2019.11 NO.122 リウッド VS リウッド(1)

 次の日曜日10/6に競馬の凱旋門賞が行われる。本題に入る前に少し触れたいと思う。

 日本から3頭が参戦する。挑戦するハズであった今年のダービー馬ロジャーバローズは引退で挑戦がなくなった。早い引退は誠に残念だ。が、もともと私は英愛仏のダービーやオークスに勝利すれば凱旋門賞にチャレンジする権利はあると思うが、馬場の違う日本のダービーを勝ったからといって挑戦資格があるとは思っていない。2016年日本ダービーを勝ちその年の凱旋門賞で惨敗した3歳牡馬マカヒキの二の舞になり、馬の受ける肉体的、精神的ダメージを懸念する。日本の現役最強牝馬・4歳アーモンドアイが血統(キングカメカメハ系)、斤量(58)、馬場適性、馬の負担等を勘案し断念したのは英断と言える。

3歳は斤量が有利」と言っても、凱旋門賞3連覇を狙う女傑エネイブルとの差は1.5(3歳牡馬56.5㎏、4歳以上牝馬58)に過ぎない。昨年58㎏でエネイブルは勝っている。

 ちなみに、2008年~2018年の最近の11年間における凱旋門賞馬の内訳は、3歳牝馬5頭、4歳牝馬3頭、3歳牡馬3頭。牝馬が圧倒的に優勢となっている。

 欧州の競馬と日本の競馬は別物。欧州を転戦した5歳ディアドラが日本調教の牝馬として史上初の英G1に勝ったことにより、馬場の馴れの問題とする見方が強まろうが、凱旋門賞は一流馬が勢揃いするハイレベル。日本で育成・調教され高速馬場で走る日本馬の中では圧倒的3冠馬のディープインパクト(以下ディープ)やオルフェーヴル級に挑戦資格があると思う。

 期待の4歳牡馬のフィエールマンには、今年は国内G1狩りに専念し、3冠馬ではないにしろ亡き父ディープの後継と認知される成績を残してから来年挑戦して欲しかったのだが。

それでなくても、今年は大本命の上述5歳エネイブルが今年も順調G1を連勝(通算10連勝中)しており、その後に英インターナショナルSG1連勝の3歳牡馬ジャパンがおり、その他仏ダービー馬ソットサスらの有力馬も出走する。

 とはいえ、「競馬はやってみないとわからない」と反論する向きもあろう。たしかに、2010年重馬場の凱旋門賞でクビの差2着になったナカヤマフェスタ(翌年良馬場で11)例もある。良馬場の方が凸凹して走りづらく重の方がかえって日本馬が対応できるという見方がある。重馬場になれば地元の馬の優位性がなくなるとの意見もある。他の2着日本馬も、エルコンドルパサーの1999年は不良馬場。2年連続2着となったオルフェーヴルの2012年、2013年も重馬場。今年も馬場が渋れば日本馬にチャンスがあるのかもしれない。

普段夜11時過ぎなら寝ているが、眠い目をこすりながらでも、ディープの直仔フィエールマンと外孫キセキ(母の父がディープ)が亡き父・祖父の果たせなかった夢を叶えるよう応援したいと思う。ディープの仔・孫ではないが日本馬プラストワンピースも一緒に。

 

さて、今回のテーマは映画。妻の「また行くの!?」とのイヤミを背に、週に一度は勉強と称して映画館に足を運ぶ。映画は卒職した身でのお気楽な日常から非日常の世界に誘ってくれる。精神を高揚させてくれる。

洋画は、ハリウッドの米映画界、人気俳優阿部寛さんが出演が夢と言ったというポリウッドと呼ばれるインド映画界に加え、ヨーロッパ(英、仏、独、伊、露等)やアジア(中・韓香港)等世界の映画界で制作される。いきおい邦画よりも洋画を観ることが多くなる。

 洋画では、ハリウッドの娯楽大作ももちろん観るが、ナチス、戦争、スパイ関連の映画を観ることが好きだ。戦争を知らない私にとって、戦争の悲惨さ、愚かさが実感でき、戦争に行った先達が二度と戦争を起こしてはならないとの訴えが理解できる。

