仁志敏久取材日記 -6ページ目

たまには

ちょっと息抜き。



                    ~25日 試合終了直後 カメラマン席 兼 道具置き場にて~



      着ているTシャツはプーマ。背中には8。 シューズもプーマでした。


      今日はバスで遠征に参加。 車内ではもっぱらipod!

      ちなみに、最近のお気に入りは、マッシュアップもの(別々の2曲を合体させる手法の音楽)


      数枚CDも市販させていますが、ロックとヒップホップのマッシュアップがお気に入りだそうです。






イースタン・対日ハム戦

千葉県鎌ヶ谷市。日本ハムファイターズスタジアム。


1番セカンドで先発出場。 



日ハムの先発投手は左腕の正田。


1打席目。

5球目まですべて見送り2-3。

6球目ファールの後、7球目を打ってショートゴロ。


「意識してじっくり見ていこうと思ったわけではないんだけど、

どんな球を投げるか、まず見てみようという気持ちはあった。

(結果的に2-3に)」


2打席目。3回2アウトランナーなし。

2球見送り1-1。

3球目の変化球を引っ掛けサードゴロに倒れた。


「1、2打席目は、あんまり意識しないで打っちゃったかな」


最近取り戻してきた感覚。


バットの出所が窮屈になっていた為、バットを構える位置を変えた。


「人の目には見えない程度。」


先日のドーム(21日)で好結果を得た要因の一つだ。


1、2打席は、考えずに打席に立ってみた。


3打席目。5回2アウトランナーなし。

初球を叩きセンター前ヒット。

ライナーでセンターへ弾き返した。


「もう一度思い出した。」


続く、打者岩館の初球にスタートを切る。


盗塁を試みるも、惜しくもアウトに。


「いけたら行っていいのサインだった。スタートは良かったんだけど。

しばらく走ってなかったからね…。ベースランニングとはまた違って、

止まった状態から直線を走るってことももう一度やらないと。

そりゃあ、10年も経ったからね。

10年前とは違うよね。

10年前と比べちゃったら、10年前の俺が怒るよ…(笑)」


4打席目は7回。2-3から四球を選んだ。


この日は、4回打席に立ち、1安打、1四球。


7回の攻撃が終わるとベンチに退いた。


変わらず状態は良い。


その後、着替えを済ませると、ベンチ横のカメラマン席で試合観戦。


カメラマン席といっても、カメラマンはひとりもおらず、ほぼ、グラウンド整備の方の

待機場と化している。


しばし、グラウンド整備の方と会話を交わす。


(いい球場ですよね。ジンギスカンも食べれるんですか?

地元の方が気軽に来れそうでいいですね。等等…)



試合はジャイアンツが勝利を収めた。


バスに乗り込む直前には、リクエストが途絶えるまで、

すべてのファンにサイン。



明日は袖ヶ浦。 18時試合開始です。


今日の仁志選手

本日は、ジャイアンツ球場で全体練習に参加しました。


今日もじっとしているだけでも、汗が噴き出してくる残暑の中、

打撃練習、守備練習、ダッシュ、ランニングと汗を流しました。


フリーバッティングでは、仁志選手には珍しく黒のバットを使用。


「ちょっと試しに。」



以前、バットについて聞いた時、色付きのバットは、

「視界に入るから好きじゃない」

ということで、金属バットの時から一貫して、色付きは

使用して来なかった仁志選手。


この日、使用した黒バットの素材はメープルで、一般的には

他の素材のバットよりも硬いと言われている。


普段、仁志選手が試合で使用しているのは、アオダモという素材のバットで、

「メープルだと、硬い分当たったままそのまま弾かれる感じだけど、

アオダモだとやわらかい分当たってから、なんとかなるというか、

しなりと柔軟性があるから、融通がきく感じ」


この辺りは、打者のタイプと好みによって良し悪し。

各選手の感覚による部分が大きいのだと思います。



{ バッティングは難しいよ…。打つのは人間じゃなくてバットだから }

                  『  仁志敏久  7月5日 ジャイアンツ球場 練習後 』




メープル黒バットは試合での使用はまだわからないとのことですが、


金曜日(鎌ヶ谷)、土曜日(袖ヶ浦)でのイースタンリーグ対日ハム戦に出場予定です。

(現時点(24日)では日曜日の試合には出場せずジャイアンツ球場で練習の予定)




