出しそうになって、頭を乱暴にナデナデする。
『女がそんな事気にしないの!…それにね。
鮎の事もう一度、抱きたいくらいだよ★それに
鮎が処女じゃなかったら色々したい位~』

冗談をまぜてアキちゃんは伝えてくれる。
悩み易い私の事を分ってくれてる。

そして、一呼吸おいてアキちゃんは真剣な顔で

『惚れた女の胸なんて気にする男なんかいないよ。
俺は鮎の身体好きだよ。』

アキちゃんが真剣に言うから、黙ってしまった。
アキちゃんは厳しい人だけど正直な人
笑顔が溢れちゃった。

『そうだね』

『そうだよ』って頭をわしわし。
やぱっり一緒にいると空気が優しい。
『もう寝る?疲れたでしょ??』
指で何度もイかされてアキちゃん疲れてるんじゃないかな?
って心配だったのと、耳年増だったから淋しいけど『寝る』
提案をした。

アキちゃんはこそこそ寝巻きを羽織り。
『もう少し、恵と話してたいな…
駄目か?』

アキちゃんは分ってる。
本当はアキちゃん眠たいの知ってる。
しょうがないな…って言って一緒の布団に横たわる。
本当はアキちゃんのお姉さんの部屋で寝る予定だった。
私の足にはアキちゃんの大きくて長い足が絡み付く。
お互いじゃれ合ってクスクス笑う。
話していた事はくだらない事ばかり。
でも、甘くて優しくて可愛らしい内容。

ふいにアキちゃんが言った
『今日だけの恋人…明日にはいつもの俺ら』
驚く事じゃなかった。でも、縋るようにアキちゃんの
顔を見ようとした。
アキちゃんは見なかった。
『そうだね』
そう言う他、私は見つけれない。

心には涙が溢れてる…
方法なんて見つからないのに
どうすれば?なんて何度も自問する。

『アキちゃん…アキちゃんにとって私
都合が良かったかな?遊び…だよね?』

自虐的な質問がこぼれた。
だって、『遊び』だったら幾分か気持ちが助かるんだ。
防衛本能からか『そんな男!』とか『ああ~しょうがない』
とか心の柔らかな部分に迄、傷を作らなくて済むから


『そんな事、本気で言ってるの?』


明らかにアキちゃんは怒っている。
私は『うん』と頷く。

泣きそうな私を起し
断言し始めた。

『俺は鮎を愛してるから抱いた
後悔はしない!!
好きじゃなきゃ抱けない!
好きでなくても良いなら
淋しくてなら
彼女と別れた時に誰か抱いてる
何度やり直しがきくとしても
俺は何度だって鮎を抱く!!』


それは間違いなくアキちゃんの本音
ろくでもない。
だけど…自分の言葉には責任のある人。
正直、一夜の情事なんて良い事じゃない。
だけどアキちゃんらしかった。
遊びじゃない、本気の一夜の関係なのだ。


『何て事言ってるんだよ!……バカ』
呆れまじりの溜息と一緒に笑顔になった。
バカって何だ!とアキちゃんは私を膝の上に抱き寄せる。
そして、抱き合って、身体重ねて愛しあった。

愛されてる…それで十分じゃないのか?私。

アキちゃんはまた私の甘い秘部を優しく愛撫し始めた。
『…っアキちゃん何でぇ‥‥!
もう入れても大丈夫だよぉ……あぁん』



『鮎の感じる顔が好き…鮎…女はね
感じてる時の顔が一番綺麗なんだよ』

そう言って、激しさが増す。
恥ずかしくなって顔を横に振ろうとする。
アキちゃんは私を見つめながらも私の
一番感じる所を探そうと見つめる。
『鮎はどれが一番好き?教えて
鮎の一番好きなとこ』


『アキちゃんの好きな様にして良い…!
あっああやぁ…!好きにして』


『……鮎。俺は相手が喜ぶ様なSEXが好きなんだ
それにね男なんて悲しいかな快感なんて出す時の
一瞬だけだよ』

『はぁ…あん。だから…あん』

『俺が気持ち良くなる様なやり方もあるけど
鮎を満たしたい。これが相手を想うSEXだよ』


アキちゃんはやっぱり私を重視したHしていたみたい。
私もアキちゃんを満たしてあげたいよ
処女では出来ないのかしら??

アキちゃんにいっぱい愛された。
飽きるくらい愛された。
なのに切ないね

『アキちゃんを気持ち良くしてあげたいの
だから、好きな様に抱いて…お願い』


アキちゃんを気持ち良くしてあげたくて
何だか一方通行に愛されるのは嫌でお願いした。
ひと息ついたアキちゃんは『分ったよ』って言って
体勢を変える。
枕に私を寝かせ足を上げさせた。
太股にアキちゃんの手がくい込む。

最後迄、アキちゃんのモノが入った。
身体が反り返った。
電流が走ったみたい。
今迄とは違う激しさ。
アキちゃんの瞳が堅く閉じる。
激しくて息が途切れ途切れになって
苦しいけど幸せだった。
アキちゃんの顔を撫でる。



私の 私の愛おしい男の顔

誰よりも何よりも今、私達近くだね

愛してる愛してる!
アキちゃんの事が一番好き


アキちゃんが私の手に気付いて手を握って下ろさせた。
『ん?……どうした?』
余裕の無い顔、余裕ないくせに答えるのね。
息が乱れるアキちゃん額はじっとりと汗で濡れてる。

愛してるって決して言わなかった私達。
好きって言えても『愛してる』は特別な言葉だから
言ってはいけない言葉。


『私、アキちゃんを愛してるよ』

瞳には涙で潤んだ。
上手く言えただろうか?
聞こえただろうか?
アキちゃんには伝わっただろうか?

切なくて愛しくて幸せでこのまま埋もれて終えたら
どんなに幸せなんだろう?

アキちゃんは果てて私の胸に埋もれた。
息が乱れててグッタリしている。
髪に指を通した。
ピョンピョンと跳ねた薄茶色の髪
少し堅いけど元気な少年ぽくて
この髪が大好きだ。

切れ長の奥二重の目、よく眼鏡越しで人懐っこい
笑顔をして好き!真剣な時にまばたきが無くなる
仕草も好き。
私の撫でる実験でガサガサに傷だらけのこの手が好き
好きで溢れてる。


『んん…お姉ちゃん』
とても、しんどそうなアキちゃん。
にまっと笑って、頭をポンポンと叩き
『今度は私が持ってきたげる!
坊やは寝てなさい!』

出来るだけいつも調子でアキちゃんに言った。
こうしないと『嫌!好きなのに何で!!』なんて
言いそうだったし。

アキちゃんが力が入らない手で私の手を引き止めた。
『…良い!いらない……それより側に居て』
アキちゃんは布団を空けて隣に来るように
ベッドをポンポンと叩く。
私は首を横に振って
『しんどいんでしょ?…だったら寝てて』
『鮎を抱き締めたいんだ』
しょうが無い人って溜め息ついて

『だぁ~~め!………でも、帰ってきて寝てたら
淋しいから…だから、起きててね!!』

『分った起きてる…だから、早く戻っておいで』
私はヨタヨタと一回のリビングに行きポカリを用意した。
床はひんやりとして、さっき迄火照っていた身体は一気に
冷やされた。

居間にあるアキちゃんのお父さんの仏壇を見て
『どうか、見守っていて下さい…』って祈ってしまった。
何だか見られていたら嫌だなぁ‥とヨソヨソとアキちゃんの
部屋へ戻るとアキちゃんは寝息を立てていた。
何だか身構えていた分、少しホッとした。
『ん…もう』
机にポカリを置いて一口頂きチラっとアキちゃんを見た。
幸せそうな寝顔。憎らしくなっちゃう。
こんな素敵な人困らしちゃいけないわね…ねぇ私?
冗談でも『お姉ちゃん』なんて言わせてる分、私が強くなくちゃ。
アキちゃんのお姉さんの部屋で寝ようとドアを開けようとすると

『ん?……んん。お姉ちゃん何やってるの?
ほら…早く戻っておいで。冷えちゃうよ』

アキちゃんは優しい笑顔で布団を開いた。

少し戸惑ったけど…私が貴方に逆らえる訳なんかないのだ。
すごすごとアキちゃんのいるベッドにいく。
アキちゃんは私の腕を掴みベッドに滑り込ませた。
そして、アキっちゃんの腕の中へ…。
アキちゃんはギュウ~ッと抱き締めると足を絡めて
温めてくれた。
『やっぱりね。こんなに冷えてる…駄目だよ?
お姉ちゃんは女の子なんだからさ』

アキちゃんは意識朦朧としながら私を抱き締めて
キスして愛してくれた。
嬉しくて嬉しくてしょうがない……
本当に元になんて戻れるのかしら

アキちゃんは私を抱いたまま眠りに就いた。
寝ながらも、寝ぼけながら頭を撫でたり
背中を撫でたり、ちょっとHな事したり
『鮎……愛してる……』って寝言言ったり…
こんなに愛されてるのに…こんなに愛しいのに
失わなくちゃいけない…。
辛くて涙が溢れ続ける。
たまに一緒にバイトに入ってる夢見たりして
変な寝言を言うアキちゃん。
寝ながらもHな事しちゃういけない手。
足で私の太股をぎゅうっと抱き寄せる大きな足。
人の気持ちも他所に幸せそうな寝顔の貴方…
愛しく無いなんて訳ない!
夢の中でも愛してくれる貴方をどう忘れたら良いのだろう?
悲しくて苦しくてしょうがない。
こんなに可愛い人はもう居ないんじゃ無いかって思うもの。

