韓国映画 フェイスレス 顔のないボス (2019年) | Asian Film Foundation 聖なる館で逢いましょう

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NEW1月6日から公開中ですNEW

 

 

 

非常宣言

映画 『非常宣言』 オフィシャルサイト

 

韓国映画界を代表する俳優ソン・ガンホとイ・ビョンホンが共演し、飛行機内で発生したウイルステロの恐怖を描いたパニックスリラー。

 

 

 

 

 

NEW1月20日から公開中ですNEW

 

 

 

パーフェクト・ドライバー 成功確率100%の女

映画 『パーフェクト・ドライバー/成功確率100%の女』 公式サイト

 

「パラサイト 半地下の家族」で半地下の家族の長女役を演じたパク・ソダムが、凄腕の運び屋を演じたカーアクション。

 

 

 

野獣の血

映画 『野獣の血』 公式サイト

 

「偽りの隣人 ある諜報員の告白」やNetflixドラマ「模範家族」で知られるチョン・ウの主演で、1990年代の激動の釜山を舞台に、極道たちの生きる姿を描いたノワールサスペンス。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アンニョン…(^-^)ノ

いつも、ありがとうございます…キスマーク

 

コメントのお返事がまだですが、この記事を頑張って書いていてひどく眠いので、また明日お返事させていただきます、すんませんあせる

 

 

 

日付け的には一昨日の22日、映画を3本、観たんですが、そのうちの一つがこの作品でした…カチンコ

 

 

 

 

 

ヤクザは結局、ヤクザだ。

 

 

 

 

 

フェイスレス 顔のないボス

 

 

『フェイスレス 顔のないボス』 ―― いつものごとく何も知らずに観たんですが、この映画は中でも未知な感じでしたね。

 

韓国での公開は2019年11月で、日本では劇場未公開になったようで、WOWOWの放送が日本初公開になったそうです。

 

で、観終えたあとでナムウィキさんのこの映画のページの「評価」なんかを読んでたんですが、やっぱりかなり韓国で批判されたようです。

 

それだからといって、私まで「ダメな映画です」だなんて簡単に決め付けることはしないけど、じゃあ書けといってもなかなか書くのにも苦労する映画なことは確か。

 

一つ、この『フェイスレス』は韓国のヤクザ映画なのですが、ヤクザ映画のファンにはオススメできないかなあ。

 

私は韓国映画のファンなので観ましたけど、「衝撃の韓国ノワール作品ビックリマークって煽りに期待すると、確実に落胆すると思います。

 

 

大学時代の先輩に誘われて裏社会に飛び込んだ男がたどる苦難に満ちた運命を、ハードなタッチで描く韓国ノワール。主演はドラマ「トキメキ注意報」のチョン・ジョンミョン。

韓国映画界の得意ジャンルである犯罪ものの1本だが、本作は体育大のボクシング部出身である一流建設会社の御曹司が主人公という、ひねった設定。主人公は裏社会に飛び込むが、先輩に反旗を翻して大物になったばかりに、破滅の道を進む事態へ……。実話を下敷きにしつつ、迫力あるバイオレンス場面を見せ場にした娯楽作。しかし主人公が追い詰められていく姿に、今の韓国で生きる人々にあまねく通じるような生活感やドラマ性があって、独特な印象を強く残す。WOWOWの放送が日本初公開。

 

WOWOWさんのサイトのこの概要でおおむねそうなんですけど、「今の韓国で生きる人々にあまねく通じるような生活感やドラマ性があって」は違うかなあ~(>_<)

「独特な印象を強く残す」はその通りだと思いますけど。

 

っていうか、「実話を下敷き」だったんですかあせる

ホンマかな~あせる

 

最初にこんな文章が出るんですよ…。

 

暴力団の悲惨な人生を通じて

青少年たちに同じ道を歩んでほしくないという ――

切実な思いを込めてこの映画を製作しました

 