試合開始

本日、仁志選手は東京ドームで練習をした後、試合開始前にはドームを後にしました。
仁志選手を目当てにドームへ来られた方には残念ですが…。

明日の全体練習は休みとなります。
今後の予定につきましてはまたわかり次第報告させていただきたいと思っています。

「テーマパークみたいだった」

久しぶりの登場となった。東京ドーム。

スタメン、2番セカンド仁志のアナウンスに一際大きな歓声が上がった。



「なんかテーマパークみたいだったね。

子供がいっぱい来てたでしょ。料金も普段より安いんだよね。

いいよね。こうゆうの。」


最後はこう言ってドームを後にした。

その手には、大きなジャビット人形。


この日の結果。

9回の守備には就かなかったが、ほぼフル出場。


2ランホームラン。2点タイムリーヒット。犠牲フライ。


5打点。


「(ホームランの打席)高めの内側から入ってくる変化球が落ちなかったね。

タイムリーの打席も、当りが良かった。

犠牲フライになったレフトフライは、球が低かったからちょっと先っぽだったかな」


勝っておごらず。


試合後の仁志選手の印象はこの一言につきました。


この日は5回打席に立ち、他の打席は1打席目のキャッチャーファールフライと、

5打席目のセカンドゴロでした。



「(不調の原因)わかってきたから。」


ジャイアンツ球場での練習中にも言っていたが、今の状態は良い。


そして、今日は内容もよく結果も出た。とても収穫のある試合だったと思います。


ただ、満足はしていないし、ここで満足するわけにもいかない。

そんな気持ちが感じられました。


今日は、日頃の練習での意識づけの正確さと、

その目線は、すでに先を見据えていたということをお伝えしたいと

思います。



4月12日東京ドーム

仁志選手の今シーズン前半を伝える第2回。


{4月12日 東京ドーム 対広島戦}


開幕11試合目。


ここまでの10試合は、先発出場2。 途中出場4。

 

他の4試合は、出場機会なしだった。


そして、この日も前日同様、

仁志選手の名は先発メンバーの中にはなかった。


試合。


2点ビハインドで迎えた1回裏。巨人が同点に追いつく。


続く2回。 先発ライトの矢野が、ネクストバッターズサークルに歩を進める。


その矢野を、ベンチから仁志選手が呼び止めた。


ベンチ最前列から、身を乗り出して、矢野の耳元で何やら囁く。


頷く矢野。



[この試合、先発工藤が粘投。バックも再三の好守で盛り立てる。

高橋由伸はダイビングキャッチでピンチを凌いだ。(このプレイで脇腹を痛め登録抹消)

巨人は終盤に1点差まで迫られるも、最後は豊田が締めて5-4で勝利。

これで、4カード連続の勝ち越し。〕



この試合。決勝点となったのが…



2回裏。矢野のソロホームラン。



〔仁志選手は、7回代打で登場。

1-1からの3球目をセンターに弾き返す。

次打者のバントで2塁に進み、二岡のレフト前ヒットで生還。

貴重な追加点を演出した。〕


試合後


(2回裏矢野の打席の前について)