アキちゃんが疲れてるせいか息苦しそうだった。
だから、少し腕から離れたげると
アキちゃんは手をポンポンとベッドを弄り始めた。
何だかその姿が可愛くて面白かった。

『ん?んんん?………鮎???』
寝言だ。
『……ん??んむむ?』
まだ、手探りしてる。
アキちゃんはむくりと起きぐいっと引っ張た。
『何で離れてるの?………また冷えちゃうよ…』
今にも眠りに落ちそうなアキちゃん。
私の涙は暗闇に隠れてる。
『えへへ…だって寝言いうんだもん!』
『んんん~言ってた?何って??』
アキちゃん寝ぼけてる。
『愛してる…だってさ』
『やぁ…何それ……恥ずかしいな』
アキちゃんに一口ポカリを飲ませ寝かし付けた。
アキちゃんはまた私をギュゥって抱き締めた。

今、私は幸せの中にある…
時計は無情にも時を進めて行く。

もうすぐ朝だ…私。


そんな迷走の中を独り涙が止まらない私。
私の気持ちはどうやったら止まるのかな?
どうか、どうかアキちゃんのお父さん
私のこと見守っていて下さい。

続きは一夜の情事09に続けます。
………ってか、現在大分、状態が
変わっています。 汗
ブログ追い付かね~や。
最近やっとこさ周りが落ち着き
始めましたので更新スピードあげますね 汗

一夜の情事07


アキちゃんの事…好きなの


とうとう伝えてしてしまった。
アキちゃんは黙って私の方へ向き直った。
うつむきながらも彼の表情を覗き見た
『困った』そんな表情は微塵も無く。
『気付いていたよ鮎の気持ち』
『うん…我慢してたんだ。
アキちゃんを好きって気持ちは蓋してしまおうって!
言っちゃ駄目だって 思ってた。』

眉毛は八の字に降下、睫毛には涙の粒が滴る。

『だから、牽制してた。知ってたから』
唇を噛み締める 知ってるよ。
アキちゃんが何回も私にも自分にも牽制をかけてたの。
でも………… 駄目だった。 思うだけじゃ足りなくなっちゃたよ。

『今日の事もね。忘れようってアキちゃんが 困っちゃう!
忘れろ!忘れろって……でも』

アキちゃんは黙って私をギュゥって抱き寄せた。
『鮎は我慢しなくて良い…』
『私ね!……あのっ…ん』
自分の溢れ出した気持ちを止める術が見つからない。

<font size="3" color="#0000CD" style="line-height:120%">
『鮎…あのさ。カラオケボックスで一夜過ごした時の事
…余り憶えて無い…でも俺あの時、鮎に何か言わなかった?』

急な質問にちょっとびっくりした。
『……急に抱き締めた時の事??』
拍子抜かれた声で私が答えるとアキちゃんは私を抱く力を 少し強めて。
頷いた。
『俺…あの時に鮎に告白した』

………………………………!!
一気に気持ちが破裂した。
目を限界まで見開いて、息を止めて、心臓は壊れた時計みたいに
鼓動を弾ませた。
『……何で?どうして??……私』

あの時、アキちゃんが何って言ったか聞こえなかった。
あの時の映像が目蓋に写し出される。
分かるはずは無いのだけど。
アキちゃんの視線だって見えた訳じゃ無いのだけど。
アキちゃんはあの時、お酒のせいで意識朦朧とした中で
肌が熱く灼ける様な中で、私に彼は告白をしたのだ。
これは『多分』じゃない『確実』だ。

『記憶ないんでしょう?何で分かるの…』
『あの時の俺はそれしか伝える事が無かった。
だから、間違い無い』

アキちゃんが抱き締めるからアキちゃんの顔は見えない。
でも、安心した。やっぱり貴方が好きだ…
好きだから、いっぱい、いっぱい好きだから
貴方への気持ちは今日で押し殺す。
小さな悲鳴と一緒に終い込んでしまおう。
そう自分に言い聞かせる。

『アキちゃん…アキちゃんの気持ち 知ってた。
だって…モーションかけてたでしょ? バレバレだよ~‥‥もう』

少し唇に力を入れて微笑んだ。
私の出来うる限りの強がり。
アキちゃんは少し困ったなと言う顔をして
『アホか!……まったく』って言って頭をわしわしと撫でた。
アキちゃんの大きな手は優しくて温かくて
手放したく無くて強がった笑顔は引きつった。
『困らせたら………ごめん』
『……うん。』
アキちゃんは私を優しく枕に倒して目蓋にキスした。
安心して良いよ…って言うみたいに頬と髪を優しく撫でる。

入り口付近を優しくなぞる…じんわりと愛液が溢れ出した。
私は二つの矛盾する気持ちを抱えたままアキちゃんを求めた。
今日だけの今日で最後… 貴方を愛してる……
アキちゃんのモノが私の中にゆっくりと射し込まれる。
じん…っと頭がぼうっとし始めた。
何だか麻酔を打たれたみたい。
前よりも声が止まらない。
自分の中にこんな自分が居るなんてと驚かされる。
処女なのにアキちゃんのモノを貪欲に求めてしまう。
私の乱れ具合に反してアキちゃんは私を見つめている。
時に私に近づき卑猥な台詞を言う。
気持ちが良過ぎて何も考えれない私の頬に手をかぶせ

『鮎……可愛いね。そんなに気持ち良い?』

呼吸が乱れて返事が出来ない。
頑張って返事をしようと歯を食いしばると
アキちゃんはズンっと更に奥へと突き立てる。
『ひっ…!あああ!やぁ』
私の二の腕を掴んで体勢を起させアキちゃんの膝の上に乗せる。
さっき迄と違う所にアキちゃんのモノが当たって呼吸は乱れたまま
アキちゃんは両手で私の頬を包んだ

『鮎…イったでしょ?鮎の中が何回も痙攣してた』
何だか少年みたいに満足そう
『何だか頭のしんがポゥ…っとして分からないよ』
恥ずかしくて照れたけどアキちゃんが幸せそうに撫でてくれるので
私も嬉しくなった。
『よおお~し.!お姉ちゃんには色々教えてあげよう☆☆』
そう言ってアキちゃんは色んな体位で私を何度も抱いた。
そうして、何ラウンドか済んだ後。
肩で息をする私に頭をポンポンとたたき。

『お姉ちゃん偉かったね!…休んどき! ポカリ持って来たげる』
『あっ…私も行く』

そう言ってベッドから降りようとすると
肩を押さえ付けベッドに寝かし付けた。
『お姉ちゃんは潮吹いたり、何度もイったり
初めての事いっぱいで大変だったんだから疲れたでしょ?
良いから男に任せて休んでれば良いんだよ~』

アキちゃんは明るく軽い口調で私を諭した

多分、アキちゃんはイっていなかった。
指やアキちゃんので私を可愛がっている間中
ずっと、私を見つめて心配していた。
声を出すまいと指を噛めば 私の手を包み。
シーツを掴む指に力が入れば 目蓋にキスをしてくれた。
アキちゃんのHはとても私に優しかった。
心も身体も幸せで満たされてコロっとシーツに 包まった。
アキちゃんは前に私に
『人肌恋しい季節に独りなんて初めてだよ 何だか怖いな…』
って言っていた事があった。
私は『冗談で抱き締めたげる!』なんて冗談で 流していたけど…
私を抱いたのは… 淋しさから?
不安から?
前の彼女を振り切る為?
欲求不満のはけ口だった……?

私とアキちゃんの関係は正に理想だった。
お互い、辛い時は言わなくても分った。
いる時間や距離とか良い条件じゃ無くても 満たせた。
なのに、身体の関係を持って 『男女の関係』になっちゃった。

…………アキちゃんにとって私は何になるのだろう?
世に言う都合の良い女になっちゃうのかな?
そんな不安に顔の表情が曇った。

パンパンッと顔を叩く。
快感の中でアキちゃんを見てあげれなかったけど
アキちゃんのサイズが大きくて無意識で痛がる私を
気にして指で何度も愛撫したよね?
甘くて優しい言葉で支えてくれたよね?
抱かれてる間、淋しくて貴方のキスと抱擁を
ねだる私を何度も受け止めたよね?

そんなアキちゃんを責めれる訳無い。
明日まで、まだ時間はある心の準備をしよう。
忘れるんだ。 明日が来たら
いつもの私でアキちゃんを安心させるんだ。

そう決意をする私を他所に貴方は
私の気持ちを揺さぶるのだ。
それは一夜の情事08に続けようと思う

一夜の情事06




ヤバい…もう限界だ…

もうこの時点で私の理性はキリキリしていた。
幾度と無く誤魔化した。
大好きなのって何回も言おうとする私の心に蓋をした。
お互いの好意が見え隠れしても黙りを決め込んでた。
でも、きっと私の好きって気持ちは溢れてる。
アキちゃん……知ってるよね?


