1961年6月8日、ケント公爵エドワード王子とキャサリン・ワースリーはヨーク・ミンスターで結婚式を挙げました。

ケント公爵夫人キャサリン妃については過去の記事で詳しく紹介しています↓
ケント公爵は、ケント公爵ジョージ王子とギリシャ王室出身のマリナ王女の長男であり、キャサリン・ワースリーは地主である第4代準男爵ウィリアム・ワースリー卿の一人娘で、4番目の子供でした。




この結婚式はエドワード3世が1328年にフィリッパ・オブ・ハイノールトと結婚して以来、633年ぶりにヨーク大聖堂で行われた王室の結婚式でした。





この結婚式は何世紀にもわたる王室の伝統を破りました。ウェストミンスター寺院、セント・ポール大聖堂、セント・ジェームズ宮殿のチャペル・ロイヤル、ウィンザー城のセント・ジョージ礼拝堂といった選択肢ではなく、新婦キャサリン・ワースリーの故郷ヨークシャーにあるヨーク・ミンスターで挙式することを強く希望しました。ヨーク・ミンスターは600年以上もの間、王室の結婚式場として使われていませんでした。

2019年にはエリー・ゴールディングの結婚式が同じヨーク・ミンスターで行われ、ベアトリス王女やユージェニー王女が結婚式に出席されました。



ケント公爵エドワード王子の弟、マイケル・オブ・ケント王子がベストマン(ウィリアム王子の結婚式でのハリー王子の役割)を務めました。また、アン王女はブライズメイドの一人でした。


ウェディングドレスは、将来の義母マリナ王女の勧めでジョン・カヴァナに製作を依頼したもので、フランス製の透け感のある白いシルクガーゼ237ヤードで仕立てられていました。ハイネックとロングスリーブ、長いトレーンが特徴です。


タイトウエスト、硬いネックライン、そして15フィートのダブルトレーンが付いたふんわりとしたスカート。




当時の君主、エリザベス2世女王にカーテシーをするキャサリン妃

この1960年代風のドレスは着こなしにくく重すぎるという懸念もあり、花嫁は何度もカーテシーの練習をしたと伝えられています。




白いチュールのベールには、新郎の亡き祖母メアリー・オブ・テックから新郎の母マリナ王女に受け継がれていたQueen Mary's Diamond Bandeau Tiaraを身に着けました。洗練されたダイヤモンドのバンドゥティアラは、花嫁のドレスのネックラインのカットと美しく調和していました。


※ジョン・カヴァナ(1914- 2003)は、1950年代から1960年代にかけて活躍したアイルランド出身のデザイナーです。1963年にはアレクサンドラ王女のウェディングドレスも手掛けています。

Queen Mary's Diamond Bandeau Tiaraについても紹介しています↓




ケント公爵エドワード王子は、所属連隊であるロイヤル・スコッツ・グレイ連隊の制服を着用し、ロイヤル・ヴィクトリア勲章のリボンを締めていました。







テレビ中継されたこの結婚式は、英国国教会の伝統的な結婚式で、出席者にはイギリス王室、ヨーロッパの王族、英国政府関係者、そして新郎新婦の家族など、多くの著名人が名を連ねました。



結婚式に出席されたエリザベス皇太后(エリザベス2世女王の母)とチャールズ皇太子





挙式を終え、イギリス軍の栄誉礼隊の掲げられた剣の下、ヨーク・ミンスターを後にするケント公爵エドワード王子とケント公爵夫人キャサリン妃。


ヨーク・ミンスターを後にするエリザベス女王、フィリップ殿下、チャールズ皇太子。



ブライズメイドを務め、結婚式を終えて車に乗り込むアン王女。




式の後、花嫁の実家であるホヴィンガム・ホールで披露宴が開催されました。






ケント公爵夫妻のウェディグケーキをデコレーションする職人




このロイヤルウェディングにはエリザベス2世女王はもちろん、ヨーロッパの王族も参列しました。そして、披露宴ではスペインのフアン・カルロス王子とギリシャのソフィア王女が隣同士に座り、ダンスを踊ったことがきっかけとなり、1年も経たない1962年5月14日にお2人は結婚しました。

そして、将来1975年にはスペイン国王と王妃になりました。


ケント公爵夫妻は、2025年9月4日にケント公爵夫人キャサリン妃が逝去するまで、イギリス王室の中で最も長く結婚生活を過ごされたご夫婦でした。お二人には3人の子供と10人の孫がいます。そして、2022年9月8日にエリザベス2世女王が崩御したことを受け、ケント公爵夫人キャサリン妃は2025年9月4日に92歳で逝去するまで、イギリス王室の中で最高齢の人物となりました。キャサリン妃逝去により、現在の最高齢は夫のケント公爵エドワード王子(89)で、10月9日には90歳の誕生日を迎えます。



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