アイランド -時を盗む島-
アンニョンです…いつも、どうも(^-^)ノ
20日はこの映画を観ました…
韓国では2015年11月に公開された作品です。
日本では劇場未公開になったようだけど、DVDが2016年4月に発売されました。
2016年4月…今はブログを更新されてないんですが、韓国映画のお話でとても気の合うブロともさんのayetanさんがご感想を書かれて ―― その時からずっと観たかった作品です。
ayetanさんのレビュー ⇒
私も2014年から韓国映画について書いてきて、まだまだ観ていない作品が多いんですけど、できるだけ観ていこうと思います、終わり、さようなら。
違う(≧∇≦)
え~、そんなわけで私も7年越しで観た作品だけど、作品に興味を持ってもらえるよう、いろいろ深く書きますね。
まず最初にですが、Amazonさんのレビューに目を通させてもらったところ、この作品を「アマゾン プライム・ビデオ」で視聴すると非常に画質が悪いらしい。
私が確かめたわけではないんですが、どうもDVDで観た方がいいようなので、観られるのならレンタルDVDさんで探した方がいいかもしれない。
私はDVDを借りてきて観たんですが、画質はそこまで鮮明ではないし、最新の映画には劣るかもしれませんが、まあ、普通だったと思います。
不慮の事故で家族を失い、失意に陥ったKは、遺産として譲り受けた故郷の家を訪ねる。“毎晩のように幽霊が徘徊するため、この家には誰も住めない”と住民は言うが、Kは物ともしない。やがて誰も寄り付かない廃墟となったその家に住み始めたKは、噂通り毎晩家の中で謎の声を聞くこととなり…。謎の島で繰り広げられる震撼ミステリー・スリラー。
※ 念のため、何も知りたくない方はご注意ください。
うちの書いたものを読まれますと、きっと映画の結末が予想されちゃうと思います。
この作品は『ピーター・パン』(1911年)の作者として有名な英国の作家、ジェームス・マシュー・バリーの戯曲 『メアリ・ローズ Mary Rose』(1920年)が原作だそうです。
※ ネタバレになるのででご注意くださいね。
このあらすじを読むと、映画の結末が予想できてしまうので…。
『メアリ・ローズ』は二度消えた少女、メアリー・ローズの物語である。
少女の頃、メアリー・ローズは父親に連れられてスコットランドの離島に行った。
彼女は父親が目を離した隙に姿を消してしまう。人々は少女を探し島の隅々まで徹底的に捜索したがメアリー・ローズが見つからなかった。
21日後、メアリー・ローズはいなくなった時と同様、ふいにまた現れるが、不審な点はなく、いなくなっていた間の記憶もなかった。
数年後、結婚して子どもを産んだメアリー・ローズは夫を説得して同じ島に連れて行ってもらうが、彼女は再び姿を消す。この時は数十年の期間であった。
彼女が再び発見された時、彼女は一日も年をとっておらず、時間の経過を認識していなかった。すでに彼女の息子は大人になり、母親よりも年上となっていたのだった。
―― 英語版ウィキペディアのあらすじを、私が好きなように書き直させてもらいました。
原作の『メアリー・ローズ』ですが、韓国映画の『アイランド』と確かに、重なります。
メアリー・ローズ=イ・ヨンジュの物語が同じです。
しかし、『アイランド』は原作をもっと3倍か4倍に広げたような映画です。
でも、英国の作家の戯曲に基づいて韓国が映画にしたのか…と知ると、なるほど…と思いました。
映画のために新たに創作された物語がいかにも韓国らしかったからです。
韓国映画のファンとして、そんなふうに感じましたね。
また ―― アルフレッド・ヒッチコックは若い頃、ジェームス・マシュー・バリーのこの劇の初演を観ていた。映画監督としてのキャリアの後半で、彼はそれを映画化したいと考え、『マーニー』(1964年)の脚本を書いた後のジェイ・プレッソン・アレンに脚本を書くように依頼した。しかし当時ヒッチコックはユニバーサル・ピクチャーズと契約を結んでおり、スタジオはこの計画を「厄介すぎる」と考え、商業的な魅力が十分ではなかったため、製作を承認しなかった ―― そうです。
