ある卒業生が教えてくれたこと

今年高校へ進学した卒業生が、

5月末に顔を見せてくれました。

中学生の頃に私が数学を担当していた生徒です。

 

しばらく話をしていると、

こんな言葉を聞きました。

「高校に入って、予習が当たり前だと知りました。」

「中学校でアキ先生の授業を受けていて良かったです。」

 

その言葉を聞いて、

とても嬉しくなりました。

 

私は以前から、

生徒たちに予習を勧めてきました。

 

なぜなら、

予習とは単に先に勉強することではなく、

未知の問題に挑戦する経験だからです。

 

分からなくてもよい。

間違ってもよい。

今持っている知識を使って、

自分なりに考えてみる。

その経験が、

将来とても大きな力になると思っています。

 

実際、社会に出ると、

教科書に答えが載っている問題ばかりではありません。

自分で調べる。

仮説を立てる。

試してみる。

そんな場面の連続です。

 

だから私は、

学校でも単に解き方を教えるだけでなく、

少し先の世界を意識させることを大切にしてきました。

 

「この考え方は高校でも使うよ。」

「実はこの先にこんな数学があるよ。」

そんな話を授業の中でよくしていました。

 

もちろん、

その場ですべて理解できなくても構いません。

大切なのは、

少し先の世界を知っておくことです。

見たことがある内容と、

まったく初めて見る内容では、

感じる難しさが大きく違うからです。

 

その卒業生は、

高校に入った今も、

数学に前向きに取り組んでいるようでした。

 

私はその姿を見て、

改めて感じました。

子どもたちは、

私たちが思っている以上に大きな可能性を持っています。

特に、

珠算で鍛えられた有段者の子どもたちは、

高い計算力だけでなく、

努力を積み重ねる習慣も持っています。

 

だからこそ、

少し早く、

少し深く、

数学に触れる価値があるのではないかと思うのです。

 

私は、

小学生のうちから高校数学をどんどん進めたいわけではありません。

ただ、

将来につながる見方や考え方を、

少しずつ育てていきたいと思っています。

 

卒業生の言葉は、

私が大切にしてきた学びには意味があったのだと、

改めて感じさせてくれました。

 

次回は、

AAAでどのような学習を進めていくのか、

その全体像についてお話ししたいと思います。

"少し先の世界を知ることが、大きな自信になる。"

なぜ私は有段者向け数学ゼミを作ろうと思ったのか

ここまでの記事では、

有段者の可能性や、

AAAが目指す学びについてお話ししてきました。

 

今回は、

私自身がなぜ有段者向け数学ゼミを作ろうと思ったのかについてお話ししたいと思います。

 

私は20年以上にわたり、

公立中学校・高校で数学を指導し、

高校入試指導、大学入試指導を幾度となく経験しました。

 

その一方で、

部活動やボランティアなどを通して、

珠算指導にも関わってきました。

 

つまり私は、

珠算の世界と、

学校数学の世界の両方を見てきたことになります。

 

その中で、

ずっと感じていたことがありました。

 

それは、

有段者の持つ力が十分に生かされていないのではないか、

ということです。

 

有段者の子どもたちは、

高い計算力を持っています。

集中力があります。

努力を継続する力があります。

失敗しても立ち上がる経験を積んでいます。

 

段位取得までの道のりは、

決して簡単ではありません。

だから私は、

有段者には大きな可能性があると思っています。

 

しかし学校現場では、

その力が十分に発揮されていないように感じることもありました。

 

小学校では、

計算力の高さが大きな武器になります。

 

ところが中学校に入ると、

数学は少しずつ姿を変えていきます。

文字式。

関数。

証明。

 

そして高校では、

さらに抽象的な内容へと進んでいきます。

 

その中で、

高い計算力を持ちながら、

数学ではその力を十分に生かせていない生徒も見てきました。

 

私はその姿を見るたびに、

もったいないと思っていました。

 

計算力が足りないわけではない。

努力が足りないわけでもない。

 

もしもう少し早い段階で、

数学的な見方や考え方に触れる機会があったなら。

もし計算力を、

思考力へとつなげる学びがあったなら。

違う未来もあったのではないか。

そんなことを何度も考えてきました。

 

