【帚木6-②】「忍ぶの乱れ(和歌ワード)」の解釈☆ | 【受験古文速読法】源氏物語イラスト訳

【帚木6-②】「忍ぶの乱れ(和歌ワード)」の解釈☆

こんにちはラブラブあいです。

今日は、朝に主語の確認記事を投稿したので、2回目のイラスト解釈です☆


 

【今日の源氏物語】

忍ぶの乱れやと、疑ひきこゆることもありしかど、…

・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

【源氏物語~これまでのあらすじ】

時の帝(桐壺帝)は、最愛の桐壺更衣が亡くなり、悲しみに暮れる中、亡き更衣に生きうつし藤壺宮を入内させます。一方、亡き更衣の忘れ形見である皇子(光源氏)は、帝のもとで育てられます。元服・臣籍降下となり、左大臣の娘(葵)と結婚するも、亡き母に似るという藤壺宮への想いは募るばかりで、正妻葵の家にも足が遠のいていました。

さて、今回は、「忍ぶの乱れ(和歌ワード)」についてです♪

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「忍ぶの乱れ」ってナニ?

(°Д°;≡°Д°;)

そのまま訳しても、下につながっていかないんですケド…;


 

そうなんです!

実はこの「忍ぶの乱れ」☆

当時流行った和歌から抜粋したもの、つまり、和歌ワードなんですね!

(o^-')b


 

春日野の若紫の摺り衣忍ぶの乱れ限り知られず

(かすがのの わかむらさきの すりごろも しのぶのみだれ かぎりしられず)
    ↑  ↑

伊勢物語の第1段に収録されている、在原業平の詠んだ和歌です。

学校で習った人も多いのでは^^?


 

在原業平は、『伊勢物語』の主人公でもある、色好みの貴公子です。


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この歌は、『伊勢物語』第1段に収録されています。

 

【「伊勢物語」第1段解釈】
昔、男が、初冠(元服)して大人になり、奈良の春日の里に狩りに出かけたところ、そこにはとても美しい姉妹が住んでいました。

垣間見をしたその男は、思いもかけず、 古びた里に不釣り合いに美しい姫たちを見てうっとり!

そこで、着ていた狩衣の裾を切って、歌を書いて贈りました。

 

春日野の 若紫の 摺り衣 忍ぶの乱れ 限り 知られず

(春日野の若い紫草ですったしのぶ摺りのこの狩衣のように、

美しいあなた方を見て、私の心は果てしなく乱れています)

 

これ、古今集にある、「陸奥のしのぶもぢずり誰ゆえに乱れ染めにし我ならなくに」という和歌の趣向です。昔の人は、こんなふうに即興で、優雅な振る舞いをしたものでした。


 

和歌は、どうしても【鑑賞(意訳)】中心になってしまいますが、

せっかく出てきたので、一語一語照らし合わせてみますね♪

     ↓  ↓

春日野の 若紫摺り衣 忍ぶの乱れ 限り 知ら

訳)奈良県春日野の 若い紫草ですった しのぶ摺りの狩衣。そんなしのぶ摺りの模様の乱れのように (あなたをひそかに想う心の乱れは 限りがあるのか 知ることができない。


 

「忍ぶの乱れ」という言葉を聞いて、当時の人々は、「あ、あの和歌やね^^!」ということがピンとくるんですね♪

そして、その1つの表現の中に、和歌の状況や想いを重ね合わせて、言葉を味わうことができる。

 

それが、「和歌ワード」なのです!

(o^-')b

 

 

今回の「忍ぶの乱れ」というのは、

忍ぶ摺りの模様の乱れと、心の乱れとが掛けてあります。

ちなみに、忍ぶ摺りの狩衣(かりぎぬ)は、公家の衣服なんですが、


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この言葉には、『伊勢物語』第1段のストーリーから、初冠(=元服)すぐの若者、というイメージもついてきます。

 

さらに、「忍ぶ(=ひそかに思う」というニュアンスから、

人に言えない恋、つまり、不倫をもさしているのです!

(((( ;°Д°))))


 

「忍ぶの乱れ」という、たったひと言で、

元服後の若者の、不倫によるひそかな心の乱れ

という内容が、『伊勢物語』の風情とともに、

呼び起こすことができるんです!

 

それが、「和歌ワード」なのです!

(o^-')b


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センターレベルなら、こういう和歌ワードは、ほぼ注釈がついてきますが、

二次試験や文系私大入試では、出題されやすい部分でもあるので、注意してくださいね♪


 

実は、この和歌の中には、いくつかの修辞法が用いられています。

分かりますか?次のうちどれでしょうか?


1.縁語

2.枕詞

3.序詞

4.歌枕

5.掛詞

 

すぐにピンときたあなたは、この和歌OK♪

(●´エ`●)


 

ちょっと難しいあなたは、週末に【センターに出る和歌の修辞法】をアメンバー記事にて公開しますね♪

お楽しみにぃ~!

(o^-')b


 

今回のイラスト訳はこちら→
 

 

あいでしたラブラブ