私はアルフレッド・ヒッチコックの作品に詳しくはありませんが、『アイランド 時を盗む島』を観て、ジェームス・マシュー・バリーの『メアリ・ローズ』を知って、ヒッチコックのそのエピソードを知って、なるほど…と思いました。
「失踪」というテーマに何かしらの共通点を感じます。
また私は、米国の作家ジャック・フィニイの幾つかの作品も思い出しました。
『アイランド 時を盗む島』はファンタジー映画です。
また、SFってジャンルにも該当すると思います。
韓国映画や韓国ドラマのファンの方々は、「時間」や「タイムスリップ」をテーマに扱うファンタジー作品を幾つも思い出されるでしょうね。
フランスの作家ギヨーム・ミュッソのベストセラー小説『時空を超えて Seras-tu là?』を映画化した『あなた、そこにいてくれますか』(2016年、ホン・ジヨン監督)もありました…。
映画は前半 ―― あまり怖くないのですが ―― ホラーのテイストもあり…私は韓国映画の中のファンタジー、ホラーのイメージを思い出していました。
『アイランド 時を盗む島』は2015年で、そんなに古い作品ではないのですが、なぜかちょっと古めに感じられ、私には2000年代の韓国映画に感じられました。
その2000年代っぽさが私はたまらなく好きなんですね。
私は2000年代の韓国映画が大好きなんですよ。
なんとか、その2000年代の韓国映画の良さについてきちんと書きたいものですね。
パク・ジンソン監督のこれまでの経歴…
1942奇談 2007年 原作
魔女の棺 Evil Spirit ; VIY 2008年 監督、脚本
小説、映画と出会う Shorts Meet Shorts 2013年 監督、出演
THE BODY 2015年 短編映画 25分 監督 ※ 『小説、映画と出会う』の一篇。
アイランド-時間を盗む島 2014年
映画光連続殺人事件 The Cinephile Killer 2019年 監督
私は監督の映画は『アイランド』を観ただけですが…『1942奇談』の原作にも参加されてるんですね。
監督の弟さん、キム・ジンソク氏も、『1942奇談』の原作、『魔女の棺』の脚本に参加されていて、『小説、映画と出会う』は4人の監督による3話のオムニバス映画のようですが、キム・ジンソク氏も『THE BODY』をお兄さんと共同で監督されています。
『魔女の棺』はホラー、もしくはファンタジー映画でしょうか。
怖そうだけど観たい…。
『アイランド 時を盗む島』の主演はオ・ジホさん。
事故で妻と子を失い、絶望した「K」はすっかり忘れていた故郷の島にある家を亡くなった祖父母の遺産として受け継ぐ。
その家にやって来た彼だが、生きる意志を失っていた。
島の人は家に出る「幽霊」の話をしたが、「K」も不気味な物音を聞き、ついに若い女性の幽霊を見る。
さらにその幽霊が両親と話している光景をも目にするのだが…って話です。
私がこれまでに観たオ・ジホさんが出演した映画は ――
寵愛(2000年)
セックス インポッシブル 男はみんな狼だ!(2003年)
第7鉱区(2011年)
風と共に去りぬ!?(2012年)
ハイヒールの男(2013年)
ラブ・クリニック(2014年)
…といったところですが、初めて観たのは忘れもしない、『第7鉱区』で、あれ韓国の人ってごっついなあ~って即、感じたのをよく覚えてます。
日本の男優さんよりも韓国の男優さんは大きく見えますよね。
オ・ジホさんは彫りの深いお顔立ちもあって、何となく「堅物」役が似合うイメージなですが、そういった意味では私が観た中ではラブコメの『ラブ・クリニック』が非常に良かったです。
『風と共に去りぬ!?』も軽~いチャ・テヒョンさんとのコントラストが素晴らしかったですよね~。
また、2000年の『寵愛』はエロス系なんですが、そのジャンルでもかなり良かったんですよね。
『セックス インポッシブル』はまだ一度しか観てないけど、DVDを持ってますよ。
謎の女性、イ・ヨンジュを演じるのはムン・ガヨン。
