富津内川、内川川 治水対策事業に関する説明会 |   ミズノ馬鹿一代

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秋田県五城目町の地域情報や議員活動、議会での内容、家族のことを発信しております。

10月10日11日に役場で行われ、この度は地域の公民館に出向いて開催された『富津内川、内川川 治水対策事業に関する説明会』に参加させていただいております。
主催は秋田県。

 

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おととい13日 18時~ 湯ノ又公民館

内容は
・災害復旧、河道掘削等の対応状況
・これまでの作業実施状況

・浸水対策概略検討結果

・今後の作業実施予定

 

内川川について私の考え

昨年8月12日夜、災害発生に関する避難情報でもっとも高レベルに当たるレベル5『緊急安全確保』が発令され湯ノ又地区を中心に甚大な被害発生。(住家の床上浸水19戸、床下12戸)
祖母が湯ノ又出身で4分の1は湯ノ又の血が流れる私。
昨年の発災後、祖母の実家や湯ノ又の方々のお宅で後片付け作業をしながら話をして感じたこと。
湯ノ又集落の真ん中を流れる内川川。集落水没を防ぐには地域の外側に川のバイパスを作るしかないのではないか?
いずれにしても、元通りに戻す復旧では根本的には何も変わらない。

復旧ではなく改良工事が必要だ!
昨年9月の町議会では、河道変更(=川のバイパス化=捷水(しょうすい)路=ショートカット)など根本的な改良を提言しております。

 

今年7月14日~15日、再び被災。
11ヶ月の間に2度目の浸水。(床上11戸、床下12戸)
湯ノ又橋は五城目の水害のシンボルのようになってしまいました。

 

相次ぐ甚大な被害に、河川管理者の県はようやく本格的に動き出しました。
 

今回、湯ノ又地区浸水対策として県が提案してきたのは
  

@説明会資料より

上流から集落を避けて流す捷水路(しょうすいろ=ショートカット=川のバイパス)建設。 

小川口川と金ヶ沢からの水はこれまでの川に流れますが、本流はバイパスへ流れます。
農地買収、水路と通路の確保など解決しなければならないことはありますが、これだと湯ノ又の住宅の浸水被害は限りなく少なくなると思います。

私にとっては想像以上の回答です。
 

上記画像はあくまでもイメージであり今後の調査、地権者との交渉などにより変更するものです。

このあと、河川整備計画策定~測量地質調査設計~事業説明会~用地測量補償調査などを経て、順調に進むと工事着手は令和7年夏ごろというスケジュール案も示されました。
 

令和7年着工として、そこから工事が行われ2年かかるとしたら今から4年後。3年かかるとしたら5年後の完成となるのですが、その4~5年が心配。なにしろ11カ月の間に2回やられているのですから。説明会では、完成までの対策下流域(黒土地区)の対策を質問しました。

県の回答は

・完成までの対策として、引き続いて伐木と河道掘削(浚渫)を実施し川の容量確保に努める。
・下流部の黒土地区では個別に対応する。

というもの。

 

川のバイパス化は身近なところで実際におこなわれています。


・秋田市金足片田深田地区
同地区では集落の真ん中を流れる馬踏川の氾濫によりこれまで数えきれないほど浸水被害に遭ってきました。
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(引用元の国土地理院地図を加工して作成)

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@Googleマップ

集落北側に開通した馬踏川のバイパス(工事期間:平成30年~令和2年)      

これにより、人々を悩ませてきた集落内の流れはチョロチョロの水路になりました。
雄物川圏域流域治水協議会資料 P8参照願います。

 

 

ここから南に2km

・下新城笠岡を流れる新城川
新城川も水害とは切り離せない川です。

画像上端が秋田市立下新城小学校。
下新城笠岡の集落を練るように流れていた新城川。
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(引用元の国土地理院地図を加工して作成)              

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@Googleマップ

平成27年6月!こちらもショートカット=捷水路が建設され住家に影響のないルートへ!
旧本流は、幅に余裕を持ちながらチョロチョロの水路になりました。
秋田県HP参照願います。

 

 

 

南西に1.5kmほど
笹岡を抜けた新城川は国道7号線を横切ります。
・その前に、飯島天ノ袋集落を曲がりくねっってとても窮屈そうに流れていた流れを

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                     (引用元の国土地理院地図を加工して作成)            

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@Googleマップ

国道7号線とJR奥羽線を一時付け替えて行われた大工事の末    
広くて大きなショートカットが現れました。


このように、身近なところでも川のバイパス化=ショートカット改良工事は行われているのです。

 

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昨日(14日)は上山内公民館での説明会。
富津内山内地区も2年連続で床上・床下浸水の被害に遭っているところ。

 

県が示した提案は
下山内深堀地区への輪中堤設置。

@説明会資料より

五城目消防本部の川向い、下山内の集落を堤防で囲おうというもので、これにより、付近の浸水は防げることになると思われます。(画像はあくまでもイメージで今後の調査、地権者との交渉などにより変更するものです。)
 

今回、両地域に県が示す治水対策事業は、
人命および家屋浸水被害最優先に守る(特に2年連続浸水家屋)
・効果の早期発現のため
対策区間は『人家連担区間』とした局所的な対策

・対策を行わない区間(田畑)は『氾濫が発生する』ことになる

・ご理解とご協力をお願いいたします

というもの。

輪中提で守られる箇所はいいが、中島や上山内、そして広大な農地はどうするのか?

2年連続して収穫に甚大な影響があっただけに、農地浸水に対しご理解を!とはいかない!

そのことについての質疑が相次ぎました。

私も質問させていただきましたが、中島と上山内の浸水住家に関しては個別に対応をしていく!との答えでした。今後、その個別対応をスケジュールに掲載し早期実現に向け、輪中提建設工事と併せて進めていくよう要望しました。
先日、宮城県丸森町で学んだ『誰一人取り残さない復興』が我が町でも行われるように!と

 

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今から3年前
令和2年9月設立の「雄物川圏域流域治水協議会」では、流域の15市町村を含むあらゆる関係者が協働して流域全体で水害を軽減させる「流域治水」に取り組んでいます。
今年7月14日からの大雨によって甚大な被害が発生たことから、早急に災害のメカニズムを把握して治水対策メニューを策定し流域治水対策をはかるため、被害が集中した雄物川下流域や馬場目川水系に関係する8市町村を中心とした『下流圏域分科会』が設立されました。

これは我が町の治水対策において大きな前進で、実際に下記事業がスタートまたは進もうとしています。

 

【県】
現在五城目町中心部の馬場目川では県による本格的な浚渫(=伐木・土砂除去・洲ざらい)が行われています。
【町】
・町中心部の浸水域での内水氾濫軽減のため雨水管きょ整備を計画しています。
・戸村堰など農業用水路に設置されている水門の管理を確実に行い流量を管理することも進めます。土地改良区などとの確実な連携が不可欠です。

・大きな被害を受け大規模断水の原因となった浄水場の浸水対策として施設の建屋に止水板を設置します。


被害軽減に向け進むことと期待しています。

 

ただし、検証はまだまだ足りません。
しっかりとした検証が再発防止に向け不可欠。

『誰一人取り残さない復興』

私も私の立場で実現に向け努めてまいります。