いや、そんなん~あせる

ま、その気持ちは正しいと思うんですけどあせる

これからせっかく韓流極道ムービーを楽しもうと思ってるのに、そんなまともなこと言われても困りますがな~(>_<)

 

でも、確かにその前提に貫かれてる作品…なのかな~はてなマーク

 

で、観てて私も主役を演じるチョン・ジョンミョンさんくらいしか主要キャストで知ってる人がいなくって、誰が誰か把握しにくかったので、ちょっと混乱しました。

普段、韓国映画を観ない方はもっと混乱するかもしれませんな。

 

チョン・ジョンミョンさん演じる主人公クォン・サンゴンは、建設会社を築き上げ、自ら会長職にあるお父さんの一人息子なんですが、大学ではボクシング部に在籍し、非常に強い青年だった。

 

サンゴンはヤクザの先輩カン・チャンワンに憧れ、父親がもちろん反対したにもかかわらず、ヤクザの世界に入ってしまう。

 

が、その先輩カン・チャンワンは大した人ではなく、仲間を大事にもせず、お金を一人でせしめていたので、サンゴンは手下たちと造反し、ヤクザの風上にも置けぬカン・チャンワンを追放し、自分が子分を束ねる兄貴になった。

 

しかし、金に困り、父親に無心するしかなくなり、ヤクザとなっても結局は力のある父親に頼る屈辱を経験することになる。

父はヤクザになってしまった息子でも訪ねてくれると嬉しいのだった。

 

そんな中、サンゴンの手下の一人、サングが、自分の兄貴を追放したサンゴンのことを嘲った上部組織の組員たちを斬殺してしまったため、サンゴンは部下のテギュ(イ・ハユル)とともに服役することになり、10年を刑務所で過ごした。

 

疑問に思ったのは、現在の韓国では死刑の執行が行われていないはずですが…この映画の中では死刑が執行されるようなんですね。

なぜ現実とは違う設定なのだろうか。

 

サンゴンの父親は体の具合が悪かったのでサンゴンも心配していたのですが…サンゴンの服役中に父親は亡くなり、サンゴンは出所後、父が遺したミレ(未来)建設を継ぎ、極道と建設会社の経営者の二足わらじで生きていくことになる。

 

大きな会社を経営していた経験豊かなやり手お父さんの息子であるサンゴンなので…お坊っちゃまとはいいませんが、それなりの少年時代を送ってきたと思うのですが、なんで自ら極道の道に進んだのか…。

 

ともかく、サンゴンは自分を犠牲にして、仲間に寄り添う形で服役していますので、子分たちからの信頼も厚く、今さら組員たちをほっぽっておくわけにはいきません。

 

子分たちは買収した店で働くことになるんですが…(だったらヤクザさんでなくっていいのに)。

 

それで、刑務所に入る前からサンゴンには大切な女性がいまして…同じ大学出身のチョン・ミンジョン(イ・シア)なのですが、なんとサンゴンたちの裁判の時、彼女は(おそらく補佐的な)裁判官だったんですよ…。

 

で、そんなもう、殺人にまで関わるようなヤクザになってるサンゴンと、法律家の彼女ですので、別れたんだろうなあ…って思ってるときっちり10年待ってまして、その後、結婚して、最終的に二人は子どもも授かります…。

 

けっこう、疑問や不思議が多い映画で(^_^;)

それがまた不評の理由なんすけどねー。

韓国の観客からもつっこみまくられた映画なんですよねー。

 

また物語を通じてサンゴンの有能な右腕としてク・チョルフェ(チン・イハン)がずっと傍に控えています。

チョルフェは頭脳明晰な人物でもちろんサンゴンに忠誠を誓っています。

 

さて、なんぼやり手の建設会社会長の息子というても、社会に出てからヤクザしかやってない、10年服役していたサンゴン。

確かにヤクザとしての仁義を重んじ、仲間を何よりも大事にするサンゴンはきっとヤクザとして正しい人でしょう。

 