アキちゃんは私の答を聞いて『そう』って言って
私の顔を覗き込んで、逃げない様に顔を手で包む。

『初めてはいつ?まだ…かな??』
『さ…さぁ?ホテルに入ったけど?
どうでしょうね?ってか別に良いじゃない!
飲もうよぉ~』


私はお酒をつぐ。
後方でアキちゃんが急に言った。

『我慢出来そうにない。
今夜一晩だけ……
駄目かな?』


お酒を持つ手が震えた。
ああ……やっぱり貴方自分の常識を捨てれないんだね?
知ってた。
うちのバイトは契約社員って形でアキちゃんと私は
結構期待をされていて責任が重い事。
仕事内で付き合うのは御法度だって事。
私もアキちゃんが好きだけど勝ち得てきた
信頼を失うのは怖いって事。
だから、クリアな関係になんてしたくなかった。
だって……。

泣きたい気持ちで一杯になった。
『何言ってるの?飲もうよ??一晩中飲む約束でしょ?』
アキちゃんにお酒を差し出す。
差し出したお酒をアキちゃんは口付けない。
そして、アキちゃんは

『鮎が処女なら抱かない』
……………。
『抱かないの?』
『うん…。鮎は処女かな…?』
アキちゃんの言葉のニュアンスから『処女でしょ?』って確信が篭っていた
抱かれたいのは本当。今すぐにでもアキチャンに触れたい。
だけど、抱かれちゃったら後戻り出来ない。
多分、私以上に傷付くのはアキちゃんだ。
アキちゃんはモテルけど遊んだ事はない。
感情なく人を抱ける人でもない。
きっと、苦しむ。
アキちゃんが私を膝に乗せ抱き締める。
大きな手で私の顔を包み込んで。
優しい瞳で見つめてる。


『私…処女だよ』


アキちゃんは変わらず『うん』って言って私を更に近くへ引き寄せる。
アキチャンは変わらないって知ってる。だって…繋がってるもん私達。
私も妙に安心してアキちゃんに抱き締められていた。

『鮎を抱く…』
!?
『アキちゃん……アキちゃんが後悔するよ?』
『大事にする』
『アキちゃんもう一度言うね。今なら止めれるよ』
私の精一杯の気持ちだった。
目に見えてるんだ、その後が…。
アキちゃんは誰かと側にいる余裕なんてない。
アキちゃんは完璧主義な上に責任感が強い……だから
駄目だよ?ヒールになれない人がこんな事しちゃぁ

『ちゃんともう一回聞くね?鮎は処女か?』
『何で聞くの?……処女だよ』
『処女なら傷付かない様。優しく大事にしたいから』
『何それ』
『良い?』
『……………うん。』

この恋は終わった。
一晩の恋にしよう…大好きな大好きなこの人を傷付けたくないから
幸せで切なくて…この気持ちに埋もれて終えたらどんなに素敵?

何回かお父さんの仏壇の目の前で抱き合ってキスをした。
お酒が回った私はヨタヨタしていると急に身体が軽くなった。
アキちゃんが私の身体をお姫様だっこしてくれてるのだ。
目が点になって『何してるの!?』って驚いてると
『ほら…この方が楽でしょ?鮎転けちゃいそうだしさ』
ヒョイヒョイと軽々持ち上げちゃう彼に抱かれながら
お互い幸せでケタケタ笑い合った。
階段を駆け上がりアキちゃんの部屋に到着した。

『とーーーうちゃく!!』
そう言ってアキちゃんは私をベッドに下ろした。
ドキドキと動悸が高鳴る。

アキちゃんは私を抱き寄せてキスして
『大事にするから……』
お互い下着を脱いで緊張して目を合わせれない。
こんな事言い出したアキちゃんの方が顔が紅く
可愛いなぁ…なんて思った。
『こっち野方が恥ずかしいのにアキちゃん
の方が照れてるね?』

『言っておくけど、俺は鮎が思う様な遊び人じゃないよ
……本当。恥ずかしいから…あんまり見ないで』

私は布団に包まりながらクスクス笑う。
それにムッとしたのかアキちゃんがぐっと寄って来て。
私を押し倒した。
私の下着を見て
『ふふふ‥可愛い下着だね?勝負下着??』
『やぁ…!違う……だって』
アキちゃんは上機嫌にふふふって笑いながら身体にいっぱいキスをして
ブラジャーに手を忍ばせて優しく揉む。
恥ずかしさで顔が紅潮して『ひゃん…いや』なんて短い声が漏れる。
私と目が合った瞬間にわざとアキちゃんが軽く乳首を噛んでみせた。
『やっ‥‥!』
ちょっと甲高い声が弾けた。
少し身体が弓なりに弾み目が潤んだ。
『……やっぱり鮎はMだね?前迄、『私はSだよ』なんて
強がっていたけど鮎はMだよ。だって、こんなにも敏感なんだもん』

『そんな事…無いぃ。私Mじゃぁ……』
息絶え絶えで答えようとするもアキちゃんの
愛撫でなかなか上手く答えられない。
アキちゃんは私のその様子に御満悦なのか更に愛撫を激しくする。
『俺は極度のSだからね?こうやって虐めるのが好きなんだよ?
気持ち良いでしょ鮎…下の口がピチャピチャいってるもん』

『そん…な事ない!あぁん……あっ』
パンツの上のアキちゃんの手が8文字で激しく擦りあげる。
クチュクチュと音が鳴ってる。
『いやぁ…っやだ!いやらしいよぅ』
『だって感じて無いって言うから?ほら、この音は何?
鮎の腰がもっとして!って揺れてるけど?…ねぇ??』

アキちゃんはSだ。
アキちゃんは私の顔が快感に歪むのを楽しそうに見つめている。
興奮しているのか顔はすっかり男の顔と化していた。
少しアキちゃんが離れパンツに手が潜り込む。

あっ……
少し緊張が走った。目もキュっと閉じた。
すると、手が触れたのは股間にでは無く私の頭に…
アキちゃんの大きな手が撫でてる。
さっき迄の少し怖かった顔では無くいつもの優しい顔で
『少し痛いかもしれない。痛かったら言って……もっと
もっと、優しくするから。』

キョトンとしてしまった。
アキちゃんは私を凄く凄く大事に包んでくれてる。
分ってたけど、ホッとして嬉しくなった。
『うん……』
『それにね、俺上手だから♪……なんて』
軽く冗談を挟んでゆっくりずり下ろした。
軽く指が私の膣に少し埋まる。
最初は入口をなぞる様に…そして愛液でクチュクチュと溢れて
滑り込んで指が奥へ奥へと滑り込まれていく。
段々入るスピードも増して奥へ奥へ

『ひっ…あぁ!やぁ…ああん』
リズム良く声が高まる。恥ずかしがっていたのに押さえれない。
薄めでアキちゃんの顔を覗き込んだらアキちゃんは真剣な顔で
私の顔を覗き込んでた。
私が感じれば感じる程、アキちゃんの指に力が篭る
見つめる目は熱く私の喘ぎ声や表情、腰の動きを
見逃さない。
アキちゃんに見れてると思ったら恥ずかしくて顔を隠した。
アキちゃんは私の手をギュゥッと握ってきた。
『何で隠すの?見せて鮎の顔…見たいから』
『嫌だぁ……だってっ……え!化粧も…落ちたし
こんなの……嫌…ぁ。変!……変な声漏れちゃう』

何だか快感で頭が白痴になった様な事を漏らす私に
愛撫を止めて両手で私の手を掴み顔から放させる
『鮎の声も顔も可愛いよ…もっと見せて』
そう言って片手で私の両手首を握って押さえ付けた。
そして愛撫はもっと激しくピストン運動をして快感が強くなる。
弓なりで身体がビクビクする。
アキちゃんの顔がうっすら見える。
『怖いよう…キスして』
アキちゃんは指の動きを止めないまま私に近づきキスをした。
首にギュゥッと手を絡める。
アキちゃんの太い舌が私の口の中を優しく抜き差しされる。
幸せでじんわり涙で睫毛が濡れた。
『今…指1本でこんだけキツイけど…2本にするよ?』
ええ!?嘘!!1本??どんだけ太いの~~
『えっはぁ……っ』
喘ぎ声で上手く言えない。


グチュッッ!!


アキちゃんの指が2本入った。
キュゥキュウする自然に膣が収縮する。
『大丈夫?痛い??』
正直少し痛かったけど心配そうなアキちゃんの声に答えたくて
『はぁ…ひっ…大丈……夫だ…よ』
笑顔を浮かべて見せたら
アキちゃんがふぅ…っと溜息をついてみせて
『偉いよ…鮎頑張ってるね。ちょっと痛いよ?』
声に出せないけど…『うん』って頷いた。
グリグリとアキちゃん指が中で弧を描いた。
激しい快感が襲ってくる。

『あああああああああ』

身体が跳ねた。
『按摩が得意だけど…俺ねこういう人の壷探るの上手いんだ』
悪戯な顔で私の様子を眺めるアキちゃんが楽しそうに言った。
『これが鮎のGスポットだよ。ここをもっと…可愛がってあげる』
そう言って、アキちゃんは執拗にそこを責め続ける。
もう何がなんだか分からず快感で真っ白になってた。
布団を噛む足に指に力がはいる。
『本当に気持ちの良さそうのよがってるね?もっと…色んな事
教えたげる』

そう言ってアキちゃんはまた違うスポットを刺激して私をいっぱい濡らした。
太股が湿った意識が朦朧としてそれを自覚出来ない。
『鮎はHだね。初めてでこんなに濡らすなんて?分かる??
こんなに…ほら』

私にアキちゃんは私の濡れ具合を確認させた。
恥ずかしくて私は目を逸らそうとするのに逸らさせてくれない。
お膝に乗せて抱き締めてくる。
布団で私のお湿りを拭うアキちゃん。
何だか妙に満足感に浸った表情で
『鮎にとって一番?…良かったかな?』
……こいつは
『………ん……うん。一番…だよ』
嬉しそうな顔で『えへへ』なんて笑って私を再び寝かせた。
『鮎…生理いつ終わった?』
『えっと…結構前かな??』
『んじゃぁ…ちゃんと着けなきゃね?』
そう言ってコンドームをこそこそ用意し始めた。
背中が丸くて可愛いなぁ~って思って笑った。
『もう!見ないでよ…恥ずかしいーから』って汗々する彼

