【若紫146-2】☆共通テスト対策☆解釈問題
源氏物語イラスト解釈
【これまでのあらすじ】
天皇(桐壺帝)の御子として産まれ、容姿・才能ともすぐれていた光の君は、幼くして母(桐壺更衣)を亡くし、臣籍に降下、「源氏」姓を賜り、左大臣の娘葵(あおい)の上を正妻にもらいました。一方、帝の後妻である、亡き母によく似た藤壺宮(ふじつぼのみや)への恋慕、そして、中流の女空蝉(うつせみ)との一夜限りの情事、プライドの高い六条御息所(ろくじょうのみやすんどころ)との逢瀬、物の怪による夕顔の急死…。光源氏の恋は成就することなく、尽きせぬ恋慕を重ねていくのでした。
ただ今、第五帖「若紫の巻」です。夕顔が亡くなった翌年、光源氏18歳の3月(春)に、瘧病にかかって、その加持祈祷のために、北山に訪れ、そこである僧都の屋敷を垣間見、かわいらしい少女若紫を目にしました。直後に僧都が光源氏に会いに来て、自邸の僧坊に誘います。光源氏は若紫の素性を詳しく尋ね、尼君に取り次ぎを求めるも、あえなく一蹴されてしまいました。
【今回の源氏物語】
「…今、この花の折過ぐさず参り来む。
宮人に行きて語らむ山桜
風よりさきに来ても見るべく」
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☆ 共通テスト~内容把握問題~☆
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「…今、この花の折過ぐさず参り来む。
宮人に行きて語らむ山桜
風よりさきに来ても見るべく」
問 傍線部の解釈として、最も適当なものを1つ選べ。
1.生徒A:この歌は光源氏から僧都へ、辞世の句として詠まれたものだよね。
2.生徒B:「宮人」っていうのは、神に仕える人っていう意味だから、ここでは僧都を象徴しているよ。
3.生徒C:光源氏は、この歌を通して、北山の素晴らしさとまたの来訪を伝えたかったのね。
4.生徒D:そうだね、若紫を将来自分の妻として連れて帰ることも、暗に示しているんだね。
5.生徒E:「山桜」を若紫に見立てたんだね。「風」と「宮人」も縁語になっていてすばらしい歌だね。
⑴ 源氏物語イラスト訳
⑵ イラスト解釈
⑶ 古文単語
「源氏物語イラスト訳」では、古文目線を鍛え、
「イラスト解釈」では、文法や古文常識の力を
オリジナル問題にて解説しています。
今日のポイントはここ☆
☆共通テストの「和歌」総合問題☆
センター試験でもよく出題されたのが、
和歌の内容把握問題です。
和歌のポイントは、
⑴ 修辞(枕詞・掛詞・序詞・縁語・本歌取りなど)
⑵ 誰から誰に対して、どんな気持ちで詠んだ歌か。
⑶ 文法事項に注意し、一語一語の解釈
これらのことをふまえて
丁寧に解釈していきます。
共通テストでは
この「生徒A、生徒B…」ってパターンが
たぶんメインになってくるようですよ!
宮人に行きて語らむ山桜
風よりさきに来ても見るべく
光源氏が、この北山のすばらしさを
都の宮人(宮中に仕える人)たちに
語って聞かせたい、と僧都に言い残しているんですね。
ちなみに、
「辞世の句」っていうのは
人がこの世を去る時(死ぬ時)の歌のことですよ!
なお、
縁語っていうのは、
和歌のテーマに関係のない、
意味上連想できるキーワードのことです。
「山桜」や「風」「宮人」は
まったく関係がないワードですよ~;;
和歌修辞に関しては
こちらの記事もご参照くださいっ!
■本歌取り
【答え】…3