しかし、実社会ではお人好しな人を騙してやろうというヤツなんてなんぼでもいてます。

 

サンゴン…大丈夫かなあ…と思ってたら案の定…汗

 

サンゴンたちは、どうしても人を殺めねばならなくなる。

 

話は前後しますが、サングが犯した殺人事件で無期懲役の刑が確定し刑務所に入ったテギュは、そこでケンカの強さに秀でた純粋な姉思いの青年ヨンジェと出会い、面倒を見てやりたくなる。

ヨンジェには知的障がいのあるお姉さんがいるのですが、サンゴンの彼女チョン・ミンジョンが住まいなどを手配し、安心して暮らせるように。

 

 

ヨンジェを演じているのはキム・ドフン。

若い俳優さんですが今後、活躍していくかも。

 

ヨンジェがなぜ配役として必要なのか、ちょっとわからなかったのですが、最後の方で急に効いてくるキャラクターです。

 

 ―― そんな感じで後半までストーリーを追わせていただきましたが、父親の敷いたレールで安定した人生を送るのがイヤで、ヤクザの世界に入っていく青年の物語なのですが、サンゴンが善人なんですよね…ヤクザになったのに。

 

映画を観てるとヤクザって狡くって打算的な人の方が成功したりするんですけど、でも極道の美学に反してると思うんですよね、それでは。

 

しかしサンゴンは優しすぎる…正しくあろうとし過ぎてる…。

結局、それが彼を滅ぼしていくのかなあ。

 

それでも暴力を振るい、人を殺めようとしているので…犯罪者なのですね。

ですので、ヤクザになってはならないって前提は揺るぎません。

 

サンゴン自身が泥酔し、それを語りますし、最終的に彼は大きな後悔を残すことになる。

 

そういった映画です。

 

監督はソン・チャンヨンという方と、イム・ソンヨンという方のお二人なんですが、ちょっと複雑な経緯があったようで、最初の公開版はソン・チャンヨン監督が監督されて、再編集されて半年後の2020年5月13日に再公開された「監督版」の監督がイム・ソンヨン監督らしいんです。

 

なんで監督がお二人なのか不思議ですが…。

 

イム・ソンヨン監督の最新作は今年の2月8日、韓国で公開される『私たちの愛が香りとして残る時 우리 사랑이 향기로 남을 때』です…。

 

 

主演はユン・シユン、ソル・イナ、ノ・サンヒョン。

 

ザッと調べてみるとラブストーリーのようですが、日本にも来るかな~。

 

劇場公開版を監督したソン・チャンヨン監督の監督作は…

 

キャンパスSカップル Campus S Couple (2014年)

ビッグ・ディール Big Deal (2014年) ※完成しなかったようです。

救世主:リターンズ Oh! My God: Returns (2017年)

フェイスレス 顔のないボス (2019年)

 

ちなみに日本で発売されるDVDは上映時間から推測して、イム・ソンヨン監督の「監督版」のようですね。

 

いや、やっぱりなんか、いろいろ謎が多い…汗

 

 

『フェイスレス 顔のないボス』のキャストですが、主演はチョン・ジョンミョンさん…私、久しぶりに見ましたわー。

ドラマはもっと出てられますかはてなマーク

 

『フェイスレス』のキャストは、そんなアクの強いヤクザヤクザした俳優さんじゃなく、シュッとした青年ばかりです。

そこがまたノワールっぽくなく、綺麗に見えすぎる原因なんですけどね。

でも、ヤクザの世界に入っていく若者たちの映画ですので…主役のサンゴンも大学卒業後の年齢で十年を服役し、映画の最後では30代半ばか後半でしょう。

そういったまだ若いヤクザの映画ですね。

 

キャストについては私の知らない方々がほとんどでした。

 

 