もちろん、

学校教育にも大きな価値があります。

珠算教育にも大きな価値があります。

私はその両方を経験してきたからこそ、

その間をつなぐ学びが有用なのではないかと思うようになりました。

 

珠算で培った力を、数学へ。

珠算で育った心を、数学へ。

そして数学で培った力を、その先の学びへ。

 

その橋渡しをしたい。

そんな思いから、

あんざんすうがくゼミAAAを立ち上げようと考えました。

 

私は、

有段者の可能性は、

まだまだこんなものではないと思っています。

 

次回は、

実際に私が指導してきた生徒のエピソードを通して、

「計算力の先にある学び」についてお話ししたいと思います。

"有段者の可能性を、その先へ。"

AAAにはどんな子に来てほしいのか

ここまでの記事では、

有段者の可能性や、

小学校算数と中学校数学の間にある壁についてお話ししてきました。

では、

AAAにはどんな子に来てほしいのでしょうか。

 

実は私は、

最初から数学が得意な子だけを集めたいとは思っていません。

もちろん、数学が好きな子は大歓迎です。

難しい問題に挑戦するのが好きな子も大歓迎です。

しかし、

私が本当に応援したいのは、

「もっとできるようになりたい」

と思っている子です。

 

学校のテストで満点ばかりでなくても構いません。

今は数学が得意でなくても構いません。

それよりも、

「なぜだろう?」

と思える子。

分からない問題に出会ったとき、

もう少し考えてみようと思える子。

そんな子に来てほしいと思っています。

 

私はこれまで、

多くの有段者を見てきました。

その中には、

小学校では勉強に困ることがほとんどなく、

中学校に入って初めて壁にぶつかる子もいました。

 

逆に、

最初は数学が得意ではなかったのに、

考えることを楽しめるようになり、

大きく伸びていった子もいました。

 

その違いは、

才能ではありません。

「考えることを諦めなかったかどうか」

だったように思います。

 

数学で本当に伸びる子は、

最初から何でもできる子ではありません。

分からない問題に向き合える子です。

失敗しても、

もう一度挑戦できる子です。

 

それは珠算の上達ともよく似ています。

 

思うように点数が伸びない時期。

試験に落ちた経験。

悔しい思いをした経験。

有段者は、

そうした壁を何度も乗り越えてきました。

 

だから私は、

有段者には大きな可能性があると思っています。

 

AAAでは、

答えを早く出すことだけを目標にはしません。

「なぜそうなるのか」

「他の考え方はないのか」

を大切にしていきます。

 

もし、計算力という武器を持ちながら、

その先の学びにも挑戦してみたいと思っているなら、

 

きっと楽しめるゼミになると思います。

次回は、

私がなぜ有段者向け数学ゼミを作ろうと思ったのか、

その原点についてお話ししたいと思います。

"才能よりも、考え続ける力。"

小学校算数と中学校数学の間にある壁

私はこれまで、

珠算指導者として、

そして中学校・高校の数学教員として、

多くの有段者と関わってきました。

その中で感じてきたことがあります。

 

それは、

小学校算数と中学校数学の間には、

想像以上に大きな壁があるということです。

 

有段者の子どもたちは、

高い計算力を持っています。

学校の計算問題で困ることはほとんどありません。

むしろ、

「簡単すぎる」

「もっと難しいことをやりたい」

と感じている子も少なくありません。

 

しかし、

中学校に進むと状況が変わります。

文字式。

方程式。

関数。

証明。

そこでは、

計算力だけでは解決できない問題が増えていきます。

 

なぜそうなるのか。

どう考えればよいのか。

どの考え方を使えばよいのか。

 

数学は、

答えを出すだけの教科ではなく、

考え方を学ぶ教科へと変わっていくのです。

 

もちろん、

計算力は大きな武器です。

 

しかし、

武器だけでは戦えません。

その武器をどう使うか。

そこに数学のおもしろさがあります。

 

私は学校現場で、

計算が得意な生徒が数学で苦戦する姿も、

計算力を土台に大きく伸びていく姿も見てきました。

珠算高段者にも関わらず、

高校数学についていけず

文系を選択する生徒もたくさん見てきました。

 

