『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3』
2023/5/3 イオンシネマ越谷レイクタウン スクリーン10 C列8席
今回が三部作の完結編らしく、
6年前の前作『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』(2017)
9年前の前々作『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』(2014)
も観ていたから、
だったら3作目も観ておくかと、公開初日に鑑賞。
『ガーディアンズ〜』は大作なのにシネコンは『マリオ』と『コナン』に占拠され、
初日から小さめのスクリーン。
いつもはIMAXを選択するも、
わざわざGWの只中で激混み必至のIMAX館に出向く気力もなく、
たまたまブラリと立ち寄った越谷レイクタウンで、
上映時間が合ったから場当たり鑑賞。
いや、これは観てよかったですよ。
MCU映画の失速や凋落は止まらず、
『エターナルズ』(2021)の「なんじゃこりゃ?」感とか、
近年のMCU作品全てをとても配信番組まで追いきれなくて、
『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』(2022)に
かすかに感じた取り残され感。
とにかくMCU作品は、『エンドゲーム』までの映画22作まででもういいぜ
- 『アイアンマン』(2008)
- 『インクレディブル・ハルク』(2008)
- 『アイアンマン2』(2010)
- 『マイティ・ソー』(2011)
- 『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』(2011)
- 『アベンジャーズ』(2012)
- 『アイアンマン3』(2013)
- 『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』
- 『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』(2014)
- 『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』
- 『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』(2015)
- 『アントマン』
- 『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(2016)
- 『ドクター・ストレンジ』
- 『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』(2017)
- 『スパイダーマン:ホームカミング』
- 『マイティ・ソー バトルロイヤル』
- 『ブラックパンサー』(2018)
- 『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』
- 『アントマン&ワスプ』
- 『キャプテン・マーベル』(2019)
- 『アベンジャーズ/エンドゲーム』
「いつまでもつきあい続けてくれるなんて思うなよ」
という風潮もどこか手伝い、
その後の興収は低迷気味。
作品の質を保ちながらも興収が振るわない場合、
もはや打つ手立てはないため、
下手に手を打って質の低下を招くよりはそのままの制作姿勢を維持して欲しいが、
どこの映画会社でも迷走が続き、
それが裏目に出てまたしても興収が下がるという悪循環の繰り返し。
そのため『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』の3作目『VOLUME 3』にも同じ事態を憂慮したが、
むしろ作品の質は続編ごとに向上し、
特に今回はそれを極めた決定版とも言える出来栄えで驚いた。
なにしろ私は、1作目の『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』にはまるで感心できず、
これを絶賛する人たちには反感を覚えた。
その余波もあって『リミックス』には予告の時点から拒否反応。
劇場公開も見逃し、
うんと後で配信で観たら、意外やかなり面白かった。
それもあって今回の3作目にも大いに期待したが、
なるほど冒頭からドラマにグイグイ引き込まれ、
『ミクロの決死圏』(1966)の現代版再現風のセットやビジュアル、
明らかに『スター・ウォーズ フォースの覚醒』(2015)を「そこはこうやれよ」を暗に提示した場面など、
MCU以外の映画愛にもあふれていた。
キャラも見事に立っており、
俗にいう無駄キャラとかカスキャラが皆無で全員に愛着がわく。
『エンドゲーム』まで大風呂敷を広げずとも、
自作のキャラだけに的を絞って存分にまとめ上げられることもしっかり示し、
笑いあり涙ありの展開にどっぷり浸った濃密な鑑賞体験だった。
ジェームズ・ガンは映画で何を語るか、どう見せるかを心得ていて、
何をどう撮り、どう進めるかも熟知しており、
ドラマはその筋立て通りに進むため、
観客が途中で放り出されたり道に迷ったり興味を削がれて眠くならずに、
最後まで作品にハマってどっぷり身を委ねても裏切られない。
こうしたジェームズ・ガンの才人ぶりに酔いしれ、
一時期にスキャンダルで業界追放が取り沙汰されるも、
今ではなぜか沈没寸前のDCUの救済にまで駆り出され、
ヘンリー・カヴィルのスーパーマンや、
2023/02/11
その他の「おなじみ」な面々の続投も危ぶまれてるらしいが、
それがジェームズ・ガンの選択と見通しならば、
ザック・スナイダーの復権なんぞより、
よほどまともな判断に思われる。
そんなこんなで、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3』は、たとえ前2作を未見であろうとも、
絶対必見の最良作なので、くれぐれもお見逃しなく!