けっしてサンゴンと別れない裁判官、のちの弁護士チョン・ミンジョンを演じたイ・シア。

 

設定的にはけっこう無茶だと思いましたが、でもね…

 

キム・ヨンジェさん演じるヤクザの幹部、シン・ハジンという男が出てくるんですが、この人が嫁はどうでもいいけど娘ミヨンだけが大事な人で…自分が服役している間、ミヨンが家出してしまったのでサンゴンに面倒を見てくれるように頼みましてね…その高校生のミヨンのこともミンジョンがフォローするんですけど、そのシーンがまた私は好きですね~。

 

ミンジョンがまだ子どもな高校生のミヨンと話す中で、さして悪びれるふうもなく「だって夫がヤクザだもん」とサラッというのが面白くって好きでした。

まあ、ミヨンもお父さんがヤクザさんなので、ミンジョン、「私たち 気が合いそう 父親と夫がヤクザだもの」とも言いまして…後半でサンゴンのお母さん、ミンジョン、赤ちゃん、そしてミヨンでなんだか楽しそうに暮らしてるのも好きでしたね。

この映画、「ヤクザも幸せな家族が持てる」って映画だったらよかったのに…それだと趣旨がブレるか。

 

ヤクザ、ヤクザ、ヤクザ…そんなに特別扱いして嫌うべき人たちかなあ…確かに。

 

そういった感じで…『フェイスレス』は確かに変なところが多くて、問題を抱えた映画だと思いますが、私は観ていてイヤじゃなかったし、好きなシーンも少なくなかったですよ。

キャストも好きですし。

 

いや、それにしても、だったら114分の「最初の公開版」で観たかった。

12分くらい違ったらだいぶ違いまっせ。

だったらやっぱり長い方がええどすなあ。

 

ただ、残念ながら『フェイスレス』は『息もできない』(2009年)や『新しき世界』(2013年)のような大傑作ではないです。

そういった作品を期待するともの足りないでしょうね。

同じジャンル、方向性ではあるんですが。

 

そういえば『新しき世界』のブルーレイが4月4日に再発売されるようですね…NEWNEWNEWNEWNEW

 

 

買い逃していた方々は買ってくださいね。

 

『フェイスレス 顔のないボス』ですが、キャストのファンだったりしたら観てみてください。

悲しい映画ですけどね。

 

今日もおおきに…カムサハムニダっすキスマーク

アンニョン(^.^/)))

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


フェイスレス 顔のないボス
原題:얼굴없는 보스 顔のないボス
英語題:The Faceless Boss / Unalterable


制作年:2019年
韓国封切:2019年11月21日 / 2020年5月13日(監督版)
上映時間:114分 / 99分(監督版)

PD:ソン・チャンヨン、キム・ジヌィ
監督・脚本:ソン・チャンヨン [第3作]
助監督:ファン・ジョンウ
撮影:ペ・ヨンス
照明:」キム・ドンヒョ
編集:キム・ミヨン (THE COLOR)、キム・ヘギョン
音楽:パク・ソグォン(ママゴリラ)
美術:チョン・ソンギュン (NEMO)
武術:ユ・サンソプ、チョン・ヒジュン

出演
チョン・ジョンミョン → サンゴン
チン・イハン → チョルフェ
イ・ハユル → テギュ
カク・ヒソン → サング
キム・ドフン → ヨンジェ
イ・ジフン → カン・チャンワン
イ・シア → チョン・ミンジョン
キム・ヒョンミン → ピョ・スホ
イ・ムセン → チャ・ジュンヨン
ムン・ソジュン → サンギル
イ・ジュソク → サンゴンの父
キム・ヒリョン → サンゴンの母
パク・ヘジン → テギュの母
キム・ミンギョン → サングの母
パク・チヘ → サングの妻

特別出演
チョン・ウンピョ → ユン・ジョンホ

 

※ 輝国山人の韓国映画様から転載させていただいてます。