その違いは、

計算力ではありません。

考える習慣があるかどうか。

様々な見方をしようとするかどうか。

そこに大きな差があるように感じています。

 

だから私は、

有段者が中学校数学に入る前の段階で、

数学的な見方や考え方に触れる機会が必要だと思っています。

 

小学校算数では少し物足りない。

でも、

中学校数学はまだ習っていない。

その間をつなぐ学びがあってもよいのではないか。

そんな思いから、

あんざんすうがくゼミAAAを立ち上げようと考えました。

 

計算力を、思考力へ。

その橋渡しをすることが、

AAAの大切な役割の一つだと思っています。

 

次回は、

AAAにはどんな子に来てほしいのかについてお話ししたいと思います。

"計算力の先にある、『考える数学』へ。"

特別編 2026/6/15 朝5時、サムライブルーvsオランダ

私のサッカー経験は小学校4~6年生のサッカースポーツ少年団くらい。

1980年代のことだった。

まぎれもなくキャプテン翼の影響だ。

仲の良い友達とツインシュートの練習をしたり、

トライアングルシュートやスカイラブハリケーンもたくさん練習した。

もちろん、実際にできるはずもない。

それでも本気で練習していた。

 

今思えば、

できるかどうかではなく、

「やってみたい」

と思わせる力がキャプテン翼にはあったのだと思う。

 

教育も同じではないだろうか。

子どもたちに、

「こんなことができるようになりたい」

「こんな世界を見てみたい」

と思わせられるか。

 

教える技術も大切だが、

まず憧れを生み出せるかどうか。

 


 

しかし、

Jリーグ発足当初、

日本代表が世界と対等に渡り合う日が来るとは到底思えなかった。

ワールドカップ出場ですら夢だった時代である。

その日本が、

今では優勝を目標に掲げている。

 

前回大会ではドイツとスペインを破りながらも決勝トーナメント進出。

とんでもないジャイアントキリングを起こしながらも

ベスト16で涙をのんだ。

 

今回もオランダと同組であり、

決勝トーナメントもベスト32から始まる。

前回以上の成績を残すのは容易ではない。

むしろ難しいだろう。

 

それでも、

サムライブルーは優勝を目指すと宣言した。

とんでもないメンタリティーだ。

もし予選リーグで敗退すれば、

もしベスト32で敗退すれば、

厳しい批判も受けるだろう。

それでも世界一を目指すと言った。

 

目標を掲げたからといって達成できるわけではない。

しかし、宣言したのが

「ベスト16を目指します」

だったら、今の日本代表は存在しなかったのではないだろうか。

 

「優勝を目指す」と口にすることは、

大きな覚悟だ。

人は、

自分が思い描いた世界以上には、

なかなか到達できない。

だからこそ、

達成できるかどうか分からなくても、

高い目標を掲げる意味がある。

 


 

珠算でも数学でも同じだと思う。

段位を目指す。

全国を目指す。

高校数学を学ぶ。

最初は無理だと思えることもある。

それでも、

「やってみたい」

と思った瞬間から、

挑戦は始まる。

子どもたちに、

そんな憧れや目標を持ってもらえるような指導ができたらと思う。

 

サムライブルーの優勝宣言を聞き、

世界の強豪と対等に渡り合う日本代表を見ながら、

そんなことを考えた朝だった。

「あんざんすうがくゼミAAA」

という名前を見て、

なぜ「塾」ではなく「ゼミ」なのだろうと思われた方もいるかもしれません。

 

実は、この「ゼミ」という言葉には私の強いこだわりがあります。

 

私は20年以上にわたり、

公立中学校・高校で数学を教えてきました。

その中で感じたことがあります。

 

本当に力がつくのは、

先生の説明を聞いている時ではなく、

自分で考えている時だということです。

 

もちろん、

知識を学ぶことは大切です。

しかし、

数学の力は説明を聞くだけでは身につきません。

 

問題と向き合う。

考える。

間違える。

もう一度考える。

 

その繰り返しの中で、

少しずつ育っていくものだと思います。

 

そして、

もう一つ大切なことがあります。

他人の考え方に触れることです。

 

同じ問題を見ても、

考え方は人によって違います。

「そんな見方があったのか」

「その発想は思いつかなかった」

「自分の説明では伝わらなかった」

こうした経験は、

一人で問題集を解いているだけではなかなか得られません。

 

