2020.2 臨時号 NO.128  ふっこ VS  ふっこ

 令和に元号が変って初めての正月を迎えた。明治の世は、大政奉還、王政復古より日本の近代化が進められた。令和の時代は、“往政復興”により、日本の良き時代における往年の政治を復活させ、劣化した日本経済社会の復興を成し遂げるべきではないか。

 人は道を間違えたと思ったとき、間違えたと思うその時点まで戻るだろう。それはいつか。21世紀が幕開けしたときに誕生した小泉政権の時代と見ることもできるのではないか。

バブルの後始末の失敗による経済の低迷を「失われた20年」と評するが、政治の面では「失われるべき20年」と呼ぶべきではないか。

 小泉首相発の新自由主義(ネオリベラリズム)の政治が、貧富の格差を拡大させ「格差社会」が「階級社会」へさらに深刻化させ、“天皇制社会主義”が揺らいでいる。天皇制社会主義とは、革命により誕生したソ連や中国のそれとは当然違う。革命が、賤の、貴に対する強烈な嫉妬心と野心から生まれるならば、そこに誕生するのは社会主義国家ではなく独裁国家。日本の唯一無二の天皇制社会主義とは、天皇の下に国民がみな平等であり、聖徳太子からの和の精神と、頻発する火山噴火、大地震、津波等の自然災害から助け合う心が醸成され、富めすぎる者も貧困にあえぐ人も作らない。身の貧しさよりも心の貧しさを恥じる。その日本人の美徳・価値観を表象したものだ。

 小泉政治を安倍政権も継承している。アベノミクスも輸出企業と富裕層に利しただけ。それも日銀に無茶苦茶な無駄遣いをさせて。

「ふるさと納税」という寄付もしかり。返礼品は何件寄付しても負担は2千円だけ。高額納税者は家の食材をすべてふるさと納税で賄うと豪語し、その一方で少額年金生活者や低所得者は1件の利用すらできない。他自治体への寄付で税収が減った当該自治体の住民サービスの低下によるデメリットはふるさと納税を利用できない低所得者がもろに被る。

 父親に情がないと言われた安倍首相はともかく、補佐する菅官房長官がふるさと納税の率先垂範の旗振りをしていると見られるのはどうしたことか。

 「続 昭和の怪物 七つの謎」(講談社現代新書)で、著者保阪正康氏は、貧しさから身を起こし首相に上り詰めた田中角栄について、毀誉褒貶に触れる中で「庶民の視線を忘れず、政治信条は庶民の生活を守ること」と評した。似た境遇の出?の菅官房長官が新元号・令和の発表の際の上気した顔見て、この人物の政治家を目指した志は何なのかと訝った。

 裁判員制度も小泉政権時代の遺産。司法制度改革推進本部が裁判員法を国会に提出し、2004年に成立。2009年より裁判員制度がスタート。私は、本ブログ20196月号NO.115(さいばんVSさいだん)等で抜本的な改革を忌避するために国民を巻き込んだまやかしと批判した。国民も制度への疑問、負担感が高まり、辞退する人が2/3に達する。

 一方検察には、警察から上がってきた事件を立件するだけではなく、日本の美徳・価値観を守る役割があると思う。捜査に利するため他人負罪型の日本版司法取引を導入して、日本人が恥じる“他人を売らせ”、日本人の美徳を損なわせるなら、本末転倒であろう。

 日本を統治するエスタブリッシュメントの一角を占める最高裁、検察の上層部に対して、「主権者たる国民を利用するような真似はすべきではない」と言えるのは、象徴天皇にその発言が許されないなら、三権分立とはいえ、一国の首相しかいない。しかし、モリ・カケ問題に続き「桜を見る会」で私物化が疑われる安倍首相にそんなこと言える訳がない。

新首相の下で、法曹の一元化を初めとする法曹界の抜本的な改革を議論してもらいたい。

ゴーン氏事件は検察の「人質司法」や日本版司法取引等の問題点を検察に縁のない善良市民にも広く知らしめた。国際世論の批判に応えて刑事司法制度の改変も着手すべきだ。

公権力の私物化が問題の折「行政」の中にある検察と権力者との関係も見直しすべき。安倍夫妻を震源とする森友学園問題に絡む文書改竄問題で佐川局長らを大阪地検特捜部が不起訴にしたのを選ばれた国民からなる検査審査会で「不起訴不当」の判断が下された。

しかし、「起訴相当」ほどの強制力はなく、再度検察の捜査が始まっても、三審制をとる裁判所と違い、同じ検察の別の検事か捜査しても権力者に絡む問題で違う判断をするとは思えない。実際そのとおりにまた不起訴になった。下々に寛容な面がある検察に起訴を猶予する権限を持たせる「起訴便宜主義」を変えるべきでないのなら、検察の不起訴判断が不当なら予審判事が担当するということも検討されるべき。1949年に予審判事が廃止された経緯を検証して。さらに、地検特捜部も、権力者に立ち向かえず、その反動がごとく、権力を持たない弱い立場の人々に傲慢に強権を振りかざす。そんな特捜部なら必要ない。

 

 メリットよりもデメリットが浮き彫りになってきた「小選挙区制」は、小泉政権の産物ではない。小泉政権誕生の5年前に施行された。私が畏敬する後藤田正晴が生みの親だとも言われる。今の自民党を予見し中選挙区制からの移行に反対していたのが当時の小泉議員(言と裏腹に首相時最大限利用したが)というのは、私にとってはこれほどの皮肉はない。

 たしかに、二大政党化に寄与すると見られ、簡単に政権与党が替わるが、本ブログ20185月号NO.92(「かんりょうVSまんりょう」)で指摘したように、生煮えの首相が誕生し、素材自体も悪ければ、それをありがたく頂戴する国民はたまったものではない。

 民主党政権が瓦解すると、今度は小選挙区制が政権与党に有利に働きだした。議席に結び付かない「死票」が大量に出ることや民意と議席の乖離という弊害が露呈してきた。

 それにとどまらず、小泉元首相が予見した通り、選挙公認という生殺与奪権を握った官邸による独裁体制が自民党内に敷かれた。それは政治家と官僚との関係も、Win-Winの関係からLose-Loseの関係に変えてしまった。国民の公僕として大所高所から日本を牽引するとの志に燃えた官僚が立案し、その果実を大臣や首相が得た。今や、『官僚たちの冬』(小学館新書)の田中秀明氏が言うように幹部官僚の人事をおさえた官邸の“下僕”に成り下がり、モラルとモラールを低下させた(官邸内の官僚以外の)官僚たちは、官邸からのオーダーを吟味することなく、おざなりな資料を作り、チェックもなおざりする。媚び、忖度し資料データーをいじる。問題が発覚すると、日頃の慇懃無礼な扱いの恨みを晴らさんばかりに野党議員にサンドバック状態されてしまう。テレビでそれを観た東大生は何と思うのか。

 日本が模範とした英国の二大政党制も今や機能していない。そんなことなら、いっそのこと、中選挙区制に戻した方がよいのではないか。

 

武士道精神の流れをくむ官僚道を踏み外した佐川元理財局長はまた検察捜査の対象となった時、起訴如何に関わらず忸怩たる思いをしていたのではないか。『葉隠れ』の山本常朝が言うように、二者択一に際しては、死ぬ確率の高い方(左遷)を選ぶべきだったのだ。

過去それを具現したのが、なんと武士とは対極の昭和天皇であった。マッカーサーに対して「全責任は私にある」と言い(無論延命を期しての発言ではない)、敗戦日本の無血統治には天皇制が不可欠とするマッカーサーの思いを確信に変えさせた。天皇とは真逆の言動をとった、首相の近衛文麿は、次第に、マッカーサー、米国政府、日本国民からの反発を買い自裁に追い込まれた。天皇と同じスタンスであれば、A級戦犯(死刑)は免れないとしても、福田和也氏が著書『<新版> 総理の値打ち』(新潮新書)で明治以降の首相の中でダントツの最下位の点数を付けたように、後世の酷評に晒されることはなかったのではと思う。

 外務省佐藤優氏も国策捜査の折上から鈴木宗男議員を売れと言われたが、断った。それで逮捕される目に遭ったようだが、芯を通し、周りから信頼も得て作家として大成した。

劣化した日本社会の今時こそ(他人を売る日本版司法取引とは真逆の)武士道精神の復活がぜひとも必要なのではないか。

令和の世は、問題や矛盾を抱えながら「和を命じる」時代ではなく、改めるに憚ることなく、不信も疑心もない「礼()をもって和()する」時代になってもらいたいものだ。

 

2020.2 NO.127 じょいてんのうVS じょいてんのう                                          

 眞子様と小室圭氏との婚約問題について、芸能人のゴシップと同様なマスコミの過熱報道を本ブログ20193月臨時号NO.111(「ひゃくVSしゃく(1))で批判した。今は沈静化している。もっとも小室氏側が何も動いていないだけなのかもしれない。

 今となっては、国民の大勢は、「婚約は破談にすべき」「結婚されるとしても国費から支給される一時金は辞退されるべき」ということになろうか。いずれにしろ秋篠宮家の私事として早晩結論が出ることであろう。

 しかし、結論が出ない。後退した感さえあるのが、女性宮家創設問題。

 眞子様の婚約問題に加え、昨年3月にICUの卒業にあたり、報道陣にあてたご回答の中で、眞子様について「結婚においては当人の気持ちが重要」「姉の一個人としての希望がかなう形になってほしい」と発言された以降美しいプリンセス佳子様に対する、世論、マスコミのスタンスが変化した(急先鋒と見える週刊新潮は「公」より「私」を優先かと捉えそれを揶揄するがごとく昨年8月の号で「佳子さまは普段、何をされているのですか?」を記事にした)。さらに、飛び火し、お二人の内親王とは立場の違う悠仁様に対する帝王学を心配する声が聞こえるようになり、愛子様を天皇にとの声が高まってきた。

