遠距離恋愛03 | オタク少女恋愛中

遠距離恋愛03

ホテルから出た後
二人、目を合わせない
何だか気持ちがいっぱいいっぱいで幸せだったから…

何回も彼は甘味屋に誘った。
もうお腹いっぱいだよ~っと言いつつカフェテラスに
しょうがないなぁ~って仕草をして連れられる。

『これ…』
可愛いブレスレットだぁ…私に?
凄く嬉しかった。
彼が私に何かしたいと思う様に私も彼にお土産を買っていた。
……って言っても地元で有名なお餅屋の餅菓子なのだが 汗

本当は指輪にしようかと思ったんだけど…なんて照れながら
私に着けてくれた。
少し汗ばむ手から焦りが見えて微笑ましかった。
その後何時間か話した後、私の友人の約束の時間が来た。
何度も携帯がマナーモードで手の中で忙しく揺れる。
ああ!早く切ってよ!!もう少し彼の側に居たいよぅ

『……友達呼んでるみたいだね?』
『ええ?そうかなぁ‥メールじゃないかなぁ?』
ブルルルル…

『違うみたいだね。じゃぁ…帰ろっか』
少し残念そうな顔で彼が席を発った。
彼は作家同士の飲み会断って今日私の側に居てくれたのに。

何で最初から予定を空にしなかったんだろ?
あまりにも彼に夢中だなんて悟られたくなかったなんて
私はなんてお馬鹿さんなんだろ?

電車のホームの階段迄、彼がお見送り。
ずっと私の事見てる彼の目を目に焼き付けて
電車に揺られて友人との約束の場へ

そして、次の日彼のスペースに行ったが彼は忙しくて
2、3言のみしか話せなかった。
そして、私は関西へ帰郷。

帰ってからもいっぱい電話した。
会ってもっと彼が好きになった。もっと、もっと欲しくて
元カノを僻んだ。
元カノは3年半彼と付き合っていて、お互いの仲良く
結婚も意識した事がある二人で相性は抜群だった。
仕事のパートナーと恋人がごっちゃというのは良くない
という彼の意志で彼女と別れた。
そして、彼の一番の理解者で信頼があるのは今も変わらない。
そして何より彼女が彼を好きだ。

私が駄目になる。

そして、何度目かの喧嘩。
些細な喧嘩。
不安だから押しつけた喧嘩。
それが別れを招いた。

『そんなに別れるって鮎が言うなら、それが良いかもしれないな』
『え…』
唐突な彼の発言。目の前が真っ白になる。
『実は半年間連絡がほぼ取れなくなる。それでも良い?
鮎の不安を取り除こうと思ってマンションの支度とかしようと思ってたけど
鮎はどうなの?』

そう、彼は私の為に行動を示してくれていたのだ。
前に元カノの事や距離で気に病んでいた私に彼は
上京の支度金と3ケ月の生活の面倒をみると言ってくれていたのだ。
迷惑になりたくないとその時断っていたが…
断った方が彼には迷惑だったのかもしれない。


『半年待てるか?』の問いかけに答えなかった。
ただ「別れたくない!好きなの!!」と気持ちを
押し付け彼を詰った。


それから、電話をしなくなりメールだけの関係になった。
私は決断もせず、今の関係を持続させようとした。
彼は答えない私に呆れ始めていた。

そして、ちゃんとした別れ話をしようと電話をした。
セオリーな
『私の事、嫌いになったの?』
『もうお仕事の邪魔しないよ?』
『貴方が好きなの』
と駄々をこねた。


『駄目だよ…もう付き会えない』

『じゃぁ、もう嫌いなんだね』
『違うよ…好きだよ。でも、無理だよ俺達。
俺は鮎を満足させられない!だから……
好きなまま別れるのも選択の1つだと思うんだ』


その後も彼の気持ちを無視し駄々をこねた。
そして喧嘩して仲直りして別れた。

『きっと別れるとしたら鮎に振られるんだろな』
なんて苦笑いした貴方。
『俺はショボ男だから』
って言って嫉妬心を押し殺した貴方。
『隣に住んでよ』
ってふいに本音を言った貴方。
会えなくて辛いと喚く私を優しく見守った貴方。
本当に辛いのは貴方なのにね?
貴方は精一杯手を差し伸ばしたのに振ったのは私だね。
貴方が振ったのに心は貴方が泣いてたね。
『貴方は最後迄恋する事が出来ないだけ!傷付くのに怯えている
から別れ様とするんでしょ?』
それは私だった。
いい年してるんだから上京しても良かったはずなのに…


二人とも電話の最後、後ろ髪惹かれて
下らない事を聞きあった。
答は変わらない癖に聞き合った。

『俺と別れて▲▲君が告白してきたら……どうするの?』
『何でそんな事聞くの?』
分ってるよ
『いや…何となくだよ…別に理由はない』

『付き合わないよ…馬鹿だなぁ。●●は元カノと
やり直したりするの?』


『あはは…鮎さん以降、誰とも付き合わなければ
結婚してたりしてね?………ははは笑えないや』


『笑えないよ…。それだけはしちゃ嫌だ』

『うん』

ああ…今だったら二人やり直せるんじゃないのかなぁ?
貴方まだ私の事好きじゃないか…せめて
『2年後貴方に告白する…今度は私から』
『えっ…2年後?……駄目だよ』
『……良いじゃん。モテモテでさ…何なら1ケ月後にしよっかな~‥』
『……鮎。駄目だよ』
私はありもしない約束が好き。
無責任で綺麗だから…
今、リスクの負えない私じゃ貴方と付き会えない。
このまま続けても上手く行かないって分ってる。
だから、ありもしない貴方と私の未来の約束をしたかった。
私の勇気で得れたかもしれない未来を少しでも覗き見たくて
卑怯な事をした。
彼に見透かされた。
私の中で綺麗な想い出に書き換えようってするのばれたから
最後に大きな重荷を貴方に吊るそうとしたから
ごめんなさい
有難う
貴方が大好きでした。


これからはもっと走るよ
立ち止まらないよ
貴方を泣かせた様にに誰かを泣かせたりしないよ。
後悔しないからね!
貴方は残念ながら過去になってしまったけど
貴方の輪郭はとうに暈けてしまったのだけど
貴方が今も好きだよ。