転移が発覚して次のCT検査までの間、最初は悶々とした日々を過ごしていましたが、そのうち、また私の中のお気楽な性格が出てきて、「なるようにしかならんわ」と考えるようになってきました。(←この楽観的思考が良くもあり、悪くもある汗

 

 3月8日、その日は年に一度の猫ドック(←私が勝手に命名した)の日でした。人間ドックのように、猫を1日動物病院に預けて、血液検査、尿検査、エコー、レントゲン検査などをしてもらいます。

 

 私の家には、元々5匹の猫がいました。16年前、1匹のシングルマザー猫が我が家のガレージで4匹の子どもを出産し、保健所に連絡することを躊躇しているうちに、いつしか我が家を占拠するようになったのです。(←野良ニャンがよく使う手口に見事引っかかったということです汗)5匹との生活は、とても大変でしたが、子どものいない私にとっては、輝きに満ちた愛おしい日々でした。しかし、その猫たちも次々と亡くなり、今では1匹の女の子しか残っていません。今では16歳になって、すっかり老猫ですが、それでも私にとっては、我が子同然です。

 

 

 この子は数年前から、腎臓の値があまりよくありません。でも、腎臓病食に切り替えるまでではなく、気になる症状といえば、季節の変わり目に猫喘息で咳が続き、時々呼吸困難になるということぐらいです。体重もあまり変わっていないし、食欲もそれなりにあるので、猫ドックの結果もそれほど心配していませんでした。

 

 ところが、獣医さんから、思いがけない指摘がありました。レントゲン画像の背中の一部を指して、獣医さんは言いました。

 

 

 獣医さん「ここ・・・何かがあって、背骨が湾曲しているように見えるんですが」

 私「それって、腫瘍ってことですか?」

 獣医さん「今の段階では何とも言えません。1ヶ月ぐらいしたらもう一度レントゲンを撮って、大きさの変化を診てみましょう」

 私「そこ・・・人間でいうと、何と言う部位ですか?」

 獣医さん「う~ん・・・胸膜の一部ですね」

 

胸膜!?

 

 私はゾッとしました。

 この子は、私の身代わりになっているんじゃないか!?

 これまでの猫たちと同じように・・・

 

というのは、亡くなった4匹は全て、家族が何らかの危機に直面したときに、まるで身代わりのように亡くなっていたからです。

 

 最初に亡くなった子は、この子と同じ女の子で、私が仕事の辛さで「うつ状態」になり、円形脱毛症がいくつもできて、希死願望があったときに、悪性リンパ腫で亡くなりました。その子の病気が発覚して以来、私はその子の通院や看病で必死になりましたので、いつの間にか円形脱毛症も希死願望もなくなっていきました。

 

 次に母猫が亡くなりました。その直前に母が大腸ガンの手術をしていました。母猫の死因は腸のガンでした。(その子は横隔膜ヘルニアも併発していたので、どの部分が初発だったのか解らないままでした)

 

 次に男の子が亡くなりました。ちょうど弟が膀胱ガンの手術を受けた後でした。弟は血尿が出て、総合病院への紹介状を出してもらいながら、仕事が忙しかったこともあり、3年放置していました。ガンはかなり大きくなっていたのですが、不思議と、どこにも転移していませんでした。死因は、猫にしては珍しく肺ガンでした。酸素室をレンタルして、一生懸命介護しましたが、最期は酸欠状態になって、酸素室の中でもがき苦しみながら息を引き取りました。

 

 そして、昨年、男の子が亡くなりました。私の乳ガンが発覚する少し前です。その子は、急に痩せてきて、ご飯が食べられなくなって、でもレントゲン上、何も悪性らしきものは写っていませんでした。そのうち、瞳孔が開きっぱなしになり、足がふらつくようになり、トイレで用を足すことができなくなりました。この時点で、獣医さんから「脳腫瘍」だと言われました。この子の闘病はかなり短く、てんかんを繰り返し、あっという間に亡くなってしまいました。

 

 

 そういうことがありましたので、今回「胸膜に何かある」と言われたとき、ゾッとしたんです。

はっきり言って、この子が身代わりになるぐらいなら、

自分が死ぬ方がずっといいと、私は思っています。

だから、この子を撫でながら言い聞かせました。

 

 身代わりになんか、ならなくていいよ。

 お前が死ななくても、おかぁちゃん(←私のこと)は自分で治すから。

 お前はずっと長生きしていいんだよ。

 

一日に何度も何度も撫でては言い聞かせました。

 

 

 

 4月8日、この子の二度目のレントゲンを撮りました。胸膜にあった白いものは消えていました。背骨も湾曲していませんでした。私が、ホルモン剤と分子標的薬を飲み始めて1週間後のことでした。

 

 私の思い過ごし、ただの偶然なのかも知れません。

 こんな話は、作り話だと思われるかも知れません。

 でも・・・これは本当の話で。

 

 私には、我が家にいた猫たちが、そういう形で飼い主に恩返しをしたのではないかと思ってしまうのです。