私自身は女性天皇の存在について反対する立場ではない。過去にも例があることでもある。現在の皇室典範は法律に過ぎず、第一条の「皇位は、皇統に属する男系の男子が、これを継承する。」を変えることは難しくない。ただ、女性天皇実現のハードルは低くない。

国民が天皇の直系としての愛子様を女性天皇にと望んでも、それは必ずしも直系で続いてきた訳ではない126代の歴史を否定するとの反対意見が出ることが予想される。

 過去の女性天皇は、みな独身。それは女性天皇と夫との間の子を次の天皇にする女系天皇をこれまで認めていないことに起因するのか。「リベラル」は男女平等なのだから女系天皇を認めればよいと言う。しかし、「男系男子による万世一系」を覆すのは容易ではない。

 女性天皇は主につなぎの役割を担ってきたが、愛子様(18)と悠仁様(13)5歳しか違わない。それがネックに? 仮に悠仁様が5歳で愛子様が35歳であれば、悠仁様が成人されるまで愛子様が15年ほど女性天皇の地位につかれるのであれば、異論は出ないだろうが。

 ご聡明と耳にする愛子様が202112月成人となられ翌2022年から皇女として本格的に公務をスタートされれば国民からの人気が沸騰し女性天皇誕生が熱望されることになるのかもしれない。が、権力者に政治利用されるとか、国民主権だからと言って、EUからの離脱問題で英国民がムードに流され大混乱を招いた国民投票は避けてもらいたい。

 

 女系天皇には、反対の立場。英国のエリザベス女王は女系国王。崩御すれば夫エジンバラ公との間に生まれた第一子チャールズ皇太子が国王に即位する。その後は皇太子と故ダイアナ妃との第一子ウイリアム王子。その王子とキャサリン妃との第一子ジョージ王子と続く。将来ジョージ王子の第一子が男子になるようなことがあれば、もうエジンバラ公を男系始祖とするエジンバラ王朝と見てもおかしくない。エジンバラ公は、どこの馬の骨ではなく、歴とした貴族ではあるのだが。テニス界のKならまだしもパラリーガル界のKを思い浮かべれば、女系天皇に消極的になる人が多いのではないか。

やはり、人の思惑が入り込む余地の少ない日本固有の今の「男系男子による万世一系」がよいということになるのか。共産主義者や一部の弁護士ら天皇制に反対する者(国民の2割前後?) は存在する。しかし、天皇の即位に際しその正当性に疑義を唱える者はいない。天照大神を皇祖神として126代連綿と続く史実ほど強いものはない。

 11家ある旧皇族を皇族に復帰させる動きもある。離脱して70余年にもなる。復帰を望まない人がいても不思議ではない。一部だけ認めるのか。国民は納得するのか。

旧皇族が復帰したとしても「男系男子による万世一系」の維持には「側室」が前提とならないのか。昨年5NHKは「125代におよぶ天皇のうち、約半分が側室の子」「過去400年間では側室の子どもではない天皇は109代の明正天皇、124代の昭和天皇、125代の前天皇の3人のみ」(126代今上天皇を含めれば4名となるが)と伝えた。

大正天皇は側室を置かず、昭和天皇は「人倫にもとる」と側室を排されたと言われる。敬服すべき昭和天皇は、側室を持とうと思えば持つことが出来たのに、終生皇后一人を愛されたことは世に範を示され、世の夫の鏡となられた。

 しかし、側室制度がなければ、男子を産まなければとのプレッシャーが大きく、悠仁様の妃になろうと思う女性が出てくるのかと心配になってしまう(女系天皇を認めても子を産まなければとの強迫観念は消える訳ではない)。それは娘の親御も同じ気持ちではないか。 

 

天皇の妃、皇后の役割は世継ぎを産むことだけではない。象徴天皇の現在、美智子上皇后がなされたように、“国母”として天皇と二人三脚で皇室外交を展開する役割も大きい。

 中東諸国が日本と友好関係にあるのは、中東を蹂躙していた英米に対し負けたとはいえ勇敢に戦った日本に親近感を持ったからと言われる。今はその米国と同盟関係にあり、安倍政権は米国への従属を強めている。その中で、サウジアラビア、クェート、ヨルダン等の王国が日本と友好関係を維持しているのは、皇室が世界にその範を示し続け、中東の王族が王室のあるべき姿として皇室を敬仰しているからに他ならない。

さらに前天皇・皇后がライフワークとされた、世界平和を祈る内外への慰霊の旅は、安倍政権による「また戦争をする国」との海外からの日本イメージを払拭させる。

皇族の方々による皇室外交については、詳細を知ることはあまりないが、西川恵氏の『皇室はなぜ世界から尊敬されるのか』(新潮新書)を読むと、そのすばらしさがよく分かる。

 美智子前皇后に続き、雅子皇后も元外交官のキャリアを生かし皇室外交に存分に力を発揮されることであろう。

 

「側室」が復活すれば、万が一皇后自身に男子が出来なくても側室が生んだ男子も皇后の子となる。さらに皇室外交という大きな役割もあるとなれば、悠仁様の妃になることへの憂惧はなくなるのではないか。

 昔は天皇と側室が寝所を共にしなければならなかったが、現代医学では、そうしなくても、子を作る方法はある(世継ぎの実母が表に出ないのは昔と同じ。江戸時代の天皇の側室は世継ぎを産めばすぐ子と離されたという)。天皇の愛が皇后のみに注がれることは守られる。昔の側室とは違うという意味では正室の代理「代室」と呼ぶべきか。

 こんなことを言えば、「“腹は借り物”と言うのか。」「時代錯誤」「男尊女卑」と石もて追われるのだろうか。だが、市民の間では、事情は違うとはいえ、元プロレスラーでタレントの高田延彦氏とタレント向井亜紀さん夫婦が米国人を代理母として双子の男子をもうけている(まさに借り腹ではないか)。日本では認められておらず、特別養子縁組で実質実子となっている。映画評論家有村崑氏と元アナ丸岡いずみさん夫妻もロシア人の代理母出産(代理母出産は数千万円の費用がかかる。日本の少子高齢化が問題となる中子を切望するがそんな財力がない夫婦でも子を儲けられるように日本でも認める方向で議論してもらいたい)。 

 杉田水脈議員は「LGBTは生産性がない」と言うも、米ゲイ男性がパートナーの男性の妹の卵子との対外受精卵を使って子を授かった。ゲイ男性の61歳の母親が代理母となった。

「代室」は無理と言うなら、(日本ではまだ認められていないが)体外受精後に受精卵の細胞を採取して染色体を調べ、XY染色体の受精卵を子宮に戻すという方法もあるという。

 倫理面等多々問題もあり安易には進められないとしても、医学の発達に伴い「男系男子による万世一系」を繋げる選択肢は多種多様に広がると思うのだが。

 

2020.1 NO.126  んなり VS  んなり

 最近京都を訪れることが多くなった。平成5年まで神戸に住んでいた頃はいつでも京都に行けると、修学旅行や銀行の社内旅行ぐらいでしか行かなかった。当時訪れたところは、金閣寺、銀閣寺、南禅寺、竜安寺、平安神宮、清水寺、太秦、貴船(川床)とベタで数少ない。

八坂神社も当時好きだった人と行ったハズなのだが、じっくり考えてもくっきりと思い出せない。昭和50年銀行の新宿支店に勤務の頃初めて二人で箱根の彫刻の森に行った際帰りが遅くなり銀行女子寮の同僚に心配させたことまではっきり覚えているのに。現か幻か分からない。20132NO.20(「カンオケ カラオケ」)に登場する彼女は既に関西に戻っている頃できっちり心の始末ができず未練がましく会いに行ったのだろうか。失恋が思い出の小箱にがっちり鍵をかけているのかもしれない。

なぜ、今になって京都なのか。お笑いミキのツイートはちっとも関係がない。どっきり阪神大震災が起きてから、20123月号NO.9(「アダム サダム」)に書いたように神仏を恐れるどころかきっぱり神社仏閣に手を合わせない。建築美、造形美もさっぱり。幕末の勤王志士、会津藩士、新選組がどう考えどう生きたかは我らぼんやりした現代人と対比する上で関心が高いが、龍馬がどこで斬られたかなどあんまり興味がない。日本人として千年の都の最低限の事はしっかり押さえておくべきとの思いはあるのかもしれない。

また、京都は古都であり食の都でもある。水の都大阪は“食い倒れ”と呼ばれるが、負けず劣らず京都も日本の食文化を牽引する。むしろそれが京都へ行く真の理由なのかも。

 たしかに、昨年伏見稲荷大社に訪れたとき、いけずにも4月のまだ冷たい雨がどしゃ降りでがっかり。すっかり稲荷山に登る気が失せ、元恐妻家でイケメン俳優西村和彦さんの実家の茶屋『仁志むら亭』に寄るのもさっさと諦めた。朱い千本鳥居をくぐっただけで、うどん屋『けんどん屋』に駆け込んだ。もっちりとしたうどんを食べ、ほっこりした。何がメインか分かったものではない。

 名所旧跡に訪れる際、どこで昼食・夕食を摂るか、食べログでじっくり下調する。『バカざんまい』(新潮新書)で「グルメサイトを信じるバカ」が載っている。それを私はきっぱり否定する。食べログは知らない土地でB級グルメの名店を探すのに羅針盤がわりとなる。私は次の3条件を設けている。皆原則がつくが、①点数が3.5以上(4.0以上は高級店が多い)、②業歴3年以上、③コメント投稿数50以上。自身の口に合うかどうかは別問題だ。

