この記事の画像には

ナメクジを連想させてしまう画像が含まれています。

苦手な方はご注意ください。

 

舞鶴フィールドミュージアムや琵琶湖博物館のHPではカタツムリの種類と生育環境を知ることができた。しかし飼育方法と生態については、noteかどこかの個人ブログにとてもお世話になった。

なのに、そのブログが見当たらない。

2021年暮れまでは確かにあったのだけどあせる メモしときゃよかったあせる

 

ツムちゃんが来るまで、私が知ってたカタツムリの種類は

クチベニマイマイのみ。あとはみんな一括、「カタツムリ」で済ませていた。

地域を限っても、オオケマイマイ、ニッポンマイマイ、ウスカワマイマイ、こんなにいっぱい種類があるなんてあせるかたつむりと、

新しい世界が開けた気分。

 

欲深い私は、琵琶湖博物館が「身近にいるカタツムリのなかま」で紹介するカタツムリの中で、ツルガマイマイに目が留まった。レア度は★★★★。

奇特な読者の方の利便を考えてページをアップしてみたよ!

読めない文字は、博物館サイトで確認してねほっこり(2024.07.01)

 

滋賀基準だから、敦賀ではもう少し一般的な(レア度★2くらいの)マイマイかもしれない。しかし、この二十余年でクソほど開発されまくった敦賀市中を鑑みるに、レア度★3くらいに珍しくなっていてもおかしくない。

 

……小さなツムちゃんをじっと見た。

じっと見たけど、小さすぎて模様がわからない。

体の色もはっきりしない。てか、殻も体も透けてる汗

でも、もしかしたらツルガマイマイ

バカは希望的観測で未来を望む。そして私はバカである。

俄然、このツムちゃんの育成に多大なやる気が出た。

(いま思うと、このやる気が乳癌の進行を多少遅らせたような……)

 

ツムちゃんを家に迎えた翌月、私はたまたま気分転換に競馬仲間のいる喫茶店にいた。カフェオレを飲んで、小一時間して帰ろうとした時に、ふと、マスターに「カタツムリを見つけたから飼うことにした」と報告した。

「え゛?カタツムリ?なんでまた」。

怪訝な顔でマスターが聞き返すや否や、カウンターにいた酔っ払いのおっさんが「何!? カタツムリはてなマーク」と、白い歯を見せて嬉しそうにこちらを見た。店の常連のようだが、知らない人だ。

 

カタツムリはフタを持たない陸巻貝の総称。種類別に言うときは「マイマイ」と言う。

ナメクジはカタツムリが進化したもの。ナメクジの背中を触ると突起がある。それがカタツムリだった頃の殻の名残り。

日本にカタツムリは800種類以上いる。大きく移動できないから地域ごとに進化したりしてそれぞれ特性を持つ。

カタツムリを飼うなら甲イカの骨を干したカトルボーンが必須。柔らかいから小さなカタツムリにも食べやすく、殻を大きくするのに役立つ。インコのエサとして大抵の大きなスーパーで売ってるから試してみたらいい。

カタツムリは基本的に悪食。クチを触ってみたらわかるけど、けっこう鋭い歯を持ってる。それでなんでも削り取る。

 

……おっさんは、上記以外にもいっぱい(いっぱいすぎて覚えられなかった)、カタツムリについて教えてくれた。というか、ほぼ独り舞台の熱弁。ジェスチャーを加えて交尾の様子まで教えてくれた汗

おっさんと書いたが、頭髪のせいで老けて見えるだけで、実は私より十歳近く若いのだった。

聞くと、生まれ育ちは大阪市内。大学も大学院も大阪で、福井に単身赴任する前はカタツムリを千匹繁殖させたことがあるそうな。なるほど、敦賀だけでなく福井県内にも、ネイティブにはいそうにない『ザ・関西人』タイプ(旧来の大阪人の良さは率直なところで、この先生もすごく率直)。

 

おっさん、もとい、F大学で教鞭をとっているというこの先生にはそれ以来、とてもお世話になっている。

ツムちゃんは後日、期待のツルガマイマイではなくナミマイマイと判明したが、可愛いことには変わりがないし、周囲に「カタツムリを見つけたらワシにくれ」と吹聴してたおかげで、この6月19日に、市東部の山間で兼業農家をしている方が、違う種類のカタツムリを2匹、捕まえておいてくださった。

これはウスカワマイマイ

小さいけど生命力旺盛な、畑の害虫である。

 

そして……

次が 閲 覧 注 意

 

どでどでどど~ん!!

これが待望のツルガマイマイ!!

大きいけれど、ツルガマイマイもナミマイマイも、

基本は森林に棲む子たちだから人工的な環境にとても弱い。

自然保護センターではツルガマイマイと同定されたが、

先生はミスジマイマイとの混種ではないかと見立てた。

 

早速、先生に画像を送りましたとも。

県の自然保護センターにも画像を送って同定してもらい、

先生からの連絡を受けて、ケージを持って例の喫茶店へ。

夜だったので、お客さんは先生と私と敦賀名物かたパン店主の3人のみ。

マスターも一緒にツルガマイマイを確認しつつ、

カタツムリの話に花を咲かせ、そこからセミの話になり、

モリアオガエルの話になり……

 

生き物の話がこんなにできる、とてもいい夜になったほっこり

ツムちゃんがきっかけで生れたご縁、

カタツムリちゃん、ありがとねほっこり

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苦手な方はご注意ください。

 

 

心情的には「一緒に暮らしている」つもり。

これまで枕元にケージを置いて添い寝?してたのだが、

今年の4月アタマに捕獲して去勢した元野良猫が

私の布団で寝るようになったので、

泣く泣くカタツムリのほうを移動、

別の部屋で過ごしてもらうことにした。

 

