自民党物流調査会提言「物流2024年問題」解決に向けて、①物流効率化、②取引慣行是正、③行動変容

物流効率化へ提言　(出所：自民党政調、物流調査会)

「日々勉強！結果に責任！」を掲げ、「国づくり、地域づくりは、人づくりから」を信条とする
参議院議員　赤池誠章(あかいけまさあき・比例代表全国区)です。

本年は、癸卯年。「国難を乗り越え、“跳躍”の年に」したいと存じます。

　5月23日(火)、自民党政策審議会において、政調、物流調査会が関係者からの聞き取りに基づいた物流2024年問題の政府への提言案について、承認されました。

　提言案は「国民生活や経済を支える物流の革新に向けた提言－物流を取り巻く諸課題への対応－」と題され、要旨は以下です。

私は、陸送から海運へのモーダルシフトの促進、情報化による全体の見える化、交通規制の見直し、住宅の置き配の整備、送料無料から送料込への変更等を主張し、今回の提言に盛り込まれました。

◎物流2024年問題解決に向けた提言

3年間のコロナ禍で痛感したことですが、物流は国民生活や経済活動、地方創生を支える重要な社会基盤です。コロナ禍後を見据えて、わが国経済の力強い成長や、より豊かな国民生活の実現等のためには、その機能を十分に発揮させていく必要あります。

一方、物流分野においては、全産業より労働時間が2倍も長く、賃金が1割低く、有効求人倍率が2倍もあるという人手不足等の課題へ対応するため、働き方改革の推進が求められています。そのほか、脱炭素化への対応も必須とされています。

来年令和6年2024年4月には、物流産業を魅力ある職場とするため、トラック運転手に働き方改革の法律が適用され、一人当たりの労働時間が短くなることから、何も対策を講じなければ物流が停滞しかねなくなるという「2024年問題」に直面しています。このまま放置すると、民間調査機関によると、2024年には14％、2030年には34％の輸送力が不足し、今のようには運べなくなるおそれが指摘されています。

これに対応するため、自民党政調、物流調査会では、これまでの議論を踏まえて、

①GX・DXや標準化等による物流の効率化、

②荷主・物流事業者間等における取引実態の是正、

③荷主企業や消費者の行動変容を促す仕組みの導入について、物流の革新に向けて講ずるべき対策を取りまとめました。

「2024年問題」は一過性の課題ではなく構造的な課題であり、2030年の輸送力不足も見据え、中長期的に継続して取り組むことが必要です。取引実態の是正については、今年中に前倒しで実施し、2024年における輸送力不足の解消にめどをつけるとともに、次期通常国会に所要の法改正を提出することを政府に求めています。