 食べログで3.54点の烏丸『アウーム』に、年1で旧交を温める高校の同級生である大阪の弁護士とその秘書の姫と3人で訪問した。食べるのがもったいなくとっくりを傾けながらいつまでも眺めていたいと思わせる。10数個の色とりどりの手織り寿司はインスタ映えすること大。はったりではなく、女性客がにっこりすること請け合いだ。

すっぽんの名店に『大市』がある。バブルの頃より安くなったと思うがそれでも3万円は下らないだろう。てっちりならきばって清水の舞台から飛び込む気持ちになる(実際博多『い津み』、下関『春帆楼』に天然フグを食べに訪れた)が、すっぽんでは首を竦めてしまう。

京都市役所前の京都ホテルオークラの中に『入舟』という京料理店が入っている。すっぽんの小鍋がついた豪華な朝食で話題を呼んでいる。これぐらいならとホテルに一泊し食してみた。個室のテーブル席で一人待っていると、小鉢(くるみ豆腐、イクラ、利休麩、じゃこ山椒煮等)、子持ち鮎の塩焼き、すっぽん小鍋仕立て、出汁巻玉子、焚合せ(冬瓜、焼茄子等)、味噌汁、お櫃のご飯(魚沼産コシヒカリ)、漬物盛合せ、焼海苔、季節の果物が運ばれてきた。質も高く量もたっぷりとある。

普段朝バナナと野菜サラダしか摂らない私は満腹を超え少々げんなりする。ごちそうでも一人で食べては興も乗らない。遊び人の社長さんなら綺麗なおなごはんと一緒にごはんを食べているのか。それなら食欲も湧くと言うものだ。庶民の私は、残念にも、ではなく、健全にも妻と一緒にということになる。妻は、朝からそんなに入らないと言うが、ごちそうを前にすると目がきらりと光り、残した私の分まできっちり平らげるに違いない。そして私は川柳を一句吐く。「もったいない もったいないが デブの元」と凡句をひっそりと。

もっとも妻は値段が5千円(税・サービス料別)と聞くや否や「もったいない。もったいない」と財布の紐をがっちり締める。それから私はみっちり絞られる。そうに決まっている。

 がっつり食べたい人なら値段も手ごろな四条『ビストロ希味』がお薦めだ。長女の嫁入り前に妻と3人で京都旅行したとき訪問した。無国籍料理の範疇に入ると思うが、年の瀬だったので、カニの肢やピザ、揚げ物等びっくりするほど品数(19種類ほど)が多いが、3千円(2,500円~)こっきり。コストパフォーマンス(以下「コスパ」という)は最高だ(今やカリスマ塾講師というよりすっかり芸能人セレブとなった感のある林修先生は割烹『大神』の20品、12千円コースを高コスパ料理としてTV番組で紹介している)

 

昨年末母の7回忌で妻を連れ神戸に戻り、翌日の帰路京都に途中下車した。八坂神社から秀吉の正室北政所が建立した高台寺に寄ったが、暖冬かちょっぴり紅葉が残っていて風情を感じた。そこから建仁寺を訪れた後近くにあるお好み焼き『かな』を覗いた。うすい生地に好きな九条ネギを乗せた店看板のねぎ焼きと定番の豚焼きなどを妻とシェアした。

そう言えばと、上京し社団にいた20年前の事を思い出した。会員と東京から一緒に大文字五山送り火を観に行った時飲食店のオーナー達は視察にお好み焼きのルーツとも言われる『壹錢洋食』を食べに向かった。宴会の後でもう満腹のハズなのに。さすが経営者、単に遊びに来ているのではない。事務局の私は立場を忘れうっかりをやらかしてしまったが。

 妻と『かな』を後にして河原町から嵐山駅(阪急線)に向かった。渡月橋を北上し、竹林の道に入った。ぎっしりとすし詰めというほどではないがぞろぞろと修学旅行みたいに人がつながり意味不明の外国語が飛び交えば情緒も何もあったものではない。やっぱり舞妓はんがはんなりと佇んだり、小雨の夕暮れ時相合傘の二人がしっぽりと寄り添うのが似合っている。もっとも、むっくりの妻ともっさりの私では、絵になったものではないが。

 上述とは別の嵐山駅(京福線)構内に、京友禅の生地を包んだアクリル製のポールがみっしり並べられた『キモノ・フォレスト』がある。夕暮れにライトアップされるまで時間があるので(桂川に面した旅館の敷地内にある)茶寮『八翠』に寄りひと時をゆったり過ごした。

英国式のアフターヌーンティでコーヒーや紅茶を飲みながら、たっぷりとは言えないが3段に分かれた小さなケーキ等を下の段から順に頬張った。香港に行ったことを思い出させる。古都にはミスマッチかもしれないが、新しいもの好きと言われる京都人には違和感はないのかもしれない。なにしろパンの消費量も京都府は県別全国一位でもあることだし。

 

今冬は、神戸での新婚当初妻の懐妊で中止した、デューク・エイセスが歌う『女ひとり』でお馴染みの京都大原三千院と世界文化遺産二条城に行きたいと思っている。当日の夜は焼肉にする。以前鴨川の川床で焼肉が食べられる『弘』木屋町店に足を運んだ。今回は太秦に近い芸能界人御用達の焼肉『有楽』にする。私はビール、甘酒が好きな妻はまったりとしたマッコリを呑みながら、評判のタンやハラミに舌鼓を打ちたい。

さらに、手持ちの特典をそっくり活用し、JRジパング倶楽部の3割引きで翌朝京都から新幹線・特急を乗り継ぎ松江に入り松江城や小泉八雲旧邸など探索する。翌日横山大観の130点に及ぶ作品と日本庭園で有名な足立美術館を経て、出雲大社に向かう(私自身は参拝せず見学するに過ぎないが)。その日は歌手竹内まりやさんの実家『竹野屋旅館』に泊まろう。帰りは電車で境港へ行き『水木しげるロード』を散策し、水木も愛した伯雲軒のブドーパンでも土産に買って帰ろうか。ANAで貯まったマイルを活用して米子鬼太郎空港からひとっ飛びで帰京するコースを考えている。

 年に2回は妻と旅行したい。妻はしぶしぶだが私は妻と旅行するのを好む。旅先では妻は仕切る自宅と違いしおらしくなるから。しっとりとした京美人みたいにはならないが。

 

2019.12 臨時号 NO.125 VS 

PGAツアーの新シーズンが既に始まっている。メジャーは来春からで第1戦のマスターズは4/9~開催される。注目は何といっても、先月初めて日本で開催のPGAツアーで完勝したタイガー・ウッズ選手がマスターズを連覇するかどうか。

数多くの記録を持つウッズ選手が破るか注目される記録が、ニクラス氏のメジャー最多の18勝。その記録を超すのにあと4勝だが、もう直44歳になることを考えれば微妙か。

 昨シーズン、マスターズ勝利後の毎年舞台が変る他の3つのメジャー成績は振るわなかった。それだけに同じコースで経験がアドバンテージとなるマスターズを勝つことがウッズ選手とって重要となる。ただ、マスターズは、メジャー大会であることに加え、優勝すればチャンピオンズロッカールームが持てることが一流プロのプライドをいたく刺激する。まだ勝ったことのない、「メジャー勝利しか要らない」と公言して憚らない世界ランク1位ケプカ選手(優勝7勝のうちメジャーが4)やマスターズ優勝で生涯グランドスラム達成となる同2位マキロイ選手、同3位ダスティン・ジョンソン選手などが、目の色を変えて臨んでくる。ウッズ選手をもってしても勝つことは容易ではない。

 海外女子プロゴルフ界では、5大メジャーの初戦となるANAインスピレーション(以下ANA)4/ ?~開催される。今年の5大メジャー優勝者は、(敬称略で)ANAとエビアン選手権がコジンヨン。全米女子オープンはイジョウン6、全米女子プロ選手権はオーストラリアのハナ・グリーン、そして全英女子オープンが“シブコ”こと渋野日向子(全米プロを制してから42年間後進のメジャー勝利を待ち焦がれた、レジェンド樋口久子さんは、試合中のお菓子を食べたりギャラリーとハイタッチする振る舞いや緊張が伝わってこないことで渋野選手を「新人類」と呼ぶも、孫が勝ったかのごとく喜んだ)

来年も上記メジャー優勝者と世界ランク2位パクソンヒョン選手の韓国勢3人と同4位畑岡奈紗選手、同10位タイのアリヤ・ジュタヌガーン選手らアジア勢で海外メジャーを争うことになるのか(そうなれば米国ファンは離れて米女子ツアーの人気も賞金も低迷する)

 

渋野選手は、メディア等が煽るも、来季米ツアーに行かない。世界ランク維持の為獲得ポイントの高い海外メジャー等にはスポット参戦する。とくに(東京五輪の前哨戦と言うべき)6/4~の全米女子オープンは頑張って欲しい。かつてニクラス氏は、「全米オープンと全英オープンとを両方制した者が真のメジャーチャンピオン」と言っていた。戦後では、(敬称略で)ベン・ホーガン、アーノルド・パーマー、ジャック・ニクラス、ゲーリー・プレーヤー、リー・トレビノ、ジョニー・ミラー、トム・ワトソン、アーニー・エルス、タイガー・ウッズ、ローリー・マキロイ、ジョーダン・スピース等となる。錚々たる顔ぶれだ。

それに擬えれば、女子プロでは全米女子オープンと全英女子オープンとなろう。両メジャーを制したのは、(敬称略で)アニカ・ソレンタム、カリー・ウエブ、朴セリ、朴仁妃、アリヤ・ジュタヌガーンの5名のみ。これら名選手と渋野選手もぜひ肩を並べてもらいたい。

2016年度末の世界ランクのトップ3は、上からリディア・コ選手(当時19歳)、アリヤ・ジュタヌガーン選手(同21歳)、チョンインジ選手(同22歳)。コ選手は現在世界ランク35位、インジ選手に至っては46位まで順位を落としている。