私は彼女の記憶がなくって、これまでに5作、出演した映画を観てるんですけど、印象が残ってないです。
ドラマの方ではもっと活躍されてるようですね。
『アイランド』のムン・ガヨンは、儚く、美しかったです。
島を彷徨っていた「K」にまとわりつく「妙な少女」が出てきますが、この女の子がちょっとコミカルで映画に彩を与えてくれてるんですね。
言うことはなかなか鬼畜ですが、監督の趣味なのか、かなり不思議な女の子で…いろいろと知識が豊富なのか理解不能…「スパルタカス」とか。
「妙な少女」を演じるのはユン・ジウォン。
『今日よりもっと!!』(2016年)ではシム・ウンギョンの同級生役だったようですね。
ユン・ジウォン…なんというか、女優さん女優さんしてなくって、「友達にいそうな人」でした。
そこがまたイイ感じなんですけどね。
映画でのキャラは確かに「妙な人」ですけど。
私の勝手な妄想ですけど…大林宣彦監督の『異人たちとの夏』(1988年)という作品がありましたが、『アイランド』があの味の結末でも良かったかなあ…なんて考えました。
けど、それだと主人公が結局、死んじゃいそう(>_<)
まず、現在の「K」の物語、過去にあった不思議な出来事、そしてイ・ヨンジュという女性、彼女の両親、夫…頭の中で整理しながら私は観ていましたが、難しい映画ではないように思えます。
最後、思わず落涙しそうになりました。
もっと詳しく書きたいのですが…これまで韓国映画で観てきた「家族」の捉え方…「家族」は家族の自殺を止めるものです。
物語上、イ・ヨンジュが二度目に島へ行ったこと、その衝動を不思議にも思いますが、結果として「そういことかな」と腑に落ちました。
パラドックスも感じますが、人の気持ちは深く理解できたつもりです。
こんがらがりはしますけどね。
韓国では災害レベルの大コケになったそうですが、もともと低予算映画でしょうし、あまりガツガツ儲けたろうというような作風の映画じゃないです。
愛する人から愛されるタイプの静かな映画。
「喪失」がテーマであり、その真相を知る中で、心癒される映画です。
考えるのです ―― 失った悲しみをどう乗り越えればいいのかと。
この映画の不思議さの中に、優しさがあるように思います。
とてもいい映画だと思いましたし、埋もれてしまうのはあまりにももったいないと言うしかありません。
島の風景も素晴らしいです。
韓国映画のスタンダードな作風とはまた違うので、韓国映画の領域を広げるような作品でもあり、オススメしたいと思います。
今日もおおきに、ありがとうさんでした…
アンニョン(^.^/)))
アイランド 時を盗む島
原題:아일랜드-시간을 훔치는 섬 アイランド-時間を盗む島
英語題:Island
撮影期間:2014年6月23日~2014年7月27日
韓国封切:2015年11月26日
日本版DVD発売日:2016年4月2日
原作:ジェームス・マシュー・バリーの戯曲 『メアリ・ローズ Mary Rose』(1920年)
PD:チェ・ウォニョン
監督・脚本:パク・チンソン [第2作]
助監督:イ・サンベク
撮影:チョン・ソンウク
照明:イ・ウンス
音楽:パク・ジンソク
武術:イ・ゴンムン
出演
オ・ジホ → K キム・ジュニョク
ムン・ガヨン → イ・ヨンジュ
ユン・ジウォン → 妙な少女 リュ・ヘリン キムニョン(金寧)飯店の娘
チャン・ヒョクチン → ヨンジュの父 教授 地質学者
シン・ドンミ → ヨンジュの母
カン・ピルソク → キム君 船乗り キム・サンヒョン
キム・ドゥヨン → 船頭
ソ・ボイク → 子供の父
イ・グァンフ → 写真館主人
パク・ソンミ → 老婆
イ・スンジン → 幼いヨンジュ
キム・ヨンテク → 遊園地 男
ヨ・ジヒョ → 遊園地 ガールフレンド
キム・グァンヒ → 釣り人 父
イ・サンベク → 釣り人 息子 [助監督]
ヤン・ジニョン → 邑事務所 職員 キム・ソン
テピョンイ → ペック(犬)
特別出演
キム・ミンサン → キムニョン(金寧)飯店 社長
キム・ヘナ → 子供の母
※ 輝国山人の韓国映画様から転載させていただいてます。