心優しき我が妻は血が流れるバイオレンスを嫌う。女優マリオン・コティヤールさんがアカデミー主演女優賞に輝いた 2007年制作『エディット・ピアフ〜愛の讃歌〜』の映画が夫婦で見た映画の中で一番好きだと言っている。妻と一緒に観る時は人情の機微を映し出すヨーロッパ映画かミュージカルを鑑賞するようにしている。

 邦画は、今JKを対象にした恋愛映画やアニメが多いのではないか。ガキがそのままシジイになった私でもさすがに観ようとは思わない。大人向けの映画が少ない中でジャニーズのメンバーが主演する映画は少なくない。賛否はあろうが、私は、ジャニーズの経営陣には不信の目を向けるが、ジャニーズのメンバー主演の映画を観ることに抵抗はない。

中でも木村拓哉さん(以下キムタクと呼ばせてもらう)の映画は、平成5年末銀行を辞めて夜外での飲食が減った以降、とくに型破りな検事役の『HERO』、パイロット役の『GOOD LUCK!』レーサー役の『エンジン』(堺雅人さんを初めて知る)等ほとんどのTVドラマを観ている。映画も同様で、『武士の一分』、劇場版『HERO』、『無限の住人』、『検察側の罪人』に加え、今正月公開された『マスカレード・ホテル』(私にはとてもホテルマンは務まらないと思った)も当然観ている。

 

私とはまったく正反対で「カッコいい」「何でもできる」「男らしい」。そんな20歳以上も年下のキムタクに憧れに似た想いを抱いていた。SMAPの独立騒動後もそれは変わらない。闇営業問題に端を発した吉本のお家騒動の折人柄のよさを垣間見せた明石家さんまさんがそうであるように。キムタクはSMAPファンから裏切り者扱いだが、私の性格なら女性経営陣に反発してメンバーと一緒に事務所を飛び出す。しかし、妻子のあるキムタクが家族と相談し残留したならば、それは責められない。家族を顧みず勝手に銀行を辞め妻子に迷惑をかけた私には(そもそもキムタクにしか、いい年した男たちに妻帯が許されなかった?ことがメンバーの不協和音の元凶ではないのか)

キムタクなら癌など病気になっても故高倉健や故萩原健一、故夏八木勲のように素振りも見せないだろう。男らしくない私は前立腺がんに罹患したとき周りに言いまくった。同情を得るかのように(カラオケ仲間の若い女性に「一度だけ、お願い!」と泣きついてみたが、すぐ逝く怖い癌ではないと知ってか、「一度だけじゃ、イヤ!」と軽くいなされてしまった)

そんな私でも、『SPACE BATTLESHIPヤマト』(201012月公開)だけは違和感を覚えた。主人公古代進役をキムタクが演じたのだが、一人浮いている感じがした。キムタクの為に書かれた脚本ならよいのだが、アニメの『宇宙戦艦ヤマト』での主人公イメージが強いからなのだろう。一方、『武士の一分』も作家藤沢周平の『盲目剣谺返し』が原作なのだが、読んでいないので先入観もなく問題なかった。

 

 イメージが違うと言えば、映画『神さまのカルテ』(20118月封切)もそうだ。普段歴史小説ぐらいしか余り小説を読まない私がしかも医療小説を読んだ。『神さまのカルテ』(小学館)が発刊された2009(8)の前年私自身前立腺がんが疑われていた。その頃成人病予防で通院し癌の相談もしていた50代の開業内科女医がすい臓がんで半年かそこらであっと言う間に亡くなり大きなショックを受けていた。それで読む気になったのかもしれない。

 読んで感銘を受け、続いて20109月発刊された単行本『神さまのカルテ2』も直に購入した。知人らに進んで貸し出しもし、甥の看護師にも読むように勧めた。

この小説はきっと映画化されるに違いないと期待した。すると実際映画の話が進み、主人役にジャニーズ『嵐』の櫻井翔さんだと分かり、自身が思い描いて人物イメージと違い、(ファンには申し訳ないが)がっかりした。思い入れが強い分その反動で急速に関心を失っていった。