 17歳で世界ランク1位に輝いたコ選手はコーチやキャディーを次々と替え、元コーチで高名なレッドベター氏が「驚くほど無知な両親のせい」と親との確執を嫌悪感を露に暴露した。インジ選手の場合は1988年の全米オープンで初勝利したリサロッテ・ノイマン選手に似ているのかもしれない。ノイマン選手は早くメジャーに勝って却ってそれが重圧となって苦しんだ。201520歳で全米オープン、日本オープンを制したインジ選手も翌年エビアン選手権に優勝しフランスから凱旋帰国した際「国民の自分を見る目が変った。相応しい言動をしなければ」と言っていた。ノイマン選手と同様ショットメーカーで、パットも上手い。難しいセッティングのメジャー大会に向く。ただ飛距離が出る方ではない。パワーヒッターのパクソンヒョン選手やコジンヨン選手、イジョウン6選手ら後から来た韓国女子選手の後塵を拝している。結果が出ない焦りからかパットも不調に(ランク76)

俄かファンが知ったかぶりすれば、渋野選手もショットメーカーだが飛距離も出る。ハンドファーストの構えで曲がらず遠くへ飛ばす様は女ダスティンというところか。メンタル面は動と静の違いはあるが女ケプカと言えるか。これは天賦の才能。とくにプレッシャーがかかるメジャーではゴルフの実力以上に物を言う(1986年グレッグ・ノーマン選手が絶好調で4大メジャー各戦とも絶好の位置につけ年間グランドスラム達成もと見られたが、メンタルが弱く、勝ったのは中嶋常幸選手と優勝争いした全英オープンのみ)

加えて、ショットもパットも攻撃的な女セベと呼べる三拍子揃う渋野選手なら、ファンも指摘する課題が露見したが、必ずや克服し“見せるゴルフ”を貫いてくれるに違いない。

  

 海外メジャーでは後から来た渋野選手に先を越された畑岡選手は、日本女子プロ、日本女子オープンの二大メジャー連勝で黄金世代の旗頭としての貫禄と意地を見せつけた。

プロテストに落ちた頃既に雲の上の畑岡選手と互角に勝負できるのかとのきつい問いに、きっぱり勝負できると明言したという渋野選手は完敗から全英後の葛藤を捨て笑顔の内に闘志を滾らせたことだろう。他の黄金世代も二人に追いつけと切磋琢磨しているだろう。

小林浩美日本女子プロゴルフ協会(以下「協会」)会長は改革の成果と胸を張る。世界に伍するよう、ジュニアの育成、ステップアップツアーを世界ランクの対象にした。スポンサー等の協力を得て4日間トーナメントを増やしてもいる。

 黄金世代の台頭、2歳下のプラチナ世代の出現、渋野選手の海外メジャー勝利、鈴木愛選手のLPGAツアー優勝で日本女子ゴルフ界は新しいステージに入った。もっと誇りを持つべきだ。面積がカリフォルニア州(425千㎢)だけで日本全体(378千㎢)より広く移動が大変で、言葉等の壁、孤独感も味わう米ツアー(元米賞金女王申ジエ選手が母国近い日本ツアーに転戦したのも、それが主因?) に実績十分の鈴木愛選手以外行かない方がよいのでは。岡本綾子さんは30歳の時20勝と賞金女王をひっさげ日本の代表として渡米した。畑岡選手の米3勝も、米で1年程揉まれたからではなく、1718歳で日本女子オープンを連覇し今年一時里帰りで二大日本メジャーを連勝した実力が元々あり米環境に慣れ顕在しただけでは。

海外メジャー制覇への挑戦は、協会が大いに奨励、後押しするなら、男子ツアーと同じく賞金ランクに海外メジャー獲得賞金も加算すればよい。

かかる情勢変化の中で、プロテストに合格した選手でなけれQT受験させないという新制度が2020年度から実施される。要は、強い韓国女子選手を来させないためだろう。

日本の女子ツアーを(男子ほど日米に賞金額の差がない)米女子ツアーに匹敵する(日本、韓国、中国、台湾、タイ等の選手が参加する)一大ツアーに昇華させていく。そのよいチャンスでもあるのに、わざわざマイナーツアーに留めおこうとする協会の制度変更に対して、レベルの低下、ガラパゴス化を懸念する批判は少なくない。エビアン選手権チャンピオンのキムヒョージユ選手も日本への転戦希望を表明している(韓国選手の方が日本ツアーを評価している?)が、そんな強い選手こそ歓迎すべきではないのか。

今日本で活躍の全英女子オープン2度制覇の上述申ジエ選手(31)やアンソンジュ選手(32)はいずれ峠を迎えるだろう。今11/19時点の優勝者内訳を見ても、37試合中日本人選手の優勝は28試合(内黄金世代11試合)。外国勢(9試合)を凌駕できている。

 「韓国人優勝は見たくない」とネット上で見かけるが、イボミ選手が大活躍の時そんな声が大きかったか? 幕末尊王攘夷から尊王開国に改めたごとく協会も一刻も早く改めよう。

 

2019.12 NO.124 んどい VS んどい

今回は私の口述したのをそのまま書き起こした。

世の中全体が厳罰化して重く息苦しい空気を吸って生きるのはなんともしんどい。

 過日俄かファンになったシブコはんのネット記事の中から、来日したタイガー・ウッズ選手のスキンズマッチを見物していたシブコはんの写真を見てたら、笠りつ子はんも来ていて、「こんなベッピンさんやったんや」と初めて気がつきびっくりしたで。その矢先りつ子はんが暴言を吐いたと騒ぎになり二度吃驚してもたわ。

 嫁がオレに毎日のように言いよる「死ね!」は「早よ、あの世へ逝け!」と言う意味や。りつ子はんが言ったとされるのは言い合いの末の捨て台詞で英語のFuck Youとおんなじ。アホンダラ程度の意味でしかあらへん。一報が入った頃ゴゴスマで月曜のコメンテーターが、相手の男の方も悪いと言ってMCを慌てさせていたわ。喧嘩は両成敗が相場だが侮蔑的な言葉を投げかけたことは謝罪せなあかん。そんで本人が心から詫びたら、それで済む話やないか。ファンとのトラブルでもないのに、なんでプレーを自粛せなあかんね。プロはすばらしいプレーで罪滅ぼしするしかないやないか。タオルの問題も協会外で喧々囂々する問題ではあらへん。岡本綾子はんは、間違ったこと言ってへんけど、女子プロのレジェンドが「大問題ですよ!」といきなり世に拡散させた感があるんは、評価するネット民が多いねんけど、オレ的には?やな。

「かわいいふりしてあの子 わりと言うもんだねと・・・待つわ いつまでも待つわ りつ子はんが雲中白鶴と呼ばれる日まで」とあみんの『待つわ』の替え歌を歌って、みんなギスギスして余裕がなさ過ぎやと言うたら、嫁が「アンタは余裕あるんじゃない。呑気すぎるだけなんよ」と言いくさった。そんでちょっと言い合いになったんやけどな、さすがに嫁はいつもの「死ね!」は言わんかったわ。

 

納税申告漏れ問題でイケメンお笑い芸人徳井義実はんが、会見を開き謝罪したのに。日テレは番組変更なしと言っていたのに。謝罪会見で嘘があったと活動休止に追い込まれよった。徳井はんがまたカモンヌ!と叫べる日はいつになるんやろな。

日頃子供たちに「ウソはついたらいけませんよ」と言っている聖職者と呼ばれる教師らも不利な立場になると嘘つくやん。裁判では被告人が嘘ついても罪に問われへん。人は皆そういうもんなんやろ。「世間」は「司法」より厳しいんか。そんで日本は犯罪が少ないんか。けど、行き過ぎたら。中世の魔女狩りも最初はこんな雰囲気かと思ってしまうな。

ホリエモンこと堀江貴文はんは、世論次第で「刑事告発される可能性がある」と言いよった。ホリエモンには悪いけどな、ホリエモンの場合は、若者たちがホリエモンを既存秩序を壊すヒーローと仰ぎ見、村上はんと相まってこのままでは日本の美徳・価値観に反する欧米の拝金主義が蔓延すると危惧して検察は逮捕に踏み切ったとオレは思てる。

徳井はんの場合は、脱税額が逮捕の目安金額1億円の1/3であること。非を認め素直に追徴金併せて既に納付していること。社会的制裁も受けていることを理由として逮捕なんかされへんと思うわ。納税意識の欠如、悪質と言うたかて、世間は幼稚・杜撰さにあきれ果てるだけやし、他の芸人は納税に対する意識を新たにしたやろし。それで十分やろ。

 芸人が謝罪してそんでも気が済まん連中は、安倍首相にも「謝罪して済むんやったら警察いらんで!?」と言ってるんかい。内閣改造する毎に不祥事が発覚し早々と辞任する大臣が出る度「任命責任はこの私にあります。まことに申し訳ない」と言っているだけの首相に。なんどい!首相には言わへんのか。そやったら弱いもんいじめやろ。恥ずかしないんかい。

 世間は芸人をどないしたいねん。真っ当なサラリーマンにしたいんか。日テレの看板アナ桝太一はんがお笑いやっておもろいと思うんか。都はるみはんのデュエット曲『浪花恋しぐれ』の「芸のためなら女房も泣かす それがどうした文句があるか」の時代でないのは分かるが、芸人ちゅうのはサラリーマンに向かん奴がなるんやろ。そやからオレらにない発想で面白い事、無茶なことをやって楽しませてくれるんとちゃんかい。そやろ。 