私忘れるよ…忘れるから
なのに、何故だろう気持ちが大きくなってくよ
好きだよ好き…アキちゃんがいっぱい…好き


つい言葉に出た。

『アキちゃん……私アキちゃんの事本当はね…』



続きは一夜の情事07に続けようと思う。

一夜の情事05



あああああ……。とうとうアキちゃんの家に着いちゃった。
『ちょっと待って!』ってアキちゃんが私を軽く制止して
中に入ってドアを開けた。
『いらっしゃい!お嬢ちゃん。どーぞ入って♪』
何だかふざけた彼の態度が可愛らしくて笑えた。
『あはは…ただいまぁ~アキちゃん』
ふざけ合いながら家に入った。

アキちゃんの部屋ってどんなんだろう??
ワクワクする気持ちでアキちゃんの部屋にダッシュする。
アキちゃんは慌てて私を止めようとするけど、間に合わない
引き戸をガラっと開ける。

……こざっぱりとした部屋。学校の実験の書類が束で机に
置かれている。
忙しいんだ…やっぱり……そう再認識した。
私にふざけた態度とってるけどアキちゃんは今…ギリギリの中にいるんだ。

『ちょっと~お姉ちゃんのスケベ!早く出てよぉ』
『嫌だよぉ~出ないもん~着替えるんだったらさっさと着替えれば?』
意地悪にニマニマしてるとアキちゃんは『もう!』って軽く怒って
私をくすぐってベッドで寝そべる私を引きずり下ろそうとした。
嫌だ嫌だ!と言ってじゃれていた。
アキちゃんに触れる事が出来てドキドキしつつも安心していたし。
すると…


『男のベッドでこうやって押し付けられてる状態って
どんなに危険な事か分ってるの?お姉ちゃん』



あ………っ
目が笑ってるけど…本気だ…
だって私を見つめてる瞳や手にかかる重さ私の足の間に
挟まってる足が……怖い


黙ってアキちゃんを見上げた。
アキちゃんの台詞に心が震えた。

手にかかる重さが軽くなる。
『あははは~大丈夫!何もしないよ?…怖かったでしょ?』
アキちゃんが笑顔で私の身体から離れようとする


もっと触れていたい…!

思わずアキちゃんを押し倒した。
アキちゃんは『わっ』と声を漏らし私の下へ
目が合って気恥ずかしくなった。
何を私はしているのか??自問自答だ。

誤魔化してじゃれ始めた。
アキちゃんはくすぐりに弱くてもがいてた。

トゥルルル~♪♪

アキちゃんの携帯がなった。

アキちゃんはばっと私をポイし電話に出た。
『あぁ~宮君!何で今日来なかったんだよ~
さっき鮎さんに襲われてて大変だったよ』

ほう!そんな事言う~?って思ってくすぐり再開
『うわっ!ひゃぁ~やめて~~宮君犯されるうう』
『誰が何したって言うのよ??ん?』
宮君の電話の前でドタバタしてると呆れて宮君が
『行かなくて良かった』なんてぼやいて電話を切った。

二人顔を見合わせて『あはは』って大笑い。
それから、アキちゃんのお姉ちゃんの部屋に
連れられて楽な服を渡される。
『これを着て』
…………ユニクロ。

せっかく可愛い服着て化粧してきたのに…これはさ
なんて思いつつ着替えを済ませアキちゃんがいる居間に
向かおうとすると…

コンコン

『お姉ちゃんもう着替えた?』
『うっ…うん!着替えたよ』
慌てて片付けてアキちゃんを通した。
『ん…どうした?淋しかったとか?? 笑』
アキちゃんは照れ笑いをしながら
『なにそれ………図に乗ってるなぁ…』
『図星かぁ!!』
アキちゃんに追い掛けられながら階段を素早くかけ降りた。

居間に着くと、二人その場に座ってふぅ…っと一息
アキちゃんはお酒の用意だとかに大忙し。

私は飾ってある沢山の家族写真をほぅ……っと見上げながら
居間にあるアキちゃんのお父さんの仏壇を見つめた。
これがアキちゃんの大事で尊敬しているお父さん。
アキちゃんの心にどっかりと居る人。

何だか挨拶もかねて祈りたくなった。
アキちゃんがいっぱいいっぱいになって苦しんでいる事や
アキちゃんが自分のキャパシティの自覚なく色んな責任を
取ろうとしている事や…
100じゃない可能性をかなぐり捨てる様に…
善くも悪くも、お父さん…貴方が居たからなったんだと。
これからアキちゃんが幸せに笑って居られる様にどうか
見守っていて下さい。
何だかそう伝えたかった。

私は自然に仏壇の前に座ってお父さんに祈っていた。
後ろにアキちゃんが居るなんて気付かずに

『わっ!!アキちゃん後ろに立つなんて
趣味が悪いよ!!……あっ‥えっと。一応挨拶をと
思って勝手に祈ちゃった……ごめん』

凄く穏やかな顔したアキちゃんが
『ありがとう』
って言ってくれた。

それから、TVをつけコタツの隣に座った。
乾杯をしていつもみたいに下らない会話を少しした
いつもより、やっぱり緊張してお互い目を余り
合わせられなかったけど楽しかった。

それで、、いつもの様にアキちゃんが私の手を取って
マッサージをしようと手を取った。
楽しくて気付いて無かったけど、手が少し冷えてたみたい
アキちゃんがギュゥ……ってして温めようとした。
『アキちゃん良いよ!そんなに寒くない』
それでも手を放さず片手で私の両手を包みながらコタツをオンにした。
『お姉ちゃん気付かなかったゴメンね。手が冷えてる』
『うん……有難うアキちゃん』
アキちゃんはいつだって私の心配をしてくれる…
工学部と言う事もあってアキちゃんの手は指はガサガサしている。
いっぱい傷だらけ…私はアキちゃんのこの手が好き。
アキちゃんの傷を撫でるのが好き。
撫でたからって何もなら無いって知ってるけど、何か癒せたら良いなぁ
なんて思うから。
アキちゃんの足が私の足に絡んだ。
『やっぱり、女の子はすぐ身体が冷えちゃうね…足も冷たい』
アキちゃんがぐいっと引っ張てお膝の上に私を乗せた。
慌てる私にアキちゃんはこの方が温かいでしょ?なんて言ってくる。
呆れつつも、そんなアキちゃんを愛しく感じるのだからしょうがない。


『お酒が飲めないよぅ~アキちゃん!ほら』
アキちゃんにお酒をついでお互い飲む。
アキちゃんは豪酒だから飲むピットが早い。
逆に私はお酒が弱いからチビチビ飲んでた。

お互いコロっとその場に寝転んで喋り始めた。
やっぱり、最初に話し始めたのはアキちゃんのお父さんの話と
お父さんが築いた俺の家族みたいな家族を築きたいんだとか…
アキちゃんらしかった。
頑張るんだ頑張るんだ!ってしてるアキちゃんが見てて辛くなる時も
あったけど、やっぱり愛しいって思えた。
『あのね…アキちゃんさっき仏壇でお父さんにね
挨拶って言ってたけど。本当はねアキちゃんをどうぞお見守り下さい
ってお願いしてたんだ』

顔を合わせずに呟いた。
アキちゃんのお父さんはギリギリ迄頑張った人だった。
奥様との結婚記念日迄頑張って生きてその日に死んだ。
季節外れの御葬式の日に蜻蛉になって帰って来た。
仏教で死人は蜻蛉になって帰って来るのだそうだ。
蜻蛉がいるはずのない季節に……
それから、アキちゃんや家族がどんなに望んでも夢にも現れる事は
なかった。
『もう、安心して成仏してしまったのかもしれない』なんて
淋しがってたから…アキちゃんが少しでもお父さんを近くに
感じれたら良いなぁって本当に思った。

アキちゃんは少し驚いた顔したけど、.軽く頷いて頭を撫でてくれた。
次第に話す内容が恋愛の話に流れていった。
アキちゃんの腕枕の上でコロコロしながら足を交差して
密着させていたお互いの鼓動が聞こえるくらいに
アキちゃんが私の手首を掴んだ
『鮎…ドキドキしてるね』
私の心拍を測ってアキちゃんが呟く
恥ずかしくなった私はアキちゃんの上に乗って心臓の音を聞いた。
アキちゃんの鼓動はお酒を飲んだからか鼓動が早かった。
『アキちゃんこそ早いよ‥凄いドキドキしてるもん』
アキちゃんの鼓動を聞いてると何だかホ…ッとした。
このまま…このままって思った
アキちゃんが急に起き上がりキッチンの方へ逃げた。
『ん?どうしたの??アキちゃん』
私もキッチンへ行くと冷蔵庫を開けてアキちゃんが
『鮎が甘いものが好きって言ってたからさ…色々甘いもの
買ってみたんだよね‥俺、甘い物食べれないし。食べてよね?』

アキちゃんは私が来る事を楽しみにしてたんだなぁ‥って思った。
冷蔵庫の中には色々のアイスやシュークリームや普段のアキちゃんは
絶対買わない様な物でいっぱいっだった。
『まだ良いよう~ちょっと寒いしさ!』
『恵はコタツに戻って!足冷えちゃうよ!!
お酒は俺が用意するからさ‥ほら!!』

アキちゃんに言われてもう…!と不貞てコタツに戻った。
少ししてアキちゃんが私にチュウ杯を自分にビールを持ってやって来た。
2回目の乾杯。
アキちゃんに自然に寄り添うアキちゃんも私の事を受け止める。
お互いの手をマッサージし合いお互いにお疲れ様って言い合った。
私と彼はどうしてこんなに居るだけで気持ち穏やかに慣れるんだろう
なんて思った。居るだけで幸せだなんて本気で思えた。