「大したことは言ってないよ。ベンチにいると気づく点が多いからね。

選手の邪魔にならない程度に言わせてもらってるだけ」


自分の出来ることをやる。



       『僕は野球を知りません。仁志さんからは、野球そのものを教えてもらっています。』


                             { 矢野謙次   ~4月22日試合前練習中 東京ドームベンチ前にて~     }






今日の一言。

「暑い…!」



ジャイアンツ球場での練習を終え、

室内練習場へと戻って来て一言。


今日のジャイアンツ球場の暑さには皆、

わかってはいるけども、暑い!と口々に言わざるを得ない。

そんな夏の日でした。


仁志選手も大粒の汗を拭いながら、


「やばいね!この暑さは!」



ちなみに、ジャイアンツ球場での練習メニューですが。


9:15頃から、グラウンドに集合し、ミーティング開始。


9:20 ウォーミングアップ


9:50 キャッチボール


10:00 内野守備練習


10:20 バッティング練習

(11:25頃まで)


11:35 外野フェンス際をダッシュ、

      ランニング、クールダウン



11:50~1200頃 全体練習終了となります。


このメニューは日によって内容が変わりますが、

開始時間と終了時間は大体このような感じです。


その後は、各々がテーマに沿って自主練習となります。


仁志選手も今日は全体練習の後、入念な体のケアを行い、

そして、ジャイアンツ球場を後にしました。


現在の予定では、

8月21日、22日。東京ドームで行われる、イースタンリーグ公式戦、

対ヤクルト戦に出場予定です。


21日までに仁志選手に課せられた宿題。


それは、ベースボールカードにサイン100枚…。


上記の試合イベントの為にファンサービス部からの依頼でした。



今の状態

本日、野手陣の全体練習は室内で行われました。


守備練習から始まり、ティーバッティング。

そして、シート打撃。


本日のシート打撃でマウンドに上がったのは辻内。


仁志選手は、原俊介らと共に順番で打席に立ちました。


実戦形式で行われる為、実際に捕手がカウントと取ります。


1打席目。

初球をセンターバックスクリーン方向へ会心の当り。(室内の為、実際の打球はピッチャー後方のネットに当たっています。)


2打席目。

0-3から、見逃しストライク、ファール、ファールで2-3からボール。四球。


3打席目。

1-1からの3球目をショート頭上へライナー性の当り。


仁志選手自身が状態は良いというように、ヒット性の打球を飛ばしていました。


それにしても、この日辻内は約40球を投げたが、変化球は全て抜けてしまい1球も

ストライク入らず…。

仁志選手も(辻内について)

「うーん、(今のところは)厳しいね…」


仁志選手、シート打撃のあとはマシン相手に打ち込み。


今の状態。


「今は、ダメだったところがわかってきた。

思いついたっていうより、思い出したって感じかな。


ここのところを、こうやって、こうすれば、こうなるんだっていうのがわかったんだよね。


今シーズンはずっと悪かったから、見えてこなかったんだけど、

なんでだろうってずっと考えてて…。

やってて、頭と身体の感覚がどうも違ってた。頭で考えてるのと、身体の反応が。

思ったような打球が飛ばなかったり。


自分の感覚では…。 少し合ってるんだけど、少し違ってた…。


神宮でもタイミングは良かったんだけど、だんだん、あ、昔はこうゆう風に打ってたなって

いうのを思い出してきた。


だから、今の練習の意味がある。」


思えば、2軍での再調整といえども、誰かの指導を受けるわけでもなく、

課せられたメニューがあるわけでもない。これをこなせば修了となるわけでもない。

(そもそも監督、コーチはそこにいない)


あくまでも自分で考える。


プロであるならば当たり前といえばそれまでだが、

中には出来ない者も居るということは、実績となって表れているのではないだろうか。


人の身体は、骨格から筋肉まで一人一人全て違う。

誰一人として、同じ体格の人間はいない。


それと同じように、バッティングというものも、全ての人間にとって

同じ答えがあるわけではなく、打者の数だけ答えがある。

(答えというと語弊があるかもしれない…。バッティングに答えがあるかということに

ついてはここでは省くが…)