 今は芸人のやることはおもろないと言わんばかりに、教師の方がアホなことをやりよる。神戸の激辛カレー事件の被害教師はたまったもんじゃあらへんが。もうテレビでは見られへん。和田アキ子はんが他の芸人に羽交い絞めにされた出川哲朗はんに激辛(実は辛くない)カレーを食べさせ出川はんが「ヤバいよ! ヤバいよ!」と言って顔を真っ赤にしてのたうつ。そんなコントはタブーになってしもた。芸人は営業妨害や!と教師らを訴えたい気持ちやろ。

 宮迫博之はんらの反社主催パーティへの直営業問題もそうや。うろたえてお金をもろてないと嘘をついたので、心証が悪くなってしもた。日頃の言動もあり宮迫はんの言うことは信用されへん面がある。そやけどあの明石家さんまはんが復帰に力添いしているところを見たら「反社とは知らなかった」と言うのはシロやろとオレは思てる。

そやったら、知らんで反社のパーティに出て反社の家族や子供たちを喜ばせたことがそんなに悪い事なんか。オレ頭がおかしいんやろか。馬鹿正直がスカートをはいたような嫁と娘に頭おかしいとよう言われるんやけど。

オレは、20199月号NO.119 (「ひげき VS きげき(2))で書いたように、暴排条例は憲法違反の恐れもある“悪法”だと思てる。そんでもソクラテスが言うたように「悪法でも法は法」。守らなあかんのは分かっとるが、「司法」は“疑わしきは罰せず”だが、「世間」は“疑わしきは罰する”なんか。宮迫はんが何で未だに「やっちまったなぁ! 芸人として追放されて当然。詐欺被害者たちにも謝れ!」とまで言われたままなんや。そこまで言う相手は、悪事と知って直接高齢者等に不正販売したかんぽ生命・日本郵便の職員の方だろうが。

 マスコミは、郵政グループの不正などお茶の間の関心が低いからそんなこと言わへんのか、あるいは郵政グループが怖いんか、それとも芸人を見下げているだけなんか。

芸人にサラリーマンと同等のモラルや社会倫理を求めてんのに、一方で芸人を見下したままなら、芸人の地位や権利を守る一般社団法人日本芸人協会があってもええんちゃうか。会長は人柄もええ変な権力志向もあらへん明石家さんまさんがええんちゃうんかな。

 

 返す刀で斬るけどな、相撲界もなぁ、親方が金属バットやビール瓶で弟子や付き人を殴る、横綱がカラオケ機器で殴打する。それと若い十両が手拳で付き人の頭を1回殴るのとは、おんなじなんか。

前から相撲協会に不信の目を向けているオレとしてはな、親から大事な子供を預かり親に代わってしつけ育てないといけないのに、そんなに簡単に路頭に迷わしてええんか。相撲界のイメージ、協会役員のメンツを守るだけで力士に対して愛があると思われへんのや。

 世の親は子供が2度万引きしたようなことぐらいで勘当なんかせえへんで。女優の三田佳子はん、息子に何度も何度も裏切られても、親も悪いと言われても、親子の縁はよう切れんと苦悶してはるんとちゃうんか。哀しいんやけどな、それが親心というもんやないか。

 鬼より怖い検察と言うてもな、「軽い罪でも犯罪は犯罪」とみな死刑を求刑したりせえへんやろ。それとな、起訴便宜主義と言うてな、起訴するかしないかの権限を検察が持ってるんやけどな。逮捕しても真摯に反省し謝罪している(フリだけなら見破られるけどな)と思ったら、嫌疑不十分や起訴猶予等を理由に不起訴にして釈放するのが大半みたいやで。検察が受理した事案で刑務所行きになるのは全体の2%もないらしいで。思ってたより検察は下々に寛容なんやで。

 

 世の中ムシャクシャするのは政治が悪いんかもしれんけど、他人を叩いてウサを晴らす奴、他人の成功が妬ましく足を引っ張りたい奴、そんな連中に乗っかってないか、おなごはんの胸じゃなく自分の胸に手を置いてよう考えておくれぇな。なんやて!? 「オマエはふざけ過ぎや!」てか。堪忍してぇや。不寛容はあかんよう。

 

2019. 11 臨時号NO.123  TOHO VS TOMO (2)

 私は平成4年に蓄膿症(急性副鼻腔炎)の手術を全身麻酔(局部麻酔で十分ではと疑問を持てはいたが)で神戸大学の付属病院で受けた。全英女子オープンを制した渋野日向子選手もこの前急性副鼻腔炎で心配されたが大事に至らなかった。私も右上の歯が痛くなり歯医者に行くと副鼻腔炎だと大学病院を紹介された。手術が終わり麻酔が冷める頃、指導医師が若い医師に「患者がどんな状態か、どんな思いか。全身麻酔を経験しておくべきだ」との声が聞こえてきた(仔細は別の機会に「ますいVSまずい」で記す)

前述の天皇(現上皇)の前立腺全摘手術につき、宮内庁の職員は、手術までは無理としても全身麻酔を受け、眼が覚めたら全身管だらけの状態を数日間自身が体験した上で(天皇の)手術を選択したのであろうか(宮内庁職員にそこまで要求するのは酷というものか)

そうではなく、陛下を治療するとなると、日本の最高権威の病院になろうが、そこに丸投げしたのか。最高権威となれば東大医学部の外科となろう。前立腺がんの治療は欧米では放射線治療が主流であるが、日本では外科が本流で放射線科がまだ亜流の位置付けに置かれ続けているのでは。それで手術することになったのであろうか。

よく動く胃などの癌は外科手術が向いているが、前立腺がんは放射線治療が主流となるべきだと思う。東大医学部は陛下の手術とその後の経過についてどう総括しているのか(なお、美智子上皇后は本日85歳の誕生日を迎えられたが、そんなご高齢にも拘わらず、同じ東大病院医学部付属病院で先月乳がんの手術を受けられた9/8付けの共同通信によると、全摘ではないという。体に負担のある全身麻酔までして手術した病院側の了見は如何に)

週刊現代昨年9/1号の特集でも、『医療先進国ドイツとフランスで「やらない手術」』で「前立腺がんで摘出手術はNG。」と真っ先に挙げている。

 しかし、3か月前のこと。著名演出家で影響力のある宮本亜門氏が前立腺がんを公表し、手術を選択すること、手術が成功したことなどをマスコミに話していた。茶の間の視聴者者に手術が最善?との印象を与えないかと懸念した。TV健康番組の検査で前立腺がんが判明した関係で手術なのか。それとも宮本氏の自由意思ならなぜ手術を選択したのか。その後の副作用の状況と併せて、その番組に再度出演して話してもらえればと思うのだが。

 

前立腺を全摘手術しても20%の確率で癌が残ると言われる。くだんのA氏も該当してしまった。前立腺を全摘すればPSAはゼロなるハズだが、時間の経過とともに値が上がり0.2

を超える (放射線治療の場合は前立腺は残っているからPSAが最低値から2.0)と残っていると判断される。それから放射線治療をするのであれば最初から放射線治療を選択すればよかったということになる。前立腺が無くなっているのに、放射線治療するには、摘出後の結び目に向けて当てるしかない。ファントム相手では周りの正常細胞を傷つける公算も高い。担当医師は早く決着させたいとA氏に迫る。私は「そんなに慌てることはない。それに不味い蕎麦を食べ後次にラーメンなら蕎麦屋のラーメンではなくラーメン専門店に行くだろう。放射線治療を得意とする病院に替えるべきだ」と言った。が、またしても聞いてもらえなかった。彼は医師に言われたまま直に放射線治療を受けたが、結局PSAは下がらず、最後の手段とも言うべきホルモン療法も始めてしまっている(前立腺がんの餌となる男性ホルモンを止めてがんを眠らせるだけでいずれ目が覚める。それを再燃するという)

 前立腺がん予備軍の方の参考になればとA氏のケースを長々と書いたが、最後に関心が高いであろう男性機能への影響について触れる。A氏は手術に同意する際医師から「前立腺を摘出する際周りの神経も切断することが往々にして起こりうる」との説明を受けた。最後に医師は殺し文句を発する。「だけど、命の方が大事でしょ!?」と言われれば患者は皆黙ってしまう。手術後しばらく経ってA氏が医師に「叩いても何してもピクリともしない」と訴えると、医師は「だから言ったでしょ。神経が切れると」と言い返す。もうリスク100%の話にすり変わっている。

 手術でも、今はダビンチ手術と呼ばれる、外科医の操作による内視鏡・メス・鉗子を 動かして行う内視鏡手術が主流となっている(宮本氏の場合も多分そうだろう)。体への負担も少なくなり、勃起神経を切ることも避けられるケースが多くなっているという(いずれにしろ手術すれば前立腺はなくなるので、射精感があっても?精液は出なくなるハズ)

放射線による私の場合は、治療の副作用で、前立腺は残っているのに射精障害(前立腺というオアシスが砂漠化したイメージ)となってしまった。

60代の男は、「まだ男として現役でいたい」と「もう卒業でよい」との二手に分かれる(医師も客商売なのでどちらも否定はしないが)。私は当然前者(使い道があるかは別問題)だが、よりによってそうなってしまった。副作用は肛門痛、直腸出血等色々あるというのに。

勃起に関して言うと、私とA氏の場合との違いは、A氏は携帯で言えば電源が入っていない状態。私の場合は電源は入っているが電波が弱い状態と言えるか。手術のように神経が切れてはいないが、放射線にあたり神経が麻痺しているのだろうか。それでも7年経過した今(再発もなく)EDは大幅に改善されている。射精障害は直る見通しは立たないが。

 週刊誌等で放射線治療は副作用がないかのような記事を見ることがあるが、それは正しくない。放射線治療でも副作用はある。治療を施すということは、そういうことなのだ。QOL(生活の質)を下げる。個人差はあるにしろ。

