激動の1750日 (1990年) 中島貞夫監督 | Asian Film Foundation 聖なる館で逢いましょう

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いつも、ありがとうございます…☆⌒(*^-゜)v

 

 

 

この秋、私も劇場で観ておきたい作品もあったんですが、そこまでは観れていませんね。

 

映画ファンの方々の間でも話題に事欠かない『福田村事件』はかなり観たい作品でしたし、『ザ・クリエイター 創造者』も本当はスクリーンで観ておきたい作品でした。

 

パク・ソジュンくんがヤン王子として出演している『マーベルズ』もかなり興味を惹かれましたが、何と言っても『ゴジラ-1.0』 ―― 映画ブロガーさんの記事を読ませていただき、その冒頭だけで強く惹かれました。

私はあまりにも巨大な『ゴジラ』映画はそんなに好きではないんですが、『ゴジラ-1.0』は何だか怖そうで、ただの怪獣映画にはない禍々しさを感じるんですね。

食い殺す感じであせる

 

そんな感じで観たい映画もあるけど、なかなか私も消極的なのであと一歩が踏み出せませんあせる

ダメですね~あせる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

激動の1750日

 

 

 

 

 

 

 

 

 


INTRODUCTION・STORY
跡目争いから組織分裂へ!日本ヤクザ史上最大の抗争。

組員総数一万二千人からなる日本最大の暴力組織が分裂!その時、男はどう生き、どう行動するか!昭和59年から、その終結まで約5年間、1750日にもわたる血の動乱。その壮絶で凄惨な抗争の全貌が、いま明らかになる──。“組織”という遺産をめぐって、現状維持を望む古参幹部と、それに飽き足らぬ若手武闘派が対立。四代目の座を継ぐために、男たちが野望・裏切り・報復そして権謀術数の限りを尽くす実態を生々しいタッチで描いた衝撃の問題作である。若き武闘派・若竹に扮するのは中井貴一。本格的ヤクザ映画に鮮烈のデビューである。それを囲んで、日本映画最高の超一流キャストが適役を演じ、作品に一層の厚みを加えている。監督は中島貞夫。(平成2年東映京都作品)

 

 

 

 

 

 

12月9日でしたが、1990年の日本の映画、『激動の1750日』を観ました…カチンコ

 

この作品は自分のブログで感想を書いておこうかどうしようか迷ったんですが、私が自分にとって詳しくないジャンルの映画を観る時の心境とか、とにかく試してみようという映画作品との関係について書いておけそうなので、書いておきます。

でも下手な感想なのでファンの皆様、気を悪くなさらないでくださいね…あせる

 

『激動の1750日』 ―― この作品のことはとても前から知っていて…私の大好きな映画『つぐみ』の公開日が1990年10月23日、『激動の1750日』の公開が同年9月15日なので、その関係もあるのかもしれませんが、確かではありません。

しかしジェーンズ・アディクションの『リテュアル・デ・ロ・ハビテュアル』がリリースされた年でもあり、「1990年」はどこか特別な年のようにも感じられます。

 

ちなみに私は日本映画の感想を書く時、その映画が韓国、香港、中国で公開されたかも調べてみますが、『激動の1750日』がそれらの国で公開されたことはなさそうに思いました。

 

それで、この作品の主演は中井貴一さんで…『仁義なき戦い』シリーズ(1973年~)を私が観ていた一昨年の秋頃から、そのタイトル『激動の1750日』が頭の中で浮かび上がり、ひいてはいつの間にか「一番観てみたいヤクザ映画」になっていたのですね。

 

なぜそうなったのかはあやふやだけど、中井貴一さんが主演だったことが大きいんじゃないですか。

いったい中井貴一さんがヤクザ映画でどんなヤクザを演じているのか非常に興味がありました。

 

その上、観る前に気づいたんですが監督が中島貞夫監督なのですね。

ホントにお恥ずかしいのですが私は中島貞夫監督の映画を1作も観てませんでした…汗

『激動の1750日』を観るのはいいチャンスかもしれません。

 

まず、私にとっては極めて未開拓な分野である1990年のヤクザ映画を観ることは、なかなか新しい興奮がある映画鑑賞でした。

観た瞬間「古い」と感じたんですが、1990年のその昔さも非常に面白く感じられたものです。

 

結論として、まず非常に理解しにくかったんですね。

 

この映画は実際に起こった「山口組四代目跡目問題および山一抗争」をモチーフにした志茂田景樹先生の小説『首領(ドン)を継ぐのは俺だ』を映画化した作品なんですよ。

ですのでそれを「知ってる前提」で観る映画かもしれません。

 

私はその現実の争い、事件、抗争を全く知らないので、それをいきなりわかれと言うのも無理な話です。

もう、前半は誰が誰でどんな関係で、どんなことが起こってどうなってるのか、理解するのは困難でした。

 

前半は状況を説明する田口計さんのナレーションが絵に重なるんですが、またそのナレーションが固有名詞とかいろんな単語とか難解で、結局、聞いててもちっとも理解はできないというお恥ずかしい話汗