私は、

数学のおもしろさの一つは、

考え方を共有できることだと思っています。

だからAAAでは、

ただ問題を解いて終わりにはしたくありません。

 

なぜそう考えたのか。

どこで迷ったのか。

別の方法はあるのか。

そんなことを、

仲間と一緒に考える時間を大切にしたいと思っています。

 

有段者は、

これまで珠算を通して、

努力することや挑戦することを学んできました。

 

次は、

考えることを楽しむ段階です。

 

だから私は、

「あんざんすうがく塾AAA」

ではなく、

「あんざんすうがくゼミAAA」

という名前を選びました。

 

答えを教わる場所ではなく、

考え方を育てる場所。

それが、

あんざんすうがくゼミAAAです。

 

次回は、

なぜAAAが「有段者限定」でスタートしようとしているのかについてお話ししたいと思います。

"一人で解くより、みんなで考える。"

ここまでの記事では、

有段者の可能性や、

計算力をその先の学びへ生かすことについて書いてきました。

 

今回は、

「あんざんすうがくゼミAAAでは、実際に何を学ぶのか」

についてお話ししたいと思います。

 

まず最初にお伝えしたいのは、

AAAは単なる先取り学習のための塾ではありません。

もちろん、

中学数学や高校数学を早く学ぶことには価値があります。

 

しかし、

私が本当に大切にしたいのは、

「どこまで進んだか」

ではなく、

「どう考えたか」

です。

 

例えば、

ある問題に対し、とりあえず答えを求めることができたとします。

 

しかし数学には、

様々な見方があります。

 

なぜその式になるのか。

別の解き方はないのか。

もっと簡単な考え方はないのか。

 

そうしたことを考える時間こそが、

数学のおもしろさだと私は思っています。

 

AAAでは、

計算力を使って問題を速く解くことだけを目標にはしません。

珠算で培った計算力を土台として、

数学的な見方や考え方を育てていきます。

 

そのためには、

「間違えないこと」よりも、

「考えること」を大切にできる環境が必要です。

 

学校では、

その学年に応じた内容を学びます。

有段者の子どもたちは、

周囲から

「できて当然」

と思われることも少なくありません。

その結果、

間違えることへの抵抗が大きくなり、

発言や挑戦をためらってしまうことがあります。

 

しかしAAAでは、

小学生が中学生や高校生の内容にも挑戦します。

だからこそ、

間違えることは特別なことではありません。

むしろ、

「そんな考え方もあるのか」

「そこに気付いたのは面白い」

と、新しい視点として扱います。

正解だけでなく、

考えた過程そのものに価値があるからです。

 

また、

同じ目標を持つ仲間と一緒に考える時間も大切にしたいと思っています。

自分では思いつかなかった考え方に出会う。

友達の発想に驚く。

自分の考えを説明する。

そうした経験は、

一人で問題集を解くだけでは得られません。

 

だからAAAは、

「授業」でもなく、

「問題演習」だけでもなく、

「ゼミ」という形にこだわっています。

 

有段者が持つ大きな可能性を、

計算の先にある学びへつなげる。

それが、

あんざんすうがくゼミAAAが目指していることです。

 

次回は、

なぜAAAが「ゼミ」という形にこだわるのかについてお話ししたいと思います。

 

"間違いは、考えた証拠。"

「珠算と数学は別物ですよね。」

そんな声を聞くことがあります。

確かにその通りです。

珠算が得意だからといって、

自動的に数学が得意になるわけではありません。

 

しかし、多くの方は、

有段者が身につけた高い計算力が、

数学を学ぶ上で大きな武器になることにも気付いていると思います。

 

では、なぜ

「珠算と数学は別物」

と思われるのでしょうか。

それは、数学が単なる計算競争ではないからです。

 

数学の問題を解くとき、

子どもたちは大きく二つのことをしています。

一つは計算。

もう一つは考えることです。

 

問題の意味を理解する。

条件を整理する。

どの考え方を使うか判断する。

答えが妥当か確かめる。

 

こうした作業が、

数学の本質だと私は考えています。

 