2024.06.19撮影

 

名前は「ツム」ちゃん。

2021年11月、ツムちゃんは、ウチではないお寺の野墓の竿石(○○家先祖代々とかお題目が刻まれてる部分)に、寒風にさらされながらひっそりとついていた。

最初は砂ゴミがついていると思った。それほど小さかった。

 

カタツムリの飼育を、私は過去に1度失敗している。

ガレージの外壁にいた大型のカタツムリを、

8月の暑気と忙しさに負けて死なせてしまったのだ。

……というより、「カタツムリは冬眠だけでなく夏眠もする」ことを知らなかった私が、死んだと思って腐りかけたレタスとともに葬ってしまった可能性が高いので、そのことも大きな負い目になっている。

マイマイカブリやカラスにやられないようにと保護しても、

死なせてしまったら同じこと。

その悔いが強くて、「今度こそ」の気持ちで持ち帰った。

 

ネットでカタツムリの情報を調べ、

虫籠サイズじゃないちゃんとしたケージを買い、

土や砂の上に桜の小枝や落ち葉を大量に敷き詰め、

カルシウムのためにコンクリートブロックのかけらや卵の殻を入れ、湿らせるための霧吹きも買い――。

 

下矢印持ち帰って約2週間後のツムちゃん下矢印

2021.12.10撮影

 

下矢印さらに約半年後のツムちゃん下矢印

2022.06.06撮影

 

おわかりいただけるだろうか。

砂ゴミ状に小さかったものが、

半年もすると、立派なカタツムリに成長。

初めは、

小さな体で桜の小枝の表皮をじょりじょりと削り取る様が

可愛くて可愛くてドキドキ

そのうち「これは食べるだろうか、あれはどうだろうか」と

試したくなり、丸○ハンバーグの巨人心で見守ったほっこり

 

初動時にずいぶん助けられたネット情報は、

舞鶴フィールドミュージアム下矢印

 

琵琶湖博物館フィールドレポーター下矢印のもの。

https://www.biwahaku.jp/uploads/2013_1st_report.pdf

↑こちら↑は文字の多いPDFファイル。

全15枚のうち、最後のほうの13枚目は全国、

14枚目と15枚目の2枚は滋賀県だけでなく

近畿全域と北陸西南部地域で活用できる優れものである。

 

京都府と滋賀県には、野山自然の生き物の研究者や趣味人が、大学等の研究機関だけでなく、在野にも多い。

「おカネになるか、ならないか」

「食べられるか、食べられないか」

そうした人間社会の“役立ちごと”にかかわらず、

「面白いから」「好きだから」で興味を持って接し、知見を広げてくれる方々の存在が、私にはありがたく嬉しい。

 

ただ、家業と身体の事情から、そうした方々と直接にお会いすることが叶わず、ブラウザゲームと競馬で“生活から逃げる”習慣が続いていた。

ツムちゃんが来るまでは。

計画にしたがって、気長に投薬治療を続けなくてはならないとき、「クール」という言葉が使われる。

この「クール」、調べてみるとドイツ語で、「治療期間(のひと区切り」を意味するのだそうだ。

 

てことは、以前に書いた〈わたしの抗がん剤投与計画〉の

1コースが1クールということなのだろう。

〈主治医から「○クール」と言われても、計画のどこをさすのかさっぱりわからなかったあせる

 

第1弾

1週目 キイトルーダ+パクリタキセル+カルボプラチン

2週目 パクリタキセル+カルボプラチン

3週目 パクリタキセル+カルボプラチン

以上を1コース(クール)として4回繰り返し

 

第2弾

1週目 キイトルーダ+エピルビシン+エンドキサン

2週目 キイトルーダ+エピルビシン+エンドキサン

3週目 キイトルーダ+エピルビシン+エンドキサン

以上を1コース(クール)として、これも4回繰り返し

 

先日(2日前)、第1弾の2クール目を終えた。

点滴投与前には採血と血圧測定がある。

5月初旬に受けた検診結果と比較して、

今の私の体の状況は、

 

・基準値以下…赤血球数、ヘマトクリット、総蛋白、アルブミン、総ビリルビン(直接・間接とも)

・基準値越え…ALT、LD、CK、CRP

 

主治医さんは「問題ない」とおっしゃったが、

検査結果の数値評価でHとLが増えてるのは

素人的にとても怖い。

骨髄抑制による貧血と、肝機能障害が始まってるようだ。

実際、脱毛が酷くなってから、味覚障害が明瞭になった。

塩味がまったくわからないのだ。

甘みや唐辛子系の辛みはわかる。

でも塩分を舌がまったく感知してくれない。

 

2クールめ最後の投薬を受けた日は、

朝から頭がぼんやりしていて、

病院で測った血圧は、上が60台で下が44

看護師さんは「あら、低いわね」と言いながら

それまでの私の測定値を見て「もともと低いんだわ」と、

納得した感じでスルーしておられたが、

自分的には「ああ、どこか出血してるな」と感じた。

その日の夕方、風呂に入ろうとして気がついた。

左の足首の外くるぶしと

アキレス腱あたりの毛細血管が破れたのだろう、

ぐるりが赤黒く変色していた。

「BMI30越えで、年齢65歳超」の内出血足首なんざ

誰も見たくないだろうから写真は載せないが、

癌治療の日々は毎日がスリルの連続なのだと思い知った。

 

まぁワシの場合、

60年超も生きてこれたんだから、

楽しく生きんとしゃあないわな。