ただ、私が結果オーライだったのは、初めてPSAを測った時4を超えていたが直に生検(肛門から針を撃って前立腺の細胞を採取)をしなかった。PSA10を超えたらするつもりだった。それで5年間もQOLの低下が猶予された。生検を受けたのはPSA10を超える前に尿道から出血したため。「雉も泣かずば撃たれまいものを」と思ったが、今は「何ぐずぐずしている。早く検査を!」と癌自身が成敗されるのを覚悟して忠告してくれたと思い直している。前立腺から癌が外に出るギリギリのとろで知らせてくれたと恩に着ている。

もっとも、生検は早ければ早いほどよいという訳でもない。PSAが一度4を超えた程度では、直に生検するのは考えもの(MRIは一度撮った方がよいが)。癌が見つからなければ何度も不快な生検をする羽目になる。癌が見つからなければ癌とは認定されないし、保険も適用されない。PSAの推移、MRIの画像などを見て生検時期を判断するがよいのでは。

 

私はX線のトモセラピーを選択した訳だが(A氏にも勧めた訳ではあるが)、それが最善と言うつもりはない。外照射法としては陽子線や重粒子線を活用した方法もある。また、前立腺に線源を埋め込み、内部から放射線を当てる組織内照射(密封小線源)という方法もある。手術しかしない医師は手術しか薦めないと同様放射治療治療においても、例えば組織内照射専門の医師はそれしか勧めないものだろう。がんの進行段階、保険の適用の有無、メリット・デメリット等を自分なりに勉強し、医師たちの意見も聞き、自身で何を選択するか決定してもらえればと思っている。くどいようだが、「前立腺がんは放射線治療ありき」に変わるべきと言っているだけで、手術を全面否定している訳ではない。放射線治療も検討の上、前立腺肥大が酷い人が(前立腺がんが前立腺外に浸潤していない段階であれば)後腐れなく手術で前立腺を全摘する決断をするのなら、エールを送っても否定することはない。

 

癌の治療自体は、たとえ医師でも自分自身で行うことはできない。他の医師に委ねるしかない。どの治療法を選ぶかは、医師でも、医師でなくとも、自分で決めることはできる。

治療法を、自分で決めても、医師任せにしても、我々凡人は結果が悪ければTOHO-HOと後悔してしまう。しかし、自分で決めたのであれば他人を恨むことはない。他人を恨んで人生の最後を迎えるのは悲惨だ。その死に顔は穏やかなものにはならないであろう。

 

2019. 11臨時号 NO.123  TOHO VS TOMO (1)

 TOTOは、昔東洋陶器と言った、トイレ等住宅設備機器のTOPメーカー。totoは、イタリアのtotocalcio(サッカーくじ)由来の日本のスポーツ振興くじ(販売元は日本スポーツ振興センター)roto(ロト)は自分で番号が選べる宝くじ。

 米国ではrotoに似た宝くじで女性が860億円を当てた。確率から言えば奇跡みたいなことだが、この女性は“宝くじの神様”から祝福されたのではない。試されているのだ。

当選直後に会社に明日から行かないと連絡した。もう人の道を外している。子がいれば、子があてにし真面目に働かなくなる。分けてもらえないなら早く逝け!と大合唱するかもしれない。さらに、蜜に向かう蟻のように他人が押し寄せてくる。銀行、証券、不動産ならまだしも、知らない親戚や詐欺師らが。誘拐を心配し、他人が信じられなくなる。

加えて、日本では欧米にはない「世間」というものから酷く妬まれるとして、当選者は公開されないし、高額当選者は口外するなと注意されるという。

 

TOHOは東宝。宝くじとは関係ない。東京の宝塚劇場の略ということか。TOHOシネマズのインターネット販売Vitを利用して、私は毎週のように映画館に勉強しに行く(妻は遊びだと譲らないが)。なるべく空いている平日に行くようにしている。

TOHOシネマズでは、月曜はauマンデー、火曜はシネマイレージデイ、水曜はレディースデイとか割引がある(私自身はシニア割引を利用している)が、その曜日は避け、木曜か金曜に行くことが多い。人が多いと集中できない。映画を観ながら食べている人も我慢ならない。子供じゃあるまいし2時間ぐらい我慢できないのか。周りに迷惑をかけないようにとアナウンスするTOHOは吸い過ぎに注意をと言うJTの親戚か。真っ暗になってから入場してくる人にもイラつく。それも横列の真ん中の方の席の人が(「そんなに文句言うなら家で見れば」てか。新作を早く見たいし、劇場では迫力が違う。昔梅田の劇場で初作『エイリアン』を見たが音響効果も相まって本当に怖かった)

 一番眉を顰めるのは、老人はオシッコが近いのが相場なのに真ん中の席に陣どって途中トイレに席を立ち数人に迷惑をかけていること。若者は老人を敬い、労わる。老人は若者に甘えず極力迷惑をかけない様にする。これが麗しい老若関係というものだ。

かくいう私自身は、劇場が明るい内に席に座るし、飲食物を口にしない。唯一懸念するのはトイレ。(前立腺がんの治療後はかなり改善しているが)前立腺肥大でトイレが近く途中トイレに立つことを想定して、ネットで予め出口に近い方の横列一番端の席を確保しておく。空いていれば頃合いを見て内側の席に移動したりする。端の席を予約しておけば安心でめったに途中でトイレに行くことはない。

 

 TOMOの会というのがある。江戸川病院のトモセラピー(TomoTherapy;強度変調放射線治療を行う専用機)による前立腺がんの放射線治療でがんと闘った患者、いわゆる戦友の会。

トモセラピーは360度あらゆる方向から、細い放射線ビームを病巣めがけて狙い打つため、標的(前立腺)にはたくさんの放射線をピンポイントで当て、他の正常細胞(直腸など)の損傷を抑えることができる。現在当病院はトモセラピーを3機保有しており、1機目で治療した患者を1()生と呼ぶ。私は2機生に当たる。本当の戦友ほどではないが、共にがんと闘った者同士の連帯感がある。1機生は大変だったと思う。放射線治療にも副作用があり、6か月後ぐらいに思いがけず直腸から出血する場合もある。「大腸がんになったか!?」と1期生はさぞかし驚いたことだろう。私など2機生は1機生の体験談やアドバイスを受け、不安を解消させることができた。

 私は治療を受ける5年ほど前に幼児のごとく通勤途中でオシッコが我慢できなくなり、それを契機に定期的に血液検査でPSA(前立腺腫瘍マーカー)を測ることにした。最初から4.00ng/mL(以下単位は省く)を超えており癌罹患のグレーゾーン(410)にあった。3年程ストレートに右肩上がりに数値は上がらず癌の可能性には半信半疑であった。がしかし、癌の場合を想定してどの治療方法を選ぶかネットや雑誌等で自分なりに調べ、癌と判明すれば、トモセラピーでの治療を選択することに自身で決めていた。

 生検で癌を調べる病院も決めており、癌と判明した時その病院は手術しかしていないので、その病院には悪いが、私のデータを添えて江戸川病院に紹介状を書いてもらった。

 

私が土日休日を除いて(仕事をしながら) 2012年9月から連続38回のトモセラピーによる放射線治療(放射自体は3)を終えた頃、当時勤務していた業界団体の3歳年上のある役員(以下A氏という)にアドバイスした。「PSAを測ったことがないなら一度調べた方がよい」と。私の助言を受けA氏はPSAの血液検査を受けたところいきなり10を超えていた。それで生検を受けると癌が見つかり、しかも悪性度を示すグリーソンスコアも私より悪かった。治療するにあたり私は自身における二度の全身麻酔による手術の経験、放射線治療の効用等を説明し江戸川病院によるトモセラピーを推奨したのだが。

しかし、前立腺がん患者としては先輩の私の言うことよりも癌治療が得意と言えない病院の医師の言うことをA氏は選択した。そして、手術を終え退院したA氏は私に「手術は金輪際こりごりだ。尿道カテーテル等管だらけにされた」と言った。それが1日だけではなく数日間強いられる。A氏は手術経験がなく私の話を軽く受け流していたのだろう。

 胃の摘出手術と違い体の奥まったところにある前立腺手術は簡単ではない。そんな大変な手術を、天皇(現上皇)70歳になられる年の2003 (平成15)1月にお受けになられた。当時高齢者には前立腺がんの手術をしなかったため、成人病予防で私が通っていた開業医は「陛下が手術されたので手術年齢が上がってしまった」と言っていた(後述するように陛下ご自身に責任がある訳ではない。念のため)

 

2019.11 NO.122 リウッド VS リウッド(2)

今回のテーマで本ブログを書くにあたって、その後に発刊された『神さまのカルテ3』とスターウォーズのエピソード1に相当する、主人公が一人前の医師になる前の医学生、研修医時代を描いた『神さまのカルテ0』とを文庫本で読んだ。

 『神様のカルテ3』で、主人公栗原一止内科医30歳、東西直美主任看護婦28歳と明示されている。作者の夏川草介氏もその分身である小説主人公一止も30歳なのだが、私は本からの印象では、40歳前後の人が書いていると思っていた。映画公開された20118月ては櫻井翔さんは29歳で年恰好はおかしくない。だが、アイドルたがら苦労を知らないとは思わないものの、慶応ボーイ、甘いマスクで、歳よりも若く見えてしまう。

作者も小説の主人公も国立信州大卒だが文系の私にとって馴染みがない。東大医学部に入った高校の同級生は、かつて「(東大でなくとも)医学部の人はみな優秀だ」と言っていた。

そんな優秀な医師が、救急病院で昼夜を問わず過酷な日常に追われ、その中で、誤診により患者を死なせる恐怖、家族から一方的な訴訟を受ける難儀、日進月歩の医療技術や知識から取り残されるとの焦燥感、神様のカルテ(私は天寿と理解)に対する医療の限界等それらが医師に重くのしかかる。実年齢よりも上に見えても不思議ではないと思う。