 

この映画の正しいレビューとして、やはり専門家・東映バカさんのブログを読まれるのがいいでしょう。

 

私もなるほど、本物のファンはこういうふうに観られるか…と感銘を受けました(ってことでやっぱり私はド素人)。

 

「山一抗争」の実録化!東映京都「激動の1750日」中井貴一/中条きよし/夏八木勲。

 

東映バカさん、ありがとうございます☆⌒(*^-゜)v

 

そんな感じで半ばまでは映画をただただ「眺めている」ような逆境に遭遇しましたが、そうこうしてるうちに登場人物の関係も把握できてきたので、まあ、いいでしょう。

 

しかし、登場人物の真の目的を理解できたかというと危なっかしい。

日本最大の組織・神岡組の後継者問題。

本部直参・時津忠久(特別出演の萩原健一さん)を推す派閥と、川勝組組長・川井勝司(夏八木勲さん)を推す派閥に分裂し、誰が四代目になるかで暴力的な抗争の状況に陥っていく。

 

まず ―― 中井貴一さん演じる若竹正則が年齢的にも若いので、たとえば古参のベテランに苦しい立場を強いられたり、そういった流れかなあ、と思ってたんですが、違うんじゃないですか。

時津派と川井派では川井派の方が賛成の組長さんが多かったのですが、三代目親分さんの姐御(岡田茉莉子さん)が時津忠久を推しているので、どちらの派が主流派かは私にはわかりませんでした。

 

組織の跡目相続問題については、しかし川井勝司や荒巻重信(渡瀬恒彦さん)が意地悪く見えるので、川井派が悪役かと思って観てたんですが、でも途中からいろいろあって時津派の方が悪くて怖いように見えてしまうあせる

数が多くて強いのも時津派のように見えるんですねあせる

だからなんだか中井貴一や成瀬勇(中条きよしさん)の方が悪役的な立場ではないかと私には思えてしまい困りましたあせる

 

そのことについては、あくまでも現実のこの抗争についてではなく、映画を観ただけの感想ですが、この後継者問題とそれが引き起こした争いに関しては時津派、川井派の双方ともに言い分があり、どちらが悪とは決めつけられないものではなかったか ―― というのか私の感想です。

でないとホント中井貴一さんが悪く見えてしまう。

 

対する川井派にも人柄が良さそうな人がいますしね。

 

そんなわけで私は時津派を応援する視点でも、またその逆に川井派を応援する視点でもなく映画を観終えることになりました。

もしも現実の抗争の成り行きを知ってから観ていれば違ったかもしれないけど、若竹正則がどうなるのか、『スカーフェイス』(1983年)のアル・パチーノみたいなことになるのか、そこは全く予想がつきませんでした。

若竹正則のモデルとなった方についてご存知の方は、結末を予想できたのでしょうけど。

 

映画は若竹正則だけが主人公ではありません。

この映画は登場人物それぞれにドラマがある群像劇ではないですか。

若竹正則が登場していない場面でも物語は動いていきます。

映画としては将棋などのボードゲームを彷彿とさせるものに感じました。

この人がこう出るとあの人がこうなる、というようなね。

 

私が好きな海外のマフィアもの、ギャングものといえば『ゴッドファーザー』シリーズ(1972~1990年)、『グッドフェローズ』(1990年)、『ミラーズ・クロッシング』(1990年)の3つがまず思い浮かぶけど、そういった映画を想像していると『激動の1750日』はかなり違う映画です。

起こったことを次々と描いていくスタイルですね。

やっぱり『仁義なき戦い』に連なるヤクザ映画ではないかと思います。

しかし『激動の1750日』は『仁義なき戦い』にはあった野暮ったさ、泥臭さはあまり感じられません。

時代的にやや洗練された印象です。

『仁義なき戦い』の1作目、2作目だったら組の人たちもお金がなくって、ええもんを食べてはらへんかったりしますからね~。

『激動の1750日』は組織の中でも上の人たちの映画なので、お金に困っているような場面はなかったですね。

 

韓国のヤクザ映画と比較して語りだすと長くなるのでアレですが、やっぱり日韓のヤクザ映画はまだ近いものが感じられますね。

ただ韓国のヤクザ映画はメロドラマやホームドラマ、友情ものとミックスされているケースが多いけどね。

 

少し批判的に書かせてもらうと、『激動の1750日』では襲撃に銃が使われ、日本では銃が韓国よりも手に入りやすかったのかなと思いましたが、この銃による襲撃の場面に怖さが足りないように私には思えて残念でした。

何らかの日本のヤクザ映画における暴力描写にはスタイルがあるように感じられるのですが、撃たれた人がどこか大げさに飛んだり、そういった描写は好きではありませんでした。

例えばマーティン・スコセッシの映画や北野武監督のヤクザ映画における暴力描写のような怖さが感じられなかったですね。

この映画にとって銃による殺人の描写そのものはあくまでも物語が動くポイントであり、あまり重要ではなかったのかもしれません。

 