もちろん、基本の部分や、客観的に見る目、大多数の経験則から

導かれる指摘というのも、野球においては大事な要素である。

それは、人間の身体の構造という部分に関しては基本的に皆同じだから。


問題は感覚の部分。自分にしかわからない感覚の部分が

人の意見と一致するというのはなかなか難しい。


自分で考える。


それができるかできないか。 プロで生きていく為に必要なこと。


今日、仁志選手に話しを聞いていて、ふと、こんなことを考えた。


 そういえば、前に仁志選手がこんなことを言っていた。


           『バッティングって水面に浮くか浮かないかのぎりぎりを泳ぐようなもの』

             

                 ( 2006年7月5日 仁志敏久 練習終了後 室内練習場にて)



        

 

今シーズン前半

「仁志敏久取材日記」では、"今"の仁志選手を伝えると共に、


今シーズン前半からの仁志選手についても、少しずつ振返って報告させていただきたいと

思っています。


まず第1回目は、


[4月4日~6日  対ヤクルト 神宮球場 ]


開幕4試合目。


巨人はドームでの開幕シリーズ対横浜戦を、

2勝1敗で終えていた。


仁志選手は、開幕戦は出番なし。2戦目、3戦目は代打で登場。

それぞれ、三振、センターフライという結果に終わっていた。


そして、4月4日。

この日は今シーズン初のスタメン出場。2番セカンド。

ヤクルトのピッチャーは石井一。


1打席は併殺打に倒れるも、2打席目には今シーズン初安打となる、

レフト前ヒットを放つ。

結局この日は5打数の1安打。


この試合、5回打席に立ち、見逃しのストライクは僅か2球と、

とにかく積極的に打っていこうという姿が印象的だった。


試合は5-4で巨人勝利。


試合後

「(今シーズン)普段と状況が違うから、良い意味で切羽詰まってるし、

一つのストライクも無駄に出来ない。

(相手が石井だからということじゃなくて、仁志選手の気持ちの問題で?)

そうだね。打順が2番だったってこともあるけど、バントとエンドランのサインも

あったし難しい打席ではあったよ。」


4月5日。

この日は8回裏からセカンドの守りに就き、

9回に打席が回って来た。


1アウトランナーなし。

初球見逃しボールの後の2球目を叩き、レフトスタンドにホームラン!



9回裏。守備に就くとレフトスタンドから大トシヒサコール。


右手に帽子を持って応えた。


試合は9-2で巨人の勝利。


「こうゆう状況だからこそ、打席で迷っちゃいけない。守りに入らないでどんどん

振っていくことが大事。

三振するのが一番馬鹿ばかしい。前に飛ばせば何かあるからね。

チャンスが少ない分、ストライクも少ないから…」


ホームランを打った打席もファーストストライクを思い切り打ちにいった。


翌日(4月6日)の試合は最後まで出番なく終えた。


3戦目も巨人は勝利しヤクルトに3連勝。


仁志選手がプロ入り11年目にして初めて経験した、

ベンチスタートとなる今シーズンの開幕前夜。

今夜で、ちょうど1週間が経った。


代打出場3試合。先発1試合。


8打数の2安打。HR1本。


仁志選手の2006シーズンがスタートした。

15日ジャイアンツ球場

本日(15日)の残留組全体練習は、

天候が不安定だった為、室内練習場にて行われました。


内容は主に打撃練習。


「自分の感覚がしっかりしているかどうか。」


打撃投手及び、マシン相手に約1時間半、他の選手達と

交代で打ち込みました。


その後は、トレーニング室で、腰周りを中心に入念なストレッチ、マッサージ。


腰が張っていたり、骨盤と腰がかたくなっていると(骨盤と腰が一緒に動く感覚)、バッティングに影響するので、

かたくならないように、ちょっと隙間をつくってやる。このように、人の力で抵抗を加えて、

動きを良くする(PNF)を行った。


*PNF-仁志選手曰く、「簡単に言うと病院のリハビリのようなもの。」


帰り際、アリアスが仁志選手の車に興味を示し、

「見てもいい?」


そこへディロンも加わり、結局二人を乗せて、

ジャイアンツ球場を後にしました。