『あっ…駄目…離れて』
アキちゃんが急に離れた
『どうして?』
ホンワカしていたから?と思った。
『我慢出来なくなるから…』
『何が?』
分っててわざと聞いた。

『俺……男だよ。鮎がこんなに近くに居ると我慢出来なくなるよ
周りに誰も居ないし……堪えれなくなる』


知ってるよ。知ってる。貴方の好意
まだまだ淡い気持ちこれからハッキリした物になりそうな気持ち
押し殺そうとしている気持ち。
知ってるよ。
私はソレを知っていてわざと貴方を壊そうとしてる。
私自身も堪えれなくなってきているから
好きな人の好きだって気持ちを知っていて我慢なんて出来なかった。
押し殺そうとしているソレを見てなんて居られなかったよ。

『あはは。何言ってるの??アキちゃんと私は
そう言うのとは違うんじゃなかったの?』

隣に座り直しアキちゃんに言う
再びお酒を口に含んだ。
そして、再び話し合う。隣り合って転がってお互いの顔を見つめ合う

『お姉ちゃんは今迄何人の人と付き合ってきたの?』
『え……?』
何だかアキちゃんと理想を語り合う事はあったけど、
今迄の恋愛遍歴について話す事はなかった。
むしろ好きな人に知られたくなくって躱そうとした。
『あは…。そう言う質問は自分から答えるべきよ!
アキちゃんが言ったら言っても良いよ!』

アキちゃんこういう話苦手って知ってたから言ったのに

『今迄付き合っていた数は六人だよ。初めて付き合ったのは
中学三年生。その時は何もしなかった初体験は高校生……初体験以降は
中学生の時みたいなドキドキは無くなってたなぁ』


ええ??六人って多いなぁ…じゃなくて何ペラペラ喋ってるんですか?
そんな事……

私の驚きを他所にアキちゃんは私の目を見て
『他に聞きたい事ある?…俺答えるよ』
『何で言うかなぁ?…六人って多いし…って言うかね
アキちゃん良く平気でそういった事話せるね?私は恥ずかしいけどなぁ』


アキちゃんは少しむくれつつも

『鮎が言ったら言うって言ったから……
それに鮎の遍歴を知りたいって思ったから
教えてよ』



『‥‥‥三人』
アキちゃんの照れつつも真剣に聞いて来るから
思わず答えた。
ああ……猾い。
私、いつだって貴方に弱いよ?
お願いなんてされちゃったら断れないんだよ?
知ってるよね?
知っててこんな事言ってくる本当に貴方は猾い人。
大好きで大好きで溺れ死にそうになってる私を貴方
追い詰めてる確信犯なのだ。

続きは一夜の情事06に続けようと思います。

一夜の情事04


苦しくて悲しくて不安でも、アキちゃんを好きな私がいる

11月3日、私は彼に抱かれた。

この時の事を
『鮎が俺を侵し俺が鮎を犯したんだ』
ってアキちゃんが言った。

女の子は抱かれた抱かれたと言うけど
きっと内側を犯すのは男とは限らないのだと
この時思った。
確かにこの日、私はアキちゃん侵したんだと思う。


その日は朝から気持ちがソワソワしていた。
私の家は厳しく男の子の家にお泊りなんて許されて無い。
泊まって良いのは小学生の時からの親友の家のみだ!
だから、この時迄私は処女だった。

内心、泊まるのだから何か遭ってもおかしく無い
って思っていた。
でも、彼との関係を壊したく無かった私は精一杯
『駄目駄目』と自分に言い聞かせた。
用意をしていると、すぐに夕闇になった。
親にはその親友の家で泊まると言って誤魔化した。
ドキドキ心臓が飛び出しそうになりながら、軽く口ずさむ
『貴方が望むなら私~何をされても良いわぁ~♪
いけない娘だと噂されても良い~』

何だか駆け落ちするみたいな気持ち…
きっと。晴れたらとんでもない事になるわね?
それでも側に居たいって思ってしまう。
でも、求めちゃいけない。

一度でも求めてしまったら、もうお姉ちゃんで入れなくなるから
これ以上は……‥求めない!好きにならない。
今のままなら、何かさえ怒らなければ見過ごしていられるはずだから
誰にも秘密で独りで出た心細さと不安定な自分の気持ちに揺られながら
電車で待ち合わせの場所へ向かう。

少し遅れて待ち合わせ場所に着くと彼が車の外で待っていた。
『遅いよ~!今日は寝ずにお酒飲んで語り合おうね?』
お互い一つ屋根の下で寝ては間違いを侵してしまう。
彼の警鐘に少し渋りながらも『分ってるよ!』って答える。

それからとっておきの夜景をアキちゃんが見せたいと言って
見せてくれた。
喜んでると私以上に喜んでいるアキちゃんがいて可笑しかった。
そして、アキちゃんがいつもの調子で
『少しは男だって感じた?』
何て聞いてくる。
もう…アキちゃんは~!と思いつつ。
子供扱いして、その場を誤魔化した。
『アキちゃんは男じゃ無いよボ・ウ・ヤだよ!
だから二人っきりでお泊りも出来るんじゃない?』


『ふぅ~~ん。そっか!……じゃぁ、お寿司奢ったげるよ』




寿司~~~!!?



一瞬、あわわとなった私は『良いよう!』って断ったけど
『俺の事、少しは男として見てね!』
なんて言ってパーキング。
アキちゃん!アキちゃん~~~~~

そして、寿司終了。
別に寿司奢ってもらった事とかあるけど…好きな子は
困らしたく無くて心で激汗かいたよ~(´△`;)


その後、ローソンに寄ってお菓子や酎杯買って
(アキちゃんが出そうとしたけど、ここは頑張って出しました★☆)
既にアキちゃんがお酒とか用意してたんだけど
ビールとかキツイお酒飲めないから 汗

アキちゃんの家に着いた。



アキちゃんとの一夜は
一夜の情事04に続けようと思います。
…………イブなのにアキちゃんに会えない
………………むしろ、今日会うのは
ショウとだなんてどう言う事なんだろう?
アキちゃんに会いたいよぅ(>∧<)
ブログがリアルに追い付かないの罠 汗
本当に恋愛の進展が二転三転していて
やばぁ~い(;・;)
只今、訳あって再就職活動中だったり!
怖いよぅ~
これまた、今度書こうと思います。

一夜の情事03

アキちゃんとそれから会う事は無かったけど
毎日欠かさず電話をくれた。
いつもどうりの電話だ。

……アキちゃんは酔ってたし、あの時の事は憶えて無いのかなぁ?
私は憶えてるよ。
アキちゃんがキスした事。
抱き締めた事。
皆に晴れない様に手を繋いだ事。
アキちゃん…アキちゃん…知ってるよ
好きになっちゃたらアキちゃんが困る事。
でもね…でもこの気持ちを恋にしちゃいたいよ。
駄目かな?


好きだって言い合ったりする、大事だって言ったりする
でも、『愛してる』だけは口に出来ない私達の関係。
冗談じゃなきゃ言えないなんて嫌だって思い始めてた。
だって、もう2週目でもう貴方に恋しちゃったもん。

アキちゃんとある日、宮君とアキちゃんと私の三人で
お泊まりをする約束になった。
内心、宮君の存在が邪魔でしょうが無かった。
宮君は私の事が好きだった。
だから、この三人でのお泊まりは微妙だなぁ…なんて
思っていたけどアキちゃんに会いたくてそうは言えなかった。
それに、私1人ではアキちゃんヘの気持ちを我慢出来そうに無かった。

アキちゃんへの気持ちを押し殺そうと数日過ぎた。
アキちゃんの家にお泊まり1日前、私の大学の文化祭。
凄く盛り上がって夜中迄いると宮君から電話がかかってきた。
『え……?明日来れない!!!?』
なんとド忘れしていたバイトがあり明日のお泊りに来れないというものだった。
内心、宮君の沈む声に心がはしゃいだ。
アキちゃんと二人っきりだ!!

宮君の『ゴメンな』という話しを数十分話した数分後にアキちゃんから
電話がかかってきた。
声は少し暗く意気消沈といった感じだった。
『…………宮君来れないんだってさ~』
何となくアキちゃんが何を言いたいのか分った。
でも、気付かない振りして不貞てみせた。
『お姉ちゃんだけでは嫌な様だね?
こんなに楽しみにしていたのに』

アキちゃんは慌てて否定した。
この時もう私はアキちゃんが私に気があるのでは無いかと気付いていた。
ただ。恋にしてはならないと私の理性が警鐘を鳴らしていた。
でも、もう遅い。
『じゃぁ、明日ね!!』
きっと、アキちゃんが押し殺している気持ちを我慢出来なくなるかも
と不安になってる事を知りながらも
私はアキちゃんのソレを見逃してはあげなかった。

アキちゃんの電話を切ってから後輩とディスカッションし
同級生とはしゃぎ時間は既に深夜、友達とトボトボ自転車で帰ろうとすると
プルルと携帯電話が震え出てみると…アキちゃんだった。
『アキちゃん?どうしたの?もう待ち合わせとか決めたじゃん??』

『ちゃんと待ち合わせ決めておこうと思ってさ。……って
、まだ帰ってないでしょ?寒くないか?不良娘~』

ああ…またアキちゃんは私の事心配して電話かけてくれたんだ。
帰り遅くて疲れてるだろうにいつも私の事心配しちゃうんだね。
自分の欲求を重視してアキちゃんの不安なんて無視したのに、
君はいつだって優しいんだもんなぁ。
ゴメンね、アキちゃん。君が好きで……
友達と帰るから安心してと言って電話を切った。

少しして、友達と別れて急に暗い道に不安になった。
もう時間は遅い。
アキちゃんはもう寝てるだろう。
いつもの道なのに夜遅いってだけで妙に怖い
寝てるよね?なんて思いながらも電話をかけた。