 

観どころとしてはきっと、豪華なキャストでしょう。

私は邦画をあまり観てこなかったので海外の俳優さんの方が圧倒的に詳しかったりするのですが、しかし30年前の映画でありながら、そんな私ですら、「あ、あの人ひらめき電球」と気づく俳優さんがドンドン出てこられます。

 

急に若き日の陣内孝則さんや加藤雅也さんが出てこられてビックリしたりね。

中尾彬さんは変わらはりませんな~あせる

本田博太郎さんも役にぴったりな感じ。

志賀勝さんはリアルな巻き舌過ぎて何言ってるかわかりませんなあ。

石立鉄男さんはちゃんと映画で拝見したのは初めてじゃないかなあ。

火野正平さんの「何かやりそうだったのにあっけない」感じ、好きでしたね。

怖かったのは渡瀬恒彦さんですね。

タガがはずれていきそうな危険さがね…。

 

と、好き放題書いてますが、そういった豪華キャストで何かやりそうだったキャラクターがあっけなかったりするのが、この映画の面白いところではないですか。

 

中井貴一さんは信念が揺るぎないキリッとした人物の役ですが、人間味もあるので、私はもう怖いだけの人に徹した方が好きだったかなあ…。

この映画の極道の方々は皆さん、どこか人間的なんですよね。

そんな怪物的とまではいかないというか…。

 

もうヤクザをやめることが決まっていた下っ端の若者がいて…その若者のお母さんも中井貴一さんに(おそらく荒れて困ってただろう)息子を育ててもらって感謝すらしてたんですが、中井貴一さんが狙われた時にその若者が犠牲になり、そのご葬儀に貴一さんがご出席されるのはいかにもなエピソードでしたが、お母様が耐え切れずに貴一さんに恨みをぶつけ始める場面、いたたまれない…。

そこに若者が命を落とす極道社会の苦しみがある。

もちろん一般社会でも若者が亡くなるのは悲惨なことです。

 

それで言ったら中井貴一さんに憧れて尊敬を隠さない陣内孝則さんが敵側で行動を起こすエピソードはもっとエモーショナルにやってほしかったなあ。

もったいなく思いました。

でも一本の映画でそこまではできないのかもしれませんね。

 

終わり方…丹波哲郎さんが重々しく出てこられるんですが、いい終わり方でしたね。

ストン、って感じで急に終わってしまったように感じたんですが、私は好きでした。

 

そういったわけで私の不得意分野であるヤクザ映画をまた観たわけですが、正直な感想としてはそこまで私には合いませんでした。

理路整然とした映画だと思いますが、私はもっと怖さややり切れなさが欲しかったです。

 

しかし、このジャンルの作品を観た充実感はきっちり残りました。

 

ヤクザ映画ですが…私はきっと岩下志麻様の代表作の一つである『極道の妻(おんな)たち』シリーズ(1986年~)が好きそうなんですがね…実は第1作だけ観ていて正直、ほとんど覚えてないんですが、あの「エロスと死」みたいなラスト・シーンだけは覚えていて、なんかイヤなんですよ~あせる

それもあって観てないのかなあ。

あとの方の作品の方が向いてるかも。

 

まあ、もともとジャンルごと私には向いてないと思います。

でも『仁義なき戦い』完全制覇はホント楽しかったし(観ている時の気分をちゃんと記憶してます)、北野武監督の映画も好きなんですよね。

 

あ…中島貞夫監督の作品に『日本のドン(首領)』三部作(1977~78年)という作品があるそうですね。

1977年という『スター・ウォーズ』初公開の年も何か縁がありそうですね。

観たいな。

 

そないに次々は観ていかないと思いますが、でも、またこれはという作品をピンポイントで厳選して観ていきたいものですね。

オススメがあったら教えてください。

 

今日も読んでくださり、おおきに、ありがとうさんです…キスマーク

アンニョン~(^.^/)))

 



激動の1750日

1750 Days of Turbulence
격동의 1750일
激战1750天


1990年製作/115分/日本
劇場公開日:1990年9月15日
配給:東映

監督・脚本 中島貞夫
脚本 村尾昭 大津一瑯
原作 志茂田景樹 『首領(ドン)を継ぐのは俺だ』

原案 斯波道男
企画 佐藤雅夫
製作 俊藤浩滋 高岩淡
プロデューサー 厨子稔雄 豊島泉
撮影 佐々木原保志
美術 佐野義和
音楽 小六禮次郎
録音 伊藤宏一
照明 安藤清人
編集 玉木濬夫
B班監督 土橋亨
助監督 藤原敏之
スチール 中山健司

中井貴一 若竹正則
中条きよし 成瀬勇
加藤昌也 高市次郎
有森也実 若竹美佐子
中尾彬 岩間直秀
品川隆二 兵頭七郎
清水健太郎 竜野誠
誠直也 浅利本部長
本田博太郎 伊達順治
三上真一郎 根岸力男
萩原健一 時津忠久
鶴田さやか 久美
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