 医師でもある作者自身はどう見ているのか。第1作の映画化後の作品『神様のカルテ3』の話の展開の中心となる、自身の誤診により夫を膵臓がんで亡くす小幡女医が嵐の大ファンであるとの設定からすれば、櫻井さんで納得していると見るのが妥当ということか。

 

『神様のカルテ3』はまだ映画化されていない。しがない一ファンの願いではあるが、俳優を替えて、ぜひ映画化してほしいものだ。007シリーズ、スーパーマン、スパイダーマン等の映画でも主役が入れ替わっているから、問題ないだろう。

主人公の一止役には、齋藤工さんか、もっとさわやかさが必要なら向井理さんでは。

ちなみに、齋藤工さんは、第1作の映画が公開された2011年当時テレビ東京で『最上の命医』(原作漫画は小学館の『週刊少年サンデー』で連載)で小児外科医役を演じている。

私の好きな東西看護婦は、切れ長の目、色白、細長い腕と作者が書いているから、北川景子さんでどうだろう。主人公と妻ハル(榛名)との関係は武士とその妻のようであり、ハルは(日々愚妻にイビられる私にすれば)天使のようで現実味がない。医師と看護婦の関係ながら厚い信頼関係の中でタメ口で軽口をたたき合う主人公と看護婦との掛け合い場面が好きだ。独身の東西には恋心があると見ていたら、第3作でそれが本当だと分かった。賎陋な私でもベットシーンの挿入がお決まり?の経済小説とは訳が違うと理解しているが、消毒液の匂いが漂う病院で甘酸っぱい香りが一瞬立っただけで肩透かしを喰らった感じがした。映画化があるなら、二人の絡みをもう少し広げてもらえればと思う。

他の俳優には、大狸こと板垣先生役には西田敏行さん、小幡女医役には、(ジャニーズの若手との醜聞?を契機に糟糠の事務所女社長と袂を分け私の中で好感度が下がったが)吉田羊さんでどうだろう。西田さんとの面白いアドリブ合戦が見られるかもしれない。

 

 もう一冊映画化してもらいたい本がある。台湾の二・二八事件を題材したノンフィクション『汝、ふたつの故国に殉ず』(角川書店)がそれだ。日本人で台湾に渡った父と台湾人を母とする、畏敬すべき坂井徳章(台湾名・湯徳章)については、本ブログ20177月号 NO.73(「二・二八事件 VS 二・二六事件」)で触れた。国民党が内省人を弾圧した1947年二・二八事件の折、暴動の首謀者として濡れ衣を着せられ拷問されたが、決して台湾人の名前を挙げることなく、多くの台湾人の命を救った。その恩を台湾の人々は今も忘れない。

 それを映画化してほしい。主人公の坂井徳章役は風貌が似ている、西郷どんの鈴木亮平さんがいい。若い人に観てもらいたいからサブキャストは人気の若手俳優陣で固めて。

 なお、1989年に制作された台湾映画『悲情城市』は二・二八事件を題材にしておりベネチア国際映画祭で金獅子賞を受賞している。

反日が国是の中国や韓国とは違い、台湾は一番の親日国だ。植民地にされたこともあるのに、今も日本人を尊敬し(政治家をはじめ今の日本人がそれに値するか疑問だか)、日本にあこがれを抱く。それに対して、長男が台湾女性と結婚するまでの私のように、日本人は台湾人の想いに応えていない。映画を機に台湾との友好の絆が一層深まることを期待する。

 今1024日から日本で初めてのPGAツアーゴルフトーナメントが開催される(日本最高優勝賞金約2億円とタイガー・ウッズ選手やマキロイ選手が参戦ということで話題を呼ぶ)。そのスポンサーとなったファッション通販の社長がこの度退任し持ち株の大半も手放した。宇宙旅行実現の夢に取り組むという。

自身の才覚と努力で得たお金を何に使おうが勝手ではあるが、月旅行ができる財力があるなら、映画1本を作るぐらいのことはお安い御用だろう。

芸能人の彼女共々、やっかむ「世間」の好感度はいまだ地を這ったままのようだが、意義のある映画のスポンサーになるなら、好感度は先に月に到達するほど急上昇すると思うのだが。何!?「人様にものを頼む態度ではねーべー」てか。んだな。

 

2019.11 NO.122 リウッド VS リウッド(1)

 次の日曜日10/6に競馬の凱旋門賞が行われる。本題に入る前に少し触れたいと思う。

 日本から3頭が参戦する。挑戦するハズであった今年のダービー馬ロジャーバローズは引退で挑戦がなくなった。早い引退は誠に残念だ。が、もともと私は英愛仏のダービーやオークスに勝利すれば凱旋門賞にチャレンジする権利はあると思うが、馬場の違う日本のダービーを勝ったからといって挑戦資格があるとは思っていない。2016年日本ダービーを勝ちその年の凱旋門賞で惨敗した3歳牡馬マカヒキの二の舞になり、馬の受ける肉体的、精神的ダメージを懸念する。日本の現役最強牝馬・4歳アーモンドアイが血統(キングカメカメハ系)、斤量(58)、馬場適性、馬の負担等を勘案し断念したのは英断と言える。

3歳は斤量が有利」と言っても、凱旋門賞3連覇を狙う女傑エネイブルとの差は1.5(3歳牡馬56.5㎏、4歳以上牝馬58)に過ぎない。昨年58㎏でエネイブルは勝っている。

 ちなみに、2008年~2018年の最近の11年間における凱旋門賞馬の内訳は、3歳牝馬5頭、4歳牝馬3頭、3歳牡馬3頭。牝馬が圧倒的に優勢となっている。

 欧州の競馬と日本の競馬は別物。欧州を転戦した5歳ディアドラが日本調教の牝馬として史上初の英G1に勝ったことにより、馬場の馴れの問題とする見方が強まろうが、凱旋門賞は一流馬が勢揃いするハイレベル。日本で育成・調教され高速馬場で走る日本馬の中では圧倒的3冠馬のディープインパクト(以下ディープ)やオルフェーヴル級に挑戦資格があると思う。

 期待の4歳牡馬のフィエールマンには、今年は国内G1狩りに専念し、3冠馬ではないにしろ亡き父ディープの後継と認知される成績を残してから来年挑戦して欲しかったのだが。

それでなくても、今年は大本命の上述5歳エネイブルが今年も順調G1を連勝(通算10連勝中)しており、その後に英インターナショナルSG1連勝の3歳牡馬ジャパンがおり、その他仏ダービー馬ソットサスらの有力馬も出走する。

 とはいえ、「競馬はやってみないとわからない」と反論する向きもあろう。たしかに、2010年重馬場の凱旋門賞でクビの差2着になったナカヤマフェスタ(翌年良馬場で11)例もある。良馬場の方が凸凹して走りづらく重の方がかえって日本馬が対応できるという見方がある。重馬場になれば地元の馬の優位性がなくなるとの意見もある。他の2着日本馬も、エルコンドルパサーの1999年は不良馬場。2年連続2着となったオルフェーヴルの2012年、2013年も重馬場。今年も馬場が渋れば日本馬にチャンスがあるのかもしれない。

普段夜11時過ぎなら寝ているが、眠い目をこすりながらでも、ディープの直仔フィエールマンと外孫キセキ(母の父がディープ)が亡き父・祖父の果たせなかった夢を叶えるよう応援したいと思う。ディープの仔・孫ではないが日本馬プラストワンピースも一緒に。

 

さて、今回のテーマは映画。妻の「また行くの!?」とのイヤミを背に、週に一度は勉強と称して映画館に足を運ぶ。映画は卒職した身でのお気楽な日常から非日常の世界に誘ってくれる。精神を高揚させてくれる。

洋画は、ハリウッドの米映画界、人気俳優阿部寛さんが出演が夢と言ったというポリウッドと呼ばれるインド映画界に加え、ヨーロッパ(英、仏、独、伊、露等)やアジア(中・韓香港)等世界の映画界で制作される。いきおい邦画よりも洋画を観ることが多くなる。

 洋画では、ハリウッドの娯楽大作ももちろん観るが、ナチス、戦争、スパイ関連の映画を観ることが好きだ。戦争を知らない私にとって、戦争の悲惨さ、愚かさが実感でき、戦争に行った先達が二度と戦争を起こしてはならないとの訴えが理解できる。

心優しき我が妻は血が流れるバイオレンスを嫌う。女優マリオン・コティヤールさんがアカデミー主演女優賞に輝いた 2007年制作『エディット・ピアフ〜愛の讃歌〜』の映画が夫婦で見た映画の中で一番好きだと言っている。妻と一緒に観る時は人情の機微を映し出すヨーロッパ映画かミュージカルを鑑賞するようにしている。

 邦画は、今JKを対象にした恋愛映画やアニメが多いのではないか。ガキがそのままシジイになった私でもさすがに観ようとは思わない。大人向けの映画が少ない中でジャニーズのメンバーが主演する映画は少なくない。賛否はあろうが、私は、ジャニーズの経営陣には不信の目を向けるが、ジャニーズのメンバー主演の映画を観ることに抵抗はない。

中でも木村拓哉さん(以下キムタクと呼ばせてもらう)の映画は、平成5年末銀行を辞めて夜外での飲食が減った以降、とくに型破りな検事役の『HERO』、パイロット役の『GOOD LUCK!』レーサー役の『エンジン』(堺雅人さんを初めて知る)等ほとんどのTVドラマを観ている。映画も同様で、『武士の一分』、劇場版『HERO』、『無限の住人』、『検察側の罪人』に加え、今正月公開された『マスカレード・ホテル』(私にはとてもホテルマンは務まらないと思った)も当然観ている。

 