トゥルルルル…

何回か鳴った後、眠そうなアキちゃんの声が出た。
『どうした?お姉ちゃん??』
ホ…ッとしたけど、怖くて電話かけたなんて言えない!
誤魔化そう…
『ちゃんと待ち合わせ場所決めてなかったなぁ‥
と思ってさ!だから決めよ!』

少し話して待ち合わせ場所が決まった。
もう話す事は無い。切らなきゃ…でも、不安で堪らず

『ゴメン!……お願いもう少し起きてて』

アキちゃんは少し黙って口を開いた
『まだ帰ってなかったんだね?……もう。…良いよ』
優しい声でワガママを受け止めてくれた。
後輩と話して凹んだ事を話ても
『鮎は鮎のままで良いよ~気にするな。今の鮎が素敵だよ』
って優しかった。
凄く疲れてるのに私の泣き言に付き合ってくれるアキちゃん。
君の優しさに甘えちゃうよ。
でも、甘えちゃ駄目だ!もう解放してあげよう!!
家にはまだ着いてなかったけど、着いたって嘘をついた。
『もう着いたから安心して!お休み~♪』
努めて明るくふるまった…なのに。


『嘘!……でしょ?良いから、鮎が家に着く迄
ちゃんと起きてるから安心して家に帰りなさい』



アキちゃんには適わないんだ。
何でも見透かしちゃう。
無理してたらすぐ見抜いて包んでくれちゃう。
友達間の冗談に本当は傷付いたりする事も
(私からかわれ易いんですよ 汗)
『頑張る!』っていう私の口癖に無理しなくて良いって守ってくれるね
皆、私の事『元気な子』『強い子』『気楽な子』って見てるのに
アキちゃんだけは私の事『鮎は弱い子だって知ってる』なんて
言っちゃうね。
そんな真直ぐに見抜かれてしまうと誤魔化したり強がったり
出来なくなっちゃうよ?
私の弱い面をアキちゃんにボロボロ見せちゃうよ…良いの?

本当に家に着き、度々意識が落ちながらも電話で話し続けてた
アキちゃんを解放してあげた。


ああ…明日が来る。
恋にしちゃいけないって私の理性が話しかけてる。
なのに私お気持ちは募るばかり。

アキちゃんが好きだ…

一夜の情事02

カラオケでアキちゃんとキスをした。
アキちゃんにキスをした。
初めての二人の秘密。

そのすぐ後、アキちゃんの友人のショウ君が戻って来た。
何も無かった振りして二人離れた。
その後、少し皆で歌を歌った。
アキちゃんは元バンドヴォ-カルと言う事もあり上手かった。
ショウは何やら緊張気味だった。
私はアキちゃんの前で恋愛の歌を歌うのに気が引けてドキドキ気味だった。
盛り上がって数時間後、アキちゃんは私の膝にコテっと倒れて寝た。
私の腰をきゅっと子供みたいに抱いていて可愛いくて起さなかった。
しょうが無いなぁ~っと頭をポンポンっと軽く撫でてあげると
ショウが少しむっとした顔で
『わざとだよ!叩き起せば良いよ!』
少し困ったなぁ~って顔をしてみせて
『明日、早いみたいだしさ!可哀想だから寝かしてあげようよ』

それから、ショウと色々話した。
大学の事・仕事への姿勢・子供って凄いよね~って事とか・今の就職先よりも
本当は幼稚園の先生になりたい事とか色々話した。
ショウとはこの日が初対面で飲み会では話して無かったし、喋ったのもこの時が
初めてに近かった。
某国立大学と言う事もあり最初気が引けてたのだ 汗

『あっ……あのさ…鮎さんって』
『はい?』

『アキと付き合ってるの?』

『えええええ~無いです!それは絶対無いですよ!(*□*;)』
自分の気持ちとキスした事もあり、必要以上に強く否定した。
『そっか…うん。』
この時、ショウの気持ちに気付かなかった。

そして、私とアキちゃんは端から見ると恋人にしか見えなかったと思う。
カラオケに行く前の飲み会でも…
御飯をたべさせ合ったり、お互いをマッサージし合ったり(アキちゃんも私も
指圧が得意なの)過剰めのボディタッチも当たり前にしているのだ。
出会って2週目だなんて思えない程、私達は仲が良かった。
多分、無意識中の両思いなのかもしれない。

再びショウと雑談をしていると急にアキちゃんが手首をギュって軽く握った。
一瞬ドキッとしたけど、アキちゃんは寝ている様でホッとした。

それから少ししてアキちゃんが起きてカラオケして、また寝た。
アキちゃんが寝た次に今度はショウが私の膝に実にナチュラルに寝転んで来た。
『もう…』と呆れつつ、明日朝から授業だというのに私の為にオールに付き合って
くれて寝ている二人に感謝した。

もうすぐ、出る時間だなぁ…っと時計を見ていると眠そうな顔したアキちゃんが
起きて来た。

『おはよ~お姉ちゃん……ってショウさん何してんの!?』
私の膝元で寝ているショウにぎょっとするアキちゃん。
貴方もしてたんだぞ~!…っという気持ちを抑えて
『曝睡しちゃってるし…しょうが無いよ~』
『…わざとだよ!絶対!!ショウさんエロ~い』
そして、ショウが寝ている間アキちゃんが寝ていた時の話や
実は手首を握った時起きてたんだとか色々雑談した。

『あ~~!そうそう!!ショウさんにアキちゃんと付き合っているのか?
って聞かれちゃったよ』

私をマッサージしていた手がピクっと振れた。
『…ふ~ん。何って答えたの?』
茶化さず聞くアキちゃん。逆に自分から話した事なのに恥ずかしくなった
私は茶化した。
『あはは!こっこんな坊やと誰が付き合うもんですか~!ねぇ?』

アキちゃんは何も態度を変えず、再び雑談に戻った。
段々眠気にやられてきたわたしは大きなあくびをした。
すると、ポンポンと膝を叩きアキちゃんが両手お開いてみせた。
『お姉ちゃん寝てへんやろ?すぐ無理するんやから~!ほら!俺の膝で
寝ろよ』

ドキッとした。
眠気もぶっとんだ!
アキちゃんの膝で寝たかったけど、ショウが私の膝で寝てるせいで出来なかった。
『ショウが寝てるし無理だよ~アキちゃんも寝て良いんだよ?』
アキちゃんは寝ないと顔を横に振って
『ショウさんは椅子に寝かせてさ……隣の部屋行かない?』
何なんだ!ドキドキしてしまう。
寝てない私を気遣ってだって分ってるけど少しHな気持ちになてしまう。
『どうせ使われて無いしさ…隣でイチャイチャしよ♪』

『~~~~~~~~~~~~~~駄目!!』

頑張って理性を奮い立たせた。
アキちゃんはチェって舌を出した。
そして、私の頭を撫でて『無理をするなよ』って優しく叱るのだった。
朝が来て皆、バラバラに帰った。

それから、私はショウのサークルに誘われたり
アキちゃんの家にまさかのお泊まりがある訳だが…
それは『一夜の情事03』に続けようと思う。
この恋は余りにスピーディーだと思う。

一夜の情事01

『鮎が好きじゃないから俺は鮎に酷い事ができる』

え……??
酷い事はしちゃ駄目でしょ~(´∀`;)
これは悪夢?何故?なぜ??

これが別離の決定打だった。

たまたまバイトで2日連続で一緒になった男の子。
眼鏡ピカピカの奥に切れ長な瞳をした男の子。
薄茶色い髪がぴょんぴょんの男の子。
身長185cmの長身!これはモテそうで遊んでそう~

この時点で眼鏡以外は好みじゃなかった私。(眼鏡フェチ)
最近、●●と別れて忘れられないんじゃないか?
次ぎに●●と会う迄に新しい誰かを作っちゃいたい~なんて
焦っていた私。
でも、何故か彼には反応しなかった。

多分、そういう自己中心的な恋愛に彼を巻き込みたくないって
自然に思っていたからだと思う。
良い子を●●のスケープゴートにはしたくなかった。

『おはよーございます!宜しくお願いします』
『はーい!おはよ-ございます!!こちらこそ』
あぁ、当たりの良い子だなぁ…って思った。
バイト中も彼は軽いちょっかいをちょくちょくかけて来た。
後ろからくすぐったり、くすぐり返したり。
からかい合ったり
とっても仲良しになった。

そして、お昼になってインスタントラーメンで済ましちゃおうと
スーパーから買って店に戻ってくると…
『あっ!お昼何にしたの?何か袋小さくない?』
と覗き込む彼。
『野菜は?御飯は??身体壊しちゃうよ?女の子なんだしさ』
妙に真剣くさく注意を言ってきた。
何だかその反応が新鮮でドキッとした。
『び…貧乏なんだもーん♪節約節約~♪』
と軽やかに踵を返して休憩室へダッシュ。

はぁ…初対面の男の子に怒られちゃった。
……今時には珍しい若者だなぁ…なんてシミジミ


何かオタクの女子ってむちゃくちゃキャピキャピか
オバン臭いかの2通りだと思う。
見かけは若めのキャピキャピに見られがちな私だが
私の場合中身がオバン…っぽいかも 汗
生活臭がするとか言われた事ある。
*●●に別れ際に『オタクの男はキャピキャピ声に弱いからね
……可愛く可愛く…ね?』って言われた。
失礼ざますよ!お兄さん 怒


バイトの時間も終わり
彼に送ってもらう事になった。
彼はバイトが一緒になる子は皆送ってあげているらしい。
何だかつくづく良い子だ…(≧∨≦;)
駅迄送ってもらい、その後バイト仲間の女の子と駅で
待ち合わせて帰った。
『今日、カコ良い子がいたよ~』
『ええ~まじで!?紹介してよ~』
28才で本気で焦ってる友人(-∀-;)
二言返事でいいよ~!と軽く返事。

この時は本当に彼に対して意識がなかった。

バイトの次の日も彼が迎えに来て仲良くバイトして
(説明忘れてましたが私のバイトペア制なんです)
昨日と同じでした。
『名前何って友達に言われてるの?』
思いきりセオリーな会話
『んん…カキちゃんかな?アキとも言われてるよ?』
『サン読みじゃ堅苦しいから、アキちゃんって呼ぼうかな』
次ぎ会うか分からないから適当。(-▽-)
『……んじゃぁ…鮎って呼ぶね!お姉ちゃん』
彼は回生が下だったので同い年でも冗談で「お姉ちゃん」と呼ばせていた。
自分よりも30cmも高い彼を子供扱いするのは中々に気持ちが良かった。
真面目な彼が何故、浪人したかは後々に書こうと思う。(高学歴でしよ)

‥‥ってか?はぁ!!??会って2回目なのに呼び捨て~~??
馴れ馴れしくないかソレって??


