脈診して不整脈があることに気付く場合があります。


その様な場合は、かならず循環器内科の受診をすすめて下さい。


不整脈の原因疾患として期外収縮・心房細動などがあります。


時には生命を脅かす疾患(心筋梗塞など)が原因である場合もあります。


不整脈に対して鍼灸治療は有効な場合が多いです。


期外収縮・心房細動では治療直後に脈が強くなり、不整脈が改善する場合がかなりの頻度で見られます。


心経への刺鍼・頚動脈刺鍼などが有効です。

患者さんの訴えの中には薬の副作用による症状が入っていることがあります。


一番多いのは、胃のもたれ・食欲不振です。


多くの薬の副作用に記載されているものです。


抗生物質の服用で良く見られます。


(予想以上にうつ病で来院する方は多いです。)


ふらつき・集中力低下は抗不安薬の副作用で出現します。


患者さんの訴えの中には薬の副作用による症状が入っていることがあります。


抗生物質・抗うつ剤・抗不安薬を勝手に中止すると症状増悪の原因となります。


(抗生物質は飲みきることが原則です。途中で中止すると耐性菌が出現し易くなります。)


患者さんには以下のことを説明して下さい。


1.薬の副作用で症状が出現している可能性があること


2.薬は中止しないようにすること


3.症状に対して治療を行なうが、薬を服用していない人に比べて効果が良くない場合もあること


また、胃のもたれ・食欲不振は足三里の施灸のみで改善することも多いのでお試し下さい。

口渇・便秘は抗うつ剤の副作用で良く出現します。

たまにお金がないので治療費を安くしてほしいと言われることがあるようです。


治療費を特定の人に値下げすることは良くないので止めた方が良いと思います。


その理由として、


1.不公平である。


2.経営的に良くない。


3.自分の治療の価値を下げてしまう。

経済的に苦しい方には、値下げをせずに治療回数を減らすことをお勧めします。

治療をしていると、患者さんのほくろが良性のものなのか、悪性黒色腫なのか迷うことがあります。


悪性黒色腫を肉眼で診断するのは困難ですが、6つの鑑別ポイントがあります。


1.全体の形が非対称的である。


2.縁が凹凸不整である。


3.色の濃さが不均一で、黒・青・茶褐色などが混ざっている。


4.大きさが7mm以上である。


5.隆起している箇所がある。


6.大きさ・形が変化している。


上記の症状があれば悪性黒色腫の可能性があるので、皮膚科を受診していただいた方が良いと思います。


皮膚科では皮膚を10倍程度に拡大して診る事が出来るダーモスコープで非観血的に診断をしています。

直接灸をすると悪化する皮膚病があります。


天疱瘡という疾患です。


今までに2人治療したことがあります。


1人目は来院前に他の鍼灸師に治療を受けていました。


皮膚(背部の兪穴)に多数大きな水疱・痂皮ができていました。


その鍼灸師の施灸が下手なためだと思っていたようです。


皮膚科の受診を勧めて天疱瘡という診断が下りました。


私は知熱灸と鍼治療をしましたが、特に問題ありませんでした。


もう一人はすでに皮膚科で天疱瘡の診断を受けていました。


鍼灸は絶対にしてはいけないと医師に言われたとのことでした。


鍼は少数穴にして施灸は灸点紙を使いました。


それで大丈夫でした。

天疱瘡では軽く皮膚を傷つけただけで水疱が出現します。


また、ニコルスキー現象といって皮膚を擦上すると水疱が出現します。


したがって直接灸以外にマッサージも場合によっては病気を悪化させる治療となる可能性もあります。

天疱瘡は自己免疫疾患で、治療はステロイドを使います。

時々家族に強く勧められて、渋々受診する方がいらっしゃいます。


鍼灸に対して本当に効くのかと疑問に思っている場合が結構あります。


その様な場合には、その病気がなぜ鍼灸で効くのかを科学的に説明する必要があります。


更に、現代医学の治療法と比較してどちらを選択するのかというところまで考えて頂くことが重要です。


もし現代医学の治療法の方が確実に良くなり、副作用もほとんどないのであれば、現代医学の治療法を選択していただいても良いと思います。


しかし、現代医学では治療法がなかったり、非常に副作用の強い治療法しかないのであれば鍼灸治療を選んでいただいた方が良いと思います。


最終的に本人が自分の意志で治療法を選択し、治療に対し強い意欲がないと治療を継続することは困難だからです。

鍼治療をしていると、内出血しやすい人がいらっしゃいます。


高齢者で前腕部(特に手背)に自然に内出血が起こるものは老人性紫斑です。


加齢により血管支持組織が弱くなるため、気づかない程度の刺激で紫斑が出来るものです。


ステロイドを長期使用していると、やはり血管支持組織が弱くなり、紫斑ができやすくなります。


明らかな出血傾向がある場合(鼻出血・歯肉出血など)は血小板減少性紫斑病などの病気である可能性もあるので、専門医を受診していただいた方がいいと思います。

色々な方を治療していると、白眼の部分が真っ赤になっているが、他に何も症状がないことがあります。


実は1年ほど前に私自身がこの症状を体験しました。


眼の酷使・飲酒などが誘因となりますが、特に原因が分からないことも多いそうです。


この症状は「結膜下出血」によるものとの事です。


2週間前後で出血したところが吸収されるので治療は不要との事です。


ウィルス感染でも出血が起こるそうですが、眼痛・異物感・羞明などの症状を伴うことが鑑別ポイントとの事です。

治療をしていると、「咳がなかなか治らない」という訴えを時々聞きます。



3週間以上持続している咳の主な原因として「後鼻漏」と「逆流性食道炎」があげられます。


「後鼻漏」は鼻汁が喉に落ちるもので、アレルギー性鼻炎・非アレルギー性鼻炎(血管運動性など)が原因としてあげられます。


治療は尺沢・照海・母趾内端(足第1IP関節内側)の施灸、通天の刺鍼などを行なっております。


「逆流性食道炎」の症状としては、胸やけ・酸・嚥下困難・胸痛・吐血などです。


胃酸の逆流が咳の原因との事です。


症状が強い場合は内科を受診して、胃内視鏡の検査をして頂いております。


治療は尺沢・照海の施灸と内関・陽陵泉の鍼を行なっております。

前胸部から悸肋部にかけて体動・深呼吸で痛み、痛みの部位に限局した圧痛がある場合があります。


介達痛があれば肋骨骨折を疑い、整形外科でレントゲンの検査を受診していただくことが必要です。


心電図・レントゲンで異常が認められない場合、肋軟骨炎の可能性があります。


患側上肢の水平方向・後上方の牽引による痛みの誘発が特徴的です。


原因は風邪などのウィルス感染・打撲などがあり、原因不明のものも多いとの事です。