私とはまったく正反対で「カッコいい」「何でもできる」「男らしい」。そんな20歳以上も年下のキムタクに憧れに似た想いを抱いていた。SMAPの独立騒動後もそれは変わらない。闇営業問題に端を発した吉本のお家騒動の折人柄のよさを垣間見せた明石家さんまさんがそうであるように。キムタクはSMAPファンから裏切り者扱いだが、私の性格なら女性経営陣に反発してメンバーと一緒に事務所を飛び出す。しかし、妻子のあるキムタクが家族と相談し残留したならば、それは責められない。家族を顧みず勝手に銀行を辞め妻子に迷惑をかけた私には(そもそもキムタクにしか、いい年した男たちに妻帯が許されなかった?ことがメンバーの不協和音の元凶ではないのか)

キムタクなら癌など病気になっても故高倉健や故萩原健一、故夏八木勲のように素振りも見せないだろう。男らしくない私は前立腺がんに罹患したとき周りに言いまくった。同情を得るかのように(カラオケ仲間の若い女性に「一度だけ、お願い!」と泣きついてみたが、すぐ逝く怖い癌ではないと知ってか、「一度だけじゃ、イヤ!」と軽くいなされてしまった)

そんな私でも、『SPACE BATTLESHIPヤマト』(201012月公開)だけは違和感を覚えた。主人公古代進役をキムタクが演じたのだが、一人浮いている感じがした。キムタクの為に書かれた脚本ならよいのだが、アニメの『宇宙戦艦ヤマト』での主人公イメージが強いからなのだろう。一方、『武士の一分』も作家藤沢周平の『盲目剣谺返し』が原作なのだが、読んでいないので先入観もなく問題なかった。

 

 イメージが違うと言えば、映画『神さまのカルテ』(20118月封切)もそうだ。普段歴史小説ぐらいしか余り小説を読まない私がしかも医療小説を読んだ。『神さまのカルテ』(小学館)が発刊された2009(8)の前年私自身前立腺がんが疑われていた。その頃成人病予防で通院し癌の相談もしていた50代の開業内科女医がすい臓がんで半年かそこらであっと言う間に亡くなり大きなショックを受けていた。それで読む気になったのかもしれない。

 読んで感銘を受け、続いて20109月発刊された単行本『神さまのカルテ2』も直に購入した。知人らに進んで貸し出しもし、甥の看護師にも読むように勧めた。

この小説はきっと映画化されるに違いないと期待した。すると実際映画の話が進み、主人役にジャニーズ『嵐』の櫻井翔さんだと分かり、自身が思い描いて人物イメージと違い、(ファンには申し訳ないが)がっかりした。思い入れが強い分その反動で急速に関心を失っていった。

 

 

2019.9 NO.121  たい VS たい(2)

日本にも大きな影響を及ぼす、2月末の2回目の米朝首脳会談は物別れに終わった。しかし、後戻りできない米朝トップは、突如6/30に板門店で3回目の首脳会談が行われた。

北朝鮮の核保有はソ連、中国の大国に翻弄された朝鮮戦争の手痛い教訓から金日成の遺言?となり新憲法にも載る。核を完全放棄すれば金正恩委員長といえども失脚するだろう。

北朝鮮の最終的譲歩は新しい核は造らない(既保有核の完全なる廃棄はしない)ことではないか。日本にとって悪夢は、それをトランプ大統領がのみ、終戦宣言、平和協定に繋がり、ひいては韓国からの米軍撤退に帰結することだ。それでは、若き狼(北朝鮮)に赤ずきんちゃん(韓国)は飲み込まれてしまう。さらに一国二制度での中台統一が実現すれば、日本は完全に孤立する。核を持つべきではない、また物理的に持つことができない日本は在留米軍に撤退してもらうというよりは「ぜひ日本に留まってください」と懇願せざるを得ない。真の独立国家への道はますます遠のいてしまう。

日本の安全保障にとって重要なことは、韓国がSouthKoreaであり続けること。ロシア・中国・北朝鮮独裁国家に向かい、韓国が前衛に位置し、中衛に台湾と日本が位置し、後衛に大将米国が陣取り、「自由と民主主義」への防衛体制を維持強化しなければならない。米国とは同盟関係。台湾は無二の親友。韓国とは罵り合っても兄弟の縁は切ってはならない。

ところが、北朝鮮との統一を夢見る韓国文政権の日本に対する軽視や無視する態度に業を煮やし?韓国に対して行った輸出管理強化策は、文大統領に逆手にとられ、却って反日を煽る文大統領に対する国民からの支持率を一時的に上昇させた。

韓国の反発に対し、外務省OBは徴用工問題の報復の為にもと冒頭で口をすべらせてしまった失敗を論い外務省を外して行った官邸や経産省を暗に非難した。一方経産省OBはもともと「特別一般包括許可」制度があるので輸出規制でも何でもないと慌てて火消した。

韓国経済の一層の低迷を誘発させ2022年まで任期のある韓国文在寅政権のレームダック化と北朝鮮との融和を進める進歩派(反日はもとより反米、親中、親北)政権の継続阻止を目指した戦略的意図があるのかと思ったが官邸にはそんな意図はなかったということか。

それならば、安倍首相は最悪の事態を避けるべく文大統領とトップ会談すべきであった。が、癇癪を起したままで、そうしなかった。それを文大統領はまた利用(文大統領の最側近・法相候補曺国氏のスキャンダル報道から韓国民の目を逸らす)、あろうことか、米日韓防衛体制の象徴・軍事情報協定GSOMIAを破棄してしまった。

韓国民自体は、観光都市・首都ソウルで行政による日本製品不買運動の旗設置に対して抗議して撤去させた。GSOMIAの破棄への反対の声も多いことを考えれば、今回は「反日」ではなく、「反安倍首相」であり、疑惑の曺国氏を法相に任命強行した「反文大統領」では。

日本の安全保障の観点からに加え経済への影響も見過せない。政治の役割は経世済民。政治が徒らに経済を不振にして日韓両国民を苦しめることがあってはならない。

戦略的無視と言っているが、その後どんな絵を描いているのか。従来の日本がとってきた「とりあえずの謝罪、譲歩」はすべきではないが、官邸で独裁する首相と青瓦台で独裁する文大統領とでトップ同士の差しの話し合いを一刻も早くすべきではないか(首脳会談とは聞こえが良いが同盟国でもないプーチン大統領個人と友好を深めている場合ではない。北方領土の問題は安倍首相の拙速な言動でロ国民を怒らせてしまい少なくとも安倍首相の在任中は棚上げのままだろうに)

 

台湾においては、習近平国家主席による「台湾同胞の利益と安寧を守る」という一国二制度による平和的中台統一に支障が生じたと言えるだろう。

6月の香港の200万人を動員したデモ(現在は「逃亡犯条例改正」反対だけではなく要求を拡大させている。中国化への恐怖心、反中意識を露にしたデモ隊と香港警察との衝突激化に対して、とりあえず逃亡犯条例改正案が撤回され、武装警察による鎮圧は避けられた)は、一国二制度がまやかしであること世界に再認識させたと同時に台湾人に勇気を与えた。

 台湾は戦後40年に及ぶ国民党による恐怖政治を経た後民主化を得て30年になる。白色テロの時代に逆戻りすることを台湾人は拒絶するだろう。若者も外省人の三世ですら台湾人としてのアイデンティティを持っている。習近平国家主席が国民党を通じて「一国二制度」による中台統一を強行すれば香港以上の大規模なデモ、衝突が起きることになろう。

 中国共産党は、アラブの春ならぬ“アジアの春”が香港、台湾を経て中国本土に飛び火することを懸念する。中国共産党にとって、米国より怖いのが、10億人以上の農民層。賤が貴を倒し、新しい国名の独裁国家が生まれる歴史が繰り返されること。それを恐れる。

中国の価値観は「貴・賤」。中国農民は、貧富格差自体は是として、自らが賤に置かれていることに対して怒る(中国人の価値観は根本的に社会主義とは相容れない)

 任期中に習国家主席が平和的方法により中台統一を図ることは難しいと言えるだろう。

 

習国家主席は面子にかけて任期中に中台統一を図るべく武力行使することはあるのか。

人民解放軍は1979年中越戦争以降1989年に天安門で人民に戦車を向けたことしかしていない。それ以降“人民弾圧軍”は訓練と実験しかしていない。

今やロシアを凌ぐ世界第二の軍事大国とも言えるが、日清戦争の時と同じく「眠れる獅子ではなく、張り子の虎。軍兵士の人質が低い、愛国心が無い」と侮っている者達に「目にもの見せてやる」と人民解放軍はいきり立っているのか。

武力行使すれば、米国の台湾関係法に基づき米国と開戦することになる。中国が沖縄の嘉手納米軍基地を攻撃すれば、安保法制から否応なしに日本も戦争に巻き込まれる。

 2014年に日本語版が出た、トム・クランシーの遺作小説『米中開戦14(新潮文庫)では、台湾海峡における戦闘、サイバー攻撃等において中国側が優位とする視点に立ち、開戦を強行しようとする中央軍事委員会主席を米国政府の秘密情報組織が中国内で暗殺し、国家主席が自害することで話を終わらせている。

 現実の世界では、中央軍事委員会主席も兼務する習国家主席の目を国内に転じさせる。つまり、農民の蜂起を煽る、農民を束ねる指導者を支援することが考えられるか。それは現状米国のCIAに委ねるしかないし、簡単なことではない。

 一番良いのは、内には経済停滞、外には米国との軋轢と香港、台湾のナショナリズムの抬頭を招く習国家主席の「世界一の強国」を目指す強圧・強硬路線を中国北戴河会議のメンバーが危ぶみ習氏を失脚させる。あるいは、それを察知して習国家主席が軌道修正することではあるのだが。