『馴れ馴れしいよソレ』
『嫌?』
『……しょうがないなぁ』
と少しじゃれあった。
彼は私以外、初対面の人を呼び捨てにしたりはしないし
皆、名字にサン付けです。
礼儀や常識を重んじる人ですから…
何か不思議だったんです。
今思うと私にしても彼にしても急すぎる勢いで仲良くなっていた。

そして、またお昼の時間。
私は節約の為またラーメン 泣
休憩室に向う私に彼がトタタっと駆け寄ってくる。
『お姉ちゃん今日の御飯は??朝御飯はちゃんと食べた?』
『ばっちし★★食べたよ!サラダも食べたしね~』
それを聞くとにんまり笑って
『そっかぁ~偉いぞ!今度ぱっぱしてあげる』
「ぱっぱ」というのは抱っこの事を言います。
彼は古い言葉が好きでよく使います。

私と身長が30cmも違うので彼はよく抱っこしたがったり
頭を撫でたがるんです。

何だかこれがキッカケなのかもしれない。
彼は普通の男の子とは少しずれてると感じたんです。
何と言うか、純粋に優しいと言う部類の人間ではない
傷だらけの人間なのだと感じたのです。
深く入り込もうとしない優しさ。
何か心配で気づかってしまう所。
ソレを軽いものへとしようと冗談や軽さで誤魔化して
いる事や人懐っこさ……

私がそうだから何だか分かる。
こういう優しさって言うやつは
自分が傷付いた経験があって
出てくるものだから
何だか酷くシンクロしてしまったのだ。

私は第三者から見ると
明るいし、ドジだし、優しい、人見知りしない
そう、絵に描いた様に外交的で社交的な人間に
見えるのだ。
いわゆる『良い人』って部類だ。
ただ、人が思うよりもマイナス思考だし
傷付き易い。自己中心より他人中心。
純粋な「優しい」では無いのだ。
だから、たまに息苦しさを感じる。

ただ、感じた共感はそのままの気持ちで彼には対さない。
何だか分っちゃう。
私達は「優しさ」を優しさなんて言われたくないのだ。
きっと純粋なソレとは違うから。
きっと貴方は優しい人と頼れば彼は苦しむと思う。
でも、彼の優しさはそういう質なのだから彼が苦しもうが
止めれないものだ。
だから、彼を茶化して誤魔化して見過ごしてあげる。

それから、バイトで別れてからも彼とメールと電話が続いた。

早く家族を持ちたいね…とか
もし二人が夫婦だったらどんな家庭ができるんだろう?とか
愛しいと思った時に『好き』や『有難う』っていう感謝の念
は恥ずかしくても伝えないと後悔するって話や
人の死を見送る辛さ
鮎は『oh!ス-パーミルクチャン』に似てるとかチャラ男だとか
からかい合ったり。

色んな事を何時間も話し合った。
こんな話を気取らず自然に話せるなんて不思議だった。
気持ちの殻がトロトロ溶けていった。
お互いの境遇や勉強している方向性も価値観もずれていたけど
不思議と心地が良かった。
何で彼がそう考えるに至ったかとか分ったから
彼の屈折と言っても良い位の奉仕精神の正体も
嫌な位分かるから…
私もだから

分かるから彼が心配でしょうがなかった。
彼の屈折の理由は分ってるし本人も分ってるけど
将来できるであろう『家族』の為に今を事切れそうに
なりながら生きている。
彼はその性格のせいで自分に鞭打って打ち過ぎて
今まで何度も過労で入院したりしていた。

彼自身も『俺は多分太く短く生きると思う。
長生きは出来ないと思う。
迷惑もかけたく無い。
だから、家族が安定出来る位稼いで見守って
死ぬ。延命はしない。』
ってよく話していた。
私も家族は何があっても守ろうと思ってるし
全力で幸せにしてあげたい!その為だったら
やりたい仕事だって平気で捨てるし。
無理もできる!困らせる位なら延命もしない
だろうなぁ…って思う。

だけど。

貴方の気持ちが分かるから
嫌だよ!
貴方がそう思い込むのは私達が経験してきた
ソレらに縛られてだよね?
満足してるなんて貴方言うけど嫌だよ
愛しい人が自分達の為に死に邁進するなんて
もっと、ワガママ言ってよ!
学生なんだよ?
私は良い…貴方は自由でいてよ
何だか彼と話していると一番落ち着いている
自分がいる。
逆に分かり過ぎて切ない自分が居た。

彼がそういった言葉を吐く度に

『アキちゃん。あまり無理しないでよ~
もっとさ…ワガママで良いよぅ』

どうせ言う事なんて聞いてくれないって分ってた。
けど、言わずにはいれなかった。

彼とは癒しと切なさで満たされた
メールや電話をしていた。
あまりに相手が理解出来るのって
居心地が良いけど辛いと思った。

そんなある日、彼が元カノの事で悩んでいた。
元さやに戻りたいと言うものだった。
まだ彼を恋愛対象としては見て無かったので
快く彼の相談を受けた。

彼の元カノは3年半となかなか長い付き合い
だったのだが、彼女の3回目の浮気に彼は
信用出来なくなり別れた。
最初は戻ってきて欲しかったらしいが彼女が
浮気相手に本気と言う事で別れた。
彼は彼女と結婚したい程、彼女を愛していたが
絶対に終わりがある事を意識して
彼女と付き合っていたらしい…というのも
彼女は寺の娘で婚約者が決まっているらしい。
彼女は彼と結婚したかったが、彼は彼の『家族』
という憧れから彼女を浮気を期に振った。

彼の屈折の理由は後々に書こうと思う。

『まだ後ろ髪惹かれる思いなんでしょ?
呆れ果てるまで彼女に付き合ってあげたら?
少しでも思いがあって別れたら後悔する
私は実践済みだからそう思うよ』

●●の事もあり、私はそう勧めた。

『そりゃぁ…付き合いは長いし、辛い時支え合った
仲だから後ろ髪惹かれるけど…付き合わない。
結局、別れる訳だからさ』

彼は苦しい経験を沢山積んでいた。
受験日当日、癌で入院していた彼の父親が危篤になり
彼は付きっきりで側に居た。
モルヒネの打過ぎで彼の父親は記憶がおかしくなり
アキちゃんを分からず、息子を小学生と勘違いもした。
そして、暴力も振るった。
最悪な事にアキちゃんの父親は頭が良く死期の近い
病楝に自分が入れられたのが分って他の患者よりも
酷く荒れたそうだ。
彼自身も精神的に参ってしまい、生活も自営業だったので
本当に大変だったらしい。
闘病も7年と長かったのもあると思う。
彼にとっては絶対の存在だった父親の病気
頭の良かった父親の意志のない姿
疲れ果ててなお父を愛しやつれ果てる家族
助けるには父の胴体から下を切らなければならないと
迫られたアキちゃん
今も罪悪感を背負ってるアキちゃん
亡くなった大黒柱を一手に引き受けてるアキちゃん
それでただの自由気侭な学生期間を失うより他無かった
アキちゃん

アキちゃんの屈折はここから来てる
ソレはとても深い傷に違い無かった。
だから、私は見守るより他無く。
その上……恋愛ですら感情に走る事が出来ないと
自己セーブしてしまう様になるなんて…
あまりに切ないよ


アキちゃんの元カノはその時のアキちゃんを支えた。
だから、浮気されても愛した。
ずっと一緒に居たかった。
でも、『家族』を愛するアキちゃんには彼女を実家から
奪うなんて出来なかった。
きっと…彼女が浮気したのは奪ってくれない。奪わない
アキちゃんと居るのが切なかったからだ。
アキちゃんを見てると切なくなる。
貴方を癒せたらワガママに出来たらって振られた今でも
思うよ。

そして、私はアキちゃんを愛し始めた。

きっと、恋愛では無い同族としての同情と敬愛
男女の愛ではこれは無い。
家族に対する感情に近いものだ。


この時から私は彼に私を奉仕しようと決心した。

『………うん。分った。アキちゃんの気持ちも
彼女の気持ちも!だからね』

『えっ?』

『私をアキちゃんの彼女って言う事にしなよ
それで、彼女もアキちゃんも割り切れる。
これで彼女はアキちゃんを振り切れると思うよ』


彼は黙った。
そして、鮎に迷惑がかかるよって心配した。
でも、いつもの彼を子供扱いする仕草で
彼を安心させた。
『子供なんだからお姉ちゃんの事心配しなくて
良いよ~……それにねお姉ちゃんはアキちゃんの為なら
何だって出来ちゃうんだよ♪』