ところが、

計算に時間がかかると、

考える前に疲れてしまいます。

途中でミスも増えます。

考える時間も減ってしまいます。

 

一方で、

計算が素早く正確にできる子は、

考えることに時間を使うことができます。

 

別の解き方を探してみる。

なぜそうなるのかを考えてみる。

より良い方法がないか試してみる。

 

同じ30分でも、

得られる学びは大きく変わります。

 

私はこれまで、

多くの数学の得意な有段者も見てきました。

その中で感じるのは、

計算力そのものよりも、

「考える時間を確保できること」

こそが大きな強みだということです。

 

有段者は、

計算で苦労しない分、

考えることにエネルギーを使うことができます。

 

だから私は、

せっかく身につけた計算力を

「速く計算できる」

だけで終わらせたくありません。

 

その力を、

数学的な見方や考え方へ

問題を分析する力へ

新しいことに挑戦する力へ

つなげていきたいと思っています。

 

計算力はゴールではありません。

考えるための土台です。

その土台の上に、

どんな学びを積み上げていくのか。

そこに大きな可能性があると私は考えています。

 

"計算力は、考える時間を生み出す。"

目標だった段位を取得した。

では、その後はどうするのでしょうか。

実は、多くのご家庭がこのタイミングで悩みます。

部活。
受験。
他の習い事。

あるいは、
「目標を達成したから一区切り」。

そう考えるのも自然なことです。

 


私は、有段者になってからこそ本当の成長が始まると思っています。

なぜなら、段位取得までは
「技術を身につける期間」。

そして段位取得後は
「その技術をどう生かすかを学ぶ期間」
だからです。

 


有段者になってからが成長の始まり。

どの分野でもそうだと思いますが、

レベルが一定以上に達すると、

伸び悩み、失敗し、思うような結果が出ない

そんな壁に何度も出会います。

 

しかし、その壁を乗り越える経験こそが財産になります。

人生で成果を出し続ける人は、
壁があることを知っています。

そして、幾度となく乗り越えてきています。

珠算はその練習を何度も積める世界です。

 


 

そしてもう一つ。

有段者が身につけた計算力には、まだ大きな可能性があります。

数学。

理科。

プログラミング。

受験勉強。

実は、
「計算が速い」
だけでは十分ではありません。

その力をどう生かすか。

ここから先が本当に面白い世界です。

 

 

「有段者の計算力、生かしきれてなくない?」

有段者の計算力は、なぜ数学で差がつくのか

有段者は大きな可能性を持っています。

 

高い計算力。

長時間の集中力。

目標に向かって努力を積み重ねる力。

そして、多くの成功体験。

これらは将来にわたって大きな武器になります。

 

しかし、

有段者だから必ず数学が得意になるわけではありません。

 

私は長年、学校現場やそろばん指導の中で、多くの子どもたちを見てきました。

その中で感じるのは、

数学で伸びる子と伸び悩む子の差は、計算力そのものではないということです。

 

例えば、

問題が解けた瞬間に終わる子がいます。

一方で、

「なぜこの方法で解けたのだろう」

「もっと簡単なやり方はないかな」

「別の考え方でもできるかな」

と考える子もいます。

 

同じ正解でも、学んでいる内容は大きく違います。

数学で伸びる子は、答えだけでなく、

考え方そのものに興味を持っています。

 

実際、高校数学や大学入試になると、

単純な計算力だけでは解決できない問題が増えていきます。

問題を分析する力。

条件を整理する力。

複数の考え方を比較する力。

こうした力が必要になります。

 

そして、その土台は小学生のうちから育てることができます。

私は、有段者が持つ高い計算力は、

考えることに時間を使えるという大きな強みだと思っています。

 

計算に苦労しないからこそ、

「なぜそうなるのか」

を考える余裕が生まれます。

 

だからこそ、

有段者には計算だけで終わってほしくありません。

答えを出して終わるのではなく、

別の見方を探してみる。

もっと良い方法を考えてみる。

その習慣が、中学・高校、そしてその先の学びにつながっていきます。

 

計算力はゴールではありません。

可能性を広げるための武器です。

その武器を、数学という新しい世界でも生かしてほしい。

私はそう願っています。

 

"計算力を、考える力へ。"