こういうと、いつもアキちゃんは男扱いしてよ!と拗ねる。
私とアキちゃんはお互いを愛し見守りあっていた。
ソレは.男女の間では無い。
同族として…

電話を切ってから、朝の2時彼から急に電話がかかって来た。
『ん~もしもし?アキちゃん???何?』
『彼女と別れた。鮎と付き合ってるって言った……』
『え!』っとドキッとした。
『彼女、鮎を殺すだってさ…』
『あはは。笑えないなぁ』
彼女の彼への愛の深さに胸が痛んだ。
『俺が守るからね。ゴメンね…ただソレが言いたかっただけ
おやすみなさい』


ドキドキドキツ……初めて彼が『男』なんだと実感した。
それから、同族への愛情から異性へと変貌し始めた。



それからデートした。
デートって言うより二人で会わない?って誘った。

二人で観覧車に乗って、記念品を買って、カラオケ行って
凄く楽しかった。
この時既に私は彼に恋してた。
彼はバイト仲間との恋愛は仕事がしにくくなるからっと牽制
を込めたコメントを幾らかしていた。
だから、気持ちにセーブしていた。
カラオケで彼とのふざけ合いが少し度が過ぎた。

彼に押し倒された
手込めの状態で彼が私の身体をくすぐる
『お姉ちゃんは自分の事をSだなんて言ってるけど
俺は本当にSだからね。ぞっこんのMに調教したげる』
卑猥な台詞。熱を帯びた目。痛い位に締まる手首

抱かれたいって初めて思った。

身体が熱くなった。

心殺さなきゃ駄目!危ないから…止めれなくなる…
余りに危なかったのでドアまで逃げた。
顔は怯え口元がキッとしまった。

彼はまだ熱を帯びた瞳のまま…ゆっくり体勢を直し
ドア側の私に振り返って言った。


『お姉ちゃん…怖いって思ったでしょ?』
男の目をしたまま彼はいつもの様な口調で台詞を言う
気持ち平静を装い
『アキちゃんなんか怖くないよ!坊やだしね』
『じゃぁ…戻って来てよ。何もしないからさ』
それから、軽くじゃれ合いカラオケにいては
どうにかなりそうっと思って出る事を提案した。
彼は何だか残念そうに見えた。

その後、記念写真が欲しくてプリクラをねだった。
彼は写真は嫌いだよ~っと嫌がるから
『ワニワニパニックで一番になれたら勘弁してあげる』
なんて言ったら本当に一番になりやがった。
でも、『お願い』って駄々をこねたら言う事聞いてくれた。
初めてのプリクラは緊張してお互い微妙な距離を保っていた。

私達らしくて何だか微笑ましかった。


『特別だよ?今回限りだからね』
彼は私に微笑んだ。
そして、残念ながら七時からバイト仲間と合流して飲み会に
私のバイトは皆高学歴なので少し話に付いて行けなかったり
していると必ず彼が頭を撫でたり、御飯をアーンしたりと
ちょっかいを出して気を遣ってくれた。

たまに膝に手を置いたり、机下で手を繋いだり
とても愛しい仕草だった。

それから、終電を乗り過ごした私をアキちゃんは自分の家に
誘った。
酔っていた事もあるけど、赤面した。
そして、他の男の子が『それは駄目でしょ』と止め
3人でカラオケでオールナイトする事になった。

友人の男の子がトイレに行った瞬間アキちゃんは私を急に
抱き寄せた。
何か言ったけど聞こえなかった。
そして、唇近くにキスをした。
『アキちゃん?』
彼は私を放して黙り込んだ。
私は誤魔化さなきゃっと…
『よくもキスしたなぁ…』
と怒ったふりして彼の頬にキスをした。
『はは……よくもしたなぁ!お返し』
そう言って、私を膝に置き頬にキスをした。

このカラオケでの一夜が3人の恋の始まりになった。

遠距離恋愛03

ホテルから出た後
二人、目を合わせない
何だか気持ちがいっぱいいっぱいで幸せだったから…

何回も彼は甘味屋に誘った。
もうお腹いっぱいだよ~っと言いつつカフェテラスに
しょうがないなぁ~って仕草をして連れられる。

『これ…』
可愛いブレスレットだぁ…私に?
凄く嬉しかった。
彼が私に何かしたいと思う様に私も彼にお土産を買っていた。
……って言っても地元で有名なお餅屋の餅菓子なのだが 汗

本当は指輪にしようかと思ったんだけど…なんて照れながら
私に着けてくれた。
少し汗ばむ手から焦りが見えて微笑ましかった。
その後何時間か話した後、私の友人の約束の時間が来た。
何度も携帯がマナーモードで手の中で忙しく揺れる。
ああ!早く切ってよ!!もう少し彼の側に居たいよぅ

『……友達呼んでるみたいだね?』
『ええ?そうかなぁ‥メールじゃないかなぁ?』
ブルルルル…

『違うみたいだね。じゃぁ…帰ろっか』
少し残念そうな顔で彼が席を発った。
彼は作家同士の飲み会断って今日私の側に居てくれたのに。

何で最初から予定を空にしなかったんだろ?
あまりにも彼に夢中だなんて悟られたくなかったなんて
私はなんてお馬鹿さんなんだろ?

電車のホームの階段迄、彼がお見送り。
ずっと私の事見てる彼の目を目に焼き付けて
電車に揺られて友人との約束の場へ

そして、次の日彼のスペースに行ったが彼は忙しくて
2、3言のみしか話せなかった。
そして、私は関西へ帰郷。

帰ってからもいっぱい電話した。
会ってもっと彼が好きになった。もっと、もっと欲しくて
元カノを僻んだ。
元カノは3年半彼と付き合っていて、お互いの仲良く
結婚も意識した事がある二人で相性は抜群だった。
仕事のパートナーと恋人がごっちゃというのは良くない
という彼の意志で彼女と別れた。
そして、彼の一番の理解者で信頼があるのは今も変わらない。
そして何より彼女が彼を好きだ。

私が駄目になる。

そして、何度目かの喧嘩。
些細な喧嘩。
不安だから押しつけた喧嘩。
それが別れを招いた。

『そんなに別れるって鮎が言うなら、それが良いかもしれないな』
『え…』
唐突な彼の発言。目の前が真っ白になる。
『実は半年間連絡がほぼ取れなくなる。それでも良い?
鮎の不安を取り除こうと思ってマンションの支度とかしようと思ってたけど
鮎はどうなの?』

そう、彼は私の為に行動を示してくれていたのだ。
前に元カノの事や距離で気に病んでいた私に彼は
上京の支度金と3ケ月の生活の面倒をみると言ってくれていたのだ。
迷惑になりたくないとその時断っていたが…
断った方が彼には迷惑だったのかもしれない。


『半年待てるか?』の問いかけに答えなかった。
ただ「別れたくない!好きなの!!」と気持ちを
押し付け彼を詰った。


それから、電話をしなくなりメールだけの関係になった。
私は決断もせず、今の関係を持続させようとした。
彼は答えない私に呆れ始めていた。

そして、ちゃんとした別れ話をしようと電話をした。
セオリーな
『私の事、嫌いになったの?』
『もうお仕事の邪魔しないよ?』
『貴方が好きなの』
と駄々をこねた。


『駄目だよ…もう付き会えない』

『じゃぁ、もう嫌いなんだね』
『違うよ…好きだよ。でも、無理だよ俺達。
俺は鮎を満足させられない!だから……
好きなまま別れるのも選択の1つだと思うんだ』


その後も彼の気持ちを無視し駄々をこねた。
そして喧嘩して仲直りして別れた。

『きっと別れるとしたら鮎に振られるんだろな』
なんて苦笑いした貴方。
『俺はショボ男だから』
って言って嫉妬心を押し殺した貴方。
『隣に住んでよ』
ってふいに本音を言った貴方。
会えなくて辛いと喚く私を優しく見守った貴方。
本当に辛いのは貴方なのにね?
貴方は精一杯手を差し伸ばしたのに振ったのは私だね。
貴方が振ったのに心は貴方が泣いてたね。
『貴方は最後迄恋する事が出来ないだけ!傷付くのに怯えている
から別れ様とするんでしょ?』
それは私だった。
いい年してるんだから上京しても良かったはずなのに…


二人とも電話の最後、後ろ髪惹かれて
下らない事を聞きあった。
答は変わらない癖に聞き合った。

『俺と別れて▲▲君が告白してきたら……どうするの?』
『何でそんな事聞くの?』
分ってるよ
『いや…何となくだよ…別に理由はない』

『付き合わないよ…馬鹿だなぁ。●●は元カノと
やり直したりするの?』


『あはは…鮎さん以降、誰とも付き合わなければ
結婚してたりしてね?………ははは笑えないや』


『笑えないよ…。それだけはしちゃ嫌だ』

『うん』

ああ…今だったら二人やり直せるんじゃないのかなぁ?
貴方まだ私の事好きじゃないか…せめて
『2年後貴方に告白する…今度は私から』
『えっ…2年後?……駄目だよ』
『……良いじゃん。モテモテでさ…何なら1ケ月後にしよっかな~‥』
『……鮎。駄目だよ』
私はありもしない約束が好き。
無責任で綺麗だから…
今、リスクの負えない私じゃ貴方と付き会えない。
このまま続けても上手く行かないって分ってる。
だから、ありもしない貴方と私の未来の約束をしたかった。
私の勇気で得れたかもしれない未来を少しでも覗き見たくて
卑怯な事をした。
彼に見透かされた。
私の中で綺麗な想い出に書き換えようってするのばれたから
最後に大きな重荷を貴方に吊るそうとしたから
ごめんなさい
有難う
貴方が大好きでした。


これからはもっと走るよ
立ち止まらないよ
貴方を泣かせた様にに誰かを泣かせたりしないよ。
後悔しないからね!
貴方は残念ながら過去になってしまったけど
貴方の輪郭はとうに暈けてしまったのだけど
貴方が今も好きだよ。